巨人vs.ソフトバンクの日本シリーズも始まり、コロナ禍で揺れた今年のプロ野球の公式試合も残すところあとわずかとなりました。我が阪神タイガースはセリーグの2位で全日程を終え、悲願の優勝はまた来年に持ち越しとなりましたが、虎ファンにとっての大きなニュースは藤川球児投手(40)の引退でした。藤川が勝負に執念を燃やしてきた巨人戦での引退試合&引退セレモニー(11月10日、甲子園)では、藤川投手の投げる姿と引退スピーチに多くのファンの心が惹きつけられました。

藤川と言えば、その魅力は何と言ってもあの「火の玉ストレート」で、全盛時の球児の球は、ストレートと分かっていても打てない、バットが球の下をくぐって空振りしてしまう魔球そのもので、多くの強打者が藤川との真っ向勝負に挑む、これぞプロという名勝負がいっぱいでした。(下記URL参照)
https://www.youtube.com/watch?v=-THCqN6CJng


プロ野球の本格派投手にとってストレートは命です。かつて怪物と呼ばれた江川卓投手は、プロ現役の全盛時代に、米国大リーグのトップ選手相手の日米対抗試合であえて全球ストレートを投げ、ものの見事に打たれて日米の実力差を思い知ったということがありました。また、今、大リーグで活躍している田中マー君は、楽天時代の若い頃に、当時のソフトバンク王監督に「ここぞと言う時に渾身のストレートで強打者を抑えられるようにならないと、一人前の投手とは言えない」と辛口コメントされ、一念発起してストレートの威力とコントロールにさらに磨きをかけて、今の大投手になったという逸話もあります。

もちろん打者との駆け引きでは変化球も大事で、サインを出す捕手にとってはその配球が力の見せ所でもあるでしょうが、いざという時は全球ストレート勝負で勝てるようでないと、本当の名投手とは言えません。今後、藤川のあとを継ぐ火の玉ストレート投手があらわれるかどうかわかりませんが、虎ファンの多くは阪神の藤浪投手にそれを期待していると思います。

今年、FM TANABEでは、コロナの影響で試合スケジュールがずれ込んだ和歌山ファイティングバーズ(田辺市を本拠地とする関西独立リーグ所属球団)の地元での試合を6試合生中継しました。また、11月14日には、田辺市および隣接する西牟婁地区における「若鷲旗争奪学童軟式野球大会」の決勝の模様を実況生中継して好評でしたが、小学生の野球では、成長期の子供の肘への負担などを考慮し、投手は全球ストレートのみ(変化球は禁止) というのがルールとなっています。このように、子供の頃から、まずはストレートで打者と思い切り勝負するというのが、エキサイティング野球の原点でしょう。

藤川投手は米大リーグから日本に帰国して阪神に再入団する前に、四国アイランドリーグplus(独立リーグ)の「高知ファイティングドッグス」でしばらくプレーしていましたが、それは地元の子供達に自分の投げる姿を見せたいという思いもあったようです。そのようなことも含めて、藤川投手の火の玉ストレートは、これからも全国の球児の憧れであり続けて欲しいと願ってやみません。