ポテチ | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『ポテチ』(2012)

原作は伊坂幸太郎の小説。

 

監督・脚本 中村義洋(『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』『予告犯』『残穢』他)

音楽 斉藤和義

 

濱田岳、大森南朋、木村文乃、石田えり、中村義洋、中林大樹、松岡茉優、阿部亮平、桜金造、他。

 

以前、空き巣稼業の今村忠司(濱田岳)は、ボスの中村親分(中村義洋)と空き巣に入った先で大西若葉(木村文乃)の自殺を止めることになる。それから若葉は今村と同棲するようになり、今では泥棒の相方を務める。

ある日、今村は健康診断を受けたことである真実を知る。尊敬する空き巣のプロ、人間の感情がまったくわからない黒澤(大森南朋)に相談を持ち掛けつつ、同じ誕生日、同窓であり、同じ野球少年だった尾崎(阿部亮平)の家へ若葉と空き巣に入る。尾崎は二軍選手だがプロ球団に入っていて、今村はかなり肩入れしている。そんな存在なのに空き巣に入ったには、知った真実につながる深い思いがあった。

そして尾崎の部屋から美人局のカップル(松岡茉優、中林大樹)と知り合うことになり、黒澤の協力、若葉の助けもありつつ足りない頭で考えたなりの策略をもってして、今村の優しさが溢れる贈り物を受け取ることになる尾崎と今村の母親(石田えり)…。

 

コメディではあるけれど、ジーンとくる、とても良かった。

濱田岳はこういう純朴で頭の足りない役がよく似合う。

石田えりには奔放な女性のイメージがついてて、母親役なんて絶対ウラがある! とヒヤヒヤして見てしまったことを反省した。

 

終わってみてすぐにはタイトルの『ポテチ』の意味がよくわからなかったけど、反芻してみるとなるほどだった。若葉がコンソメ味のポテトチップスを頼んだのに、今村はうす塩味を渡し、コンソメ味は自分が開けて食べてしまってる。それを指摘すると今村は謝ってコンソメ味とうす塩味を取り換えようと申し出るが、若葉は、でもうす塩もおいしいからこれでいい、と言う。この時、今村は涙が止まらなくなる。このシーンでも「なぜそんなに泣く?」と若葉同様思ったけど、真実が明らかになると、なるほどだった。故意ではないにしろ取り違えが本来得られるであろう当事者らの幸せを奪うかもしれないという話なので。このポテトチップスの取り違えと、若葉のうす塩もおいしいという言葉に、今村は救われたのかもしれない。

 

中村親分のエピソードもしっかり拾われてたのがいい。

 

★★★★★

 

 

 

 

配給 ショウゲート