乃木坂46にみるビジネスモデル  - アイドルとファンとの役割分担 | プロムナード

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最近よく「AKB48から乃木坂46へ鞍替えしたの?」とか「AKB48、飽きたの?」とか、良く聞かれる。

そうではない。乃木坂46は追う立場にいるから応援したいということだけ。

乃木坂46 真夏の全国ツアー2015

AKB48は既に他のグループから目標とされる地位にあり、頂点に君臨する存在となった。小生にとってAKB48は絶対的存在だ。一方、一方乃木坂46は、発足当初からAKB48という追いつくべき目標を与えられている。運営側の用意したキャッチは「AKB48の公式ライバル」だった。メンバーがどう思うかは関係なく、いやおう無しに設定された大前提である。いきおい、根本的に立場が違う。追うものと追われるものの違いとも云える。

追うものと追われるもの  - どちらの方が大変か?
http://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-12040494009.html

それぞれの立場で大変さは異なるが、追うものの場合、目標を追っている姿を周囲に晒すことによるプレッシャ、つまり「お手並み拝見」的な好奇の目に晒されるという宿命が付きまとう。それに打ち勝つためには、しっかりと背中を押すファンの存在が不可欠だ。そこが小生が乃木坂46を押す動機だ。

かつての総選挙で「私のことは嫌いでも、AKBは嫌いにならないでください!」と叫んだり、或いは「もう背中を押して下さいとは言いません。ついて来てください」とスピーチした前田敦子、大島優子といった様な、AKB48のファンでなくても一般人に知名度の高いエース的存在というメンバーは、残念ながら乃木坂46にはまだいない。しかも元々ネガティブ志向の強い子たちが多いためか、ついて来てくださいどころか背中を押してくださいとすら言わない。だからこそ、ファンが引っ張っていく必要があるのだ。

認知度を高めさせたい、それに貢献したい。それはファンとして当然の心理であり、それに立脚した行動をとるのはごく自然のことだろう。かつてまだAKB48が発展中だったころ、米国シリコンバレー出張中に電器量販店の展示品タブレットでYoutubeを開き、AKB48の動画を流してその場を去る様なことは何度もやった。意味があるかどうかはともかく、そうすることで「なんだこの子達は?」と記憶させればいいと思った。

AKB48は結成後10年が経って世界的にも知られる存在となり、今や絶対的な地位を築いた。元来グループというのは友達同士からの発展形であり、オーデションはグループとして一緒に受け、受かればグループとして活動を行なう。それがグループの基本形だった。

それに対し、AKB48はオーディション合格者で結成された初顔合わせ同士の「寄せ集めグループ」だ。この手の仕掛け人はかつて同様の手法で「おニャン子クラブ」をプロデュースした秋元康氏だろう。互いに仲間であると同時にライバルだ。そこに独特の緊張感が生じる。あえてズブの素人を原石から切り出しただけのまま、研磨加工する前に突如としてメディアに晒す。ハスに構えた一般大衆の目に晒されるわけだ。一方、メンバー同士にしても、とにかく全くアカの他人同士が互いの距離感がつかめないまま、というか、棘々な状態でむりやりグルーピングされて活動開始するというモデルになっている。最近ではモーニング娘。がその典型だろう。

その様な中で、AKB48はライバル同士の戦いを世に見せた。闘争心むき出しでオーディションに臨み、合格した暁には、メディアで尺の取り合いをする。そういう価値観や行動は、これまでの常識を覆す。ともすればそれは残酷な絵図であり、場合によっては人間の尊厳すら失わせる、まさに修羅場だったし、それを「見世物」にして今日まで来ている。一方、「1+1=3」と云ったシナジー効果が奏功し、AKB48は途中で中弛みすることなく、ビジネスとしても常に右肩上がりで成長が続き、既に10年となった。株価だとしたら、最優良株の筆頭だろう。

我々男性から見ると、女性が闘争心をむき出しで戦うという姿はちょっと想像できないのだが、一方、あっても可笑しくはないと思う。但し、それは飽くまでも男性の前では見せない「ウラ」の世界だったはずで、それをメディアに流すという発想はこれまでなかった。言葉や態度によるオンナ同士の「格闘技」をメディアの前で演じさせたのだ。おにゃんこクラブで実験を行って感触を得た秋元康氏は、その発展形としてAKB48を発足させた。ともすればこのあからさまな神経戦による格闘を煽る手法は人道的に問題ありという意見もあるだろうが、ある意味、女性解放でもあると小生は考えている。

さて、こういう流れの派生形として乃木坂46は誕生した。当然、オーディションによる寄せ集めグループである。そして結成当初からAKB48の公式ライバルという貼紙が貼られた。何がなんだかわからない少女たちに、雲上人であるAKB48に対してタイマンを張れと指示した。そういう状況下にあり、戸惑いながらも屈することなく演技する姿はまさにアッパレだと思う。

世の中、女が元気だと男が元気になるというのは古今東西同じだろう。かつての様な強いリーダーシップをとる男が稀有な今日の日本、男たちを奮起させるためには女が元気である必要がある。女が元気であるためには、男がインフラを整備する必要がある。

優れたソフトウェアも優れたハードウェアがなければ動かないし、優れたハードウェアも優れたソフトウェアがなければ役立たずなのだ。

役割分担とはこのことを言うのだろう。アイドルとファンも、そんな関係なのかもしれない。この関係を保持できれば、常に儲かる仕組みが確立されたビジネスモデルとなる。