1814年にサンゴバンのタサエール (Tassaert) は、石灰を焼くかまどの中にウルトラマリンではないとしても非常に似た青い化合物が生成しているのを発見した。1824年、この発見に対して工業奨励協会 (Societé pour l'Encouragement d'Industrie) から「貴重な顔料の人工製造のための賞」が贈られた。
合成ウルトラマリンは非常に安価で、高彩度であり美しい色合いをしているので、紙、ゴム、プラスチックの着色、壁紙や更紗の染色、壁画やタブローなど、広く使われている。また白いリンネルや紙などの黄ばみの調整にも用いられる。「ランドリー・ブルー」(青み付け)は合成ウルトラマリンの溶液で、白い服を洗濯するときに用いられる。紙の製造に大量に使用され、特にイギリスでポピュラーな薄く青みがかった便箋を作る際に使われる。
合成ウルトラマリンは粒径が小さく揃っているため光をより均一に散乱させる。また発色成分の濃度も高い。それゆえ、天然ウルトラマリンより鮮やかである。ただし耐光性はわずかながら劣る。塗料として使われる場合、合成ウルトラマリンは天然のものと同様のすばらしい青色を持ち、光で、あるいは油や消石灰と混ぜても劣化しない。ただしウルトラマリン退色の原因を乾性油の酸であるとする説もある。合成ウルトラマリンは塩酸によって直ちに脱色され、硫化水素を発生させる点でも同じである。ウルトラマリンブルーによる高濃度の色材は暗い色をしているが、希釈や白色の混合によって本来の鮮明な色合いを呈する。ウルトラマリンレッドに白色などを加えたときの彩度低下は、ウルトラマリンライトやウルトラマリンバイオレットと比較すると大きい。硫酸カルシウム (annalin) や硫酸バリウム(blanc fix, 重晶石)による希釈では大きな効果が得られる。