新型コロナウイルスのワクチン、先月の第一回目に続き、二回目を接種した。ワクチンは武田薬品が製造するモデルナのワクチンだ。接種会場は大手町の合同庁舎、自衛隊大規模接種センターである。
接種会場
ちょうど東京が梅雨明けとなった昨日、久しぶりに晴れた空の下で、東京駅から接種会場へと向かうリムジンバスに乗る。皇居前をパスして合同庁舎に行く経路は一回目の時と同じ。僅か10分であるが、ちょっとしたはとバスツアーとなる。
今回の接種は第三接種班による接種であったが、さすがに自衛隊の管理下なので動線制御などは前回同様、しっかりしているので迷ったりすることはない。各接種会場のフロアー別に色分けされたクリアファイルをもたされたりするのも管理しやすいアイデアだ。
接種後、待機時間を経て外にでるまで、会場到着からおよそ40分だった。
その後若干の寄り道をして帰宅したのち、夕食をとって午後11時ごろ、二回目接種のお決まりともいえる発熱症状が現れた。日本感染症学会の6月16日資料によると、有害事象(副反応もこれに含まれる)のうちの38.0℃以上の発熱症状はモデルナワクチンの場合、およそ40%とある。
モデルナワクチン(国内では武田薬品が製造)
出典:日本感染症学会
ワクチン: モデルナ
接種場所: 大手町合同庁舎自衛隊大規模接種センター
接種日時: 2021年7月16日、11:00
時間経過 体温 血圧 脈拍 SpO2
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13:08分後 36.8
13:44 37.4 151/84 79 98
15:02 37.6 158/83 81 98
16:13 38.0 143/86 88 99
17:10 37.8 141/81 62 98
18:10 37.3 145/83 70 98
この様に小生の場合はピークが38.0℃だったのだが、この数字はかなり平均的かもしれない。その他の症状は、接種した腕がやたら痛いこと。あと、接種との相関関係が分からないものの、階段の上り下りの時に持病の膝が痛む。発熱と関節痛は次に示す日本感染症学会発表資料に明記されている。さらに夜の頻尿。これがやたら多く、朝体重計ったところ、寝る前よりもなんと600gくらい減っていた。
モデルナのワクチンは、mRNA(メッセンジャーRNA)という方法であるが、これはワクチンのSタンパクRNAが注入されるとヒトの細胞のACE2受容体と結合して取り込れ、細胞内でSタンパクが再形成されて細胞から放出されたあと、樹状細胞などの免疫細胞がそれを察知して抗原提示を行い、その情報を受けたB細胞が直ちに中和抗体を産生するというメカニズムを使うものだ。
これらの副反応は、なぜ起きるのか。
まず第一回目の接種を行うと少し免疫がつく。この接種を免疫細胞が記憶しているということにはなるのだが、短命である場合が多いので、長寿命の免疫細胞を生成するために2回目の投与が行われる。
二回目の接種では免疫反応が起きやすくなっているために、それこそ昼夜を問わぬ中和抗体製造ラインがフル稼働し、強烈な反応が生じるのだが、それが有害事象として発現するのが副反応である。つまり、二回目接種後はその生産ラインの稼働がハンパなく、ある意味母体の状態などを無視してでも大量生産に集中する結果として、二回目の接種後の副反応の方が、より強烈な反応となっているということらしい。注入されたワクチンはホンモノのウイルスではないのだが、そう信じてせっせと中和抗体を産生している免疫細胞、なんともいじらしい。
有害事象というのは、ワクチン接種に伴って発現する「好ましくない事象」のことで、副反応もこれに含まれる。逆に有害事象にはワクチン接種との直接的な因果関係などが不明であってもカウントされる。つまり、例えば接種したあとで交通事故にあった様な場合、ひょっとするとワクチン接種によって注意散漫になっていたからということもあるかもしれないし、ゼンゼン別の理由かもしれないが、とにかく接種後に起きた有害な事象ということでカウントされるということだ。
これは重要な方法で、すなわち現時点で解明されていない因果関係も列記しておけば、いずれワクチン接種との関連性が解明されるようになる可能性もあるから、ワクチン接種とは関係ないかも、とは思わず、有害事象はそのままカウントしておくべきだろう。
副反応は、病原体に依存する反応ではないので、多くの場合はそのままにしておいても治癒する。もちろん個人差はあるが。小生は、およそ30時間後に熱は平熱へと回復した。関節痛や上腕の痛みはまだ解消していない。これらは免疫細胞の働きによるものというより、派生的な現象だからだろう。ただし、これも病気ではないので、いずれ回復すると思う。