子供の血液型の記入欄、戸惑ったことありませんか?
幼稚園の名札や提出書類、小学校の防災頭巾など…新学期が始まり、記載を求められることも。
しかし、医師からは記入欄は「医学的に役に立たない」として、そもそも不要ではないかという意見も出ています。
いったいどういうことなのか、調べた記事です。 記事以下↓
40年にわたって新生児を診てきた埼玉医科大学の特任教授によると、A、B、O、ABの4つに分けられるABO型の血液型は、1990年代ごろまでは全国の多くの産婦人科で、赤ちゃんが生まれた時に調べて、親に知らせるサービスが行われてきたということです。
しかし新生児の検査は実際の血液型とは異なる判定が出ることがあり「違っていた」などとしてトラブルに発展するケースもあったといいます。
こうしたことから、ここ20年ではほとんどの病院が、出生時に子供の血液型を調べて親に知らせることを行わないようになったということです。
子供の血液型を知りたい場合には、正確な検査ができるようになる年齢(3歳~4歳以降 個人差あり)になってから、自費診療で病院に検査を依頼する必要があるということで、そのまま大人になるまで調べない人が増えているとみられています。
ただ一部の保育園や幼稚園、小学校では、入園時に提出する書類のほか、防災頭巾や名札などに血液型を書く欄が設けられていることもあります。
やっぱり災害時や交通事故などの緊急時に備えて、血液型は子どものうちに調べておくことが必要なのでは…?
学校の校医も務めている奈良県小児科医会会長の医師に聞くと、その心配は全くなく、無理に調べる必要はないと言います。
子供のときに知る必要はないという血液型ですが、街で聞いていてもやっぱり気になるという親の声も聞かれました。
家族にRhマイナスの人がいるなど、希少な血液型の可能性があって知っておきたいという場合は、保険が適用されない自費診療で調べることができます。
費用は医療機関によって異なりますが、3000円から5000円程度で受けられることが多いようです。
また小さいころは分からないままでも、高校生や大学生になってから、献血をすることで血液型を知ることもできます。
日本赤十字社に確認すると「輸血における安全性を確保するため、また善意で献血にご協力くださる献血者に健康管理の参考として役立てていただくために、血液型を含めた検査を実施しています」としていて、献血の際に希望者には血液型を知らせているということです。
日本では血液型とその人の性格とを結び付けることが流行したこともありましたが、こうした性格診断には科学的な根拠はありません。
厚生労働省の『公正な採用選考をめざして』というパンフレットでは「血液型や生年月日による星座は本人に責任のない生まれもった事項であり、それを把握し特定の個人の適性・能力を固定化して見ることになれば、把握されることを心理的負担と感じる応募者を生み、それが就職差別につながるおそれがある」として、注意を呼びかけています。
今回取材した特任教授は、血液型について尋ねられても、分からない場合や答えたくない場合は「不明」や「空欄」で回答すればよいと話していました。
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