Q&A1178 破水で出産1回、流産2回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 34歳、AMH 1.1
不妊治療専門クリニックにて、DEHAの摂取を勧められて、服用。自主的にマルチビタミン、鉄分・葉酸、マカを服用。
①29歳 自然妊娠、7週で稽留流産、掻把手術
②30歳 自然妊娠、37週5日で破水、逆子のため帝王切開、予後良好
③32歳 自然妊娠、21週で前期破水、26週で陣痛→帝王切開により出産、新生児死亡
④33歳 AIH妊娠、15週で前期破水、胎児死亡

Q1 これまでに、前期破水が原因となり、2回連続で妊娠が終了してしまいました。これまで、妊娠までにも非常に長い期間がかかったため、また子どもを授かることが出来るのかわかりませんが、もしまた妊娠できたら、今度こそ元気な赤ちゃんに会いたいと切望しております。そのために、私が出来ることは何があるでしょうか。事前の対策や、妊娠してからの対策など、アドバイスいただけたら幸いです。
前期破水の前は特に張りなどを感じることはなく、直前の検診でも異常は指摘されませんでした。いずれも2週間おきの検診で、次の検診の数日前に破水しています。
これまでに子ども側に異常を指摘されたことはありません。③のときは剖検を行いました。①④は検査はしておらず、医師の目視のみの判断です。④の妊娠終了時に、子宮頸管無力症を疑い、医師に尋ねましたが、②③で陣痛を経験していることから、その可能性は低いのではないかと言われました。

Q2 年齢の割にAMHが低いのですが、次の妊娠を望むとしたら、体外受精を検討したほうがいいと考えられますか。個人的には、またタイミング法とAIHを行いたいと思っているのですが、悠長なことを言ってられないでしょうか。

A
A1 頸管無力症の可能性は低いかもしれませんが、予防的な意味で頸管縫縮術を行うメリットはあるでしょう。また、いつも破水が先ですから、膣内細菌の検査をこまめに行い、Nugentスコアを取り、膣炎対策をしっかり行うことをお勧め致します。
A2 妊娠までの期間が長いようですのて、体外受精へのステップアップが推奨されます。

下記の記事を参照してください。
2013.7.26「☆膣炎と不妊症の意外な関係」
2016.6.27「嬉しい報告:ついに我が子を授かりました」
2015.9.15「Q&A820 次こそは生きた我が子を産みたいです」