横溝慎一郎行政書士合格ブログ   -1396ページ目

機種変更と違法献金「知らなきゃ許される」理由、そして民主主義の終わり、という話

川崎の中学1年生の男子生徒が殺害された事件をみていると、事件の背景はちがいますが、「長良川少年リンチ事件」を思い出します。

凶悪事件を起こした少年をどうさばくのか?

少年法の見直しも、こういった事件が起こるたびに叫ばれていますが、結局放置しているのが現状です。

ちなみに「長良川事件報道訴訟」は本試験でも出題されたことがある有名な最高裁判所の判決ですね。

話変わって。。。

実は、妻のスマホの機種変更をしに、サービスセンターに行ってきました。

私は1年半前くらいに機種変更しているのですが、そのときよりもさらに大型化していることにびっくり。。。

通信速度も上がっているそうなのですが、果たしてそこまでの高速通信が必要なのかどうかはちょっと疑問(笑)。

まぁそんなこといったら、技術の進歩なんてほとんどが「そこまで必要なの?」というものばかりになってしまうので、「すご~い。はや~い」と言っておくべきなのかもしれません。

で、実際使ってみましたが、私が持っているものとそれほど通信速度が変わっているように感じたのは、たぶん私の気のせいなのでしょう。

やはり「すご~い。はや~い」と言っておくべきなんだろうな。

スマホをはじめ、電子機器や家電製品の世界では、すでに「民主主義」はトレンドではありません。

「よくわからないけど、そう操作すれば●●ができるんだから、いやぁすげ~なぁ~」

これでおしまい(笑)。

これでは江戸時代に「お代官様がおっしゃることだからまちがいあるまいよ」と言っていたであろう庶民とほとんど変わりません。

料金プランについても、スタッフの方の説明を聞いていて、なんとか理解できたのですが、もっと高齢の方だと、最後まで聞くのがまずしんどいかもしれませんね。

なにしろ説明が長いので。
私も途中、相槌はうっていましたが、違うことを考えていました(笑)。

でも普通に使う人が128GBのSDカードは必要ないと思うんだよなぁ。


さて、昨日も書きましたが、閣僚における政治資金規正法違反が疑われる献金の存在は、ついに菅官房長官や麻生財務相にまで波及しました。

そして一様に、「そんな献金の存在は知らなかったから違法性はない」とコメントしています。

「知らなければ罰せられないなんて、政治家はずいぶんいい商売だな」
そんな印象を持っている人は多いのではないでしょうか。

なぜ安倍首相はじめ閣僚の皆さんは「知らなかった」と繰り替えしコメントするのか?

政治家がいい商売かどうかはわかりませんが、「知らなければ罰せられない」ということを一般論として述べているわけではないと思います。

実は、政治資金規正法のこの条文に基づくものだと考えるとすっきりするのではないでしょうか。

政治資金規正法22条の3第6項
「何人も、第一項又は第二項(これらの規定を第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反してされる寄附であることを知りながら、これを受けてはならない。」

そして同じ条文の第1項で
「国から補助金、・・・その他の給付金を受けた会社その他の法人は、当該給付金の交付の決定の通知を受けた日から同日後一年を経過する日までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない。」
とされていることから、補助金交付企業からの献金が問題視されているのです。

まぁこの第6項の条文は、「ザル」と言われても仕方がないような内容です。

条文上「知りながら」=「はっきりと認識していた」ということになるので、「もしかしてだけど~もしかしてだけど~補助金の交付をうけてんじゃないの~♪」くらいの認識なら、「そういうことだろ」とはならず、「問題ない」となるのです。

第6項に違反した場合は、「3年以下の禁固または50万円以下の罰金」という罰則があるのですが、「はっきり認識していた」なんてことはそうそうあるわけもなく、「知らなかった」だの「知りえない献金がある」だの言っておけば、逃げ切れるのです。

補助金交付の決定を受けてから1年以内の寄付かどうかは調べればわかりますので、この範囲内の寄付について、閣僚の皆さんが「知らなかった」といっていることが本当なのか、きちんと捜査するべきではないかと思うのですが、いまのところそういった動きはなさそうです。

最後に政治資金規正法1条をご紹介。

この法律は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。」

この規定にも書かれているように、「国民の不断の監視と批判」を続けていくことが何よりも重要なのです。

民主主義はときに面倒くさいシステムだということですね。

でもね、電子機器の世界は仕方がないとしても、国の方向性を決めるという大事な場面まで民主主義を放棄することは許されない。

そう思っています。

あ、試験的にも、2014年度試験で政治資金規正法については出題されていますが、1条については、試験対策上読んでおくべきだと思いますよ。


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こういった「起業ノウハウ」もそうですし、私が教えている「試験対策ノウハウ」もそうですが、
どんなに優れたノウハウを知ったとしても、それを自分の血とし肉としておかなければ、いざというとき役立てることができません。

血とし肉とするためにも、「目で読み、耳で聞き、頭で考える」ことが大切なのです。

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最近話題の「住民投票」を学ぼう

「政治と金」の問題は、いつの時代も避けて通れないものです。

「政治資金規正法」については、当ブログでも予想していた通り、2014年度試験に出題されました。
出てしまったので、今年は出題される可能性は低いでしょうね。

しかしこれだけ現職の大臣や総理大臣に、「政治と金」の問題が発覚するなかで、安倍総理の責任を問う声が高まってこないというのは、不思議ですね。
レームダック状態になってもおかしくないくらいの状態なのですが。

さて、私が今年の試験において政治分野で今年注目しているのは、「住民投票」ですね。

たとえば、与那国島への陸上自衛隊の配備に関する住民投票が行われたというニュースをご存知の方は多いと思います。


与那国島での住民投票も、与那国町議会で制定された「与那国島への「自衛隊基地建設」の民意を問う住民投票に関する条例」に基づいて行われています。

そして、その条例の中で、投票結果について「町民の意思が正しく反映されるよう努めなければならない」としていますので、拘束力はないことが前提になっているということです。

結果は報道されていたとおり、賛成派が多数を占めました。

もうひとつ話題になったのが、埼玉県所沢市で行われた住民投票です。
こちらは、住民投票を行うための条例が、直接請求で制定されました。
直接請求は地方自治法で学ぶ重要論点のひとつとして、2014年度試験でも問われています。

条例の制定改廃を求める直接請求は、まず所沢市の有権者の50分の1以上の連署を集め、所沢市長へ請求することが必要です。

請求を受けた所沢市長は、20日以内に市議会を招集。
市長としてこの請求に対する意見を付けて議会に付議します。

所沢市議会は、「防音校舎の除湿工事(冷房工事)の計画的実施に関する住民投票条例」を制定し、住民投票が行われました。

住民投票の結果については、この条例のなかで「市長および市議会は住民投票の結果を尊重しなければならない」とされています。
ただ「投票した者の賛否いずれか過半数の結果が投票資格者総数の3分の1以上に達したときは、その重みを斟酌しなければならない」として、より一層結果に沿った対応をするよう促しています。

2月15日に投票が行われ、賛成票が反対票を上回りましたが、住民投票の投票率は31.54%にとどまり、賛成票は投票資格者総数の3分の1に達しませんでした。

このように、住民投票は案件ごとに個別に条例を制定し、結果に関して拘束力をもたないことが前提になっていることが多いのです。
また所沢市のケースのように、一定数の票が集まっていない限りは、住民投票の結果を事実上無視してよいとする一文が入っていることが少なくありません。

もっと露骨な場合は「住民 投 票は  投票 し た 者の 総 数が 投 票資 格 者 の総 数 の2 分 の1 に 満 たな いとき は 、成 立 しな い も のと す る。」といった一文が入っている場合もあります。いわゆる「50%ルール」というものです。

東京都小平市における「東 京 都の 小 平都 市 計 画道 路 3・ 2 ・8 号 府 中所 沢 線計 画 につ い て 住民 の 意思 を 問う住 民 投票 条 例 」がその例です。
2013年に行われた住民投票では、投票率が約35%だったため、住民投票は不成立だとして、開票すら行われませんでした。

こうした対応は「住民自治」という観点から疑問を感じるところがあります。

「50%ルール」の導入を議会で否決し、住民投票を行ったケースとして、埼玉県北本市で2013年12月に行われた住民投票があります。

これはJR高崎線の新駅を市の予算で新設するという案件に関するものでした。

この住民投票に関する条例は市長からの提案で議会が制定。面白いのは市長も議会の多数派も、新駅建設推進の立場であったのですが、「50%ルール」は導入せず、さらに市長はこの住民投票の結果に従って建設するかしないかは決定するという姿勢をみせたということです。

住民投票は、投票率が62%に達し、反対票が賛成票の約3.2倍という結果になりました。
この結果にしたがって、新駅建設という市の方針は白紙撤回されています。

以上のケースはいずれも「個別型住民投票条例」を制定し対応したものです。

一方「常設型住民投票条例」を制定している市町村もあります。

「常設型」とは、テーマを問わず、住民投票を行うときの共通ルールを定めているということです。

最初に常設型の住民投票条例を制定したのは、新潟県西蒲原郡巻町(現新潟市)です。

1982年に原子炉設置許可申請が東北電力から出されたのをきっかけに町では反対運動が行われ、推進派の町長と激しく対立しました。

1995年に「巻原発・住民投票を実行する会」が自主管理投票を行い、反対派が圧勝。
町議選挙でも、住民投票条例制定賛成派が多数を占めました。

その折、建設予定地を東北電力に売却しようとしていたことが発覚。
売却を主導した町長への反発が強まり、町長の解職請求を行うための署名運動も始まり、その結果町長が辞職します。

その後「実行する会」の代表であった笹口氏が町長に当選し、1996年8月に巻原発建設の是非を問う住民投票が実施されました。
その結果、反対票が6割を占め(投票率89%)反対派が圧勝。
その後笹口町長が建設予定地を反対派に売却したことをめぐり訴訟に発展しますが、この訴訟でも推進派は最終的に敗訴。
2003年に東北電力が建設断念を正式に表明しています。

さらに、住民投票においては、「住民」の意思を問うという観点から、投票資格を有権者に限らないとしているケースも多くみられます。

与那国町のケースでも、島の将来の問題だからと、中学生に投票権を認めていました。

また外国人に投票権を認めているケースも多くみられます。

外国人も定住している場合は地方自治法上の「住民」ですので、条例で認めることは何ら問題ありません(外国人に選挙権を与えることと混同しないこと)。

政令指定都市では、広島市と川崎市が外国人に投票資格を認める条例を制定しています。

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最後にマニア向け画像です(笑)。

コートは8年前に買ったLANVANのもの。物持ちの良さが自慢です。
靴はパラブーツ。パンツはTOMORROWLANDです。
あと鞄は今年買ったコーチのもの。
どんだけグリーン好きなんだというコーディネートですね。

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みなさんこんにちは。

「合格後も先生の講義を聞きたい。そう言われるプロ講師」横溝慎一郎です。

合格講座平日クラスで「行政代執行」の話をしました。
そういえばひと月くらい前の記事で、代執行のことを書いたものがありましたね。
その記事はこちら。
代執行の実際の事例を紹介している記事なので、確認しておきましょう。

行政代執行法については、やはり1条の内容を正確に理解しておくことが重要です。

「第一条  行政上の義務の履行確保に関しては、別に法律で定めるものを除いては、この法律の定めるところによる。」

この規定はまず「行政上の義務履行確保に関しては・・・この法律の定めるところによる」という箇所に注目してください。

「行政上の義務履行確保」の手段=「行政上の強制執行」の根拠は、まず「行政代執行法」であるということを示しています。
これが、「行政代執行法が行政上の強制h執行の一般法」といわれる理由です。

「行政上の強制執行」には、代執行のほかに、執行罰、直接強制、強制徴収があります。

「行政代執行法」という名称からもわかるように、この法律が直接定めているのは、代執行のルールです。

そこで、執行罰、直接強制、強制徴収については、「別に法律で定める」ことになるのです。

「別に法律で定める」という文言の「法律」は文字通り「法律のみ」を指しています。

つまり、「行政上の強制執行」の根拠は、かならず「法律」によらなければならない、ということですね。

つぎに2条を見てみましょう。

「第二条  法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(他人が代つてなすことのできる行為に限る。)について義務者がこれを履行しない場合、他の手段によつてその履行を確保することが困難であり、且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、当該行政庁は、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる。」

本条の「法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(他人が代つてなすことのできる行為に限る。)」という箇所に注目してください。

これは明らかに「義務を課す」場面の話です。
いわゆる「代替的作為義務」のことですね。

「法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)」とされているので、2条以下の条文において「法律」と書いてあったらすべて「法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む)」と読み替えなければいけません。

「以下同じ」とされている以上、1条は含まれません。

したがって1条の「法律」は文字通り「法律」のみを指すのです。

一方代替的作為義務を課す場合の根拠は「法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む)」となる。

これは頻出事項ですので、しっかり覚えておいてください。

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受講生さんにはサインをする立場なのですが、中山マコトさんにはサインをしてもらう立場だったりします(笑)。

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ということで、3月15日16日に行われる新刊発売記念無料WEBセミナー「あなたらしく無理せず始めるマイスタイル起業法」のお知らせです。

行政書士として開業する場合でも、「まずはあなたの売れるものを見つけよう」というのはとても大切なことです。

中山マコトさんは、ここで「売り物」ではなく「売れるもの」という表現を使いました。

ここに非常に重要なポイントがあるのです。

本書P74にその理由が書かれていますので、ぜひ読んでみてください。

あと、合わせて読むことをお勧めしたいのが、こちらです。
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発売当時に書いた紹介記事がこちら。

ところでNEWS23で見たのですが、「道徳」が教科として導入されるのだそうですね。
導入を控えて現場で試行錯誤を続ける先生たちの取り組みを紹介していました。

「シンヤくんが赤い絵の具を貸してほしいといってきました。ただそれは今回が3回目です。あなたなら貸しますか?」

こんな質問に対して小学校低学年の児童たちがあれこれ考えながら自分なりの考えを発表しあう、という模擬授業をしていたのですが、これあなたならどう答えますか?

この質問を作った先生は「相手を思いやる気持ちがあるか」を一つの評価基準とし、絵の具を貸すかどうかはどちらでもよいとしていたようです。

子供たちで話し合いながら、お互いの考えを知っていくというのは、とてもよいことだと思います。

ただ、そこから児童をどのように評価していくのか?

これは極めて難しい。

先生にそれなりの力量がないと、結局先生の望む回答に児童を誘導してしまう危険性が高い。
露骨に誘導しなかったとしても、児童が先生の考えに迎合してしまうことはあるでしょう。

いずれにしても多様な価値観をはぐくむことができなくなる恐れが大きいと思います。

このニュースを見ていて、小学生のころ、隣の席の子が消しゴムを貸してほしいといってきたときに「絶対ヤダ!」といって貸さなかったことがあったのを思い出しました。

理由は覚えていませんが、とにかく頑として貸さなかったんですね。

だから先ほどの設問に対しても、おそらく「貸さない。1回目から貸さない」と答えたかも(笑)。



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