ソーラーアークとプログレスの使い分け | ホロスコープ勉強部屋 ~見えるものにも見えないものにも偏らない均衡を目指して

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教科書通りのリーディングにしっくりこないことには、大きな意味があるはずです。納得できるまで遊び心を持って考察していきます!

ソーラーアークは、正式にはソーラーアーク・ディレクションと言い、未来予測の手法の一つです。

ソーラーアークを理解するには、まずプログレスの概念を知っておく必要があります。

 

プログレスは、状況を見たい年齢の数を、生後の日数にして、チャートを出します。

1年と1日を相似の関係とし、例えば、20歳の状況は、生後20日の星配置から読み解けるという考え方です。

何が何やらという感じもありますが、先にプログレスの考え方を知っておくことが必須になるかと思いますので、気になる方は過去記事をご参照ください!

プログレスの理解から占星術の概念を再考する

 プログレスの読み方【初学者向け】

 

 

 

ソーラーアークにおける太陽の位置は、プログレスと同じになります。他の天体の動きはと言うと、ネイタル太陽の位置とプログレス太陽の位置の距離の差を、ネイタルの各天体に足して割り出されます。

プログレスの太陽は、生まれた時期にもよりますが1年に約1度進みますので、他の天体も太陽と同じだけ1年に約1度進行することになります。

なので、ソーラーアーク同士の天体の位置関係は、ネイタルのそれとまったく同じまま進行していくことになります。ネイタルチャートを二つ重ねて、一つをダイヤルのようにずらして進行させていくイメージです。(ずらした方がソーラーアークチャート)

よってソーラーアークを使う場合は、ソーラーアーク×ソーラーアークで読む必要性がなく、ネイタル×ソーラーアークの天体のアスペクトを読むことになります。

 

プログレスに関しては、動きの遅い天体は一生かかってもあまり動きがありません。人生が100年あったとしても、プログレスで動く天体の度数は、トランジットでいう100日分の動きにしかならないのです。

 

対してソーラーアークはすべての天体が1年に約1度進むので、大きな天体からの影響も、年単位ではありますが次々に現れてくることになります。

 

 

今回も鏡先生の占星術の教科書Ⅲを参考にまとめているのですが、鏡先生はソーラーアークについて「よく当たる」「プログレスより先に紹介しても良いのでは」と感じられるほどパワフルな技法であると表現されていました!!

私の勝手な印象ですが「言い当てる占い」を大々的には掲げていらっしゃらない鏡先生が、こんなにはっきりと表現されていらっしゃるので、さぞ読みがいのあるチャートなのだと思いました!

 

 

読み方はプログレスに準じて、基本はオーブ1度、広くても2度以内とし、アスペクトの解釈も同様です。

天体がサインやハウスを移動するタイミングも、プログレス同様重視します。

プログレスでは起こりにくい木星以遠の天体のアスペクトの解釈も含めて、各天体のアスペクト解釈の見方は鏡先生のご著書に細かく記載されています。

 
 
 
では、どちらも未来予測に使うプログレスとソーラーアーク、どのように使い分けるのでしょうか。
「占星術家による」というところに着地するようですが、鏡先生のリーディングでは
 
・丁寧に判断したい場合は2種類とも見る
・年齢が若い人、素早く読む必要がある場合はソーラーアークを見る
・ある程度の年齢に達した人はプログレスをじっくり見る
 
このような使い分けをされているようです!
ただしソーラーアークをメインで見る場合も、プログレスの月だけは確認することを推奨されています。
 
ソーラーアークは天体の逆行などが反映されず、単調な変化となってしまうので、人間の複雑さを十分に表し切れていない側面があるのではないかというご指摘もされていました。
 
とりあえず慣れるまではどっちも見ておいて、自分なりの感覚がつかめれば良いなと思います!