昨日(2021年10月10日)のJR蕨変電所火災事故現場を視察した。
場所は蕨駅と西川口駅の中間くらいのところだ。この蕨変電所は、武蔵境から伸びる66kV三相交流のJRの送電線が113号鉄塔より地上へ降りたのち、直流1500Vへと変換されて京浜東北線、高崎線、宇都宮線等の饋電線に給電する変電所である。
電車の車窓からもその一部を見ることが可能だが、火災箇所は少し奥まったところなので、確認は難しい。

車窓から見るJR蕨変電所。鉄塔の左下辺りが火災現場。
現地でじっくり見ていたら、隣に住む方のご厚意で裏庭に入れさせて頂くことができた。
「とにかく燃えていたんですけど、何が起きているのか何が燃えているのかなんて、ゼンゼン分からなかったです」と笑っていたので、「あそこに見える、白いはずの碍子が黒いでしょ?あそこは変圧器があるところなので、恐らく変圧器の絶縁オイルが何らかの理由で燃えたのかもしれないですね。そこで出火したのか、他から燃え移ったのかはともかく」などと説明した。そこで撮影した写真がこれ。燃えた痕跡が生々しい建物と黒くなった碍子、焼けた鉄構等々、これらは表から見えない景観だ。

JR蕨線。ここで地下へと引き込まれる。右に焼けた鉄構が見える。

焼けた鉄構。給電線が消失している

焼けて茶色く変色している鉄構

地下変圧器の上にある碍子が黒ずんでいる

右に見える碍子が黒くなっている
もともとここは無人の変電所であり、燃える木材などは殆どなさそうだが、報道によれば爆発音がして出火したとあるので、直接的な原因は何等かの短絡事故だと思われる。それが飛び火してオイルが燃えたと推測できる。
なお、変電所お決まりのトランス震動音が聞こえなかったので、やはり運用は停止されており、別の基幹変電所各路線へは別の基幹変電所から給電しているのかもしれない。
給電ライン標記は次の通り。
貨上 北12H 赤羽方
貸上 北14H 浦和方
貸上 帰線
貸下 北11H 赤羽方
貸下 北13H 浦和方
貸下 帰線
客上 北12H 赤羽方
客上 北12H 浦和方
客上 帰線
客下 北11H 赤羽方
客下 北13H 浦和方
客下 帰線
電上 北12H 赤羽方
電上 北13H 浦和方
電上 帰線
電下 北11H 赤羽方
電下 北13H 浦和方
電下 帰線
浦電 2H専用線
浦電 帰線

饋電線へ給電するライン

給電を受けるライン
写真は、饋電線への給電ラインの真下と、変電所へ給電する66kV三相交流送電線の真下の電磁界強度。この様に、饋電線への九電ライン下では電磁界が発生していたので、手持ちの電磁界強度計を見る限りでは、饋電線への給電線の真下では電界磁界とも発生していたので、一部運用しているのか、あるいは饋電線側からの流れ込みなのかどちらかの様だ。

給電ライン直下。電磁界が発生している。
いずれにせよ、大混乱を起こしたとはいえ、7時間足らず程度で復旧させた技術力は優れていると思う。もちろん、ここが復活したということではなく、バックアップ変電所によるものかもしれないが。