耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

NEW !
テーマ:

医学専門用語には同音異義語というのがたくさんある。言葉を知っていればトラブルはあまりないが、同音異義語はトラブルの原因になる。たとえば、冠動脈という動脈もあれば、肝動脈という動脈もある。前者は心臓の周りの動脈。後者は肝臓の動脈。どっちも同じ読み方だ。「カンドウミャクがつまりました」と言われてもどっちのことだか、音だけでは判断できない。

 

医師「子供の足にシハンがでていますね。」

母親「うちの子供はまだ生きていますけど。」

 

母親の頭をよぎったのは、「死斑」。死んだあとに現れる、紫色の斑点のこと。殺人事件が起こったとき、テレビドラマなどではよくきく言葉だ。医師が言ったのは「紫斑」。同じ紫色の斑点だが、生きている人にでてくる。アレルギー性紫斑病という病気があり、病気の症状としての紫斑もよく耳にする。シハンと聞けば臨床医は紫斑しか思いつかない。一方、法医学者は死斑しか思いつかないだろう。

 

耳から聞いただけでは、どっちだがわからない言葉も多い。

「鼻骨」と「尾骨」もある。ビコツ骨折と聞けば、耳鼻科医は鼻骨骨折。整形外科医は尾骨骨折を思い浮かべる。

NEW !
テーマ:

おたふく風邪(ムンプス)になると、子供ができなくなる。ちまたでよく言われている話である。

 

男性がおたふく風邪にかかると、ときおり睾丸炎を引き起こす。この睾丸炎(精巣炎)が、無精子症を引き起こすと言われているそうだ。あるとき、泌尿器科の医者に確認したら、無精子症にはほとんどならないそうだ。

 

僕自身、男性のおたふく風邪はよくみるが、睾丸は腫れたという患者はほとんどみたことがない。もちろん、無精子症になったという話も聞いたことはなかった。むしろ、ムンプス難聴という高度難聴のほうがなじみが深い。ときどき高度の難聴を引き起こすからだ。

 

昔、ある男性がおたふく風邪になって受診した。30歳ぐらいの男性であった。

 

「おたふく風邪は、まれに睾丸がはれる合併症があります。」

こう注意していたら、数日が、その彼が再来してきた。

「先生のおっしゃるとおり、睾丸が腫れてきました。」

「睾丸が腫れると、まれに精子が作られなくなるそうです。」

「えっ、本当ですか?もう子供が作れなくなるんですか?」

「まれなことだそうだから、そんなに心配しなくてもいいですよ。」

「でも、子供がもうできないというのはショックです。」

「そうでしょうね。ところで、ご結婚をなされているようですが、お子さんはいるんですか?」

「子供は5人います」

「?!」

NEW !
テーマ:

上咽頭の炎症は、慢性化することが多い。上咽頭とは鼻の奥のつきあたり部分で、鼻と言うより、のどの上部に分類されている。風邪をひいたときに、ここの部位が痛くなる人は多いが、その炎症が長引いていることがけっこうある。ここの炎症は実にさまざまな症状で受診してくる。

 

慢性上咽頭炎の代表的な症状は、頭痛、めまい(フラフラする感じ)、後鼻漏(鼻がのどに落ちる)、咽頭痛などである。頭痛がするので、脳のCTをとられたり、めまいがするので内耳の病気だと思われたり、後鼻漏があるので副鼻腔炎だと言われたり、実に誤診されている率が高い。これらの症状が複数あると、上咽頭炎を疑う。一つでも怪しいと思うのだが、確認するには上咽頭の所見を確認しなければならない。

 

上咽頭の所見が見落としやすく、ちらっと見ただけでは全く正常のことも多いのだ。この部位を綿棒で刺激すると、実に簡単に出血してくる。このような所見から上咽頭炎を疑う。

 

Bスポット療法から上咽頭をよく観察するようになり、ここの炎症をいかに見落としていたかに気づかされる。いろいろなクリニックに通っていたが、さっぱりよくならないと当院を受診してくる人も多い。長い人だと3年ぐらい、短い人でも1か月。この上咽頭の炎症の見逃しがとても多いので、驚いている。耳鼻科の医者であればファイバーなどでのぞくのであろうが、表面が一見問題なさそうに見えるのだ。綿棒などでの刺激がないとなかなか診断がつかない。診断がつけば、こんどはBスポット治療を継続していくと、かなりの確率で症状がよくなってくる。3年間悩んでいた人が治るのが、この治療のいいところであろう。

 

Bスポット治療をしてください。自ら当院に足を運んでくる人も多いが、たまたま受診して、慢性の上咽頭炎を見つける機会もかなりある。Bスポット治療は、間違いなく耳鼻科医の武器の一つになる。

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 耳鼻咽喉科医へ
にほんブログ村
NEW !
テーマ:

スギ花粉症らしい人がぽつぽつ受診しはじめた。まだ症状はでていないけど薬がほしいという人と、少し症状がではじめたという人に分かれる。

 

毎年早い人は年明けから症状が出る人もいる。まだ早いだろと思っていたら、すでに1月下旬になっていた。この時期になると、もう症状がでてもおかしくはない。

 

スギ花粉が飛びましたというニュースはだいたい2月上旬ぐらいだ。飛んだというニュースよりも、患者さんのほうが先にきだす。患者さんの鼻のほうが敏感な人が多いのだ。

 

桜開花宣言と同じように、スギ花粉がとんだというのには実は基準がある。何個以上の花粉がなければ飛んだとは言わないというようなね。それ以下の基準で、症状がでている人はいるわけだ。これは桜開花宣言より前に咲く桜があるのと同じこと。桜開花のニュースが流れなければ、桜は一つも咲いていないわけではない。

 

つまり、もうスギ花粉が飛び始めているので、用心しなさい、準備しなさいということだ。スギ花粉症の症状がひどくなる前に、一度耳鼻科でアレルギーの薬をもらっておいたほうがいい。そうしておけば、悪くなったらいつでも飲めるから。

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 耳鼻咽喉科医へ
にほんブログ村
NEW !
テーマ:

前回睡眠の話を書いたとき、リズムの話を書こうとしていて、書いている間に別の方向にいってしまいました。あらためて睡眠リズムの話を書いていきます。

 

夜寝る時間と、朝起きる時間を一定にしたほうが体調を良好に維持できます。これが崩れやすいのは、看護師さんのように、三交代で準夜、深夜があり、眠る時間がマチマチなのが一番こたえます。まず、ねつきづらくなり、不眠症になりやすいのです。このため、睡眠薬を飲んでいる人が多いのが特徴になります。寝る時間がずれやすいと、体調不良にもつながり、耳鼻咽喉科の病気としては、急性低音障害型感音性難聴がかなりいます。僕も今までの病院で、この病気の看護師さんをどれだけ診てきたか。同じ病院でも他の業種には少ないのです。

 

寝る時間を変えるというのは、人間にとって無理が大きいのです。眠くなったら寝るという生活を繰り返していくと、だんだん寝る時間は遅くなっていきます。たしか、一日1時間ずつずれていくという話を聞いたことがあります。時計をみて、寝る時間を自分で管理しないと、夜型の人間になりやすいのです。

 

また、時差ボケという言葉があるように、海外への移動のある人も、睡眠の時間の調整はとても大変です。飛行機のCAの人とかですかね。寝なきゃいけないのに眠れないという人も多いのではないでしょうか。

 

今は睡眠リズムの調整をするようなタイプの睡眠薬もでてきているので、睡眠のリズムと時間を保つためには、睡眠専門の医師の相談を受けるといいかもしれません。

 

繰り返しますが、睡眠がとれないと疲れがたまり、体調を壊します。

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
にほんブログ村

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス