Marc のぷーたろー日記 -93ページ目

「インフル病みのペトロフ家」('21)

 

インフルエンザで高熱となった自動車整備士の男性の目を通して展開する、幻覚とも妄想ともつかぬ型破りでアナーキーな物語を描いたロシアのドラマ映画です。主演はセミョーン・セルジン、共演はチュルパン・ハマートヴァ、ユリア・ペレシルド、イヴァン・ドールン、ユーリー・コロコリニコフ他。

 

Wikipedia「インフル病みのペトロフ家」

 

音楽のないミュージカル。

 

妄想と現実を区別なくシームレスに描く演出は確かに奇抜だけれど、よくよく考えてみると、ミュージカル映画では良くある演出。

 

それを音楽に乗せて描くのではなく、観念的なセリフと悪夢的な表現で描いている感じ。ハッピーな要素は皆無。

 

ストーリーはあるようでなく、その不条理極まりない世界を「理解」するのは甚だ困難で、それよりは目の前で展開される不思議な世界を感じればいいのでしょう。個々のエピソードを「ショートショート」のような短編映画と見なして。

 

そう割り切ればそれなりに楽しめなくもないですが、それでも大して面白くはないですし、何か心に訴えかけるものもないですけどね。

 

「あぁ、こういう映画もアリかもね」くらいの感想。

 

いかにも映画賞狙いのアート作品。

「MEMORIA メモリア」('21)

 

タイ出身のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督が自らの実体験をもとに、脳内で鳴り響く奇妙な破裂音に悩まされるようになった女性の、音の正体を探る記憶の旅路を描いた異色のドラマ映画です。主演はティルダ・スウィントン、共演はエルキン・ディアス、ジャンヌ・バリバール、フアン・パブロ・ウレゴ、ダニエル・ヒメネス・カチョ他。

 

Wikipedia「MEMORIA メモリア」

 

不思議な映画。

 

カメラ固定の長回しを多用し、セリフも少なめなので、映画館で観ていたら開始10分で爆睡しそう (^^;;;

 

ただ、どのシーンも絵画のように構図がバッチリ決まっていて美しく、どこか荘厳で神秘的。

 

そして、単なる不条理劇と思いきや、終盤で予想外の展開 (@o@)

 

一般的にこういった題材を扱う映画であれば、もっとSFファンタジーやオカルトファンタジーっぽい表現を使うと思うのですが、そういった「現実離れした」表現は一切なく、写実的な表現に徹することで、その想定外の展開を際立たせていて「なるほど」と感心。

 

とは言え、ストーリーらしいストーリーはあるようでなく、物語を綴った映画というよりは、「動く絵画」として、そこから観る人が自由にストーリーを想像しなければならない映画なので、とにかく観る人を相当に選ぶ映画ではあります (^^;;;

「マッドゴッド」('21)

 

孤高の戦士が送り込まれた、ある星の地下にある地獄のような空間を描いたストップモーションアニメです。製作・監督・脚本はVFXの名職人フィル・ティペット。

 

Wikipedia「マッドゴッド」

 

ストーリーはあるにはありますが、それはどうでも良く、ストップモーションアニメを多用して描かれた「悪夢」の世界を観るべき映画なのでしょう。

 

その想像力と創造力は見事だし、CGではなく、ストップモーションアニメ特有の味わいも印象的。

 

が、ただただグロテスクで生理的嫌悪感しか抱けない映像を80分も見せられ続けるのは苦痛以外の何ものでもなく、もう二度と観たくはないです。

「サイボーグ009 超銀河伝説」('80)

 

石ノ森章太郎さんの傑作漫画シリーズ「サイボーグ009」を原作としたSFアニメ映画です。声の出演は井上和彦さん、杉山佳寿子さん、白石冬美さん、野田圭一さん、山田俊司さん、田中崇さん、はせさん治さん、肝付兼太さん、曽我部和行さん、八奈見乗児さん、永井一郎さん、小原乃梨子さん、大塚周夫さん、大平透さん、鈴木弘子さん他。

 

Wikipedia「サイボーグ009 (アニメ)」

 

劇場公開当時に映画館で観て、そのあまりの大味な内容にがっかりして以来、ちゃんと観直したことはなかったのですが、40数年ぶりにちゃんと観てみました。

 

ダサ過ぎる orz

 

古いアメコミ調の薄っぺらいストーリーに「009」の登場人物を当てはめただけなので大味になっちゃうのは仕方ない。呆気ない雑過ぎる結末も「さもありなん」という感じ。

 

が、そんな中身のないストーリーに、さらにベタベタな浪花節調のエピソードや演出をこれでもかと盛り込むもんだから、ダサ過ぎて観ている方が恥ずかしくなる…。音楽の使い方も最悪 orz

 

やはりこの作品は「サイボーグ009」を愛する僕にとっては「なかったことにしたい」封印すべき作品だったようです。

 

ホント、くだらないし、つまらない。

 

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「ウェイ・ダウン」('21)

 

2010年のFIFAワールドカップの決勝戦を背景に、スペイン銀行内の世界一安全とされる地下金庫に保管されている財宝の強奪計画を描いた犯罪アクションサスペンスです。主演はフレディ・ハイモア、共演はアストリッド・ベルジュ=フリスベ、ホセ・コロナド、サム・ライリー、リーアム・カニンガム、ファムケ・ヤンセン他。

 

Wikipedia「ウェイ・ダウン」

 

新鮮味は全くありませんし、リアリティもないですが、難しいことを考えなければ充分に楽しめる娯楽映画です。

 

キャストも役に合っていますし。

 

でも、明日にも内容は忘れちゃいそう (^^;;;

 

「デイ・オブ・クライシス ヨーロッパが震撼した日」('21)

 

フィンランドの独立記念日に同国の大統領宮殿が武装テロ集団に襲われ、各国の要人が人質に取られた事件に挑むEU合同警察の捜査官の活躍を描いたアクションスリラーです。主演はヤスペル・ペーコネン、共演はナンナ・ブロンデル、スヴェリル・グドナソン、ヨハン・ウルフサク他。

 

フィンランドのNATO加盟を阻みたいロシア、1990年代のコソボ紛争におけるセルビア系住民のNATOへの恨みといったヨーロッパのシビアな問題を背景にしながらも、EUを一方的に「善」とは描かない視点など、ヨーロッパ映画らしさは感じます。

 

が、それだけ。

 

いくらなんでも、各国要人が集まる場が、あの程度の武装集団に簡単に制圧されちゃうなんて、フィンランドの諜報機関や警察はどれだけ無能なんだと突っ込みたくなるし、その後も、テロリストの目的や言動がことごとく「物語を展開するためのご都合主義」でシラケちゃいました orz

 

そして何より、主人公である捜査官を演じたヤスペル・ペーコネンがどこをどう見ても悪役のルックスで、しかもそのルックスでロマンチックな要素があるキャラクターを演じるのは無理があり過ぎて違和感ありまくりでした。

「HITMAN ヒットマン:ザ・ファイナル」('22)

 

20年前に別れた恋人の娘に暗殺現場を目撃された殺し屋を描いたB級クライムアクションです。主演はショーン・ドイル、アレクシア・ファスト、共演はジョシュ・クラダズ、ブライス・ホッジソン、アンドレ・リチャーズ他。

 

主人公の相棒であるサイコパスの男は確かに不気味で気持ち悪いけれど、決して強そうには見えないので、終盤の展開にイマイチ説得力がないのがダウン

 

そこをもうちょっと強そうに見えるような工夫があれば、もっと楽しめたかなぁという気も。

 

とは言うものの、全体にハラハラドキドキするシーンが少なく、特に惹きつけられるような魅力的なシーンがあるわけでもないので、90分に満たない短い尺にもかかわらず、間延び感は否めませんでした。

「ホット・シート」('22)

 

普段働くオフィスの椅子に時限爆弾を仕掛けられて絶体絶命の状況に陥った元ハッカーのIT技術者を描いたクライムサスペンスです。主演はケヴィン・ディロン、共演はメル・ギブソン、シャナン・ドハティ、マイケル・ウェルチ、リディア・ハル他。

 

Wikipedia「ホット・シート」

 

何故こんなチープな「C級」映画にメル・ギブソンのような大スターが出演しているのか本当に謎ですが、最初から「C級」であることを納得した上で観れば、充分に楽しめると思います。

 

「ハッキング」を含め、全ての設定が雑でテキトーですけどね。

「オスロ、8月31日」('11)

 

自殺願望に取り付かれた、薬物依存症の治療中である34歳の男性の人生最後の一日を描いたドラマ映画です。主演はアンデルシュ・ダニエルセン・リー、共演はハンス・オラフ・ブレンネル、レナーテ・レインスベ他。

 

ヨアキム・トリアー監督がこの作品の後に撮った「わたしは最悪。」('21) と対照的な作品で、本作に対する「アンサー」が「わたしは最悪。」なのかもと思ったり。

 

「わたしは最悪。」と同様に、主人公の感情は理解できますが、その言動をすんなりと受け入れることはできず、もやもやした気分になります。

 

その一方で、「わたしは最悪。」と比べると、本作はかなり後味が悪く、もやもやした気分が尾を引きます。

 

おそらく、二度と観ることはないと思います。

 

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「わたしは最悪。」('21)

 

人生の指針が一向に定まらないまま30歳となった女性の正直な生き方を描いた恋愛映画です。主演はレナーテ・レインスヴェ、共演はアンデルシュ・ダニエルセン・リー、ヘルベルト・ノルドルム、ハンス・オラフ・ブレンネル他。

 

Wikipedia「わたしは最悪。」

 

「理解」はできます。

 

そして自分が主人公と同じ30歳くらいの時であれば、すんなりと「共感」できたかもしれません。

 

ただ、既に主人公の父親くらいの年齢になってしまった今となって観ると、すんなりとは受け入れられませんし、「う〜ん」という気分に。

 

主人公の「感情」自体はとてもリアル。

 

しかし、多くの人は同じような感情を抱いても、そこで我慢したり、何らかの「折り合い」をつけたりするのでしょうが、この主人公は感情の赴くままに突き進んじゃう。

 

そこに「憧れ」や「清々しさ」を感じるか、嫌悪感を抱くかは人それぞれで、この作品の受け止め方は人によって相当に変わるはず。

 

自分は嫌悪感までは行きませんでしたが、もやもやした気分にはなりました。

 

もちろん、こういう生き方をする主人公を否定するつもりはありません。