先日は娘と一緒に、受験希望の学校へオープンスクール(見学&説明会)に行って来ました。すでに夏くらいより、いくつかの学校へ行っていたのですが、これまでは連れ合いが娘に付き添ってて、今回は僕が付いて行きました。


学校紹介の説明と、実際の授業の見学。そして部活動の見学と、半日たっぷり見せてもらいました。僕はこうした学校見学って初めての経験で、なかなか興味深いものでした。


真面目な感想を言えば、進学校ってスゴいなーって印象。授業の様子も、設備も、先生たちの気合いも、僕の学生時代とはマァ違いましたね。


でも、進学校だからって、生徒さんたちがガリ勉一色な雰囲気でもなくて、真面目に授業を受けてる姿と別に、部活動では凄く無邪気な顔でイキイキしてたのが良かったです。


ダンス部とか、みんな可愛いくて楽しそうでしたし、演劇部も短いお芝居を頑張って披露してくれた。合唱部や軽音部、パソコン部に文芸部と、限られた時間で見れたのは部活動のほんの触りくらいでしたけど、ああ、ちゃんと青春してんな、いいなぁって思いました。娘も楽しかったようです。


それにしても、僕の学生の頃は、こんなオープンスクールなんてなかった気がする。在学中に受験生が見学に来たって覚えもない。連れ合いは《私ん時は学校見学あったよ》と言ってましたけど、時代の差か、うちの親がそういうのに無頓着だったか、よくわかりません


受験勉強もいよいよ佳境。勉強は大変だけど、良い結果が出るよう頑張って欲しいです。それくらいしか言えませんね。


学生時代、娘はこれから始まるもので、僕らにとっては決して戻れないけど確かに通り過ぎて来た時間。願わくば彼女にとって充実したものでありますように。



帰り道に書店で、雑誌とマンガを購入。

紙面で鈴木茂さんが、はっぴぃえんどの全曲解説をやってます。前に出した茂さんの自伝でも全曲解説やってたけど、つい買ってしまいました。こういうのを読むと当然はっぴぃえんど聴きたくなります。

「はいからはくち」「花いちもんめ」「氷雨色のスケッチ」のスコアが載ってて、弾けないまでもタブ譜を見ながらギターを触るのは楽しかった。久しぶりにタブ譜なんて見ましたね。目が悪くなったせいか、指板の数字の判別がしんどい(字が小さすぎる)。でも「氷雨色のスケッチ」は大好きで歌ってみたかったから、コードと弾き方がわかって嬉しいです。

「氷雨色のスケッチ」ホントに素敵な楽曲。これは僕の思う《こんな歌が作れたらどんなにいいか》リストの常連曲です。サビの《ねえ / もうやめようよ / こんな淋しい話》の歌詞とメロディのハマり具合ときたら、天下一品でしょう。あの《やーめーようよー》はホントに止めて欲しそうですものね。《はーなーシィー》の裏声も最高。はっぴぃえんどのファンであそこにグッとこない人はいない。いるわけない。

 



そして、ブルージャイアントのアメリカ編の四巻。
アメリカ編に入ってからは、大のプレイが現地で受け入れられずに苦戦している最中で、正直、読んでいてもどかしいです。これまでの日本、ドイツ編と比べると、アメリカ編はさらに高い壁、試練がありそう。そんなんでも、読めば相変わらずのこの面白さ。早くアメリカで成功して観客をガツンとやっつけて欲しい。

アニメ映画化が決まり、さて、大のサックスは誰が演奏するんだろうと、今から興味津々ですよ。マンガでは音が出ないけど、アニメ映画は実際に鳴りますからね。サントラとか絶対買っちゃいそう。

いよいよ来週、もう今週か。9月に中止したフリーダムフォーク集会、いよいよ再開です。2021年最後のフリーダムですよ。

第176回フリーダムフォーク集会
【日時】2021年11月20日(土)
    19時半開演
【場所】ライブカフェ mamselle
袋井市堀越1802-1 TEL 0538-42-6440
http://mamselle.sakura.ne.jp/
【料金】music charge 500円
【出演】
一次会(本編)演奏時間一組20分(転換時間抜き)
・高田要比古
・HASSY
・砂風金
・Setha, Seanna & Joey 
・大川忠人
・ぷらっとふぉーむ

演者の皆さんよろしくお願いいたします!

フリーダムに遊びに来られる方は、僕かお店の方に、もしくは出演者のどなたかに前もって来店人数を教えてくださいませ。あまり多くなった場合は入場をお断りするかもしれませぬ。何卒ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。


マシス



ずいぶん前、おそらく十年以上前に作った歌を、書き直してみました。新曲ではなく書き直し、です。一度は完成した歌に、改めて手を加えてみたのです。

作った当時に、二回か三回、新曲として人前で歌ったことがあったけど、十年以上前のことですから、元の歌を覚えてる人はマァいないでしょう。十年前には上手く言い表せなかったことも、今なら別の言い方で書けるかも、と思い立ったのです。

元の歌詞が散文でデタラメな内容だったので、もうちょっと意味の通るようにとブラッシュアップしたら、これが思わぬ大手術になった。歌詞だけ替えるつもりが、新しいメロディも付け加えたりして、おかげで、元歌では見えなかったテーマが前に出たかと思います。

この歌のきっかけはそれこそ十数年前、掛川の某広場での思い出によるものですが、今年の夏に久しぶりにそこを訪れた時、お土産屋さんの入り口にお客様ノート(訪れた人が自由に書き込める)が置いてあって、タイトルの「落書きノート(仮)」はそこから頂きました。

マシスはなかなかお外に歌いに行けませんが、歌は作っています。いっぱい作って、外で歌うため準備をしておきます。来年の春までは。

(写真はネットの拾い物です)
「落書きノート(仮)」

そぞろ歩きで
どこ吹く風なら
まだ見ぬ退屈は
選りすぐり
鼻歌の足取りで
わけもなく あてどなく
僕らみな 通りすがり

路地を歩いた
広場を眺めた
誰かが歌声を響かせた
この街の偶然が
いつだって僕らには
嬉しかった

お互いをよく知らず
お互いに何も聞かず
落書きの自由帳に
日付けを記す

もしも、とか 例えば、の
話が尽きたら
そろそろこの退屈も潮時
僕らはまた
それぞれの場所で
鼻息を荒げるさ
何枚も何枚も
自由帳に
ここに訪れた、と記す
ここに訪れた、と記す


2009~
2021/11/08/22:10


【もう何年前のことか、掛川のこだわりっぱ広場に、
毎月、第一日曜日に集って演奏した音楽仲間と、
足を停めてくださったお客さんを思い出して】



マシス
第176回フリーダムフォーク集会
【日時】2021年11月20日(土)
    19時半開演
【場所】ライブカフェ mamselle
袋井市堀越1802-1 TEL 0538-42-6440
http://mamselle.sakura.ne.jp/
【料金】music charge 500円
【出演】
一次会(本編)演奏時間一組20分(転換時間抜き)
・高田要比古
・HASSY
・砂風金
・Setha, Seanna & Joey 
・大川忠人
・ぷらっとふぉーむ


演者の皆さんよろしくお願いいたします!

フリーダムに遊びに来られる方は、僕かお店の方に、もしくは出演者のどなたかに前もって来店人数を教えてくださいませ。あまり多くなった場合は入場をお断りするかもしれませぬ。何卒ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。




似鳥鶏の小説《市立高校シリーズ》という文庫本を、ここのところずっと読んでいました。

ブックオフで時々、創元推理文庫の読んだことない100円本を手に取るのですが、ある時、掛川店の棚にこの似鳥鶏がゴソッとあって、何か読みたくなった時のためにちょうどいいや、と、シリーズまとめて買っておいたのです。

安値で本が買えてラッキー、と思ってたけど、こんな風に、なんとなーく安いから買ってみた、って本は、案外すぐに読み出さないもので。似鳥鶏もしばらく枕元に積まれっぱなしでした。

で、ようやく数日前より手を付けまして、最後の一冊「家庭用事件」を昨日、読了しました。どれも面白かった。シリーズ一気読みを楽しませてもらいました。


読んだ本は以下の七冊。

「理由あって冬に出る」
「さよならの次にくる(卒業式編)」
「さよならの次にくる(新学期編)」
「まもなく電車が出現します」
「いわゆる天使の文化祭」
「昨日まで不思議の校舎」
「家庭用事件」

表紙の絵柄から、米澤穂信の「氷菓」シリーズのような学園物ミステリーなのだろうな、と想像してたのですが、確かに「氷菓」と通じる雰囲気もあるけど、ぜんぜん別物でしたね。米澤穂信と比べると、まず、読みにくかった。シリーズ一冊目「理由あって冬に出る」が、いきなりもう、序盤に話が頭に入ってこなくて苦戦しました。

マンガみたいな軽い会話が飛び交ってるのですけど、状況説明のしつこい描写と登場人物たちの会話のテンションに馴染めず、なかなかすんなりと読み進められない。似鳥鶏って読みにくいなー、と思いましたよ。

でも、読み終えた時は、オーやるなぁと感心しました。まさか、こういう余韻で終わるとは思わなかった。さすが創元推理文庫というか、記念すべきシリーズ一冊目、一癖も二癖もある面白本となってました。
主人公の葉山くんの一生懸命な奮闘っぷり、柳瀬さんの元気な愛らしさ、三野くんのヤンチャな男気、伊神さんのエキセントリックな探偵っぷりは、この後のシリーズを通じてどんどん親しめるものになっていきます。キャラクターがどんどん肉付けされていって、読むほどに彼らが好きになってくる。そして内容もテンポ良く面白くなっていくのです。

四作目「まもなく電車が出現します」まではまだ《頑張って》読み進めようとしていました。が、後半の三冊はウソのように読みやすくなった(感じ方には個人差があるでしょうが)。ページをめくるのをやめられない止まらない状態でした。

「いわゆる天使の文化祭」は、頭からとびきり面白い謎が飛び出して、その謎ひとつで一気にラストまで持っていかれた。次の「昨日まで不思議の校舎」はシリーズ集大成。序盤からエンジン全開で途中でスピードが全く落ちることなく、最後のページまで面白いまま駆け抜けてくれました。「家庭用事件」は短編集なのですが、シリーズの登場人物に馴染んだおかげもあってか、これがまた粒ぞろいの外れなし。ラストには短編なのにこれまでの設定をひっくり返すかのビックリな謎解明(カミングアウト?)があって、えーって度肝を抜かれました。
学園ミステリー、というと、殺人事件とかポンポン起こるわけじゃない。この《市立高校シリーズ》も、稀に刑事事件もあるけど、ほとんど謎そのものは日常のちょっとした不可解な出来事、といった話が多いです。だからってこのシリーズを、推理小説として物足りないとか、謎解きが弱い、と評価するのはどうなのか、って僕は思います。

謎解きが弱い云々、ってのは、確かにそれはその通りかもしれませんけど、学園ミステリーって枠組みの中で、登場人物が普通に学校に通ってて、そこで起こる事件の謎解きなんです。金田一少年やコナンのように、行った先で殺人事件にバンバン遭遇するわけじゃない。

ある時は校庭で、ある時は部活の部室で、ある時は文化祭で起こった不思議を、ここまでアクロバットに面白く読ませてくれたら、僕は物足りなくなんてない。存分にご機嫌ですね。



ちなみに、これは特筆しときたい(!)。作者の似鳥鶏は、どの本にも巻末に後書き文章を寄せていますが、これが、読者への嫌がらせかってくらい読みにくい内容なんです。僕には読めません。こんなにも読者を突き放した後書きは世界中探してもないと思う。僕は本でも音楽でも、感想で悪口は書きたくないですが、これは似鳥鶏、絶対にわざとやってます。でなきゃ、どの本にもこれってあり得ないですよ。

おそらくは似鳥鶏、後書きで作者がアレコレ語るのを潔しとせず、書きたいことは本文に書いた後書きはもう内容に触れたくないもんね、って思ってふざけてるか、単に、地の文を書いて自分を晒すのが照れくさいか、書きたくないけど担当者に《書け書け》と強要されて、嫌がらせでこんな風に書いてる、とか邪推してしまいますよ。

まぁ、この後書きの文章を読んでもらえたら、シリーズ最初の方で僕がどれだけ読むのに苦労したか、なんとなくわかってもらえるんじゃないかしら。こういう文章も書ける作者なんです。この文をちょこちょこ物語に挟まれたら、そりゃあ読みにくいったらない。


実は、このシリーズを読んでる途中、今年、シリーズ新刊が出たんです。 

 

シリーズ新刊、まだ買ってないのですが、近いうちに読むかもしれません。すでに僕は葉山くんや柳瀬さん達に会いたくて仕方ないですよ。



余談。親父が犬の散歩してる時、道でアケビを採ってきました。

うちの誰も食べないというので、僕がぜんぶ頂きました。種を捨てるのが面倒だったので、庭で食べて、種はペッぺと土に還しました。ほんのり甘くて美味しいものでした。

そのうち芽が出て庭がアケビの森になったら、アケビ農家をやる(ウソ)。


これまた余談ですが、アケビっていうと、藤子不二雄Fの「T.Pぼん」ってマンガの一巻で、主人公が山でアケビを採って食べるシーンがあったのを思い出します。何気なく描かれてますが、野に咲いたアケビを躊躇わず採って食べる主人公の姿は、藤子不二雄F先生が子供の頃にそうやって食べてたんだろうな、と思わされるものでした。

今の子供ってアケビを見つけられるのかしら。



マシス


好きなミュージシャンのアルバムで、とても欲しいけど手に入らない、そんなCDはいくつもあります。もう廃盤で売ってなくて買えない、ってCDも多いのですけど、ハナっからCD化がされてないアルバムもある(手に入らないと思うと余計に欲しくなる心理あるある)。

うっかり買う時期を逸して、ずーっと再発されないってアルバムの筆頭は、原田真二のセカンドアルバム『Natural High』。これがネットだといつも高額で、ずーっと僕にとって幻のアルバムです。

 

他のアルバムはわりと容易に手に入ったのに『Natural High』だけ、ここまで再発されないってことは、原田真二本人が出したがってない、乗り気じゃないってことでしょうね。


一応、数年前に公式で出たボックスセットにようやく入ったのですが、そのボックスセットだって二万円強したので、買うのを躊躇してしまったのです。うーん、どうかバラで再発してもらえないでしょうか。

友川カズキの『復讐バーボン』も、欲しい。狂おしいほど欲しい。CD屋で手に取ったこともあったのに、あの時なんで買っておかなかったんだろう。こちらは原田真二と違い、友川カズキ本人が《良い出来》とコメントしているのに、肝心のブツがないものだから、やはり値段が高騰してしまいました。友川さん『復讐バーボン』どうぞ再発してください。買いたがっているファンはいっぱいいますよ。
でも、これらのアルバムは、お高いけど、金にモノをいわせれば一応は買えるのです(買わないけど)。悩ましいのが、もともとCD化されてないアルバムは買いようがないってこと。欲しけりゃ中古のLPを探せってか、なんでCD化してくれないの?って、本気で思う作品があります。さだまさしの『随想録』はようやくCD化されましたけど、『随想録』もずいぶん永いことCD化されなくて、なんで?!って思ってましたね。


ここから本題。《なぜかCD化されないアルバム》のリストの中で、僕がトップランクで欲しいと夢見てたアルバム、トニー・コジネクの3rdアルバム『コンシダー・ザ・ハート』(1973)が、今年なんとCD化されてたのです。これは物凄い事件です。
ネットで見つけた時、自分の目を疑いました。え、CD化された?本当に?って。ソッコーで連れ合いに《amazonでこれ買って!》と頼んだところ、翌日には届いてしまった。連れ合いはamazonプライムに入ってるので、こういう時にありがたい(お金は連れ合いにちゃんと払いました。プライム会員は送料無料なので頼むと安い)。

今、実際に現物を手にしていてるのが信じられない。ウソみたいな気分です。浅川マキの『灯ともし頃』のCDを手にした時以来の興奮です。


CD、聴きました。実は、YouTubeで数年前よりこのアルバムはそっくりアップされていて、おかげで内容は聴いて知ってはいたのです。でも、自分の部屋のオーディオにCDをセットして聴くと、これは感慨ありましたね。《ようやく聴ける》という思い込みのヴァイアスも込みで、良かった。この音に、声に、次々と場面変化するメロディに、ああトニー・コジネクだと身が震える想いがしました。本国ではトニー・コジネクの一番人気なアルバム、ついに手に入れてしまいましたよ。

トニー・コジネクはカナダのシンガーソングライターで、決してビッグネームではないですけど、僕はずっと好きなミュージシャンです。

かのL⇔Rの黒沢健一が2ndアルバム『バッド・ガール・ソングス』(1970)をフェイヴァリットに挙げていて、黒沢くんのオススメなら良さそう、と興味を持ったのが知るきっかけでした。
この、ジャケットのイラストが印象的な『バッド・ガール・ソングス』だけは、廃盤にならないみたい。他のアルバムが買えない時も、これだけはいわゆる名作扱いで、ずっと売られ続けているようです。

トニー・コジネクはちょっと摩訶不思議なセンスの曲を作る人で、ポップでとても心踊るんだけど、少し難解で、鼻歌で口ずさむには覚え難いメロディ。その奇妙な味が慣れるとクセになります。覚え難いってことは飽きないのです。

『バッド・ガール・ソングス』の一曲目。いきなりつかみどころのない歌メロディと、途中でテンポがいきなり変わるトリッキーさにオッとなった。ギターとピアノと歌を基本にしたシンプルなアレンジなので、奇妙だけどスッと聴けて、ナイーブなのになんか可愛い、愛嬌ある音楽だなと思ったものでした。

 トニー・コジネクはとにかく、日本で紹介されたアルバムが『バッド・ガール・ソングス』と『コンシダー・ザ・ハート』だけ、って時期が永くて。なのに『コンシダー~』はCD化されないんだから、『バッド・ガール~』はまさに虎の子の一枚だったのです。


実は『バッドガール~』の次にCD化されたトニーのアルバムは1stの『プロセス』(1969)なのですが、僕がそれを手に入れたのはずいぶん後のことでした。


他のアルバムも聴いてみたいなーと思っても、昔は今みたいにネット通販もないし、情報を知る術もなかった。そんな時、『オールモスト・プリティ』(1978)と『パッサー・バイ』(1985)の二枚が同時に世界初CD化されました(実現させたのは日本のヴィヴィッドサウンドの宮木さんの尽力によるものと解説参照)。それが今から22年前、1999年のことでした。嬉しかったですね。

 

『オールモスト・プリティ』が僕、トニーのアルバムで一番好きかもしれません。とは言え、これ、実はマジの未発表作品だったらしくて、CD化どころか、テストプレスはされたものの、発売されなかった幻のアルバムなんだそうです。曲順もジャケットも、このCD化の際に決まったらしい。

これが聴いてみたら、素晴らしく楽しい。今ではこのアルバムがもっとも手に入り難いようで。もったいない。音も曲もこんなにポップでご機嫌なのに。ポップスファンには一家に一枚のアルバムですよ。

 一曲目の「エニー・アザー・ウェイ」からもう、このアルバム最高って無敵感があります。テストプレス盤では全然曲順が違って、「ミステリー」が一曲目だったらしいけど、絶対に「エニー・アザー・ウェイ」でしょう。ヴィヴィッドサウンド宮木さんナイス曲順ですグッジョブ。


事実上、現在トニー・コジネクのラストアルバムでもある『パッサー・バイ』は、いかにも80年代というAORなサウンド。これはBGMとなりうる唯一のトニー・コジネク・アルバムといえそうです。『バッド・ガール・ソングス』が好きな人には慣れない音かも知れないけど、これも良いアルバムだと思います。

もし、もしもですが、トニー・コジネクがこの先もアルバムを出していたら、『パッサー・バイ』のような作品をいっぱい作ったんじゃないか、って夢想します。あくまで夢想で、希望です。

オーバープロデュースということで、トニー自身が不満も多いという1stアルバム『プロセス』。ライナーの解説でもアレンジに対して文句たらたら書いて可笑しいすが、ちゃんと聴けば、そんなにクサすほど悪いアルバムだとは思いません。

トニー・コジネクの歌は、ちょい聴き流すってBGMには向かなくて、どんな気持ちいい曲でもその個性がゴツゴツと耳にぶつかって来る。メロディの隅々までトニーの《これでなけりゃ》って意志がヒシヒシ伝わってくる。

トニーの曲に《なんとなくのメロディ》はひとつもなく、すべてにこだわって作られてると感じるのです。僕の思い込みではありますが、トニー・コジネクを聴いているとシンパシーを感じます。なれるものなら、僕はトニー・コジネクみたいになりたかった。


『コンシダー~』のライナーには、トニー本人の長文のコメントが掲載されてます。七十歳を過ぎているはずのトニー・コジネクのその言葉は、音楽への情熱をいまだ穏やかに燃やしているかのようでした。今、もし、ニューアルバムとか出してくれたら、嬉しいのになぁ。



マシス
昨夜WOWOWにて、今年の3月13日に行われた佐野元春の武道館公演の模様が放映されました。

コロナで観に行くことが叶わなかったファンも、物理的に武道館は行けねーと諦めたファンも、みんな狂喜してこの放送日を待っていたことでしょう。僕もリアルタイムでテレビ前に鎮座して、存分に鑑賞しました。

コロナ禍の状況において、デビュー40周年記念と称して開催されたこのライブは、この武道館と、一ヶ月後の大阪城ホール公演の二夜のみ。昨夜の放送されたのは武道館と大阪城ホール公演の両方からの映像が使われていたようでした。
 
いやあ、観れて嬉しかった。完全盤でなくいくつか曲がカットされたのは残念でしたが、それでも、このご時世に行われた元春の有観客コンサートということで、大いに興奮しました。

「ハートビート」とか最高でしたね。歌い方もハーモニカも映画『Film NO DAMEGE』の時の演奏を意識したかのようで、曲と歌詞の美しさが際立ってました。「ロックンロール・ナイト」の雄叫びもシビレタ。

元春のMCで印象的だったのが、

《良かったら一緒に歌ってください。心の中で》

そう、観客は声を出せないコンサート。感染防止のため歓声も大合唱もない、その代わり、拍手が熱い。拍手に応える演奏も熱い。
 

事前にネットで、このコンサートに実際に参加したファンの感想をいくつか読んでましたが、《セトリ最高!元春最高!》という声と、逆に《40周年記念コンサートなのにこのセトリはヒドイ》と嘆く声と両方あった。悲しんでる人はおそらく、新しい曲より昔の人気曲がもっともっと聴きたかったぜ、ということでしょうね。
 
今回のセトリに関しては、ちゃんとノスタルジックなファンへのサービスもやってくれてたと僕は思いますけどね。近年の元春のライブなんて、アンコールまで昔の曲ほっとんどやってませんもの。それを思うとこの日は懐かしい要素の多い選曲ですよ(元春にしては)。

「ハートビート」「ロックンロール・ナイト」「悲しきレディオ」を一晩で聴けるなんて、ボスの「ジャングルランド」と「レーシング・イン・ザ・ストリート」と「ロザリータ」を一晩で聴けるようなお得感じゃないですか。


昨夜の放送を観た上で、僕は《セトリ最高!》の意見に一票入れたいです。だって、新しい曲、ライブでメチャメチャ良かったから。「愛が分母」なんて、もし会場でこのイントロの音を聴いたら無条件に身体が跳ねますよ。実際に客だって嬉しそうに踊り狂ってましたしね。(ソーシャルディスタンスが取られてるから広くて踊り易そうだった)。「愛が分母」は間違いなくこの放送のベストショットです。

「エンターテイメント!」も良かったな。コヨーテバンドと作ったナンバーを歌う元春は実に生き生きとしてて楽しそうです。もっと新しい曲を観たかった。この日の「合言葉」の演奏をカットされたのは本当に残念!「純恋」も。観たかった。

 

 

 

↑「合言葉」こそ、このコロナ禍の状況に希望をリラックスを歌ってくれてるナンバー。放送してほしかった。

 

 

今回は元春ライブが久しぶりのテレビ放送ということで、僕は雑誌「Player」を参考に、元春が使用するギターに注目しながら観てました。
 
実は僕、ギターを見てもとっさに名称がわかりません。ギターの形と名前が、本当に覚えられないのです。SGとかリッケンバッカーみたいに個性的な形のギターだったら、これはSGだねってすぐ言えるのだけど(ちなみに車の車種とかも覚えられません)。せめて元春のギターくらいから覚えていきたい。
 
元春のトレードマークといえば、赤のストラトキャスター。元春が赤いギターを担いだら、ストラトきたー!って分かる。形でなく色で覚えてるのが情けないですね。
 
昨夜の放送でも、ストラトは何回か担いでました。
 
近年はこの黒いギターもよく弾いてるのを見ます。
グレッチのPS6128 Duo Jetというギターだそうです。雑誌のインタビューで、元春はこのギターを《ロックジェット》と呼んでました。
背面は前オーナーがピンクに塗ってしまったのだそうです。

グレッチというと、ブランキー・ジェット・シティのベンジーを思い出す人も多いでしょう。《ベンジーあたしをグレッチでぶって「丸の内サディスティック」椎名林檎》、のグレッチがこのギターなんですね。
 
このギターはマーチンのD-28でしょうか。ロゴがなんとなく見えるし、雑誌にも載ってます。
 
最後はギブソンのES-335TD。チェリーサンバーストの色がキレイ。
 これは僕、ギターの形が好き。格好良いルックスのギターだと思う。
弦を留めてるブリッジ部がグレッチと似てます。元春が弾いてればどれもギターの名前は言えそうだけど、もし楽器屋に飾ってあるのを通目で見て判別できるかは自信がないですね。
 
 
ギターの種類なんて僕、興味を持ったのはここ10年くらいのことなのです。弾き語りをやるわりに、ギターなんて弾き易いのがベストで、見てくれは二の次と思っていました。

そこはやはり、どこぞの誰が弾いてるあのギターがカッコいい、って憧れの視点を持てないと、興味が湧くものじゃないですね。僕はずっと楽器のルックスへの興味がそういう意味で今まで希薄でした。でも、興味を持とうとすれば面白いもので。ギターを見て《カッコいい!》って思えるのは楽しいですよ。
 

放送日の前日、10月22日には新曲「銀の月」が配信で発売されました。僕は配信音源は買わないので未聴ですけど、プロモーションフィルムでは格好良さそうな曲でしたね。 元春の新曲がずっと格好良いってのは何より嬉しい。

 

 
今日は朝、選挙に投票に行って、エアコンのフィルターの掃除をして、あとはCDを聴いて本を読んだり、録画してあったテレビ番組を観たり、家の犬と遊んで、ちょこっとギター弾いて、WOWOWの元春ライブも気になるシーンを見返したりしました。良き休日でした。
 
 

 

 
 
一昨日くらいから偏頭痛が続いていて、今日まで治らず仕事中に目のマッサージしたり肩を揉んだりして、けっこう難儀していたのですが、不思議なことに退社時間になったらケロッと治った。なんだったのだろう。一週間の仕事がイヤ過ぎたのか。あり得る。

とりあえずは、偏頭痛を土日に引き摺ることなく済んで良かったです。土日になれば横になって休めると頑張ったけど、せっかくの土日はやはり寝込みたくない。お休みは元気で過ごすのが一番いい。


先日、夕方に散歩してる時に撮れた写真ですが、
山の向こうに海が見えた、っぽい写真。

沖を行く船の姿まで見えそうな風景。


もちろん、僕の住む町はいくら歩いても海は見えません。シュロの木が南国っぽくて、余計に紛らわしい。


実際は、

水平線に見えたのは空でした。雲の底辺が一直線で、あたかも水平線のように見えたのです。蜃気楼っぽくも見えますね。砂漠に海が浮かび現れるみたいに。

他愛のないことですが、散歩していて、一瞬だけ異世界を観たような気分になれました。


異世界といえば、掛川の町中を歩いていて見つけたお店。

扉をくぐると、大将としのぶちゃんとハンスが出迎えてくれるような錯覚。

居酒屋のぶの登場人物では、僕は徴税請負人のゲーアノートさんが好きです(表紙の片眼鏡の男性)。ゲーアノートさんの影響でしばらくナポリタンにハマってました。


散歩していて最近思うのは、月が丸いとか花が咲いてるとか、鳥が鳴いてるとか、風が気持ちいいとか、そういうベタなことって意外にも楽しい、ということ。花鳥風月を肌で感じるとか、柄にもなくそんな風流なことを思う自分なんて、二年前に散歩を始めるまで想像もしてなかったですよ。

今ですと、通勤の道にコスモスが見事に咲いてるのが目につきますが、以前だったら、いちいち、おおコスモスが咲いたなぁなんて思ったかどうか。多分、見てても目に入ってなかったと思う。連れ合いがそういうことに敏感で、散歩しながら色々見つけては喜んでいるのを見て、多分に影響をもらったのです。


第176回フリーダムフォーク集会
【日時】2021年11月20日(土)
    19時半開演
【場所】ライブカフェ mamselle
袋井市堀越1802-1 TEL 0538-42-6440
http://mamselle.sakura.ne.jp/
【料金】music charge 500円
【出演】
一次会(本編)演奏時間一組20分(転換時間抜き)
↓(9月フリーダムにエントリー頂いた皆さん)
・高田要比古
・HASSY
・砂風金
・Setha, Seanna & Joey 
・大川忠人
・ぷらっとふぉーむ


うちの娘は今日、二回目の注射が済みまして、これで我が家は全員が二回のワクチン摂取を終えたことになります。まだまだ感染には気をつけねばいけないのですけど、とりあえず済んで良かった。

これで我が家の重症化のリスクがちょこっと下がったか、と思うと、気分が少うし楽になるというものです。


それでもまだ外へは遊びに行けませんね。来年に娘の受験が終わるまでは辛抱です。佐野元春のツアーも発表されたし、エスケリータ68には来月なんと佐藤奈々子さんと長田進が来る。コロナがなかったらどちらも間違いなく観に行ったでしょう。でも、仕方ないことです。

いいなぁ。エスケリータに奈々子さんですよ、元春と軽自動車で現れた(軽自動車の恋人たち)の奈々子さんですよ。そして長田進ですよ。佐野元春 with THE HEARTLANDの元ギタリストですよ。ちょっと前にはビスケットタイムに伊藤銀次も来てたし、なんというタイミングなのか。今年はまるで浜松で元春同窓会してるみたいじゃないか。行けないのが切ないぞ。


マシス



選挙の投票日が近づくと、特定の政党を応援する個人メッセージを送ってくる方がいます。普段あまり関わりのない方ほど、こういう時に送ってきます。どんなに良い政党だろうと、どんなに高尚な志があろうと、こういうメッセージはあまり良い気持ちはしません。意地でも票を入れてやるものかと思う。


YouTubeを観ながらうたた寝してたら、知らないうちに「ペリーヌ物語」が始まっててビックリしました。

「ペリーヌ物語」。子供の頃に放送してたのは知ってたけど、当時は観たことはなかった。なんだこりゃ、と思いつつ、寝ぼけながらボーッと観てたら、これが面白くて、途中からだけど(40話くらいだったか)そこから次々と観てしまいました。

先日、とうとう最終話の53話がアップされて、ああ終わっちゃったーと思っているところです。
僕はいわゆる大河ストーリー、長い話をテレビで追いかけるのが苦手なので、連続ドラマのように毎週続きが気になるようなテレビは最初から観ないようにしてます。それが今回、途中からでもせっせと観ちゃったのは、《次はどうなるの?》の手腕にまんまと引っ掛かってしまったから。ですけど、やはり観てみたら面白かったということです。

終盤、第49話と52話は、恥ずかしながら落涙。後半しか観てないくせに、サメザメとタブレット片手に泣いておりました。

第52話の、ビルフランさんが目の手術を受ける回、良いですね。ペリーヌの顔が観たくて手術を決意するビルフランに、《自分は美人じゃないので、見てガッカリしても私のせいじゃありませんよ》というペリーヌ。《お前はわしをからかっておるんだな。ひどいやつだ》と笑うビルフラン。

手術は成功して、ペリーヌの顔を見た時のビルフランのセリフがどれも素敵で、ついそのシーンだけ何回も観てしまいます。

《やっぱり美人だったじゃないか、この嘘つき》


観ていてほっこりします。みんな幸せになれて良かったね。


ちなみにペリーヌ役の鶴ひろみさんはこの作品がデビュー作とのこと。ドキンちゃんやドラゴンボールのブルマと比べると、話し声が初々しいです。


日曜日の19時半より放送されていた世界名作劇場は、僕は「ハイジ」「フランダースの犬」「母を訊ねて三千里」くらいまでは記憶があります。ムーミンやロッキーチャックは再放送で観たけど、さすがに本放送は覚えてない。ロッキーチャックの絵がついたシャツとか着てた覚えはあるのですけどね。


今回、ペリーヌをいくつも観てたせいか、YouTubeのオススメ欄に名作劇場のアニメがすごく上がってくるようになりました。これはどうしたものか。ペリーヌをたまたま観たからって、おそらくはどれも観ないですね。

ペリーヌだって、とても面白かったけど、だからって最初から観てみようとは思わない。今回観て楽しめたのはタイミングが良かったからです。もちろん、最初から観ればもっと感動できただろうけど、一話24分とはいえ、全53話を観ると思うと気が遠くなります。それでも今回は連続ドラマの楽しさを久しぶりに堪能しました。

 

 

久しぶりといえば、今、我が家では季節外れの蚊取り線香を使っています。秋というのに娘が蚊に刺されて難儀してたら、お袋が出してきました。
煙の匂いが懐かしい!煙いんだけど懐かしい。ずいぶん久しぶりに蚊取り線香の匂いを嗅ぎました。子供の頃の昔の家ではよくこの匂いがしたっけなーと、懐かしい気分になったのです。服に煙の匂いが染み付いてもいい匂いに思えてくる。


まだ1ヶ月以上先の話ですが、11月のフリーダムフォーク集会の出演者が確定しました。なんと、中止となった9月にエントリーされてた皆さん全員、11月にそっくり登場です。皆さん出てくれるなんて嬉しい。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
第176回フリーダムフォーク集会
【日時】2021年11月20日(土)
    19時半開演
【場所】ライブカフェ mamselle
袋井市堀越1802-1 TEL 0538-42-6440
http://mamselle.sakura.ne.jp/
【料金】music charge 500円
【出演】
一次会(本編)演奏時間一組20分(転換時間抜き)
↓(9月フリーダムにエントリー頂いた皆さん)
・高田要比古
・HASSY
・砂風金
・Setha, Seanna & Joey 
・大川忠人
・ぷらっとふぉーむ

山本先生のお子さん達が久しぶりに来て歌ってくれます。ジョーイ君は初ステージじゃないかしら。楽しみですね。

フリーダムに遊びに来られる方は、前もって人数を教えてくださいませ。あまり多くなった場合は入場をお断りするかもしれませぬ。何卒ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。


マシス



来月、11月20日(土)、予定通りフリーダムフォーク集会を再開したいと思います。9月の緊急事態宣言を抜けて、少ぅし感染者の数も減ってきて、それでも感染対策は備えて再開せねばなのです。
再開にあたって、9月フリーダムにエントリーいただいていた皆さんに、11月の出演はどうでしょう、とお伺い立てたところ、ありがたいことにほぼ全組からOKのお返事をいただきました。なんて嬉しい。多謝多謝。皆さんよろしくお願いします。

11月20日(土)フリーダムフォーク集会、出演者がすべて決まったらまた改めて告知します。飛び入りコーナーは相変わらずなしです。ワクチン摂取も進んでいるようですし、状況を見て飛び入りも再開できたらとは思うのですが、まだまだ時期尚早と思うので、とりあえずはなし。そこのところはご了承くださいませ。


ずっと自粛してたので、こうして外に出られる予定が決まると嬉しく思います。が、逆に町内会のしがらみ行事のような面倒臭い集まりも、ここ二年近く中止中止で、そういうのは出ずに済んで本当に楽チンでした。

このままいっそ永遠にしがらみはなくなってしまえ、と不謹慎な考えすら頭をもたげてきます。

感染者が減ってきてイベントが行けるようになるのは望むところなんですけど、そうなると、出たくないしがらみ行事も復活するんだよな、って、そう思うと気が重い。

なーんか、町内会への社交能力なんて、コロナのせいですっかり忘れてしまった気がします(もともと大して社交能力はない)。遊びには行けるようになりたい反面、行きたくない行事はこのまま行かずに済むようならないものか。そうはいかないだろうな。アア面倒くさい。


若者にとってのこの二年間の自粛は、当然ながら人生にとっての小さくない打撃だったことでしょう。学校イベントの中止中止で、卒業アルバムに載せる写真がないって話も聞きますものね。うちの娘はそれでも修学旅行に行けたし、体育祭もやれて合唱大会もやれそうで、ラッキーでしたよ。


この自粛時間も、そう遠くないうちに終わるかも知れない、そんな希望を持つと、逆に、家に籠っているうちにやっておけたことがあったんじゃないかしら、と近頃は思ったりします。《外に行けない》だけじゃなく《外に行かずに済んだ》という得もあった。そう思えば、いつかコロナを振り返る日が来た時《あの時あれをやっておけば良かったな》と悔やむのかも知れません。

録音は、再開したいですね。自粛で時間はあったはずですが、気持ちが何故か録音に向かわなかった。無気力でした。もったいないと思うけど、ただでさえ腰が重くなる録音作業、曲をつくるだけで精一杯。

よくYouTubeで、奥田民生がひとりで全ての楽器を演奏して多重録音をやってるのを観ますが、なんて楽しそうなんだろうって眩しく思います。今は、ひとりで音源制作というとDTMソフトでサクサク打ち込みをやる人が多いでしょうけど、こうしたちゃんと生の楽器を演奏したのをチマチマ重ねていく工程は、観てるだけでとってもワクワクします。完成した音も含めて僕は絶対こっちが好きですね。打ち込みは打ち込みでもちろん好きなものもあるけど。

 

 

↑上記のリンクのアルバムは、二枚とも民生のひとり多重録音でつくられた快作で、僕のお気に入りです。おまけDVDの録音風景を観ていて驚くのは、民生はアレンジを完璧に仕上げて録音に挑んでるのですね。ベースラインもドラムのフィルも、キーボードのリフも、ぜんぶ頭の中にある。そうでなけりゃあんな迷いもなく録音できないよなーって感心します。



今日、欲しかったエミット・ローズのセカンドをタワレコで安く買えたのですが、この人もひとり多重録音の人でした。
《ひとりビートルズ》という異名を持つエミット・ローズのこのアルバムは、1st『エミット・ローズの限りなき世界』ほどにはビートルズっぽくは感じません。でも、曲によっては「ミスター・カイト」だったり「フール・オン・ザ・ヒル」っぽい音でニヤリ。何より、これをひとりで全て演奏してるのかーって思うと楽しい。

エミット・ローズのアルバムは本当にそつがなくて、特に非の打ち所もないんだけど、逆に飛び抜けた個性もない。もしどこかで流れてても《あー、エミット・ローズだ》となかなか気づけない、そんな印象のミュージシャンです。でも、僕は結構好きですね。楽曲が本当に良い曲ばかりだし、演奏もとてもいいんです。こういう懐かしい音が好き。

 

民生や、ポール・マッカートニー、トッド・ラングレンとかエミット・ローズとか、ムッシュかまやつの傑作『ムッシュかまやつの世界』とか、ひとり多重録音にはひたすら憧れます。


僭越ながら、昨年発表したマシスのCDも、頑張ってひとりで全ての楽器を演奏してます。もちろんマルチとかいうのはおこがましくて、出来ることしかしてないけど、拙いながらもチマチマやってます。


自分のCDには、自分で演奏できない楽器の音は一切入れまい、って下手なりのこだわりです。

こういうの、ぜひ二枚目も作りたい。この先、出来ればもう二、三枚は頑張って発表したいです。腰を上げねばな。



マシス




10月3日(日)、緊急事態宣言の解除された最初の日曜日、ということで、そこかしこの屋内外でイベントが行われていたようです。僕はどこにも行けませんでしたが、天気が良かったから、外出してたらさぞ気持ち良かったことでしょう。

さて、僕は諸事情で家に籠っていた日曜日でしたが、日中はチグリスさん主宰のオンラインイベント【音味フェスVol.8】に自宅より参加させてもらいました。家から出ることなく、インドアで音楽できてありがたい限りなのです。
Facebook上で行うリレー配信の一番手として、13時より30分間歌いました。チグリスさん今回も歌う機会をくださって感謝。リアルタイムもしくはアーカイブで観てくださった皆さんに感謝です!

この日配信した動画のアーカイブはこちらから。観ていない方、良かったらチェックしてみてくださいね。
音味フェスVol.8 2021/10/03 (SUN)
【マシス 13:00~13:30】
06:45  不自由な絵画
14:10  冒険王 / 南佳孝(リクエスト)
20:30  宇宙遊泳 / 南佳孝
27:30  考えなしのバラッド

秋に因んで「不自由な絵画」という歌を歌ってみました。絵画が秋かどうかは別にしても、僕の持ち歌では今のところ唯一?の秋の歌であります。一曲目の歌い出し、機材の接触不良で音が出なかったので焦りました。すぐ復活してくれて良かった。

今回もリクエストを頂き、南佳孝の「冒険王」を歌ってみました。るびぃさんリクエストありがとう。大好きな歌をリクエストして頂いて、嬉しいと同時に緊張しました。カラオケで歌うような気分で歌わぬように(歌うのに酔い過ぎて、酔っ払った上司のカラオケでも聴かされてるように聴き手に思われないように)気を遣ったつもり。どうだったでしょう。

しかし、歌ってて気持ち良かった。気持ちいいだろうなぁ、と思っていたけど、予想以上。南佳孝の「冒険王」は実に良い歌ですね。この辺りの松本隆の歌詞は大好き。

南佳孝ナンバーがあまりにも気持ち良くって、いきおいで「宇宙遊泳」まで歌ってしまいました。だって同じアルバムに入ってて大好きな歌で、これを逃したらちょっと歌う機会ないぞ、と思ったら我慢できなかった。「宇宙遊泳」も気持ち良かったなぁ。

うーん、気をつけたつもりでも、好きな歌を歌うとやはり酔っぱらいますね。酔っ払ってたと思う。

今回の配信は、いささか南佳孝ナンバーに気持ちを持っていかれ過ぎました。楽曲のパワーにやられた。これを自分の歌でやれるようになりたい。


今日(月曜日)は朝から人間ドックで病院に詰めてました。病院の待ち時間はなんて長いのだろう。北村薫の文庫本「ヴェネツィア便り」がとても進みました。素晴らしい作品だらけの短編集です。
さて、夜は夜勤です。出勤時間までのんびりします。


マシス 




先日のこと、部屋に落ちていた連れ合いの本(雑誌)を、何気なく手にしてパラパラと見てたら、特集で本屋大賞の歴代ノミネート作の一覧が載っていました。
 
本のタイトルだけをザッと見れば、僕にとってほとんどが未読の本。でも目を走らせていくと、北村薫の「鷺と雪」も過去にノミネートされていたことを知りました。「鷺と雪」これは僕、読んでいます。内容はあんまり覚えてない。
 
で、急に読みたくなって、ここ数日、北村薫の【ベッキーさん】シリーズ三冊を読み返していました。
 
一度は読んだはずなのに、見事に内容を忘れていて、新鮮な気持ちで挑めました。大変楽しい再読となりましたよ。
シリーズの出版順に、「街の灯」「玻璃の天」「鷺と雪」と読み進めて、先ほど「鷺と雪」を読み終えたところです。
 
面白かった。以前読んだ時は、なるほど北村薫が書きそうな物語だなぁってくらいの感想。上手いなぁって思いつつも印象に残らなかったってことは、その時はあまり僕好みの話と思えなかったってことです。
 
ミステリーなだけに謎解きはあれど、お話の核はそれではない。昭和初期のとてもシリアスな時代背景を舞台に、いいとこの御令嬢である主人公は運転手の別宮(ベッキーさん)との交流を通じて、聡く優しく成長していく日常を描いている。読後は切なくも胸に熱いものが走る、とても良いお話ではあるのです。
 
でも多分、僕は北村薫が書いてなければ、この手の小説は読むことなかったと思う。あの北村薫だから絶対に面白いだろう、と信用買いしたわけです。
 
こういう時代小説を読むと、日本語って本当にキレイだなー、と思わされますね。マンガ「ハイカラさんが通る」の世界というか。女学生の挨拶が《ごきげんよう》の時代です。東京を《帝都》と呼ぶのも格好いい。こういうのは何より文章がキレイでなけりゃ始まりません。北村薫の筆はこれを書くためかのようにハマってます。
 
ハマり過ぎてて格調が高過ぎない?なんかお堅い本?って思うほど。でもそれは贅沢な注文。この題材を書いてちゃんと様になる作家って、そうはいないでしょう。
 
 
今回の再読で、軽く身体が震えるほど感動しました。特にラストの一行を読んだ時の戦慄。ひょっとして作者、シリーズ一作目の「街の灯」の一話を書くときから、このラストの一行を書こうと考えていたんじゃないか。そう思ったらゾゾッと首の後ろの毛が逆立ちました。
 
「街の灯」は、切れ味抜群の小気味良い短編。新シリーズのキャラクターを紹介を兼ねた、読者へのご挨拶って印象。
 
二作目の「玻璃の天」は、より深い人間模様を読ませてくれる。ベッキーさんの過去も知れます。
 
そして最後に「鷺と雪」は、えらいことになったな、って感じです。思わず昭和11年のあの事件を検索しちゃいましたね。事件の関係者に小説の登場人物がいないか、と探してしまった。
 
最初、僕はシリーズ最終巻は御令嬢とベッキーさんの別れを書いて終わるのかと想像してました。でも、この終わり方は予想外、凄い。あの事件の名前は学生時代に習ったはずだけど、恥ずかしながら詳しいことは覚えてなかった。でも、あの事件と言われてこの小説のラスト、僕ですら鳥肌が立ったのだから、ちょっと歴史を知ってる人ならもっともっと感動したんじゃないかしら。歴史もっと勉強しとくんだった。
 
ちなみに「鷺と雪」は直木賞を受賞しています(本屋大賞はノミネートのみ)。僕はちょっと意外でした。シリーズものなのに、どうしてこの最終巻だけが受賞したのだろう、と、不思議だった。でも再読して思ったのは、この賞は三冊で取ったようなものだ、と。三冊を通して繰り広げられた物語が、よくぞキレイに幕を閉じた、ってことへの評価だ、と勝手ながら思いました。
 
 
10月になり、いよいよ楽しみにしてた「舞妓さんちのまかないさん」のアニメが今日放送されました。家族でテレビの前に集まって鑑賞しました。

第一話ということもあって、原作を知らない人もわかるよう、状況説明を詰め込んでありました。一話だけ観た感想を言えば、あんまり面白くない。声優さんたちの声も違和感あるし、原作マンガにある味わいがイマイチないなぁって思った。何よりも、一話は原作通りにつる駒さんのプリンの話からちゃんと観たかったですね。でもまだ一話ですから、これからに期待です。
 
 
いよいよ明日です。13時からFacebook上で配信ライブやります。
外でのイベントを控えているので、配信へのお誘いはとてもありがたいです。チグリスさんいつもありがとう。よろしくお願いいたします。今回も一曲、リクエストをもらっています。頑張って歌いたいです。リクエストは当日いきなりでもチャレンジしますが、知らない歌は無理ですのでご了承くださいませ。
 
 

 ↑この「駱駝」の動画を撮影した時、歌詞は間違えるわ帽子は脱げるわで、別日に撮り直しも一応試みたのです。でも、結局は撮り直しても別の箇所を間違えて。諦めて最初のテイクをplayer's channelに送ったのでした。


で、その別日のテイク、せっかく撮ったので、自分のYouTubeチャンネルの方に上げてみました。

 同じ部屋で同じ歌ですので、二つ並べたところで芸のない動画です。歌詞は間違えています。どこを間違えてるかは言いませぬ。間違えるくらいなら歌詞カードを見て歌えって話ですけどね。歌詞を見ながら歌うと目線がそこばっかりになって嫌なのです。


YouTubeの「駱駝」を聴いてくださった皆さんありがとうございます。この歌は作った本人(僕)も気に入っています。ただ歌がだらだらと長いことを除けば。もっと短い歌に出来たら良かった。ネクストワンで頑張ってみます。



マシス