フォロウィング | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『フォロウィング』(1999/日本公開2001)HDリストア版

原題は『Following』

イギリス映画。

 

監督・脚本 クリストファー・ノーラン(『インターステラー』『オッペンハイマー』『テネット』他)

 

モノクロ映画。過去と現在が交錯しながら話が進むトリッキーな構成。

 

作家志望のビル(ジェレミー・セオボルド)は趣味と実益を兼ねて街で目についた人を尾行することに夢中になっている。家までつきとめると終わりにしていたが、回を重ねるごとに観察までがセットになる。その中の一人、金髪の女性(ルーシー・ラッセル)に惹かれる。

ある日、尾行の対象者コッブ(アレックス・ハウ)に気づかれ、もっと面白いことがあると空き巣を誘われる。コッブにも独自の美学と嗜好、確かな分析力もあり、ビルは興味が湧いて組むことにする。しかしコッブは一枚も二枚も上手な上、惚れた女性の真実も知ることとなり、ビルは結果落ちていく…。

 

ただの尾行が観察に変わり、想像と侵入に発展し、まずはギリギリの接触に興奮する。綿密な計画のもと猟奇的嗜好が成し遂げられる。コッブはサイコキラーか。

 

真相に次ぐ真相が面白かったし、警察(ジョン・ノーラン)に経緯を話しても通らないビルの絶望感たるや…そのラストの突き放し方は目下救いが見えなくて逆に後味が良かった。

そもそも女性のオトコとされる男(ディック・ブラッドセル)の存在が怪しいと注目させといて、最後にその男のエピソードのみ拾うのがまた気持ち良かった。

モノクロにしたのはなぜだろう。情報量を抑えるためかな…それとも観る側の自由度を上げてるのかな。不思議なことに脳内ではカラーで再生される。

 

私たちももしかしたら現実に誰かに見られているかもしれない。という気持ち悪さも感じる。

とはいえストーキングとはまた少し違うような。

 

★★★★(★)