『わかっていても THE SHAPES OF LOVE』(2024) ABEMA×Netflix 全8話
原作はジョンソのWEB漫画。2021年の韓国のテレビドラマを原案としたリメイク版。
監督 中川龍太郎
脚本 中川龍太郎、左近圭太郎、横尾千智(よこおちさと)
音楽 小島裕規 "Yaffle"
エグゼクティブプロデューサー 藤井道人
制作 Spoon
横浜流星、南沙良、佐野玲於、鳴海唯、福地桃子、浅野竣哉、朝倉あき、夏子、霧島れいか、中山忍、村上淳、他。
美大の彫刻学科で宇佐美早子(中山忍)教授のもと助手を務める浜崎美羽(南紗良)は、恋人に振られたうえ自分の作品もけなされ、それ以降恋はしないと決めていた。そんな美羽の前に、校内の銅像にペンキをぶち撒ける男が現れ、釘付けになる。特別臨時講師としてやってきた国内外で活躍する新進気鋭のアーティスト香坂漣(横浜流星)だった。
心の奥を見せないミステリアスなアーティスト香坂漣と、アーティストとして大成したい気持ちは諦められないながらも自信を持てずにいる浜崎美羽の恋愛を、アートを繋がりに、周囲の人間模様も絡めて描く。
行きつけの食事処「うまみ屋」で料理人をする生島琉希(佐野玲於)は、美羽に想いを寄せていても、相手のことを一番に考えるあまり、行動を一歩控えてしまいがち。でも、香坂が現れたことにより行動を起こす。
子供の頃から自力ではどうにもならない病魔と闘っている、漣の幼馴染みでキュレーターの今井千輝(鳴海唯)は、ずっと漣を想ってきたし、漣を追って今がある。美羽の存在に気づき複雑な気持ちになる。
彫刻科の院生椎名光莉(福地桃子)は明るく誰とでも仲良くなれるが、恋愛に関しては特定の人を作らず自由を楽しむタイプ。でも同科同院生の長壁の存在が変わるきっかけとなる。
彫刻科院生の長壁颯(浅野竣哉)壁はストイックで真剣に作品作りに向き合っているものの、圧倒的な才能の持ち主香坂漣に憧憬と劣等感を持っている。光莉に好意を寄せている。
美羽たちの先輩の川瀬咲(朝倉あき)はアーティストの道を諦め、院生を卒業すると広告代理店に普通に就職した。後輩の愛美と共同生活するうちに、自分の本当の気持ちを抑えられなくなる。
美羽と同じく彫刻科に助手として勤めてる吉野愛美(夏子)は器用で何でもそつなくこなせるが、それだけ。咲の作品に惚れ込んでいてサポートをしたいと思い始める。
漣は、何よりも自分の追求心を一番に行動するコンテンポラリーダンサーの母親香坂美月(霧島れいか)との母子家庭に育つ。いつまでたっても自分の方を振り向いてくれない母親の姿から、人に期待を寄せることを諦めるようになり、その場を刹那的に取り繕うよう生きるようになる。やがてそれは自分の作品にも反映されて、子供の頃、漣の才能を見抜いた恩師、アトリエ主宰の我妻善一(村上淳)に見透かされてしまってる。そんなある日に、自己を恥じることなく表現した美羽の作品に触れ惹かれる。自分には出来ないことだったから。また、千輝の気持ちに応えられないのに、千輝がいなくなってしまったことに更に絶望感を覚える。………という、漣はどこまでも我の強い芸術家肌だった。
美羽はまだ駆け出し同然で、模索しながら毎日を歩んでいる感じだ。漣との出会いによって羽ばたくことになるんだけど、真っ直ぐな目を持ってるので大成する未来があるかもしれない。…し、「わかっていても」と言い訳しててはそんな未来はないかもしれない笑。
…芸術祭に出した美羽の作品、まったくわからんかった。アートを見る目は私にはないけど。
そんなわけで、多くを望んでも期待をしても結局傷つくだけとわかっていても、相手にとって自分が特別な存在ではないとわかっていても、一歩でも踏み出してしまっては今の関係が壊れてしまうとわかっていても、大切にしたい人(関係)だとわかっていても、どうにかこうにかそばにいたいとわかっていても、やっぱり誰よりも大切な存在だとわかっていても、本当は空っぽなんだとわかっていても、約束したって永遠なんてないとわかっていても、それでも人は人を求め、自分を探し求め人生を歩む。というような、まあ、恋愛あるあるの心情を描いたドラマ。芸術家を志す若者が主人公なので、それぞれの表現物、表現法に悩む姿も描かれていて、そこで言わんとしているのは、人が介在しないでは作品は生まれないということ。と読み取った。そりゃそうよね。
うーん…横浜流星がピンク色の髪で深田恭子の相手役で出てた頃(『初めて恋をした日に読む話』←これが横浜流星を認識した初めてのドラマ)よりはだいぶうまくなってるけど、なんでかあまり魅力を感じない。他の作品でも、いいんだけどイマイチ…という感じ。身長が低いわけではないのに、バランスがよくないんだろうな、難しい。そんな中、大河ドラマ『べらぼう』は合ってるかもしれないと思えた。キャラが創れる時代劇の方がいいんじゃないか? 大河が終わったら変化があるかも。
佐野玲於、良かった。『インフォーマ』でもだいぶ良くて、キャラが180度違うからなおうまいなと思った。ハイロー(ルードボーイズ)でアクロバット並みの華麗なアクションは見たから、今後、真骨頂、ダンサー役なんかやってほしいな。というか見てみたい。
原案となったオリジナルの韓国ドラマを見た方がいいかな。時間も倍以上あるし。
★★★
1話だけ、ちらっとオリジナルドラマを見たけど、だるい。まあ、恋愛ドラマなので。設定も主人公ユ・ナビが芸大生、その「ナビ」は「蝶」を表すということ、相手役のパク・ジェオンが蝶好きというのは同じ。他は微妙に違う。周りの子達が恋愛一筋なので、リメイク日本版よりはるかに恋愛に特化したドラマになってるもよう。きついので、気が向いたら続きを見ようと思う。