新型コロナウイルス感染症モニタリング検査  ー 不顕性感染者の検出 | プロムナード

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さいたま新都心駅のコンコースにて内閣官房と埼玉県のコラボによる「新型コロナウイルス感染症モニタリング検査」への参加が呼びかけられていた。

 

さいたま新都心駅コンコースでのモニター受付



これは即ち、無症状である参加者の唾液をPCR検査して不顕性感染者をあぶり出そうという作戦の一つではないかと思うが、不顕性者の中に、想像以上のスーパースプレッダーがいるという事実を鑑みれば、ワクチン接種と同等くらいに重要な作戦だろう。

 

モニタリング検査主旨に関するパンフレット


やり方としては、唾液を専用ケースに入れて郵便局へ持ち込めば、数日後に陽性陰性判定結果をスマホアプリ画面上で表示されるというシステムで、参加表明するとその場でアプリをダウンロードして各種設定登録が行われ、検査キットが手渡されるというもの。もちろん無料である。

 

郵送された唾液の検査は千葉県にあるSB新型コロナウイルス検査センター(株)にて行われ、結果はアプリで連絡される。

SB新型コロナウイルス検査センター(株)
https://sbcvic.jp/
 

キット内容
 

このキット配布場所は、現地での混乱などを回避すべく事前の予告はしないらしいが、市中感染のモニタリングという意味で、ランダムサンプリングとしても正しいと考えられる。


ところで、このキットに含まれる手順書には唾液の採取後の梱包や発送に関するプロセスが細かく記載されているのだが、肝心の唾液採取方法については採取器に付属されている英文のマニュアルのみというところが、如何なものかという気がする。


このマニュアルには、具体的な採取に当たっての注意事項、例えば採取すべき量や方法などが書かれており、モニタリングする上では最も重要なところなのだが、英文のままでよいのだろうか。スマホでQRコードを読み込むと動画で説明があるとはいえ、慣れないと何度も動画を再生し直す必要があるのは手間だ。ハードコピーの用意があれば、じっくり見ることが可能となる。

このモニタリングは老若男女を問わずサンプリングする方法なので、英文解釈できる人ばかりではないだろう。そういう意味では、そもそもスマホを持っていることが条件となっているし、持っていたとしても自力でアプリをダウンロードするなどの使いこなしができていない人には、モニタリング参加のハードルは高いと思える。そうなるとサンプリングは無作為とならず、分布曲線的には若年層の比率が高いものとなってしまうという懸念も生じる。

なお、その後に唾液検体採取の日本語のマニュアルを探してみたところ、SB新型コロナウイルス検査センターのWebページに掲載があったので紹介しておく。できればこのハードコピーを追加すると、分かりやすいマニュアルになると思う。

 


和文化された資料(この資料は同梱されていない)
https://sbcvic.jp/system/files/cvic/pdf/manual.pdf



この和文資料はかなり詳細に書かれているが、英文にある"It is recommended to vomit from the throat"、すなわち「喉の奥からゲロ吐くようにして採取するとよい」というところが割愛されてる。喉奥はウイルス量が多いことが報告されている様なので、重要だと思われるが、この商品は新型コロナウイルス専用ではないから一般的に書かれているということかもしれない。

 

サンプリングされた唾液と保護液との混合状態


それと、サンプリング方法についてだが、埼玉県民は700万人以上いる中で今回のモニタリング会場のさいたま新都心駅利用者数は一日11万人。一方、埼玉県全体での感染者数は一日当たり250人程度なので、不顕性罹患者の検出、更にその中でのスーパースプレッダーの炙り出しは相当限定的ではないだろうか。徹底的な洗い出しをするのであれば、もっと大々的に、しかも短期間で検査を行える掃討作戦が必要と思われる。

郵送する手段はかなり本格的なものだ。唾液採取した容器を青い密閉式パウチに入れた後、BioHazard(生物学的有害物質)と書かれたBarria Pouch(治験検体を安全輸送できる耐圧・密封袋)に入れ、更にDangerous Goods(危険物)と明記されたBARRIA BOX(輸送箱)へ収納して郵便局へ持ち込むという三重包装で、これはIATAの包装基準650(PI650)に適合しているらしい。つまり、臨床検体や治験検体の航空輸送容器として適用されるという本格的なものとなっている。実際、この容器の中には新型コロナウイルスが採取されている可能性もあるわけだから、当然のことかもしれない。

 

 

二重のパウチで封印

 

郵便局へ持ち込むための輸送箱

 

唾液検体採取は、スマホのアプリを開いてその指示に従う。下記に示すページの「検査開始」をクリックすることから始まる。

 

唾液採取開始ページ

 

その後、いくつかのプロセスを経て接種が完了して梱包までが完了すると、次の様に表示される。

この「結果待ち 通常数日後に通知」欄の表示が検査後に「陽性、陰性」などに変わる。

 

 

唾液採取終了後の表示

 

検査が終了すると、その旨がスマホにSNSにて連絡が来る。アプリを立ち上げると「結果待ち 通常数日後に通知」となっていた欄が、次のように変わる。小生の場合は、「陰性(ウイルス検出限度以下)」と変わっていた。

 

 

検査終了後の連絡

 

このPCR検査の感度や特異度は不明なので、偽陰性や擬陽性がどの程度なのか分からないが、一応信じることにしよう。

 

これを個人で行うとすれば、下にあるように6,050円と送料の負担が発生するのだが、今回のこの検査は検査材料費から輸送費に至るまですべて無料だ。

 

キット構成と市販価格

 

この様なモニタリングは、不顕性罹患者の検出を行うローラー作戦として極めて有益であり、モニタリング参加意思の確認時点で、検査結果が陽性であった場合の具体的な処置に関するアドバイスに従う旨、問われるので、その意味でも行政は更に予算を使って検査規模を広げるべきと思う。