嬉しい報告:ついに我が子を授かりました | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

2015.9.15「Q&A820 次こそは生きた我が子を産みたいです」で先生にお答えいただいたものです。

先日、37w5dで2980gの男児を無事出産しました。死産になった2度の妊娠期間中は、初期から出血が絶えませんでしたが、今回は1度も出血しませんでした。

先生のブログは不育症の方はあまり見られないかもしれませんが、同じ症状のどなたかの役に立てればと思い、私がやった治療を書いておきます。
・2回の死産の後、ウレアプラズマを治療し、陰性を確認した
・妊娠3か月前から、ビオスリーによる乳酸菌療法を取り入れた(出産まで飲み続けた)
・出血予防のためにシナールを服用した
・妊娠中は2週に1度通院し、子宮頸管長とその閉じ具合を見てもらった
・Nugentスコアを定期的にやった(妊娠期間通じてスコア1~3)
・22w以降はエラスターゼ検査を定期的にやった
・フラジール膣錠を処方してもらい、おりものがおかしい自覚症状があったら、自宅で投与した
ビオスリー、シナールは出産まで服用し、他には、ヨーグルト100g、ヤクルトを毎日摂っていました。

26wころに、どろっとしたおりものが多くなり、検査したところ、Nugentスコアは3に上昇、エラスターゼも陽性になりました。フラジール膣錠を7日間連続投与し、Nugentスコアは1に、エラスターゼは結局出産まで陽性でした。また、結局ミラクリッドは主治医が否定的だったため、使いませんでしたが、絨毛膜羊膜炎までには至りませんでした。悪露ですが、Q&A820にも書いた通り、2度の死産後は羊水のような生臭い感じがあったのですが、今回はそれがありません。やはりあの臭いは感染が残っていたのではと思います。

臨床産科婦人科 Vol.70,No.1(2016年1月合併号)に「反復後期流・早産の治療 」という特集記事があり、乳酸菌療法やミラクリッドの有効性の論文があり、今回の治療に自信が持てました。感染症の情報はあまり載っていなく、途方に暮れていた時に先生のブログを見つけ、現役の先生に相談できたことでとても救われました。診察にもかかっていないのに親身にお答えいただき、本当にありがとうございました。