Q&A3952 16wと19wで感染性流産 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 度々先生に質問をし、その度に丁寧なご回答を頂いております。


36歳、PCOS、子宮頸部高度異形成で2回手術(1回目はレーザーで10mmほど焼却、2回目は円錐切除で18mmほど切除)
34歳 採卵、2ヶ月後に円錐切除、そ2ヶ月後に胚移植
1回目 5AA→妊娠→16w6dで子宮内感染の為流産
2回目 5AA 陰性

3回目 5AB 陰性

4回目 5AA 陰性
5回目 5AA+4BC+G-CSF+バイアスピリン+プログラフ1mg→BT7=hCG 28.5→胎嚢確認→9w頃から絨毛膜下血腫により大量出血を繰り返す→13wの時点で子宮口の緩みがあり、シロッカー術を実施→その際、オペ前日にも大量出血をしており、感染を起こしているかもしれない。どちらにしても厳しい状況ではあると言われましたが、術後の経過は奇跡的に良好で順調に過ごせました→15wの時点で血腫もほぼ吸収されていたようです→しかし、15w頃からオリモノが増えた感じがあり、オリモノの培養をしてもらったのですが、グラム陽性球菌1+、グラム陽性桿菌4+、グラム陰性球菌、桿菌ともに陰性、ラクトバチルス4+、エンテロコッカス1+、扁平上皮4+…と特に大きな異常はないのかなといった所見でした→18wにカンジダ様の症状(陰部のごく軽度の痒み、カス様のオリモノ)があったので受診→初期のカンジダということで膣内消毒+オキナゾール膣錠挿入、1w後に自身にて再度オキナゾールの挿入指示がありました→それから痒みは消失したのですが、水っぽいオリモノがで続け、ピンク色のカスみたいなオリモノがたくさん出るようになりました→19w0dで上記症状を電話相談しましたが、オキナゾールの影響(4日前に挿入したもの)ということで経過観察指示あり→19w3d、症状持続し腹部痛もあった為に受診をし、シロッカーの隙間から胎胞が飛び出している、間違いなく子宮内感染を起こしている状況だと説明を受けました。その数時間後に破水し、当日中に出産をしました。

①医師からシロッカー術前より感染を起こしていたのだろうと説明を受けましたが、なぜ感染を起こした状況で19wまで保つことができたのでしょうか。素人考えだと感染していたらすぐに破水したり何かトラブルが起きてしまうものでは?と考えております(シロッカーは13w4dに実施しました)。常用的にビオスリー、ラクトフェリン、乳酸菌サプリを服用しておりました。それらが効果あったのでしょうか。15w時に実施したオリモノ培養で特に大きな所見はないように感じましたが、何が悪さをしてしまったのか気になっております。
②2回続けて子宮内感染で流産をしてしまっています。私にできる対策があるのならば是非ご教授いただきたいです。
③次回妊娠に向けてやるべき検査があればご教授いただきたいです(子宮内フローラ、子宮鏡検査、子宮内膜炎の検査はお願いするつもりです)。

現在、自費採卵(保険導入前)の凍結胚が2個残っています(5BB、4BB)。これまで良好胚の連続着床不全を繰り返してきた私には心許ないストック数なので、採卵したいと思っております。生理2回見送ってからすぐ採卵周期に移るのは焦りすぎでしょうか。成績(卵の質、受精率等)は落ちてしまうでしょうか。

 

A 

①理由はわかりませんが、感染を起こしてもある程度は妊娠継続できることがあります。ビオスリー、ラクトフェリン、乳酸菌サプリが奏功していた可能性はあります。また、培養で同定できない細菌感染もあります。
感染性流産の対策は、妊娠中のこまめな診察と膣内細菌検査を行なって、抗生剤の治療になります。下記の記事を参照してください。

2,018.9.19「Q&A1956 絨毛膜下血腫、前期破水、16週死産

2017.8.15「Q&A1550 慢性早剥羊水過少症候群(CAOS)とは

2017.6.11「Q&A1484 17週と20週で流産

2017.3.5「嬉しい報告:細菌性腟症管理

2016.12.6「Q&A1296 原因不明の切迫早産

2016.8.10「Q&A1178 破水で出産1回、流産2回

2016.6.27「嬉しい報告:ついに我が子を授かりました

2015.9.15「Q&A820 次こそは生きた我が子を産みたいです

2015.8.14「Q&A787 ☆早産2回、次回への対策は?

2013.7.26「☆膣炎と不妊症の意外な関係

子宮内フローラ、子宮鏡検査、子宮内膜炎の検査で十分だと思います。

生理を1回見送ってからの採卵周期で良いでしょう。
 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。