今回とりあげるキーワード・言葉は「コミュニケーションロボット」

 

 

●「ロボット」の可能性

 

・『ロボット政策研究会報告書』(平成18年5月、経済産業省)によると、ロボットの定義を「(1)センサー、(2)知能・制御系、(3)駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム(」としている。

 

・ロボット市場の中心は長らく「産業用ロボット」であったが、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」の登場により、生活の中における“人間のパートナー”としてロボット(サービスロボット)の可能性が広がっている。

 

(出典:ロボットビジネスの今を知る(日経新聞))

 

●産業ロボットとサービスロボット

 

・ロボットは大別すると、「産業ロボット」と「サービスロボット」に2分類できる。

 

産業用ロボットは、一般的に「3軸以上の自由度があり、プログラムによって自動制御可能なマニピュレーションロボット」のことを指すし、分類すると下記のようになる。

 

①垂直多関節ロボット:軸数: 4~7軸

②水平多関節ロボット:軸数: 4軸

③パラレルリンクロボット:軸数: 4~6軸

④直交ロボット:軸数: 2~4軸

 

サービスロボット

産業用に当てはまらないロボットは、全部サービスロボットに分類される。その内容を見てみると下記のように分類できる。

 

①コミュニケーションロボット

②家事代行ロボット(ホームロボット)

③医療代行ロボット

④農業ロボット

⑤パワーアシストスーツ(ウェアラブル)

⑥セキュリティロボ

⑦測量、危険地帯作業ロボット

⑧自動運転車・・・など

 

                           (出典:サービスロボットの最新動向(野村総合研究所))

 

●コミュニケーションロボットの特徴

 

コミュニケーションロボットは下記のような特徴を持つといわれる。

 

①音声による操作が容易

②愛着の湧く会話やしぐさをする

③生活空間での利用を前提とした大きさと安全性の確保

④特定の人の顔などが認識できる

⑤通信機能によるネット等外部サービスとの連携できる

⑥学習機能・・・など

 

●コミュニケーションロボットの用途

 

コミュニケーションロボットは現在下記の用途で使われることが想定されている。

 

<ビジネスで使う>

①受付やイベントで使う

②店舗内で使う

③介護施設で使う

④営業で使う・・

 

<家庭で使う>

①パーソナルロボットとして使う

一人1台以上のロボット所有というコンセプトをいち早く具現化したRoBoHon。スマートフォンの様に気軽に持ち運んでも使え、プライベートなロボットとして利用が期待される。

 

②ホームロボットとして使う

卓上型ロボットのTapia、Unibo、Jiboなどがその代表例。家族の顔を識別して、適切なコミュニケーションがとれ、家族の予定を共有したり、メッセージングサービスとしての活用が期待される。

 

 (出典:サービスロボットの最新動向(野村総合研究所))

 

●コミュニケーションロボットがもたらす新たな価値(教育的側面)

 

・PepperやRoBoHonは、教育市場も新たな重要ターゲットとしている。ソフトバンクは「Pepper 社会貢献プログラム スクールチャレンジ」というプログラムを実施し、Pepperを教材として学校に貸し出している。またシャープはビジュアルプログラミング言語を使いRoBoHoNをプログラミング可能にして、学校対象に貸し出す事業を始めている。

 

・教育の世界的潮流として、「STEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)」、あるいはこれにArtを足して「STEAM」と呼ばれるものがある。プログラミングの結果が物理的に出力されるため分かりやすく、ソフトウェアは言うまでもなく、ハードウェア自体を組み上げることもでき、ロボットは教材としても有用性が高い。

 

●急成長するコミュニケーションロボット市場

 

2016年度からの日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)による介護施設を対象とした大規模実証調査の実施、2020年に向けたインバウンド需要の拡大による交通機関や各種施設での観光案内などの役割も期待されており、2020年度にコミュニケーションロボット市場は87億4000万円の規模になると予想されている。

 

●コミュニケーションロボットを選ぶ基準

 

人のコミュニケーションをすることを目的として開発されたロボットは、ロボット然としたものから、高度なぬいぐるみといったものまで、様々な製品がある。下記の選ぶ基準を踏まえれば、自分に合ったロボットが見つかるかも。

 

・「二足歩行タイプ」なら、ロボットの進化を実感できる

・「音声認識能力」が高いものはロボットとの会話を楽しめる

・「ぬいぐるみタイプ」は癒しが得られる

・高齢者向けの配慮がなされたものは、介護に役立つ、

 

●代表的なコミュニケーションロボット

 

人型ロボット「Pepper」

SHARP ロボホン

 

 

パルロ(PALRO)(富士通ソフト)

 

ロビ

 

 

オハナス(タカラ)

 

Omnibot OHaNAS オハナス Omnibot OHaNAS オハナス
21,384円
Amazon

 

●参考サイト

 

コミュニケーションロボットの用途と可能性(ロボスタ)

サービスロボットの最新動向(野村総合研究所)

ロボットビジネスの今を知る(日経新聞)

コミュニケーションロボットは「ロボットがもたらす新たな価値」を考える格好の教材だ(ビジネス+IT)

国内のコミュニケーションロボット市場が成長――2020年度は87億4000万円の規模に

(Tech Crunch)

・コミュニケーションロボットのおすすめ人気ランキング10選【介護・子供用に!】(my best)

 

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