『108回死んだ僕ら』(製作2024/公開2025)
映像制作ユニットatto(6)scrawll(アトロクスクロールル)活動1周年記念作品とのこと。
監督・脚本・編集 浅井日向
主題歌 「余命百年」朝昼夜(あさひる よる)、山田喜大
河野祐真、小林紗菜、浅井日向、重岡琉、前橋佑樹、東優花、梅村淳子、梅村健則、佐久間雄大、古味靖朗、松下和美、他。
平成のベストセラー作家迎井夢言が亡くなり、腹違いの5人の子供たちが葬儀のため実家へ集まる。昔々はその5人の妻と一夫多妻制を実践するがごとく敷地内に共に暮らしていたが、亡くなった妻もおり、やがてバラバラになった。
実家で暮らしている長男元=はじめ(河野祐真)は妻子持ちだったが離婚して子供にも会えずにいる。長女の逢瀬=おうせ(小林紗菜)は美容関係で成功し今や一企業の社長。次男の縫=ぬい(浅井日向)はシナリオライターとして活躍中。父親のように小説家を目指しているが芽の出ない三男の周=めぐる(重岡琉)はフラフラと生きている。それから末っ子の幸=あかり(前橋佑樹)は大人しく内気な大学生。この5人の子供たちが金銭的に不自由な思いをすることなく生活できてるのは、親の金があるからで、今回父親が亡くなったことで更に遺産が入ることになる。特に困ってもいない彼らは等分に分けることに異論はない。それよりも、末っ子の幸以外の4人には、共通の秘密があった。縫の下にいた弟紡=つむぐの死因だ。
なぜ紡が亡くなったのか、なぜ秘密にしておいたのか、父親が亡くなったことでまるでタガが外れたかのように、罪悪感から解き放たれる方法を具体的に模索し始め、実行に移す兄弟…。
葬式までの数日を5人の視点から描き、明らかにされていく重大な秘密。その秘密による苦しみがよく表現されていた。
ラスト、縫が"死ななくてもよかったかな"みたいなことを言う。自死する人の気持ちはわからないし、ほんの一瞬の気の迷い、または激しい自責の果ての行動と想像するが、その時、その瞬間「あ、うそうそ、間違い、やめて、止めて、時間、戻れ!」と思わないのかな、後悔しながら死んでいってるんじゃないかなと想像してしまう。だから、まさにこの"死ななくても"という台詞は「それな」と思ったし、やり直しの効かない、たった一つの命の重みを感じる。
実際どうなんだろう、よく、命に関わる危険な目に会うとこれまでの思い出が浮かんでくる表現「走馬灯のように…」が使われるけど、そうなって最後の最後に「やめたい!」と思ったりして!?なんて思うのだけどどうだろうか。
『ポリエチレンテレフタレート』の涼とは真逆の周というキャラクターをみごとに作り上げてる重岡琉が素晴らしかった。
atto(6)scrawll作品を見たのはこれが2本目。台詞が等身大で、同年代の人達には通じるだろうけど、一般的にはその含みがわかりにくいんじゃないかなと今回も思った。
しかし相変わらず上手い。映像も演出も演技も。センスがあるのだろうな。今後も同じように作っていくのか、新たなチャレンジもするのかわからないけど、形が新しいだけに期待しちゃうユニット。
★★★★
YouTubeにて配信されています。
12月13日に都内で新作上映とファンイベントがあるらしく、そこで残念ながらメンバーの一人、河野祐真が抜けるとのこと。詳細はYouTubeチャンネルにて。
Instagramもあるようなので、興味のあるかたはぜひ検索してみてください。





