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これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

監督・脚本 小南敏也(『クロガラス』シリーズ、他)

音楽 Big Shallows

主題歌 崎山つばさ「正偽」(3)「叫べ」(0)

 

崎山つばさ、植田圭輔、菅田俊、渡部秀(3)、越智ゆらの(3)、徳山秀典(0)、中﨑絵梨奈(0)、他。

 

新宿歌舞伎町を拠点に、裏社会のトラブル解決を引き受ける解決屋「クロガラス」の話。どんな依頼も金さえ払えば引き受ける合理主義で冷静沈着さを持つその「クロガラス」リーダー神崎黒斗(崎山つばさ)と、身体能力にも長け裏稼業にも精通している実務担当の真郷悠哉=まさとゆうや(植田圭輔)が主人公。

 

 

『クロガラス-黒鴉-3』(2021)

 

かつて歌舞伎町でその名を馳せていたものの、悠哉も属していたチームの仲間を裏切り、金を持ち逃げした真柴理玖(渡部秀)が再び名をあげようと戻って来る。当初は黒斗の「クロガラス」を買収するつもりだったが、物別れに終わったので、同じ解決屋「ホワイトナイト」を立ち上げる。

さっそく政治家権藤(稲森誠?)の愛人で女子大生の香月沙織(越智ゆらの)の捜索依頼が「クロガラス」「ホワイトナイト」に舞い込む。解決屋は二つもいらないという、歌舞伎町を牛耳るヤクザ加奈井組の組長加奈井(菅田俊)の企みも入り、成功すれば多額の報酬、失敗すれば抹消という勝負に挑むことになる。

実は沙織はただの愛人ではなく、凄腕のハッカーであり、権藤が必死になるのも当然だった。汚い手を駆使する「ホワイトナイト」、頭脳戦の「クロガラス」の勝敗は…。

 

まあ、勝つんだけども。その代わり沙織は別人になる必要があり、その後日菜という名前で「クロガラス」のメンバーに加わることになる。つまり、前作に出ている日菜の誕生編とも言える。ちなみに、整形もすることになるので、配役が変わっててもOKなわけ…よ…。

 

 

 

『クロガラス-黒鴉-0』(2021)

 

黒斗が解決屋「クロガラス」を立ち上げる前日譚。

幼少期に両親を亡くし兄と離れ離れになった黒斗。最後の手紙の消印が新宿だったことから、ヒーローになることを夢見ていた黒斗は歌舞伎町の警察官になる。理想に燃え、正義を貫く黒斗だったが、この街の警察官は賄賂はあたりまえ、事なかれ主義で汚職にまみれており、半グレ相手に大物政治家の息子ユアサ(石橋侑大)というだけで頭も上がらない。そんな中、黒斗は熱い刑事兵頭一馬(徳山秀典)にみそめられ下につくことになる。そして連続タタキ事件で共に街の清浄に取り組むが、兵頭には真の目的があった…。

 

黒斗は兵頭に裏切られる形になり、警察を辞めて独自の方法、解決屋として街の健全化に務めるようになったわけだ。実の兄にも会えるが、そうとは知らず黒斗の目の前で命を落とすことになる(その時の黒斗の慟哭がなかなか良かった)。そんな兄の思いも継がれている。また、赴任当初の先輩警官イザワムラタダオが、その後のホームレス情報屋(森羅万象=しんらまんぞうとなる過程も描かれている。

 

どちらもそこそこ面白かった。設定が古い気がするけど。これからも続くのかな。一応前日譚(日菜、ホームレスじーさん含め)が描かれたんでこれで終了でもきく。

 

 

★★★

 

 

 

制作 LEONE

配給 エイベックス・ピクチャーズ

 

 

 

 

『人間標本』(2025)Amazon prime 全5話

原作は湊かなえの小説。

 

監督 廣木隆一(『やわらかい生活』『軽蔑』『きいろいゾウ』『オオカミ少女と黒王子』『彼女の人生は間違いじゃない』『ママレード・ボーイ』他)

 

西島秀俊、市川染五郎、伊東蒼、荒木飛羽、山中柔太朗、黒崎煌代(くろさきこうだい)、松本怜生、秋谷郁甫(あきやいくほ)、宮沢りえ、他。

 

花の周りを蝶が舞い、小川が流れる美しい山中で、六人の少年の遺体が標本が如く飾られたガラスケースが発見される。その遺体は体を切断され、きれいに残されてるのは顔を含む頭部だけ。そして蝶をコラージュしたアーティスティックな作品に昇華されていた。

ほどなく、大学で蝶の研究をする榊史朗(西島秀俊)が自分がやったと出頭してきた。その六人の中には自分の息子である至(市川染五郎)もいた。史朗は取り調べようにも狂気じみていて「人間の一番美しい時を標本にした」と言うのだが、経緯を語っているうちに五人の少年を殺害し作品に仕上げたのが至だったことが判明する。それにより、全罪を背負うため至を手にかけたことがわかる。さらに、収監された史朗に、昔からの友人であり今回の事件の発端ともなった画家の一ノ瀬瑠美(宮沢りえ)の娘杏奈(伊東蒼)が面会にやってくる。そこで衝撃の新事実が明かされる…。

 

話は余命いくばくもない瑠美が自分の後継者を選出するという名目で、五人の芸術家を目指す少年を集める。さらに至も招かれ、史朗も青年たちの送迎を担った。というのも、そこは史朗の画家だった亡父(村上淳)のアトリエもある別荘で、瑠美に譲った家だった。瑠美の母親は病死していて、美しい時の母親の肖像画を父が描いた縁があった。

子供の頃、蝶には人間には見えない色覚があるということに興味を持った史朗は蝶の世界を標本にする。その標本をいたく気に入った瑠美にプレゼントした。瑠美は史朗が望んでも得られない蝶の目を持っていて、画家の道へ進んだ。自分には才能がないと気づいた史朗は画家になるのを諦め蝶の研究者になった。そんな背景がありながら、果たして本当の目的は何だったのか、本当は何が発端だったのか、そもそも本当に史朗がやったことなのか、じわじわと真実が判明していく。

 

ミステリー。

 

てか、やはり湊かなえは面白い(未読)。ドラマでは適度に不自然な表現、演出があり、気にはなっていながらもうまいこと先に進められていく。少しずつ明らかになってく事実と真実が今更どうにもならないことであり、ものすごく気分悪くモヤモヤし、しんどいのが気持ちいい。

もう、至も絵はうまいが秀でた才能はなく、杏奈もどう頑張っても瑠美の後継者にはなれず、という背景がもうキツくて心地よい。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

『麻希のいる世界』(2022)

 

監督・脚本 塩田明彦(『さよならくちびる』他)

劇中歌 NUMBER GIRL「排水管」向井秀徳アコースティック&エレクトリック「ざーざー雨」

 

新谷ゆづみ、日髙麻鈴、窪塚愛流、井浦新、青山倫子、鎌田らい樹、八木優希、大橋律、松浦祐也、他。

 

青野由希(新谷ゆづみ)は子供の頃からの重い病気をかかえている。昔からの病棟仲間城島聡美(八木優希)とは誰々が亡くなったと、生きている仲間より亡くなった仲間を数えているほど、生死の不安に常に面している。それでも1年遅れだが高校2年生になった。そんな由希の環境は、主治医の井波宗介(井浦新)と母親の青野良枝(青木倫子)が不倫の末の再婚に向かっている。その井波の息子の祐介(窪塚愛流)は同じ高校生で、宗介の不倫からの家庭崩壊に複雑な思いを持ちながらも由希に想いを寄せている。由希は自分の病気、馴染めない学校生活に孤独を感じているのだから、母親と宗介の関係、祐介の想いには到底応えられない。そんなある日、父親が犯罪者であり、自身も悪い噂が立っているため徒党を組まず常に一人で行動している同級生牧野麻希(日髙麻鈴)と出会う。他人の声など気にもせず誰に媚びることもしないその姿に由希は惹かれ、交友を深める行動に出る。やがて麻希の音楽の才能に気づいた由希は、軽音部に所属している祐介の力を借りながらなんとか麻希をその道に導いていこうとする。けれど、麻希のことばかり気にかける由希に、どうやっても想いが届かない祐介は、ついに思い詰めて事件を起こしてしまい…。

 

麻希は記憶をなくして別の街、別の名前で違う人生を送る。由希は事件とそこから派生した事案のショックから失語症になってしまう。それでも麻希に会いたい由希は宗介にかけあい居所をつきとめ訪ねる。何も覚えてない麻希がいたが、唯一、由希を友達だったと認識し、そして男関係で揉めてることだけは変わってなかった、そのことが、おそらく由希は「麻希が麻希であること」の最たるものと思え涙が溢れてきたのではないか。

由希の麻希への想いは恋愛というよりは執着のように思える。麻希の才能を開花させようと躍起になったのは、自分が生きた証にもなるから。「生きる」ことへの執着が形を変えて現れてたのではないか。もちろん、「好き」という気持ちはあるだろうけど、その「好き」さえも、麻希の頭の中に自分を残し、自分が生きてる実証を得たいが故のように思った。たぶん、麻希に倣って男たちと体を重ねることも同じ理由。麻希は金のためであったり、ある種自暴自棄気味であったけど、由希のはそうではないと思った。まだ生きている実感、生きている自分を他人に植え付ける、それだけが欲しかったのではないか。

 

冒頭に「風を見張る 風はわたしたちを目的地へも地獄へも連れていくから」という言葉が表示される。私の解釈からは、この意味はわからなかった。でも、風が人間関係や抗いようのない自分を含める人の行動であるならば、それを一般的には運命と言うのだろうけど、風を見張ったところでなるようにしかならない、つまり人生は受け入れるしかないという諦念じゃないのかなと思える。

 

塩田明彦の作品は、『さよならくちびる』しか観たことないけど、それは音楽と女の子同士の友愛だった。どうもこの時、新谷ゆづみと日髙麻鈴も出ていて、役名が今作と同じだったようだ(記憶にない)。描きたいものがそこで触発され出来たということなのかな。

 

日髙麻鈴はどこか池脇千鶴のイメージがあって、その麻希としての芝居も緩く柔らかく、期待してしまう役者さんだった。役柄もあるだろうから、仕方ないかもしれないけど、窪塚愛流の芝居は常に喧嘩口調で疲れた。同じように周りの者全てが敵であるかのような口調の由希(新谷ゆづみの芝居)もいまひとつ納得がいかなかった。

 

★★★★(★)

 



 

 

 

配給 シマフィルム

『でっちあげ』(2025)

原作は福田ますみのルポルタージュ著書。

 

監督 三池崇史(『ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない』『クローズ』シリーズ、他』

脚本 森ハヤシ

 

綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也、小林薫、北村一輝、光石研、木村文乃、安藤玉恵、大倉孝二、美村里江、迫田孝也、東野絢香、高嶋政宏、峯村リエ、小澤征悦、飯田基祐、三浦綺羅、他。

 

事実に基づいた作品。

 

2003年、小学校教諭の薮下誠一(綾野剛)は土砂降りの雨の中、保護者面談に出かける。家庭訪問にしては遅すぎる時間。薮下が担任を務めるクラスの生徒、氷室拓翔(三浦綺羅)のマンションに着くと、その母親氷室律子(柴咲コウ)は申し訳なさそうに迎え入れる。少し乱暴な印象の薮下に、機嫌をうかがいながら対応する律子。話は拓翔の発達障害の話、祖父がアメリカ人で純粋な日本人ではないこと、太平洋戦争の反米意識、そこから派生して「穢れた血」が拓翔には流れていることなどで律子を否定していく。その会話は当然拓翔にも聞こえていて…。

その後、拓翔への体罰以上の虐めばかりか、自殺未遂まで起こさせ、PTSDで入院にまでなったと学校へ乗り込んできた氷室律子とその夫(迫田孝也)。ことなきを得たい校長ら(光石研大倉孝二)はとにかく薮下に謝罪を強要。しかし問題は大きくなる一方で、保護者会での断罪、偏向意識の強い記者(亀梨和也)による週刊誌報道、ついには民事訴訟までに発展する。けれど、真実は…。

子供好きで一念発起して教師となった薮下を信じ支える妻(木村文乃)、息子も力になる。また、拓翔に虐めを受けていた純也の母親(安藤玉恵)の協力、人権弁護士湯上谷(小林薫)が味方となり「殺人教師」とレッテルを貼られた薮下の名誉回復、「でっちあげ」を解いていく。

 

報道の怖さ、今ならSNSの拡散で誤った情報の流布、それら、善意の第三者、無関係の者の正義感による誤解はなかなか解けないという怖さが描かれている。ついに記者は誤りに気づくことなく(いや、もしかしたら気づいたけど撤回出来なかったのかも。自尊心が上回って)終わったのが腹立たしいが、現実そんなもんだろうと思えてリアリティがあった。世間の目も、その時々盛り上がり、誤った解釈で延々継がれていくんだろうなぁというのがまた腹立たしい。でもそれもそんなもん。

これよりは軽い話になるが、よく芸能人の不倫が話題になると、どちらかに味方につき相手方を否定しまくる。自分の生活には1ミリも関係ないのにだ。この延長線にこの作品のような正義の断罪があると思う。暇なのかな。

 

10年後、薮下の懲戒停職の記録も抹消される、そこまで描いていたけど、テロップで良かったんじゃないかな。小学校教諭が続いているのも数枚の写真コラージュでいいんじゃないかと思ったし、妻が亡くなってるのも描く必要なかったんじゃないか、息子の教育実習に向ける言葉も、あまり気の利いた台詞ではなかったし、ラストは冗長すぎたように思う。泣けるしムカムカするしと、とてもいい話に展開だったのでもったいないなと思った。

 

亀梨和也の使い方(脇に徹底させてる)が冷淡で感心した。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

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ヨーロッパ企画第44回公演『インターネ島エクスプローラー』(2025) 本多劇場

作・演出 上田誠

音楽 王舟(おうしゅう)

 

石田剛太、金丸慎太郎、 酒井善史(さかいよしふみ)、角田貴志、諏訪雅(すわまさし)、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、藤谷理子 、呉城久美、金子大地

 

 

面白かった。

演劇の何が素晴らしいかって舞台演出で、一つしかない狭いステージをいくつもの場所に見せる、それがいつもすごいなと感心させられる。当たり前かもしれないけど、私にはそういう能力はないから。




 

イースター島の近くに、「インターネ島」という謎につつまれた島があるという。それを知った冒険家に焦がれるハタノ(金丸慎太郎)は、大学時代には冒険部と出会い、いっそうその島へ行きたいと熱望する。そして卒業後、結婚もしたハタノだったが、妻エマ(呉城久美)のアロマオイルを無断で大量に使ったことを機に離婚へ発展。ハタノはそのまま、いよいよインターネ島を目指す。

しかし30日分の食料や水が絶えてもその島が見つけられない。いよいよこれまでかと思った矢先、ついにそれらしき島を発見…!

気を失い流れ着いたその島にはイースター島のモアイ像よりもはるかに精巧なモアイ像がいくつも立ち並んでいた。そして未踏の地と思っていたそこで、ハタノは大学時代からの部活仲間かつ冒険魂に合致点のないキクチ(金子大地)と再会、&先客に迎えられる。犯罪歴のある裏社会の人物ラウ(土佐和成)、2年間前に辿り着いていた教授(永野宗典)、登山で死亡したことになってしまってるヒラタケ(石田剛太)。そして彼らのこれまでの調査上、ここは財宝、秘宝の眠るエルドラードだと言う。流れでお宝ゲットの冒険となるが、インターネ島族、祖父の話に感化されやってきたナオミ(藤谷理子)海賊(諏訪雅角田貴志)雪男(中川晴樹)、ハタノの元嫁エマと、その関連の技術者サイモン(酒井善史)など、次々と人の存在が明らかになっていく。

果たして、インターネ島はなんの島なのか、みんなはなぜそこへ辿り着いたのか、夢か現か、ファンタジックな冒険物語が展開される…。

 

ハタノが実は自分は死んでるんだと言い出した時、まさかの夢オチ⁈と半分納得半分ガッカリしたけど、それでは終わらなかったというか、決着とならなかったのは、さすがコメディだと感心した。笑いの中に、心くすぐるような遠い昔に置いてきた冒険心、対人関係の可笑しさ、人間の思考の幅広さがうかがえて、豊かな気持ちになった。


そうそう、アロマオイルというアイテムもきちんと最後まで活躍する。

 

客層は演劇好きといった感じの老若男女。彼らがクスクスと、あるいは思いっきり笑う。空間が一体化するのを、演者たちは感じてるのかもしれないな、それが小さい劇場での魅力だよなぁ、と思った。

 



 

2025年12月より2026年3月まで、全国14ヵ所(栗東、京都、新潟、東京、仙台、魚津、大阪、広島、北九州、高知、横浜、名古屋、倉吉、札幌)を回る公演。

 

(観劇日20260119)

 

 

 

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ハタノも我が強いというか、自分なりの理想と思想があって、それにがんじがらめになるほどのこだわりを持ち、ウザいけど、それ以上にキクチも応用力に欠け自尊心が高く横柄で、二人、実は似てる。お互い気に入らない面はあるものの、実は好き合ってるみたいな意識が見えて、友愛ってこんな感じよなとしみじみした。

それで、言いたいことは、金子大地は「惚てってるズ」で観てるので、そこでのキャラとかぶっているな、と。脚本家のあてがきじゃないかと思うくらいタイプが似てるんで、それが金子大地の魅力であり個性なのかなと妙な説得力を感じた。

とすれば、私は役者金子大地が好きで、ほぼほぼ作品は観てるのだけど、私の中で『腐女子、うっかりゲイに告る。』は最高の演技で、あれと同等かそれ以上にキャラを外したものを見たことがないんで、あれくらいタイプが違う役柄を見てみたいと、またも思った。



『不適切にもほどがある!スペシャルドラマ(2026)TBS系列0104

 

脚本 宮藤官九郎(『池袋ウエストゲートパーク』『タイガー&ドラゴン』『あまちゃん』『ゆとりですがなにか』『いだてん』『俺の家の話』『木更津キャッツアイ』シリーズ、『土竜の唄』シリーズ、他)

演出 金子文紀(『俺の家の話』『カルテット』『タイガー&ドラゴン』『木更津キャッツアイ』シリーズ、他)

音楽 末廣健一郎(『闇金ウシジマくん』シリーズ、『任侠学園』他)、MAYUKO(『闇金ウシジマくん』シリーズ、他)、宗形勇輝(『地獄の花園』他)

主題歌 Creepy Nuts「二度寝」

 

阿部サダヲ、仲里依紗、磯村勇斗、河合優実、坂元愛登、三宅弘城、袴田吉彦、中島歩、江口のりこ、錦戸亮、八嶋智人、吉田羊、小野武彦、彦麻呂、古田新太、山本耕史、成田昭次、他。

 

日付が変わる前に帰って来なければならない縛りはあるものの、2054年、井上昌和(小野武彦/中年期:三宅弘城)によってどの時代にも行けるタイムトンネルが出来上がった。もちろん出入口は喫茶「スキャンダル」のトイレ。さっそく小川市郎(阿部サダヲ)と「スキャンダル」のマスター(袴田吉彦/老齢期:沼田爆)は井上の案内のもと1986年から2026年の1月を訪問。事情を熟知している小川市郎の孫になる渚(仲里依紗)らいつメンがちょうど新年会をやってるところへ現れるも、残念なことに、そこでマスターの死がわかる。

さて。やはり愛娘であり渚の母親でもある純子(河合優実)の震災死があきらめきれない小川市郎は、そもそもの純子と、渚の父親となるゆずる(錦戸亮/壮年期:古田新太)との出会いを阻止するよう井上の息子で純子に夢中となったキヨシ(坂元愛登)を1987年に向かわせる。しかしうまくいかず、ならばと震災に遭わないよう1995年1月へ…。ところがそこにはすでに先客が…。

一方、ムッチ先輩(磯村勇斗/壮年期:彦麻呂)の息子秋津昌彦(磯村勇斗)と一緒になった2026年の渚は一児の母になっていた。仕事も報道局に移動になり、都議の平じゅん子(江口のりこ)の政治観に傾倒していっていっている。そうして報道局の在り方に疑問を持った渚は国政に打って出る平じゅん子の秘書に転職する。

その平じゅん子は2036年女性初総理大臣になるも、10年前のスキャンダルが報道される。2026年のことだ。その相手が「秘書の夫」というので秋津昌彦と判明。それを防ぐために奔走する小川市郎。純子を守れなかったため全力で渚の幸せを守る。また、平じゅん子が総理大臣を辞めてはいけない理由(もはやパラレル設定)もわかり、なんとしてもスキャンダルを防ぐ。しかし…実際は相手は秋津昌彦ではなく、タイムトラベルしたムッチ先輩だった…。とはいえ、現状秋津昌彦以外の誰とも見えない。市郎は自分がなんとしても止めねばと暴挙を決断! 社会を良くするために!!

 

井上にくれぐれもタイムパラドックスは起こさないよう念を押されていたが、かわいい娘、母を思う孫には勝てず、なんとかと思う親心が描かれているのと、相変わらず時代時代の不適切表現の解釈が面白い。言い訳テロップが駆使されいい効果(笑いに転換)となっているし。不適切って何だろうって考えちゃうくらいには時代の力が大きいなと今回も思った。

クドカンの思想にしても、こんなにも嫌味なく入れられるのが凄いなと毎度関心する。キャラクターに入れ込めば入れ込むほど思想が反映され、たいがい鼻につく感じに仕上がるものだから。


ミュージカルスタイルも健在。やはり歌での語りはわかりやすいし、表現が柔らかくなる。


純子と渚が会話するシーンがある。過去と未来が混じるシーンだ。純子は今ゆずると出会って恋をし、渚は娘であることを言う。そしてお腹には待望の二人目がいる。これがなかなか感動する。


沼田爆さんが2024年8月に亡くなられていた。

 

★★★★★ 

 

 




雪組公演
 
主演 朝美絢(あさみじゅん)、夢白あや
 

 

 

 

ミュージカル・ロマン『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』(2025)東京宝塚劇場
作・演出 生田大和
作曲 フランク・ワイルドホーン
 
 
18世紀末イギリス。平民だが一財を成したジョージ・プランメルの父は、息子を名門校へ上げ、さらに上流階級への仲間入りを熱望していた。ジョージも父親の影響を受け、「壁の向こう側」=上流階級への執着を募らせていく。そして大学で実感した階級の差に、より一層野心が高まり、父親の死を機に、恋人であったハリエットを含むジョージとしてのこれまでとの訣別を決めた。
幸い「美しきプランメル」=ボー・プランメルと噂されるほどの美貌とファッションセンス、溢れ出る気品、口のうまさを備えていたため、瞬く間にその存在は上流階級へ知れ渡り、ウェールズ殿下と懇意になる。まんまと社交界入りを果たすが、殿下の愛人にハリエットがいた。
いまだ想いの残っている相手であり、過去も身分も知る仲であるハリエット。ボー・プランメルの野望が瓦解していく…。
 
愛を教えられなかった青年の破滅です…。たぶん。(実在の人物)
 
音響は悪くないはずなんだけど、歌詞も台詞も聞き取りにくいところがあったのが残念だった。
夢白あや、めちゃくちゃかわいい。
 
 
 

 

 

 
 
プレジャー・ステージ『Prayer ~祈り~』
作・演出 中村一徳
 
 
「祈り」をテーマに、その根底にある平和、幸福、歓喜、夢、愛を世界規模で歌う。
祭り(お囃子や踊り)から生まれる人間の命の偉大さが、その表現が、グッときた。
やはりラインダンスと大階段からの羽を背負うコスチュームは見るだけで気分が上がる。これが宝塚、これぞ宝塚という感じで。
そして、途中で2階席通路まで団員が現れ、会場のボルテージが一気に上がる。通路に面してる人はタッチや握手もできてて、羨ましかった。
 
ショーを見てると、その着替えの早さ、激しいダンスに息もあがらず歌いあげる姿にいつも感心してしまう。やはりこれも宝塚であり、いや、プロなら当たり前なんだろうけど、でも単純に、すごいなぁ〜と口に出てしまう。
そして男役の方々はことごとくかっこいい。これだけ歌って踊って魅せるわけだから、スキャンダルが心配なボーイズグループを追うより、宝塚で夢の世界に浸る方がメンタルいいように思えてしまう。
って、比べるものが違うか^^;。
 
 
 
(観劇日20250114)
 
こちら、娘役トップ夢白あやのサヨナラ公演になります。
 
東京宝塚劇場 20260110〜0222
 

『奈落のマイホーム』(2021/日本公開2022)

韓国映画。原題は『싱크홀』で、シンクホールの意味。

 

監督 キム・ジフン

脚本 チョン・チョルホンキム・ジョンハン

 

ごくごく普通のサラリーマン、課長職のパク・ドンウォン(キム・ソンギュン)は頑張って働くこと11年、ローンでやっとソウルにマンションを購入した。妻ヨンイ(クォン・ソヒョン)、息子スチャン(キム・ゴヌ)と新しい生活が始まったが、まもなく欠陥住宅ではないかと疑問が湧く。他の住民に調査をしてもらおうと話すものの、実感のない住民のほうが多い。そうこうして、ドンウォンの引越し祝いに会社の部下たちを招いた日、ひとしきり盛り上がった翌朝、恐ろしいほどの地鳴りと共にマンションが地の底へ落下。度々の雨によるシンクホール出現だった。

マンションで共にいたのは、ドンウォン、部下のキム代理(イ・グァンス)、インターンのウンジュ(キム・ヘジュン)、マンションの住人でやたら顔を出す何でも屋のチョン・マンス(チャ・スンウォン)。それから、出かけていると思っていたマンスの息子スンテ(ナム・ダルム)がいた。さらに、妻ヨンイと外出していたと思っていたスチャンがマンション内にいること、いつも一人で留守番をしているソンフン(オ・ジャフン)おばあさんが残されていた。ドンウォンはスチャンがマンション内にいることがわかると捜索に向かうが、ソンフンとおばあさんの命を救うことは叶わなかった。

救助隊も手を出しにくい危機的状況下、全力で互いを守り助け合い脱出をはかるコメディ路線のパニック映画。

 

笑いの面はわからない。やはり国が違うと。表情も音声も(イントネーション)どこで笑っていいのかわからないし、おかしくもない。でも、緊迫感はすごく伝わってくる。恐怖は万国共通なのか、表情にも言動にも納得かいく。シンクホールでの出来事は絵的にもザワザワさせてくれて良かった。

コメディ入ってて死人を出すのはいかがなものかと思ってるんで、二人も出してしまうのは意外だった。

 

韓国映画、うまいなぁ。

 

★★★(★)

 

 

 

 

 

『修学旅行で仲良くないグループに入りました』(2025)ABCテレビ 1018〜全10話

原作は隠木鶉(かくれぎうずら)の小説。

 

監督 進藤丈広

脚本 山下すばる(『CHEAT』『西園寺さんは家事をしない』『私の家政夫ナギサさん』他)

音楽 鈴木ヤスヨシ

主題歌 DXTEEN 「両片想い」

オープニング曲 原因は自分にある。「トレモロ」

 

藤本洸大、簡秀吉、桜木雅哉、福田歩汰(ふくだあゆた)、清水海李、水戸由菜、山田健人、相羽星良(あいばせいら)、彩香、泉有乃、他。

 

高校二年になった日置朝陽=ひおきあさひ(藤本洸大)だったが、部活や中学時代からの仲良しの友達と離れ離れになってしまう。なんとなく馴染めない日置に修学旅行のグループ分けという試練が覆い被さる。もちろん組めるほど仲の良いクラスメイトなどいない。そこへ、偶然同じ中学出身の堀田颯斗(清水海李)に声をかけられる。ただ、堀田は、渡会紬嵩=わたらいつかさ(簡秀吉)を頂点とする、守崎尚哉(桜木雅哉)仲里春輝(福田歩汰=ふくだあゆたからなるイケメン四天王の一員だった。場違い感満載で及び腰になる日置だったが、渡会を筆頭にみんな意に介さず、日置は仲良くもない四天王たちと同じグループに入ることになった。

そうして始まった修学旅行、最初はビクビクしながらも(女子の目も強い)行動を共にするが、何かと渡会が気にかけてくれ、女子グループとの摩擦や旅先でのハプニング、日置と中学時代からの仲良しの杏那(岩波詩織)の存在の判明、実は四天王は誰も彼女かいないなど、事あるごとにだんだんと打ち解けていく。その中で、渡会の態度がみんなより濃いことに気づく。

修学旅行は楽しく終わり、四天王との関係もそれまでかと思われたが、その後も何かと一緒に行動し、中学〜高一来の友人たちが不思議に思いからかいにくる。それが日置にとってはなんてことないおふざけでも、渡会にとっては嫉妬の対象となってしまう。そう、渡会はもともと日置が気になっていたのだ。実はグループに誘った張本人でもあったし、少しでも接近したかったし、匂わせも止められなくなっていた。

そして夏にはついに渡会は日置に告白をする。とまどう日置だったが、その夏の海遊び、秋は文化祭、冬はクリスマスと行事によって渡会との間柄が少しずつ変化していく。また、日置の中学〜部活、一年の時の友達も、四天王たちと仲良くなっていく。そうして高校二年が終わる頃には…。

 

かわいい。ただただかわいい。日置が。女装姿は最高だった。あ、日置というより藤本洸大がいいのか。演技もいいので、これからじゃんじゃん出てくるのではと期待(2024年のドラマ:原作は漫画『スメルズライクグリーンスピリット』に出てたようだけど目に止まらなかった)。

イメージとしてはBLにはならないタイプなので、どこまでいくんだろうと思った。友愛、ブロマンスで良いんじゃないかと思ってしまった。余計なこと言えば、男子校ならまだ説得力があったかもしれない。それで言えば、渡会は完全に同性愛者である自覚が最初から欲しかった。

修学旅行が始まりで新しい仲間が出来、友情も、恋する気持ちも芽生え、楽しい高校時代となる…という設定は良かったな。でも、積極的な渡会のキス(キスシーン)は希望としてはいらなかったかなぁ。

 

渡会役の簡秀吉は雰囲気が八木勇征に似てて、個人的にはつらかった(^^;;。長瀬智也風味もあるので、なるべく長瀬智也のイメージを被せて視聴した。

 

★★★★

 

 

 

 

 

 

 

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アフターストーリー前編「息もできない」


3年になったけど、日置は渡会とは別のクラスになり、1年のとき一緒だった辻谷(山田健人)を中心とした仲のいい仲間と一緒になる。ノリが良いのはいいんだけど、ある日王様ゲームをしてポッキーゲームが課されていたところに渡会が現れる。そして作業を手伝ってという名目でその場を連れ出され…。

現場をみられたことでなんとか機嫌を取ろうと日置はキスを持ち出す。そのまま気分ののった渡会に攻め気味のキスを返され…。

結局ポッキーゲームに関しては何も怒ってはおらず、日置の思い過ごしだったという…オチ? でも内心は日置が恋しくてたまらない渡会。まあ、相思相愛、ラブラブな二人が11分程度に収められていた。

そしてその日、台風がやってくるお知らせで下校が早まり、迎えが期待できない渡会を日置は家へ誘う…。

積極的な渡会と奥手の日置のバランスが絶妙。なんだけど、日置…かわいすぎて滅。




アフターストーリー後編「嵐の夜」


大型台風のため、日置の母親の提案で渡会を泊まるよううながし、二人はその日を日置の自室で共にすることになった。渡会と母親との会話も賑やか。

二人きりになると、いつから気持ちが募ったのかとか、仲里からのチャットから修学旅行の思い出話などにも波及。渡会はみんな外見ばかり評することに対して日置が自分の外見ではなく、中身のことをしゃべっていたのを耳にし、そこから気になりだしたこと、旅行中に日置に本気になっていったことなどがわかる。そして冗談混じりの会話から、互いの想いを確認し合う。幸せいっぱいのラスト。

まあ、イチャイチャを見せつけられついつい、顔が綻ぶような16分。アフターストーリーはサービスカット寄せ集めみたいなものだったけど良かったし、やはりかわいい。日置が。



『バクラウ 地図から消された村(2019/日本公開2020)

ブラジル・フランス映画。原題は『Bacurau』

 

監督・脚本 クレベール・メンドンサ・フィリオジュリアーノ・ドルネレス

 

近未来。ブラジルのバクラウという村の長老カルメリータ(リア・ヂ・イタマラカ)が亡くなり、その孫娘テレサ(バルバラ・コーレン)が葬儀のため帰郷する。他にも各地に散った村人たちがかけつけ死を悼む。

村では水利権問題が起こっていた。命の源でもある水が得られなければ生存に関わる。村への吸水口は封鎖されている。そのため、給水車によって水を運ばなければならない。現市長であり次期市長候補でもあるトニー・ジュリア(サーデリー・リマ)は、そんな不便な状況を打開出来るぞとばかり村人たちを懐柔すべく物資補給を繰り返すも、少しもなびかない。賞金首でもあるルンガ(シウヴェロ・ペレイラ)をリーダーとしたギャング一味が敵対しているのだ。本当の意味での村の存続をかけて。

そしてついに給水車のタンクが何者かによって銃撃される事件が起こる。続いて突然バクラウの村がネット上の地図から消える。電波も届かなくなり、村人たちが殺害され始める、監視のドローンが飛び交う、他所者のバイカー(アントニオ・サボイアカリーヌ・テレス)が不意に現れるなど、異変が起きる。村の青年リーダーで、ルンガの元仲間でもあったパコッチ(トーマス・アキーノ)が、いよいよとばかり遠く見張り台に立つルンガに協力を求める。

実は二人のバイカーは襲撃団のリーダーマイケル(ウド・ギア)の仲間で、他にも犯罪歴やいわくのある者たちが集まった集団が村を襲う計画を立てていた。

ルンガによって村人たちの士気は上がり、襲撃団に備え、報復へと進む。しかして、その黒幕は誰なのか、そもそもの目的は何だったのかが明らかになっていく…。

 

まあ、トニーが黒幕なんだけど…というのも、バクラウ自体が戦闘民族…というか、陸の孤島であるバクラウをずっと守り続けてきた原住民で、手を尽くすも懐柔できない崩壊もしない目障りな人間たちだったという話。目的はバクラウ原住民壊滅。

村というのは結束が固く、それは島国日本で生まれ育った者ならよくわかるだろう、他所者には一線を引く。

バクラウの生活は実に本能的で村人たち全員がひとつのファミリーであるという感じ。なんでもなく自然を謳歌し楽しく生活しているようで、ちゃんと危機に備えた訓練や知識は身につけているという、なんとも閉鎖的で戦闘的。でもそれが原住民ということなのだろう。

 

それにしても人物の見分けが難しい。欧米人にとってアジア人がいっしょくたになるように、どの国の者であろうと、他国の人間の見分けは難しいように思う。

 

村の医者ドミンガス(ソニア・ブラガ)がレズビアンなのがまた…盛り込んだな、と思った^^;。

 

それにしても娼婦の存在が当たり前、全裸の生活もある、人目を気にすることなく欲望に忠実、人間本来の姿なんだなこれがと複雑になった。

 

★★★