コンサート感想続きです。
今回は、指揮者の原田慶太楼さんと
ラフ3をメインで書こうと思います。
オーケストラはあまり鑑賞していないので、
お恥ずかしいことに、
原田さんのことも存じ上げませんでした。
行く前に慌てて予習。
コンサートの前日に購入した
「フィギュアスケートと音楽」の対談を読みました。
これ読んでおいてよかったー!
監修の町田樹さんが、
原田さんの指揮をお好きな理由
(指揮の姿が踊りに見える)や、
原田さんの楽譜の読み解き方、作業、やり方、
影響を受けた教え、お考えなど、
対談の中に集約されていました。
この知識があったからこそ、
ポディウム席で、
原田さんの指揮とオーケストラのリアクションを
たっぷり堪能できました。
原田慶太楼さんが指揮の時は、
ポディウム席、
音響的には今ひとつでも最高に楽しめます。
客席からは、
あの見事な指揮、
背中から見る指揮以外の
表情、口の動きが見えないなんて、
本当にもったいない。
原田さんはまるで踊る魔法使いのようでした。
タクトを上下、左右、前すると、
オーケストラの音が次の瞬間、
ドンっと変化、
楽器の音マネで、こんな音がほしい的な表現、
オーケストラの皆さんが指揮に応えて、
一つにまとまり音楽を作り上げていく共同作業。
そして、
原田さんと共に、
楽団全体に気を配ってらっしゃる
コンマスの泉原隆志さんの
さりげない優しい目線も見ることができました。
今回のラフ3、豪快でした。
第3楽章で爆笑しかけました。
エンジン全開で。
あ、悪い意味にとらないでくださいね。
不思議なんだけど、
すっごい盛り上がって楽しくてよかったんです。
このコンサート前に
他のラフ3も聴き直してました。
(今回の組み合わせによる演奏の個性を感じられるように)
・サー・スティーヴン・ハフのCDと
Youtube動画で第3楽章(随分前の日本での演奏でした)を。
これは、ラフマニノフ本人の演奏と近い印象。
速度は速め、
和音で弾くところは、勿体ぶるところがなくあっさり、
そして力強い。
歌わせるところは繊細でロマンティック。
・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した
イム・ユンチャンさんの演奏をYoutubeで。
何度聴いても、これはレジェンダリーかなと感じます。
ネオ・ラフ3。
オリジナルより繊細でムーヴィングといいますか。
フォルテ箇所は力強さより鋭さで、
重厚さはあまり感じませんでしたが、
ラフマニノフ本人より、
心の綾を表現しているのではないかと思わせる
何かがあったように思います。
コンクールという環境のため、
指揮者のマリン・オールソップ氏が、
イムさんの演奏に非常に注意深く耳を傾け、
才能を最大限に開花させてあげようとする配慮を感じました。
第3楽章の最後は、
オールソップ氏がイムさんに確認を取りながら、
一緒に上り詰めていき、圧巻でした。
そういう保護者感のある指揮と比べると、
今回の原田さんとピアニストの亀井さんとの関係は、
信頼が見えました。
2日前に依頼して
「信頼」というのも変かもしれませんが、
ピアノソロの場面の原田さんの表情や、
その前後のオケからの繋ぎの時も、
亀井さんがやりたいようにしてくれたら、
それをオケと繋げる、
安心したお任せの表情に見えました。
リハーサルで
上手くいくのを感じられたのかと存じます。
急遽頼んだら、
少しは不安とか心配、
あるいは、
オールソップ氏のような保護的な雰囲気があるかと思ったのですが、
感じられませんでした。
そして
第3楽章の最後あたり、
オケがフォルテで攻めまくるところの
原田さんの指揮、
思わず吹き出しそうになるのを辛うじて堪えました。
原田さんが、
突如、
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手のようなフォームで、
(*下追記あり)
行けー!
とばかり、体を傾けて指揮棒を横振りに思いっきり振ったんです。
私の頭の中で
バットが硬球に当たる、
ホームラン級の
カキーン!
って音が響きました。
幻聴ですが。
盛り上がる箇所の指揮を見てると、
ポディウム席は、
オケの一員感ありますから、
指揮に合わせて踊りそうになります。
赤い靴の少女みたいな感じです。
音楽に合わせて踊りたい衝動。
あ、わかります、変ですよね。
ラフ3で踊りたいなんて。
私も今までこの曲で、
感動こそすれ、
ダンスが好きとは言え、
全くそんな気持ちになったことはありませんでした。
今回初めてです。
リズムに乗る感覚ではなく、
音楽そのものの流れに身体が動きそうになる、という感覚でした。
そういうわけで、
今までとは違ったラフ3体験。
こんなことは滅多に経験できるとは思えないので、
行ってよかったと思います。
原田さん、盛り上げ方も素晴らしいし、
人をまとめる力、好感度など
これからも大活躍される指揮者でらっしゃると思いました。
帰ってから、
ふと、山本直純さんのことを思い出しました。
子どもの頃、
テレビの「オーケストラがやってきた」を見ていたことを
突如思い出したのです。
恐らく、今回の客層が老若男女、
ファミリーやご夫婦、
子供からおじいちゃんおばあちゃんまで、
幅広かったことも記憶を刺激したのだと思います。
山本直純さんは、
日本にクラシック音楽を広めるため、ご尽力されたのだなぁと
今になってわかりました。
今でもテーマソング歌えます。
原田さんは山本さんより紳士なイメージですが
(ごめんなさい!山本さま!!!)
クラシック音楽の魅力を広める力をお持ちだと感じました。
コンサート感想、
もうちょっとだけ続く予定です。
次はピアノに、、、。
お読みくださりありがとうございました。
皆さま、台風の影響大丈夫でしょうか。どうぞお気をつけください。
*追記:原田さんのパートナーはテニスプレーヤーとのことで
野球ではなく、
実はテニスの振りだったかもしれません