プログレスの月は、1か月に1度程とゆっくり進行し、トランジットほど派手な見どころはないものではありますが、感情や情緒の在り方を紐解くための大きなヒントになります。
以前の記事でざっくりとプログレス月のリーディングポイントをまとめています。
今回の記事では具体的に各ハウスにプログレス月が滞在している期間の意味について、鏡リュウジ先生の占星術の教科書Ⅲをもとにまとめていきたいと思います!
一般的には「プログレス月のハウス=人生のサイクルやステージを表す」といった説明もよく見かけますが、やはり月は感情や情緒を表しますので、「人生」というよりは「心」のサイクルや変化が示される、という表現の方がしっくりくると思います。
鏡先生の本にも様々な表現で解説がなされていますが「プログレスの月が通過中のハウスは、その時々であなたがもっとも敏感になり、傷つきやすくなっていると同時に、新しい形で安心感を得ることができる可能性を持つ人生のエリアを象徴します」と一節にありました。
もちろん、「心」の変化が「人生」へも大きく影響を与えますので、結局は人生そのものを表すことにもなりうるのかもしれませんね。
では解説をまとめます!
原則
・2~3年で一つのハウスを通過(ハウスの大きさにもよる)
・出生ホロスコープのハウスを使う
・ハウスの5度手前に月が到達したころから現れ始める
・アンギュラーハウス(1・4・7・12ハウス)を通過するときは人生においてもより重要なポイントとなりやすい
1ハウス【自分のペースを取り戻す、スタートの時期】
新しいスタートの時期を示す重要な時期。セルフイメージを一新し、これまでとは違う形で等身大の自分を受容するタイミング。ありのままの自分の姿で素直に想いを表現できるようになるが、そのために心身の不調や変化を経験する可能性もあり。かつて自分が生き生きと感じていた気持ちをもう一度見つめ直し、より成熟した形で表現するためのきっかけをつかむ。
2ハウス【安定感のある人生の基礎を構築する時期】
お金をはじめとした経済的なことにフォーカスが当たる時期。金銭面に囚われすぎることなく、月が1ハウスを通過していた時期に浮かび上がってきた自分の存在を、どのように守り安定させるのかにフォーカスを当てることが大切。この期間に月と他の惑星とのアスペクト次第で収入の増減がある可能性も。身体感覚が鋭敏になるため、衣食住の見直しも重要。
3ハウス【世界との関わり方を変化させる時期】
心の底から知識や情報を欲し、得られたものを自分の血肉としていく時期。この期間に学んだことが、その後のものの受け止め方、感じ方、表現の仕方のベースとなる。また、これまでの知識や考え方のパターンを新しい成熟した形で表現したり、理解を深める働きも起こりやすい。良質な情報や芸術に触れていくことが大切であり、身近な生活環境の改善や変化が伴うことも。
4ハウス【生活の基盤を見つめなおす時期】
自分がどこからやってきたか、普段は何を基盤としてよりかかってきたのかを問われ、再調整が促される時期。(自分の基盤になっているものは、条件抜きにして自分を支えてくれる半面、縛るものでもある。)具体的には、家族や住まいなどの問題のフォーカスが当たる。例えば両親や家族との愛着、葛藤、それらからの独立。または、両親を含め自分を物質的・精神的に支えてくれた人や環境に対して、これまでに自分がどのようにかかわってきたかを振り返り、受け止めていくチャンスになる。
5ハウス【創造と喜びを感じられる時期】
自分の感情を生き生きと楽しさをもって表現できる時期。4ハウスでは「籠る」雰囲気があったのに対し、「打ち出す」時期となる。心から良いと思えるものを創造し、生きる喜びをストレートに感じるチャンスを得る可能性がある一方で、周囲の視線を意識できず「裸の王様」状態になってしまうことも。この時期にプログレスの月と太陽・木星・火星と良い角度をとる場合は幸運に廻られる可能性が高まる。
6ハウス以降は別記事にてまとめます!