米国のシリコンバレーへの出張は、通算で100回近くになる。往復の回数としては結構多い方じゃないかと思う。それだけ行き来したので、現地駐在とは異なる出張者としてのノウハウも蓄積した。現地ではアタリマエのことでも、日本から渡米したばかりの人たちにとってはまごつくことも多いと思うので、数回に分けてシリコンバレー出張の手引き的なものを書き記しておく。これから出張に行く人にとって参考になれば幸いだ。
(その1) レンタカーを借りるまで
http://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-12087834437.html
(その2)
シリコンバレーあたりについて普通のガイドブック風に紹介してもつまらないので、仕事を前提として紹介しましょう。シリコンバレーというのは地名ではないので、どこからどこまでがシリコンバレーかという境界はありませんが、パロアルト、マウンテンビュー、サニーベール、クパチーノ、サンノゼ、サンタクララ、ミルピタス辺りがシリコンバレーです。インテルなどの著名な半導体メーカーや、Apple、GoogleなどIT産業会社は大体ここにあります。
まず、現地と日本の時差です。
自転している地球を回転座標(極座標)として考えると、PST(Pacific Standard Time;米国西海岸標準時)とJST(Japan Standard Time:日本標準時)との位相角差はイギリスのグリニッジ天文台の経度0度に対し、日本は東経135度、カリフォルニアは西経105度。つまり、日本はカリフォルニアに対して経度として135+105=240(度)の位相差があります。地球は24時間で一回転しますから、1時間の角速度は360/24=15(度)。よって、240/15=16(時間)。つまり、時間軸に変換すれば(時差として)、日本は相対的に16時間進んでいます。
これを実際の時間でいうと、日本の朝9時がカリフォルニアの前日午後4時となります。また、米国は4月第一週目の日曜午前2時から11月1週目の日曜午前2時まではサマータイム(正式にはDay Light-saving Timeといいます)となりますので、1時間だけ時計そのものを早めますから、日本の朝9時はカリフォルニアの前日午後5時となります。
出張帰国がその境界日に当たる場合は、このDLTには十分に注意してください。例えばサマータイムに入る場合ですと、夜中の午前2時が突然午前3時になることになりますから、朝起きた時間が7時のつもりでも、実際には8時となります。
この時差というもの、仕事人的にいうとカリフォルニアで仕事が終わる時間にちょうど日本での仕事が始まるということになり、つまり現地での一日の仕事が終わってほっとする頃に日本からメールや電話がバシバシ入ってくるということになる・・・それをまともに相手していると日本時間の退社時間、カリフォルニアの夜中の2時ごろまでかかってしまうわけで、仕事だから仕方ないのですが、なんとなく24時間仕事しているような気分になれます。一方、カリフォルニアの金曜日は日本では既に土曜日となるため、緊急以外ではメールも電話もないので(原則的に)、なんとも平和な気分になれます。まさに花の金曜日なのです。
下の写真は、カリフォルニア湾を挟んでシリコンバレーの反対側にあるフリーモントにあるトレッキングコースの頂点にあるMission Peakという小高い丘の上から見たシリコンバレー全景です。シリコンバレー出張の密かな楽しみは、比較的近場にこういう散歩道があることです。これらのトレッキングコースについては別途紹介しましょう。
シリコンバレーの緯度は北緯37度。つまり日本の仙台ぐらいの緯度となりますが、気候としては温暖です。雨季と乾季がはっきりしていて、毎年4月ごろから9月末ごろまでは乾季となり、雨は殆ど降りません。朝方どんよりと曇っていることもありますが、大体8時か9時ごろには晴れてきてそのまま夜に突入といった感じです。従って夏は相当に乾燥していますので、移動するときは必ず飲料水の携帯をお忘れなく。雨季は雨が降ったり止んだりといったところです。
日の出・日の入りについてですが、夏至の頃(6月20日前後)は、サマータイム中である関係上、日の出が5:30AM、日の入りが20:30PM前後となります。つまり夜8時過ぎても十分明るいことになります。逆に10月末ごろはまだサマータイム中ですから、10月31日前後ですと日の出が7:30AM、日の入りが18:20PM頃ですので、朝7時でもまだ相当暗いことになります。
物価は日本のそれとあまり変わりません。レストランでの食事も、スーパーで調達する飲料水や酒類なども殆ど同じです。若干高いかもしれません。ただし、元々観光地ではありませんから観光客向けの特別価格などというものもありませんし、食費などで特に注意するものはありません。
食事処については、何しろ様々な人種がいる土地ですから各国籍のレストランが点在しています。日本、韓国、中国はもとよりインド、マレーシア、タイといった東南アジア各国料理もあるし、メキシコ、イタリアなどのレストランもたくさんあります。もちろんアメリカですのでTボーンステーキやBBQ、アメリカンハンバーガーの店でしたらたくさんみつけることができます。
現地では多くの人種の人たちがひしめいていますから、こちらがよほど観光客風の服装でない限り、彼等はこちらを意識しません。東洋人はもとより、現地駐在の日本人もたくさんいますので、現地の人たちから見ても殆ど見分けはつかないようです。ですからあまり意識する必要はありません。
ただし、あまり派手な服装や金持ち風の服装はご法度です。セカンドバッグを小脇に抱えるのもタブー。金の在り処を教えるようなものですから。なるべく現地に溶け込む様な服装で入ることが大切です。そうでないと、強盗の餌食になってしまいます。初めてだからといって高価なカメラをぶら下げてキョロキョロすることはやめましょう。とにかくスキを見せてはいけません。慣れればある程度気を抜くことも出来ますが、逆に言えば慣れ始めたころこそ危険ですので、十分用心をするように心掛けてください。
支払いに使用する紙幣についてですが、支払いの基本はクレジットカードで行うという国でもあるため、100ドルなどの高額紙幣はスーパーなどでは使用しないほうが無難です。別に使えないわけではありませんが、使用している人はあまりいません。時刻によって使えないという食事処もあります。神経質になりすぎるのも問題かもしれませんが、ともかく現地の人と同じような振る舞いをすることを心掛けることが大切です。あまり目立ったことをすると、ストーキングされた挙句・・・などというしゃれにならない結果をもたらすことも多々あることは最初から意識しておいたほうが良いでしょう。レンタカーを借りて大きなスーツケースと金やパスポート類などが詰まった手提げバッグを車に詰め込んでいるところを目撃され、ずっと後をつけてくるといった手口で窃盗を行う輩もいるので、用心はしすぎるぐらいで良いと思います。実際にそういう被害にあった人を知っています。
駐車場は危険と遭遇することが最も多い場所のひとつです。後で詳しく述べますが、貴重品は絶対に車の中へ置き去りにしてはいけません。荷物がある場合には、荷物を座席の上など外から見えるところに置いたまま車を離れないように。現地にいる友人のケースですが、かつてカーオーディオを盗まれた経験から、彼は車を離れる時に、必ずコンソールからはずして足元に置いていました。それだけでも効果があるとか。犯行を行なう人が組織的犯行者だとすると、防犯対策をすることも大変なのですが、犯行の大体は出来心による犯行でしょうから、わざわざ盗み心を呼び水することだけは避けたいものです。
とにかく、駐車場に車を置いたら周りを一瞥し、危険察知をしてください。駐車する場所についても出来るだけ人通りの多いところに駐車することも大切です。夜でしたら、照明に近いところ。また、駐車してからトランクを開けて財布を取り出して、それ以外のバッグ類をトランクに置いたまま車を離れることなど絶対禁物。財布は難を逃れるにせよ、トランクの中に置き去りしたバッグは車に戻るまでの間に確実に消えると思って差し支えありません。
ところで、車は単に道具であるという意識は日本のそれよりもずっと高いため、道具として機能すればいいと考えているからか車の扱いについては日本人のそれよりも雑な場合が多いですので、駐車場などでぶつけられることもしばしば。ドアを開く時に隣の車にドアが当たることぐらい、なんでもないといった感じですからご注意を。バンバーはぶつけるためにあるぐらいにしか考えていない人もいるようですので、駐車場では車を止める際に、隣の車種、保存状態、駐車テクニックなどについても注意した方が宜しいでしょう。ドアもルーフも錆だらけで、ライトが片目になっているような車も良く見かけますが、そういう車が駐車スペースに斜め駐車してあった場合などは、絶対にその隣へ駐車してはいけません。他にスペースがなくても別の場所を探すか、スペースが空くのを待った方がよいでしょう。その車のオーナーは、車をぶつけることを何とも思っていないオーナーだと察するべきです。























