ホロスコープを学んでいて、ネイタルの次に手を出すのがおそらくトランジット、次いでプログレスのイメージです。
どちらも未来予測的な要素がありますが、結局どうちがうの?というのは疑問でした。
トランジットは、月であれば日々動きがあり、大きな天体も月単位であればある程度動きがあります。
一方プログレスは月が月単位(ややこしw)、太陽が1年に1度程度でそれ以降の天体はほぼ動かないという…
見ていて楽しいのはトランジットですよねw
鏡リュウジ先生の占星術の教科書Ⅲでの解説を要約してまとめてみると以下の感じです。
多くの占星術家たちは「トランジットは外的な出来事、プログレスは内的な心理的事象を示す」といった説明をするが、鏡先生ご自身はあまり賛成はしない。
「経験」は外的出来事があれば常に内的な変化を伴うものであり、また内的な状態によって外的な変化や事件の意味も変わるため、二者を分けて考えることはできない。
そもそも占星術は象徴を元にしたアート。象徴というものは内側と外側をつなぐ働きをもっているものである。
トランジットとプログレスの最大の違いは、天体の運行速度。プログレスはゆっくり動く短針、トランジットはある程度のスピードを持った長針。プログレスが長い波を作り出し、トランジットがそれを増幅したり引き金を引く効果を持つと表現できる。
鏡先生の捉え方は本当に深みがあり核心をつく表現ではっとさせられることが多いです…!!
外的・内的と区別するのではなく、お互いに影響しあっているものであると。
そしてトランジットとプログレスで見ているものが違うというわけでなく、人生における長期的な視野をもった波の変化と、その波に影響を与える要素をみるもの、という考えでリンクさせていくことができるんですね。
トランジットの変化に一喜一憂するだけでなく、ネイタルで自分の資質や傾向と向き合い、プログレスで年単位のテーマを知ることでより俯瞰的で安定した人生観・人生設計を得ることにつながりそうです。
私自身とにかく目先のことにすぐ囚われてはメンタル持っていかれる人なので…だからこそプログレスから見えるテーマは大事にしようと思います
また、具体的なプログレスとトランジットの読み方に関しても鏡先生の本から要約してみます。
トランジットの場合で主に注目すべきは木星以遠の大惑星。動きの速い太陽水星月金星と言った天体はあっという間に出生ホロスコープの上を通過していくので、そのような天体同士が何らかのアスペクトをとるタイミングは1年に何回も訪れる。もちろん何の意味もなさないわけでなく、日常的なレベル感の事象で、人生における視点では些細な出来事として表れる。
プログレスの場合は、トランジットでは動きの速い天体もゆっくり進行するので、そのような天体同士がアスペクトを組む時期も限られてくる。または一生をかけても経験できない天体×アスペクトも多い。このように天体の織り成す頻度が低いイベントは重要なタイミングと言えるため、プログレスの天体がアスペクトをとるときは大きなスケール感で現れる。
チャートの読み方もかなり変わってくるということですね。プログレスは大きなスケール感で現れる、そしてそれを増幅したり引き金を引くのがトランジット。
まずはプログレスでどんな変化があるのかを見てから、トランジットを見て具体的に起きてきそうな事象を推測していく、また上手く波にのるための星の動きをみて先手先手で種をまいておく、といった使い方ができそうでしょうか。
トランジットを見てから、プログレスの大きなテーマに立ち戻っていく流れでも成り立ちそうです。
そもそもプログレスはオーブもかなり厳しめにみるので、その1年におけるプログレスチャートで目を引くポイントが少ない可能性もありえます。プログレスは数年先まで見越してみて、年単位の人生設計を考える目的で使っていけると良いかもしれませんね!