インビクタス/負けざる者たち
老いてから、さらに腕に磨きがかかった
イーストウッド監督最新作
『インビクタス/負けざる者たち』
感心させられるのは、
イーストウッド監督作品は、この何年かハズレが無い事。
映画を作るコツというかツボをつかんでしまったかのよう。
今回は、95年におきた実話の映画化で、
マンデラとも旧知のモーガン・フリーマンが、
イーストウッドに持ちかけ実現した企画だ。
そして、この実話を見事に料理している。
最近「天下無敵」とは、力で他者をねじ伏せて
敵を無くすのではなく、共存共栄の精神で
敵を作らない事だと教えてもらったが、
この映画ではその姿が見事に描かれている。
ネルソン・マンデラという人物が
政治家としてリーダーとして、
どれほど優秀だったかがわかる。
今の日本の政治家は、この映画を観て
政治家とは?リーダーシップとは?
というものを学んだ方がいいだろう。
こんな事を書くと、
小難しい映画かと勘違いされるかもしれないが、
決してそんな事はない。
実にシンプルでわかりやすい。
是非、観てもらいたい作品。
イーストウッド監督のすばらしいと感じる点は、
これだけ多くの作品を毎年作っているのにもかかわらず、
クオリティーが高い点。
そしてタイプの違う映画を作り、
しかもキャストは毎回違って、
馴染みの俳優というものが存在しない。
それだけアグレッシブさを失っていないという現れだろう。
自分も是非見習いたい点だ。
イーストウッド監督最新作
『インビクタス/負けざる者たち』
感心させられるのは、
イーストウッド監督作品は、この何年かハズレが無い事。
映画を作るコツというかツボをつかんでしまったかのよう。
今回は、95年におきた実話の映画化で、
マンデラとも旧知のモーガン・フリーマンが、
イーストウッドに持ちかけ実現した企画だ。
そして、この実話を見事に料理している。
最近「天下無敵」とは、力で他者をねじ伏せて
敵を無くすのではなく、共存共栄の精神で
敵を作らない事だと教えてもらったが、
この映画ではその姿が見事に描かれている。
ネルソン・マンデラという人物が
政治家としてリーダーとして、
どれほど優秀だったかがわかる。
今の日本の政治家は、この映画を観て
政治家とは?リーダーシップとは?
というものを学んだ方がいいだろう。
こんな事を書くと、
小難しい映画かと勘違いされるかもしれないが、
決してそんな事はない。
実にシンプルでわかりやすい。
是非、観てもらいたい作品。
イーストウッド監督のすばらしいと感じる点は、
これだけ多くの作品を毎年作っているのにもかかわらず、
クオリティーが高い点。
そしてタイプの違う映画を作り、
しかもキャストは毎回違って、
馴染みの俳優というものが存在しない。
それだけアグレッシブさを失っていないという現れだろう。
自分も是非見習いたい点だ。
ここまできたか、ラジオ局
神戸のKiss—FM、売上高6億円水増しの疑い
地方のFM局は、多かれ少なかれ似たような状況だ。他にも今年の3月の決算が乗り切れない放送局があるのでは、と言われてるほどだ。
「エフエム九州」清算へ 放送は新会社が継続
2年ほど前に福岡のCROSSーFMが債務超過に陥ったのも記憶に新しい。これはリーマンショックが起きる前の出来事。要するに、もともと構造不況に陥っていた所にリーマンショックが起きて、どうにもならない状態になってしまっているのだ。
今のラジオ局は、言ってみればデパートだ。どこの局も似たり寄ったりのプログラムで、音楽やバラエティーなど様々な品揃えで放送している。自分はそこに問題があるように感じる。各局独自性を打ち出していかないと生き残っていけないのではないか。出来るかどうかはひとまず置いておいて、例えば演歌専門の放送局やお笑い専門の放送局、ニュース専門の放送局があってもいいだろう。(専門でなく中心にプログラムを組むとか)また、再放送に耐え得るプログラムを作って、何度も放送するのも一案ではないか。アイデアを出せば、いろいろある。ラジオ放送に関わる人たちは、錆び付いたラジオ文化論などにしがみつかず、これからあるべきラジオ放送の形を創造してもらいたい。それが出来なければ消え行くのみだ。
地方のFM局は、多かれ少なかれ似たような状況だ。他にも今年の3月の決算が乗り切れない放送局があるのでは、と言われてるほどだ。
「エフエム九州」清算へ 放送は新会社が継続
2年ほど前に福岡のCROSSーFMが債務超過に陥ったのも記憶に新しい。これはリーマンショックが起きる前の出来事。要するに、もともと構造不況に陥っていた所にリーマンショックが起きて、どうにもならない状態になってしまっているのだ。
今のラジオ局は、言ってみればデパートだ。どこの局も似たり寄ったりのプログラムで、音楽やバラエティーなど様々な品揃えで放送している。自分はそこに問題があるように感じる。各局独自性を打ち出していかないと生き残っていけないのではないか。出来るかどうかはひとまず置いておいて、例えば演歌専門の放送局やお笑い専門の放送局、ニュース専門の放送局があってもいいだろう。(専門でなく中心にプログラムを組むとか)また、再放送に耐え得るプログラムを作って、何度も放送するのも一案ではないか。アイデアを出せば、いろいろある。ラジオ放送に関わる人たちは、錆び付いたラジオ文化論などにしがみつかず、これからあるべきラジオ放送の形を創造してもらいたい。それが出来なければ消え行くのみだ。
変化に対応出来るのか?
民放キー局、全社でスポンサー広告2ケタ減
放送事業は、どこまでが生き残れるのだろう?おそらくタイム広告からは、それほど増えてこないだろう。というのも、変化の激しい時代にスキームがあっていないからだ。もちろん費用対効果が良くなれば、戻ってくる場合もあるかもしれないが。
今、一番厳しい状況に置かれているのはラジオ局だろう。その中でも地方局は、かなり深刻だ。ピーク時と比べ、売上が半減している放送局も多く、事実上の債務超過になっている局も増えている。先日、某放送局の取締役と話をした所、今年に入り内容証明を送るような事案が増えているという。おそらく売上を上げるために、小さな広告代理店やスポンサーと取引を始めたが、それらの企業が経営不振に陥って焦げ付いてしまっているのだろう。まさに悪循環だ。3月の決算に向けて、各局とも数字を作ってくるだろうが乗り切れない放送局も出てくるのではないか。
衰退産業が持ち出す文化議論
ここでは出版業界について書かれているが、ラジオ業界にも全く同じ事が言える。そのうちテレビ業界も、こうなるのでは?
放送事業は、どこまでが生き残れるのだろう?おそらくタイム広告からは、それほど増えてこないだろう。というのも、変化の激しい時代にスキームがあっていないからだ。もちろん費用対効果が良くなれば、戻ってくる場合もあるかもしれないが。
今、一番厳しい状況に置かれているのはラジオ局だろう。その中でも地方局は、かなり深刻だ。ピーク時と比べ、売上が半減している放送局も多く、事実上の債務超過になっている局も増えている。先日、某放送局の取締役と話をした所、今年に入り内容証明を送るような事案が増えているという。おそらく売上を上げるために、小さな広告代理店やスポンサーと取引を始めたが、それらの企業が経営不振に陥って焦げ付いてしまっているのだろう。まさに悪循環だ。3月の決算に向けて、各局とも数字を作ってくるだろうが乗り切れない放送局も出てくるのではないか。
衰退産業が持ち出す文化議論
ここでは出版業界について書かれているが、ラジオ業界にも全く同じ事が言える。そのうちテレビ業界も、こうなるのでは?
ゴールデンスランバー
おなじみ、伊坂幸太郎×中村義洋監督の映画作品
『ゴールデンスランバー』観てきました。
ネットを見回すと、好評なようだけど
自分にとっては全く物足りない作品でした。
おそらく「映画」をどう捉えるか、という事なのだろうけど、
この作品は(どうやら)原作を意識するあまりに、
人間描写がかなりおざなりになってしまっている。
もちろん映画的な手法は多用されていて
映画感はちゃんとするんだけど、
気の抜けた炭酸飲料のような感じ。
いろいろ突っ込みどころは満載なのだけど、
一番大きいのは、この物語が
「首相暗殺が起こり、誰かによって犯人に仕立てられる」
という事から始まっている点。
どうしても人の興味としては、
「いったい誰が、どんな理由で首相を暗殺し、
なぜ主人公を犯人に仕立てたのか?」
という事が沸き起こる。
最低限、ここは明快に解決して欲しいのだけど、
「えっ?」と思うほど軽く扱われる。
自分はこれで映画に入り込めなかった。
この映画は「逃げる」という事が大きなテーマらしいけど、
そこもかなり物足りない。
ある陰謀によって、国家を敵に逃げ回るのだけど
警察を始めとする国家権力に全く迫力がないために、
主人公が追いつめられてる感じが伝わってこない。
そして、出てくる登場人物のほとんどが、
なぜか主人公の味方になるのが、気持ち悪い。
「映画に出てくる登場人物が、この映画の主人公を知っている」
というやつだ。
どうしてこんな事になってしまったのかと言えば、
この原作を映画にするだけの予算が無かったのだろう。
このスケールを映画にするには、それなりのお金がかかる。
どんなに頑張っても予算不足が映像に出てしまう。
とっても残念。
個人的には、伊坂幸太郎×中村義洋監督の映画作品は
重ねるごとに劣化してる気がする。
『ゴールデンスランバー』観てきました。
ネットを見回すと、好評なようだけど
自分にとっては全く物足りない作品でした。
おそらく「映画」をどう捉えるか、という事なのだろうけど、
この作品は(どうやら)原作を意識するあまりに、
人間描写がかなりおざなりになってしまっている。
もちろん映画的な手法は多用されていて
映画感はちゃんとするんだけど、
気の抜けた炭酸飲料のような感じ。
いろいろ突っ込みどころは満載なのだけど、
一番大きいのは、この物語が
「首相暗殺が起こり、誰かによって犯人に仕立てられる」
という事から始まっている点。
どうしても人の興味としては、
「いったい誰が、どんな理由で首相を暗殺し、
なぜ主人公を犯人に仕立てたのか?」
という事が沸き起こる。
最低限、ここは明快に解決して欲しいのだけど、
「えっ?」と思うほど軽く扱われる。
自分はこれで映画に入り込めなかった。
この映画は「逃げる」という事が大きなテーマらしいけど、
そこもかなり物足りない。
ある陰謀によって、国家を敵に逃げ回るのだけど
警察を始めとする国家権力に全く迫力がないために、
主人公が追いつめられてる感じが伝わってこない。
そして、出てくる登場人物のほとんどが、
なぜか主人公の味方になるのが、気持ち悪い。
「映画に出てくる登場人物が、この映画の主人公を知っている」
というやつだ。
どうしてこんな事になってしまったのかと言えば、
この原作を映画にするだけの予算が無かったのだろう。
このスケールを映画にするには、それなりのお金がかかる。
どんなに頑張っても予算不足が映像に出てしまう。
とっても残念。
個人的には、伊坂幸太郎×中村義洋監督の映画作品は
重ねるごとに劣化してる気がする。
映画業界は好調なのか?
映画興行収入、3年ぶり2000億円超す
このニュースだけを見ると、映画業界は好調のように思える。しかし同じ日に、こんなニュースも飛び込んできた。
「フラガール」制作のシネカノン、再生法適用申請
映画製作は、製作費を出資してから回収までに時間がかかる。ましてや日本映画界で製作費がリクープ出来る作品は、それほど多くない。その中で興行だけでリクープ出来る作品は数作品だろう。では、どのように製作費をリクープしていたかというと、DVDのセル&レンタルが大きい比重を占めていた。しかしながらこの数年、DVDの販売が落ち込み製作費をリクープするのは、以前にも増して難しくなっている。
一時期、映画ファンドがもてはやされたが、ほとんどが失敗に終わっている。なぜか? それはヒットしそうな作品には出資者がすぐに集まるために、ファンドを使う必要がなかった。ファンドを使わなくてはいけない企画はお金の集まりにくい企画、つまり映画業界関係者から見てヒットの確率が低いものになってしまっていたためだ。シネカノンはシネカノン・ファンドの第1号として「フラガール」をヒットさせた。その事がかえって、映画業界を取り巻く環境の変化への対応が遅れ、このような結果の一因になったように思える。昨年から映画配給会社などの倒産が相次いでいる。映画業界も経営者としての能力をしっかり持ったものが経営にあたらないと、生き残れないほど厳しい時代がやってきている。興行収入が増加したとは言え、決して喜んではいられない状況だ.
このニュースだけを見ると、映画業界は好調のように思える。しかし同じ日に、こんなニュースも飛び込んできた。
「フラガール」制作のシネカノン、再生法適用申請
映画製作は、製作費を出資してから回収までに時間がかかる。ましてや日本映画界で製作費がリクープ出来る作品は、それほど多くない。その中で興行だけでリクープ出来る作品は数作品だろう。では、どのように製作費をリクープしていたかというと、DVDのセル&レンタルが大きい比重を占めていた。しかしながらこの数年、DVDの販売が落ち込み製作費をリクープするのは、以前にも増して難しくなっている。
一時期、映画ファンドがもてはやされたが、ほとんどが失敗に終わっている。なぜか? それはヒットしそうな作品には出資者がすぐに集まるために、ファンドを使う必要がなかった。ファンドを使わなくてはいけない企画はお金の集まりにくい企画、つまり映画業界関係者から見てヒットの確率が低いものになってしまっていたためだ。シネカノンはシネカノン・ファンドの第1号として「フラガール」をヒットさせた。その事がかえって、映画業界を取り巻く環境の変化への対応が遅れ、このような結果の一因になったように思える。昨年から映画配給会社などの倒産が相次いでいる。映画業界も経営者としての能力をしっかり持ったものが経営にあたらないと、生き残れないほど厳しい時代がやってきている。興行収入が増加したとは言え、決して喜んではいられない状況だ.
BANDAGE
酷評が伝わってくる『BANDAGE』
どんなものなのか観てきました。
数年前にラジオドラマ化され、
その後、一度は映画製作が頓挫した作品。
酷評に関しては、観てみて納得。
バンドメンバー同士やそれらを取り巻く人間関係が
ちゃんと表現されていないために、
物語が動いても観客がついて来れない状態になっている。
シナリオが長いので前半を全てカットした
という話は聞いていたけど、これはちょっと酷い。
またそれに加え、異業種からの参入して初監督の演出。
全てが悪い方向に働いてます。
やはり若い役者さんの出演が多い作品は、
しっかりと演技の演出が出来る人が監督をやらないと、
まとまりのないものになってしまう。
良くなる要素が沢山あったのに、
とってももったいない仕上がりになっている。
作品が可哀想な感じがする。
どんなものなのか観てきました。
数年前にラジオドラマ化され、
その後、一度は映画製作が頓挫した作品。
酷評に関しては、観てみて納得。
バンドメンバー同士やそれらを取り巻く人間関係が
ちゃんと表現されていないために、
物語が動いても観客がついて来れない状態になっている。
シナリオが長いので前半を全てカットした
という話は聞いていたけど、これはちょっと酷い。
またそれに加え、異業種からの参入して初監督の演出。
全てが悪い方向に働いてます。
やはり若い役者さんの出演が多い作品は、
しっかりと演技の演出が出来る人が監督をやらないと、
まとまりのないものになってしまう。
良くなる要素が沢山あったのに、
とってももったいない仕上がりになっている。
作品が可哀想な感じがする。
アバター
今年最初の映画鑑賞。
話題作の『アバター』観てきました。
公開前の評判は「話題先行で中身がともなってないのでは?」
と言われていたけど、公開が始まると
「一度は観ておいた方がいいよ」と評価が逆転。
ようやく観に行ってきました。
個人差はあるんだろうけど、3Dは思ったより見やすかった。
画面から飛び出てくるような映像は多用せず、
奥行きを表現する事に重点が置かれていたのが良かった点。
もともと作品が長いので、目の疲れよりも
お尻の方が痛くて気になってしまった。
作品としても、ほんと良く出来てる。
王道と言えば王道な作りだけども
世界観が入念に作り込まれているので楽しめる。
先住民ナヴィの文化を主人公が学んで行く過程で、
観客も同じようにナヴィたちの文化や考えを
理解出来るように作られているのが上手い。
作品を観ていて
人間はいつまで経っても、同じ過ちを繰り返すのか?
そんな事を考えさせられる。
自然や他民族と共存は出来ないものなのか?
とにかく一度は映画館で観た方がいい作品。
もちろん3Dで。
話題作の『アバター』観てきました。
公開前の評判は「話題先行で中身がともなってないのでは?」
と言われていたけど、公開が始まると
「一度は観ておいた方がいいよ」と評価が逆転。
ようやく観に行ってきました。
個人差はあるんだろうけど、3Dは思ったより見やすかった。
画面から飛び出てくるような映像は多用せず、
奥行きを表現する事に重点が置かれていたのが良かった点。
もともと作品が長いので、目の疲れよりも
お尻の方が痛くて気になってしまった。
作品としても、ほんと良く出来てる。
王道と言えば王道な作りだけども
世界観が入念に作り込まれているので楽しめる。
先住民ナヴィの文化を主人公が学んで行く過程で、
観客も同じようにナヴィたちの文化や考えを
理解出来るように作られているのが上手い。
作品を観ていて
人間はいつまで経っても、同じ過ちを繰り返すのか?
そんな事を考えさせられる。
自然や他民族と共存は出来ないものなのか?
とにかく一度は映画館で観た方がいい作品。
もちろん3Dで。
複雑な心境
最近、テレビを付けると池上彰さんをよく見かける。自分たちにとってはNHK『週刊こどもニュース』で活躍していた事が記憶に新しい。今は、ほぼ同じような内容を民放で大人向けにやっている。それを見ていると何とも複雑な気がする。自分たちを取り巻く社会について、いい大人たちもこれほど無知になってしまっているのか、と。大人たちが知らないのだから、子どもたちに教えられるはずもない。寂しい限りだ。池上さん自身は、どう感じているのだろう?