Q&A2585 妊娠するたびに絨毛膜下血腫が出来ます | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2019.3.23「Q&A2145 18週で破水が連続」でお答え頂いたものです。

その後、リプロにセカンドオピニオンでかかり、オプション検査をして頂きました。その際、ビタミンDの項目に引っかかり、今後妊活前にはビタミンDを出産まで服用するとのご指導を頂きました。あとは感染対策として、ラクトフェリンの服用予定です。

私は妊娠するたびに、絨毛膜下血腫が出来ます(4回妊娠全て)。うち、2回は前期破水をしています。一度は感染のため、もう一度は原因不明ですが、もしかしたら、知らないうちに張っていたお腹の張りが関係しているのでは、と言われています。なので、これからの妊娠時に、不可能かもしれませんが血腫が出来ないようになんとかできないかと思っています。もしくは、血腫が悪さをする前に早く無くなるようにならないかと思っています。前期破水時には初期はずっと出血していました。どこかの情報から、血腫に、漢方の当帰芍薬散が有効である可能性があると読みましたが、先生はどう思われますか。私は先生から、アスピリンなしで、ヘパリンのみの使用がいいと診断頂きました。この場合に、有効であれば、漢方などは併用しても良いのでしょうか。

また、お腹の張りについてですが、プロゲステロンの注射を12週前後から週に一回、打っていました。これは次回も実施予定ですが、お腹の張り対策として、ほかの併用できる治療法はありますか。
 
A 血腫に当帰芍薬散が有効であるという論文を見たことはありませんが、ヘパリンとの併用は構いません。また、お腹の張り対策として、プロゲステロンの注射以外にできるのは、ズファジランやウテメリンの内服です。プロゲステロンは週2〜3回打っても良いと思います。
 
前回に回答したように、胎盤形成を促進するためにヘパリンあるいは免疫グロブリン(IVIG)を移植から妊娠初期に使ってみることはありかもしれません。また、乳酸菌製剤は、内服だけでなく膣剤の併用も良いと思います。妊娠中の膣内NUGENTスコアによる膣内細菌の定期チェックもお勧めいたします。
 
なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。