国の指導の一環で、開業医は緊急時に対応しろと言ってくる。昨日、その開業医で診察したのに、翌日悪化しても対応しないのは、開業医の怠慢だろうということだ。ほとんどの医療機関は、自分がみた患者がどうなろうと、対応はしない。あらためて受診しろと言われるだけだろう。
このような事情があり、診察券の裏に「緊急連絡先の電話番号」を当院では記載してある。当院受診して、何か困ったことがあったら、そこに連絡をとるようにとしているのだ。
10年以上前からやっているとは思うが、まともな問い合わせは記憶にない。
「今日やっていますか?」
「1年前にかかっていらいなんですけど、熱がでたので至急みてもらえませえんか?」
「子どもがかかったんですけど、親戚の子どもが具合悪いのでみてもらえませんか?」
こんな内容がほとんどだ。すべて緊急対応の対象外だ。自分のところにかかった人が落ち着くまでの間の緊急対応である。1年前にかかったからみろというのは関係ない。3日前受診ならみます。
表にクリニックの電話番号を、裏に緊急電話番号をのせている。代表電話番号と思ってかけている人もけっこういる。このため、文字を小さくして、簡単には見られないようにあえてしている。その小さな文字をみるには、かなりの工夫が必要で、安易に電話をかけてこられないようにしているわけだ。
いつものかかりつけ医に電話しても、電話がつながらないのでと当院の緊急電話番号にかけてくる人もいる。そっちの医師で診てもらったあとなら、そこに電話をしろ。そこに繋がらないのは、そのようなところにかかるから悪いのだ。結局は自分で選択しているのだ。他院でみて具合悪くなった患者をなんで当院で緊急でみなければならないのか。
この電話番号は、HPにはのせていない。そこにのせると、全国から具合の悪い人の対応を迫られることになりうるからだ。わかっているのは、当院の診察券をもっている人だけ。あくまでも、当院受診した患者のフォローアップが目的である。国は一度みた患者は最後までフォローするように開業医に求めているからである。