今回とりあげるキーワード・言葉は「YouTuberタイアップ広告」

 

(出典:gaiax-socialmedialab)

 

●インフルエンサーとは?

 

インフルエンサーとは、世間の人々に大きな影響を与える人物のことを言う。かつては、人気のある芸能人やスポーツ選手、識者などの有名人をはじめ、ある分野のなかで大きな影響力をもつ人がそれに相当していた。

 

ところが、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などインターネットにおける発信が盛んになって以降は、インターネットを用いて消費者の購買意思決定に大きな影響を与える人物のことを指すようにもなっている。

 

具体的には、好感度・発言力の高いタレント・モデルをはじめ、動画共有サービスYouTubeで圧倒的人気なYouTuberや圧倒的なフォロワー数を誇るインスタグラマーなどがあげられる。この人たちが口コミの起点になったり、情報を増幅する役割を果たして、情報の中心的な存在となり、消費者にも大きな影響力を与えている。

 

●インフルエンサー・マーケティングとは

 

インフルエンサーと言われる人たちは、インターネット上で大きな影響力をもち、彼らのSNSなどの投稿は、たくさんのPV(ページビュー)を得ており、新製品の購買などの消費意思決定に大きな影響力があることが分かってきている。

 

そこで、企業では、インターネット上に質の高い口コミを広げていくため、新製品情報などの発表にあわせ、インフルエンサーにアプローチするなど、その影響力を積極的に活用する動きが広がってきている。その中でYouTuberインフルエンサーを活用したマーケティングがYouTuberタイアップ広告である。

 

●YouTuberタイアップ広告の背景

 

近年、スマートフォンの普及により、YouTubeを始めとする動画視聴サービスの視聴者数や視聴時間は急速に伸びている。そのなかでものスマートフォンからのYouTube視聴者数はすでに2015年1月の時点で3,000万人を超え、PCからの視聴者数を大きく上回っている。今後もYouTubeの視聴者数と視聴時間は大幅に伸びることが予想される。

 

YouTubeなど動画視聴サービスの主な視聴者は10~20代の若者が中心で、1日当たりの平均視聴時間は1時間を超えると言われている。視聴した動画の中で面白いものがあれば、この年代の女性は特に人に薦めたくなる傾向があるという。特に15~19歳の女性ではその数字がきわめて高いという調査結果もある。

 

●YouTuberタイアップ広告とは

 

若者の消費低迷が続いている中で、若者への販促プロモーションに多くの企業が頭を悩ましている。非正規雇用の増加や将来の収入への不安感などがその背景に、若者の消費意欲が低い主な理由としては、「低価格志向」の強さや「所有からシェア」へ考え方が移行していることなどが挙げられる。

 

そんな中、企業とYouTuberがタイアップしたプロモーション動画が増加傾向にあり、若者への新たなプロモーション手法として注目を集めている。「トップYouTuber」と呼ばれるYouTuberの上位層の場合、チャンネル登録者数が100万人を越えており、中高生のなりたい職業ランキングでもトップ10に入るほどであり、絶大なる人気が若者にある。

 

●YouTuberタイアップ広告の実例

 

実例①:コカ・コーラ自動販売機アプリ「Coke ON(コークオン)」(ユーザー参加型でYouTuberがアプリの機能を実演! )

 

「Coke ON(コークオン)」は、日本コカ・コーラ株式会社の自動販売機連動アプリのこと。対応自販機で製品を購入するごとにスタンプがもらえ、それを15個集めると製品1本と無料で交換できる。スタンプ集めの楽しさや友達に1本無料チケットをプレゼントできるなど、学生や若年層にも受ける機能を搭載している。そのCoke ONのプロモーションとして作成されたのが、若者に人気のYouTuberによるタイアップ動画。

 

                           (出典:BACKYARD)

 

実例②:サロンスタッフ直接予約アプリ「minimo(ミニモ)」(YouTuberがユーザーの利用シーンを実演し、予約申し込み数に寄与!)

 

「minimo(ミニモ)」は、美容院やネイルサロンでのアシスタント(見習い)スタッフとユーザーとをマッチングしてくれるサービス。minimoから予約すると、モデル価格(割安価格)でカットモデルとして施術体験ができる。

 

カットモデルとして施術してもらうのは、通常より割安価格で利用できるとはいうものの、普通はなかなか勇気がいる。そんな不安を解消する目的で、学生や20代前半の女性に多くの視聴者を持つYouTuberグループ「まいめんちゃんねる」とタイアップした動画を作成。

                           (出典:BACKYARD)

 

●YouTuberタイアップ広告のメリット

 

従来の“広告”の場合には、企業からの一方的な情報と捉えらえてしまうが、YouTuberタイアップ広告の場合はユーザー側に立って、商品の良い点も悪い点も率直に伝えてくれる。そのため、信頼できる友達や身内が本当に良いものだからオススメしくれているような印象を与えることができ、それを視聴する側の信頼感を得やすい。それがYouTuberタイアップ動画のメリットと言える。

 

また、「はじめしゃちょー」などトップ層のYouTuberの場合は、YouTubeチャンネル登録者の他にも、TwitterやInstagramのアカウントを開設しており、チャンネル登録者以外にもたくさんのフォロワーが存在し、その拡散効果は極めて大きい。

 

●YouTuberタイアップ広告に向いている商材・不向きな商材

 

新しい広告手法として注目されているYouTuberタイアップ広告は、動画の中で商品紹介などを行うブロモーション方法であるが、それに向いている商材と向いていない商材があるといえる。

 

○相性の良い商材

  食品、ゲーム、美容化粧品、おもちゃ・子供向け商品

○相性の良くない商材

  有料アプリ、ターゲットが狭い商材、YouTuberのイメージに影響する商材、高齢者向けの商材

 

●参考になる本

 

 

●参考サイト

 

増加するYouTuberと企業のタイアップ動画! その効果とメリットを事例から解説(BACKYARD)

人気Youtuber ✖ 企業のコラボ事例まとめ! 「提供」だけど面白いYoutuberのコンテンツ力(Social Media Lab)

YouTuberタイアップを検討するべき商材、しない方がいい商材(Kami Tracker)