「「生存競争」教育への反抗」神代健彦(集英社新書) | 乱読家ぽちんの独り言

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【「はじめに」より引用】

わたしは、教育が可能にすることのなかで、かつ期待すべきなのは、「子どもを世界と出会わせる」ということだと思っている。逆にあまり期待すべきでないとわたしが考えるのは、教育を通じて子どもの能力を強化し、そのことによってさまざまな社会問題を解決するということ一般である。身も蓋もない言い方で少々恐縮だが、社会問題の解決は、社会全体で行うべきだ。グローバリゼーションを勝ち抜きたいのはわかるが、なぜ私企業が自分の会社の職能開発を学校にやれと迫るのか。子どもの愛国心が足りないと嘆く前に、子どもに愛されるに足る国をつくってはどうか。貧困・格差問題の解決は焦眉だが、それには再分配のシステムを工夫する方が先だろう。

みんなが教育に過剰に期待し、そして勝手に幻滅して呪詛している。みんな学校を叩いては、(Twitterでよくある揶揄表現で言えば)「ぼくがかんがえたさいきょうのきょういくかいかく(要するに単なる思いつき)」を、自信たっぷり訳知り顔で述べ立てる。もういい加減やめてはいかがか。十徳ナイフで家を建てようとしても不可能だし、あなたも無駄にイライラするだけではないか。国家や社会の問題は、国家や社会で解決しよう。

【引用終わり】


臭いものには蓋をし、本質的な課題と向き合うことを避け、問題点を先送りし、目立たないように周りに合わせて行動する。

既得権を持つものが保身に走り、社会の仕組みを変えようとしない。

人々が疲弊し、閉塞感が満ち溢れている戦後の日本社会。


その日本社会がかかえた大きな問題の一つか、「なんでも教育が悪い」と、全ての社会問題を教育機関のせいにする風習である。


教育が人の成長に有効に機能するケースは極めて稀。その人がどのように成長するかは、その人の持って生まれた資質や性格特性、育った環境、どのような人や場に出会ったか、どんな偶然の経験をしたのかなど、運としかいいようのないものによって差配される。


人は本質的には自ら成長するもの。社会の課題も自分の課題も、感じ取っていくもの。他者から与えられるものでは無い。


感じとるためには、余裕がなければならない。ピーンと張りつめているばかりだと、何も吸収出来ず、何も感じ取れない。


なので学校は、生徒にとって余裕が有る、楽しい時間にしないといけない。




というようなことが書いてあるのではないでしょうか??(笑)

真剣に読んでいない(笑)



「「生存競争」教育への反抗」神代健彦(集英社新書)

【8月21日読了】

【オススメ度★★★】