異文化に触れて価値観を解放させるエスニック潜在意識コーチ、
エスニックバッグ専門店【Azoo】店主のこっとんです。
昨日のお話はこちらから。
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思い返すと私は大小いろいろですが、旅先でトラブルに遭うことがよくあります。
その時は大変だし嫌な事もあるけど、そういうハプニングの方が旅の思い出になったりしますよね。
そしてそこから学ぶことも沢山ありました。
日常のちょっとした事でも、自分の正しさを振りかざしてしまうことありませんか?
たとえ正しかったとしてもそういう時って後味が悪かったり、お互い気分が下がったりします。
今日のテーマは旅のトラブルから学んだ事、
「スペイン流、正しさより気持ちの柔らかさ」
昨年の夏、スペインを旅行したときのこと。
日本で事前に予約していたグラナダ発の列車が、駅に着いてみるとどうやら遅れるらしいという情報。
駅員さんに聞いてみたけどあれよあれよという間に、その列車の運行自体がキャンセルになり
結局予約も何もない別の列車に乗ることになりました。
こういう時、自然と同じ境遇の人たちと仲間意識が芽生えるものですね。
かなりローカルな地方へ行くので乗れる列車も少なく、隣り合わせた人たちと情報を共有しながら
どうにか次に乗れる列車を探し、同じ車両に乗り込んで空いている席に座りました。
やれやれやっと一息…と思ったのも束の間、次の駅でその席を予約していた人たちが乗ってきたのです。
「この席、私たちのなんだけど…」という雰囲気のスペイン語のやりとりが後ろの方で始まり、
ここからまだ長旅なのに席を立たなきゃいけないのかと内心ドキドキ。
やがてその人たちが私たちの席まで来て
「あなたも他の人と同じ(境遇)?」と尋ねてきたので、
「はい、乗るはずの列車がキャンセルになって…」と説明すると
「じゃあ仕方ないわね」とすっと別の車両へ行ってしまったのです。
何が起きたのか、一瞬わかりませんでした。
日本だったら、少なくとも気まずい空気が流れる場面。
ただ席を間違えただけでもどちらかが申し訳なさそうにして、
もう一方も微妙な気持ちになってしまいそうな状況です。
でもこのときのスペイン人たちは文句を言うわけでもなく、
必要以上に感情を見せるでもなくあっさりと引いてくれました。
自分たちが予約してるのにも関わらずです!
その大らかさ、優しさにただただ驚きました。
文化が違えば、こうも変わるものなんですね。
「自分が正しい」と主張するのではなく
「事情があるなら仕方ない」と受け入れる方が場の空気が優しくなるんだと実感しました。
旅先でのちょっとしたトラブルが、思いがけず温かい文化の違いを教えてくれました。