敢えて、これらの現象を改めて記事にしているのは、日本の、特に東京湾、やがては大阪湾で発生する恐れがあるからです。

 

(前回記事)

放射能(13)米国マリン郡にみる東京湾のリスク
2019-12-22 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12560976095.html

 

前回の記事の一部を改めて述べると、

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CONTAMINATION OF REGIONAL WATER SUPPLIES

地域の水源の汚染
サンフランシスコ湾に流入する淡水のほとんどは、カリフォルニアの海岸線の東にあるシエラネバダ山脈、ネバダとの国境に沿って南北に走る非常に高い山脈からのものです。

 

シエラネバダ山脈の土壌は、現在、核爆弾試験からの放射性物質、チェルノブイリ、および1989年に閉鎖されるまでサンフランシスコの東で運転していたランチョセコ原子力発電所からの放出物で汚染されています。

サンフランシスコ湾岸地域の飲料水のほとんどは、シエラネバダ山脈から来ています。

ランチョセコ原子力発電所からの放射能放出の約95%は、降った雨と雪で水源であるシエラネバダ山脈に流れ込みました。

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以上の文を具体的に地図に基づいて説明します。

世界の核実験で世界の大気を回った放射能と、チェルノブイリ、および1989年に閉鎖されるまでサンフランシスコの東で運転していたランチョセコ原子力発電所からの放射能が、太平洋からの西風に乗り、東のシエラネバダ山脈に当たります。

 

そこで気体状の放射性元素や1mm未満の大きさの凝縮粒子は、シエラネバダ山脈の西側中腹に降下します。特に雨や雪の場合、雨や雪に交じって大量に降り注ぎます。

 

山腹に降り注いだ放射能の一部は、雨や雪に流され、川に流れます。他方、地面に吸い込まれ、やがては地下水となっていきます。

 

 

或いは、再度舞い上がり、街や野や畑に降下し、街のアスファルトなどへの場合は、雨や風などで流され、野や畑への場合は、地表や葉などに積ります。

 

或いは、地面に吸い込まれた放射能は、樹木の根から吸われ、葉や幹が汚染され、無論、花粉や落ち葉となって地表に舞い降り、人の肺や地表を汚染します。

 

これらの汚染水は、サンフランシスコ湾とサンパブロ湾に流れ込み、やがてはマリン郡とサンフランシスコ市の間にあるゴールデンゲート海峡から太平洋に流れていきます。

 

 

この海峡では、潮の干満の差で海水が往復します。

この海峡のマリン郡側が深いため、マリン郡側が激しく流れます。

 

 

潮が満ちて引いた時、マリン側の干潟に、湾内から流れた放射性粒子と結合し帯電した粘土粒子が残ることになります。

 

この放射性粘土粒子が、干潟に積み重なります。

 

 

潮の満ち引きの度合いは一定ではなく、大潮の時に干潟に残った放射性粒子は、小潮のときには乾燥し、埃(ほこり)となって舞い上がり飛散します。

 

 

この放射性粒子は、放射性元素の比重に関係なく、皆、同様に飛散します。

 

この粒子をマリン郡の南端の住民が吸うわけですから、先ずは、放射線により敏感な女性の乳がん罹患率が、このエリアで高くなるのです。

 

この現象は、英国でも証明されています。

放射能(8)英国:廃炉で乳がん死者2倍の証明
2019-11-20

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12546857229.html

 

再度、敢えて、これらの現象を記事にしているのは、日本の、特に東京湾で発生する恐れがあるからです。

                       つづく

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(参考1)今回の記事に関連する私の記事

放射能(7)米国:原発のトリチウムが死を招く例
2019-11-18 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12546423348.html

放射能(9)英国:風下の恐怖、若い女性のがん多発
2019-11-22

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12547325062.html

放射能(10)米国:がんは自己責任、原発周辺から去る必然
2019-11-25 14:

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12548736343.html

 

(参考2)

原子力発電所が正常に作動しない場合は、この放射性粒子の放射性核種は多岐にわたります。

 

(この図は、正常な運転の場合です)

 

原子力発電所に異常をきたした場合、放出する最多はCs(セシウム)137ですが、Pu(プルトニウム)238、Pu239+240、Sr(ストロンチウム)238、キセノン133、その他の放射性核種としては、Cs134、Cs136、I(ヨウ素)131、I133、Ba(バリウム)140/La(ランタン)140、Zr(ジルコニウム)95/Nb(ニオブ)95、Ru(ルテニウム、白金族)103、Ru106、Te(テルル)132、Sb(アンチモン)125、Ce144など、多岐にわたります。

 

(引用図)

サンフランシスコ湾の干潟  San Francisco Bay Tidal Flats
https://www.youtube.com/watch?v=4THqdk7hG6k

 

環境省:放射線による被ばく

https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-02index.html#h28_2.1