映画業界は好調なのか? | DAIのブログ

映画業界は好調なのか?

映画興行収入、3年ぶり2000億円超す

このニュースだけを見ると、映画業界は好調のように思える。しかし同じ日に、こんなニュースも飛び込んできた。

「フラガール」制作のシネカノン、再生法適用申請

映画製作は、製作費を出資してから回収までに時間がかかる。ましてや日本映画界で製作費がリクープ出来る作品は、それほど多くない。その中で興行だけでリクープ出来る作品は数作品だろう。では、どのように製作費をリクープしていたかというと、DVDのセル&レンタルが大きい比重を占めていた。しかしながらこの数年、DVDの販売が落ち込み製作費をリクープするのは、以前にも増して難しくなっている。

一時期、映画ファンドがもてはやされたが、ほとんどが失敗に終わっている。なぜか? それはヒットしそうな作品には出資者がすぐに集まるために、ファンドを使う必要がなかった。ファンドを使わなくてはいけない企画はお金の集まりにくい企画、つまり映画業界関係者から見てヒットの確率が低いものになってしまっていたためだ。シネカノンはシネカノン・ファンドの第1号として「フラガール」をヒットさせた。その事がかえって、映画業界を取り巻く環境の変化への対応が遅れ、このような結果の一因になったように思える。昨年から映画配給会社などの倒産が相次いでいる。映画業界も経営者としての能力をしっかり持ったものが経営にあたらないと、生き残れないほど厳しい時代がやってきている。興行収入が増加したとは言え、決して喜んではいられない状況だ.