強烈に苦手な人と仕事をして、学んだこと
私は今の会社に勤務して
25年近く経ちますが
本当に
たくさんの方々と
お仕事をさせて
いただいてきました。
幸いなことに
殆どの方が親切でおおらかで
人間関係で苦しむことは
今のところなかったのですが
一人だけ、
取引先の方で
とっても気難しい方が
おられました。
当時の私は20代の終わり、
駆け出しの営業担当。
まだまだ子供でした。
もしかしたら、今
あの方とお仕事をすれば
もっと楽にお付き合い
できるかも知れませんが
当時は彼(Sさん)のことを
考えるだけで
怖くて
胸が苦して
会社に行きたくなくなるくらい
苦手な人でした。
Sさんは
気難しい上に気分屋で
機嫌の悪い時は
私が何を言っても
悪意を持って解釈されてしまい
叱られるばかりで
途方に暮れたことも
何度もありました。
とは言っても
大切な取引先ですので
死ぬほど
気が重かったけれど
一緒に出張したり
時には会食したりしていました。
ある時、
私の当時の上司とSさんと
私の三人で会食をした時
Sさんが大の映画好き
ということが分かりました。
洋画・邦画全部
ジャンルを問わず
ものすごい本数を観ておられて
監督の特徴やら
カメラワークやらと
映画作りの分野まで
すごい知見を持っている
Sさんの意外な面を知りました。
そんなSさんが
私に
どんな映画が好きなのか
聞いてきたので
ビクビクしながら
風の谷のナウシカです。
すみません、子供っぽくて
と言うと、Sさんは
子供っぽくないよ!
いい映画じゃないか、あれは!
と言い、
今まで私に見せたことのない
最高に優しい笑顔で笑いました。
その時のSさんは
いつもの気難し屋ではなく
純粋な子供みたいでした。
今でも
その時の笑顔と
嬉しそうな声を覚えています。
それからも
Sさんが担当から外れるまで
Sさんには
苦労しましたけれど
Sさんにイラっとしたり
腹が立ったりしたときに
あの時の
優しい笑顔と
嬉しそうな声が思い出され
Sさんが
心のどこかに持っている
優しさと純粋さを
信じられるようになりました。
Sさんを怖いと
思わなくなりました。
表面的に付き合っているだけだと
その人の
嫌な面ばかり見て過ごすことが
多くなってしまい
その人を嫌な奴と
思い込んでしまうのですが
Sさんを通して学んだのは
人は誰でも
心のどこかに
優しさと
子供のような純粋さを
持っている
そう信じることで
難しい相手との関係を
作り変える可能性が生まれる
ということでした。
今こうして、
あんなに嫌いだった
Sさんのことを
温かい気持ちで
思い出している
それだけでも
あの時学んだことが
私の人生をちょっとだけ
豊かにしている印です。
ありがたい経験でした。
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