具体的な心のお部屋の整理の仕方 | あなたの心のお部屋はあなた色ですか?
RC Method代表万紀子さんの許可の元、blogを編集掲載しています。

 

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誰かから、嫌なことをされている。
誰かが、私に~~してくれない。
つらいことが起きた。
やっていられない。
 
このような不満を抱えている方は
多いのではないでしょうか。
 
よく、
他人は変えられない、

変えられるのは自分だけ、

と言われます。
 
まずは、自分の身に起きていることを、
境界線で整理する必要があります。
 
以下A、B、C、どれかまたは
複数に当てはまるので、
考えてみてください。

 

A、自分がやれば良いこと

(生活習慣改善、新しいことへの挑戦など)
 
B、他人が自分の境界線を越えてくること
(嫌がらせをされている、など)
 
C、自分が他人の境界線を越えている
(見ていて腹が立つ、など)
 
この3種類に分ける、

これが心のお部屋の整理の仕方です。

 

ただ、実際のカウンセリングの現場では
ご本人の分け方が
間違っていることが、多々あります。
 
例えば、
A、に「私が我慢すれば良い」
と入れてしまう。
 
B、で先に境界線を侵していたのに、
「されている」被害しか覚えていない。
 
C、は、大抵の方は「そんなことしていない」
と否認するか、
「いや、こちらにその権利はある」
と主張するか、どちらかです。
 
否認は、非常に難しいです。
本人がやっていない
というなら、どうしようもないのです。
状況証拠などを並べても
意味がありません。
 
私は、
否認が起きた場合は、
そこでカウンセリング終了です。
 
本人が認めなくても
原因と結果の法則(※1)は続くので、
取ります。

 

 

では

A、自分が行動すれば良い

というのはどういうことでしょうか?

 

例えば

「アダルトチルドレン」

 
元は、アルコール依存症の
親を持つ子に対してつけられた呼び名から
親が親の役目を果たさず
幼い頃から大人のようであることを
強いられた子の総称となりました。
 
そこからだんだん、
親に満たしてもらえなかった、
という思いを持つ人が広く
自分はアダルトチルドレンである、
という切り口から
今の不幸せを読み解こうとしています。
 
誤解のないようにお断りしておきますが
私は、アダルトチルドレンの概念を
否定しませんし、
それは、現在を読む上で貴重な情報です。
 
しかし、
アダルトチルドレンだから
悪いのは親だから
もっと違う育てられ方をしていたら
こんな自分じゃなかったはず
という風に
今これから自分が変化することを
拒否していても、
かわいそうな自分、
というものを見つめていても、
何も解決しません。
 
確かに
親にめちゃくちゃにされた人も
たくさん知っています。
どこから重症で、どこから軽症か
なんていう線引きはできません。
 
でも今、
めちゃくちゃだろうと何だろうと、
そこからスタートするしかないのです。
 
過去に戻って、
親を矯正することはできません。
 
やってしまった失敗を
止めることもできません。

 

「ぐちゃぐちゃだなぁ…
人の部屋片づけないで行っちゃったよ。
仕方ない。
どこから片づければ良いかわからないけど
とにかく自分で片づけるしかないな。」
 
というのが
A、自分がやれば良いこと
です。

 

自分にレッテル貼りをすると、
言い訳ができます。
「私はアダルトチルドレンだから、
~~できない」と。
 
そうか、できないのか。
じゃあ、どうしたらできるようになるかな。
 
と考えることができたら、
その瞬間から、
変化するために必要な行動を
起こすことができるのです。
 
そう考え始めることができれば、、
アダルトチルドレンという
カテゴリーに入っていることに
意味がなくなってきます。
 
親によって被害を受けたけれど
そのことに影響されず
成長し始めた私、は
アダルトチルドレンでしょうか?
 
私は、違うと思います。
 
つらい経験をしたけれど、
けどだからより深みのある人間性が
育まれる可能性がある人。
 
「私は、アダルトチルドレンだから」
と言う人とは、
違うところにいる人。
 
誰でも、そうなることができます。
 
ここまできて
お気づきでしょうか。
 
A、B、Cと
境界線で分けましたが、
自分の人生の出来事を
どこまでAとして捉えることができるか、
というところが勝負どころなのです。
 
アダルトチルドレンとして
傷を負った状態は、
B、他人が自分の境界線を越えた
ことによるものです。
 
けれどそれを受けて
A、自分ごととして行動する、
B、境界線を越えられた、で止まる
C、だから私に優しくしてよ、と
他人の境界線を越える
3つのうちどうするか、
自分で選ぶことができます。

 

 

ちなみに、

B、他人が自分の境界線を越えてくること

についてですが、

大事なのは、
今侵害されているのか、
過去に侵害されたのか、
はっきり分けることです。
 
お部屋の例で考えるなら
他人がズカズカ入ってきて、部屋を荒らすので
片づけても追いつかない状態なのか、
過去に荒らされたのを片づけられずにいるのか、
どちらなのかによって、
対応が違います。
 
今現在、進行形で境界線を侵害されているなら
どうやって
境界線を守るか、ということに
まず知恵を絞ります。
 
きっぱりと、でもこちらが侵害することなく
線を引く練習は、必要です。
 
線を引くことができると、
過去に侵害されたのと同じになります。
 
 
記事の最後になりますが、
心のお部屋を整理する手順は、
まず
自分の境界線を確認し、
次に、境界線内の他人のものを捨て、
それから、自分の境界内の整理に取り掛かる、
ですが、
先にも述べたように、
自分の境界線確認時、
間違ってA、B、C、に振り分け
方向を間違うこともあるので、

心の整理のプロに助けを求めることも

一つの手であると思います。

 
 
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参考記事

ありのままを認められないと起きてくること

アダルトチルドレンというリスク

今されていること、過去にされたこと