Marc のぷーたろー日記 -95ページ目

「EXPO−爆発物処理班−」('22)

 

連続爆弾テロ事件に挑むロンドン警視庁・爆発物処理班の女性を描いたサスペンスドラマシリーズ全6話です。主演はヴィッキー・マクルア、共演はマーク・スタンリー、ウォーレン・ブラウン、エイドリアン・レスター、ケリー・ゴッドリマン、マンジンダー・ヴァーク、ナディーン・マーシャル、カル・マカニンク、エリック・シャンゴ、ユアン・ミッチェル他。

 

悲痛…。

 

ミステリとしては真犯人は見え見えだし、動機にしろ、最後にとる言動にしろ、かなり陳腐。あまりに既視感のある話で「また、これかよ…」という気分に。

 

それでも、爆発物処理班の仕事の過酷さはリアルに伝わってくるし、主人公の物語としてはあまりに悲惨なストーリーでかなり強烈なインパクトがあります。

 

主人公がこれだけ辛い経験をしても、それでもなお仕事を続けていく、その逞しさには魅力を感じますし、彼女をとりまく人間模様にも興味があるので、製作が決まったという第2シリーズを今から楽しみにしています。

「ダウントン・アビー/新たなる時代へ」('22)

 

1912年から1925年のイギリスを舞台に、ある伯爵家とその使用人たちの生活を描いた人気テレビシリーズのその後(1927年)を描いた映画版の1年後を舞台にした続編です。出演はヒュー・ボネヴィル、エリザベス・マクガヴァン、マギー・スミス、ミシェル・ドッカリー、ジム・カーター、イメルダ・スタウントン、ヒュー・ダンシー、ローラ・ハドック、ナタリー・バイ他。

 

Wikipedia「ダウントン・アビー/新たなる時代へ」

 

あぁ、おもしろかった (^O^)

 

はっきり言ってしまうと、映画にするほどの内容ではないし、テレビシリーズのスペシャル版で充分だとは思いますが、それでも魅力的な登場人物たちの「その後」が観られるのは嬉しいし、サブタイトル通りの「新たなる時代」を感じさせるエンディングはグッド!

 

それにしても、前作の映画版を観た時にも感じたのですが、ジュリアン・フェロウズの脚本は実に見事。これだけ多くの登場人物がいながら、それぞれにちゃんと見せ場を用意して、それでも盛り込み過ぎと感じさせずに2時間程度の尺にしっかりと収めているんですから。

 

とにかく、このシリーズはできるだけ長く続けて欲しいです。

 

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「愛する人に伝える言葉」('21)

 

末期がんで余命宣告を受けた演劇教師が、人生の整理に努めながら死と対峙する姿を描いた人間ドラマです。主演はブノワ・マジメル、共演はカトリーヌ・ドヌーヴ、セシル・ドゥ・フランス、ガブリエル・サラ、オスカー・モーガン他。

 

この手の題材を扱った映画はどうしても「お涙頂戴」の陳腐な話になりがちで、この映画にもそういう要素がないわけではないですが、それでも、この映画で注目すべきは主治医をはじめとする医療関係者側の人々の姿も描いている点。

 

これによって物語の普遍性が一段と高まり、観る人の多くに「自分なら死をどのように迎えたいか」また「自分の愛する人の死をどのように受け入れるか」を感情的ではなく、冷静に考えさせる効果を生んでいるように感じました。

 

そして何より心に残ったのは主治医エデのキャラクター造形。

 

演じているのはプロの役者ではなく、現役のガン専門医であるガブリエル・サラ。エマニュエル・ベルコ監督が彼の経験をもとに本作を撮ろうと考えたとのことですが、その説得力は見事としか言いようがありません。彼の発する言葉の全てが、数多くの患者とその家族に接してきた彼だからこそ言えるものであり、彼の「誠実さ」と「包容力」の塊のような姿には、自分の最期もこんな素敵な医師に診てもらいたいと思う人は少なくないはず。

 

ある意味で「理想的な死」を描いた物語であり、既に自分のことを含めて「死」について考えざるを得ない年齢になった自分にとっても他人事ではない、胸に迫る切実な映画でした。

「あるいは裏切りという名の犬」('04)

 

実話を下敷きに、パリ警視庁の次期長官の座を目指すライバルの男性2人を描いた犯罪ドラマ映画です。主演はダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、共演はアンドレ・デュソリエ、ヴァレリア・ゴリノ、ロシュディ・ゼム、ミレーヌ・ドモンジョ他。

 

Wikipedia「あるいは裏切りという名の犬」

 

韓国版リメイク「ビースト」('19) を先に観てしまったせいもあるのでしょうが、韓国版の方が面白かったな…。こちらも充分に良くできた「フレンチノワール」なんですけどね…。

 

韓国版では主人公2人が「どっちもどっち」であるのに対し、フランス版は勧善懲悪とまでは言えないものの、かなり善悪がはっきりしていて、その分、わかりやすいし、感情移入もしやすく、娯楽映画としてはこれで充分だとは思います。それでも、韓国版の、どちらにも完全に感情移入はできないけれども、猛烈に突っ走る勢いを観た後では、どうしても物足りなく感じてしまうのです…。

 

やはりこちらを先に観てから韓国版を観るべきだったと後悔しています…。

 

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「ミスタームーンライト 1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢」('23)

 

1996年に武道館で行われたビートルズの伝説的コンサートの舞台裏を、多くの関係者による証言から描いたドキュメンタリー映画です。

 

表向きの話だけでなく、資金調達の話や宣伝活動での「やらせ」など、通常は公にされないような裏話まで当事者が顔を出して証言していているのがとにかく印象的。半世紀以上が過ぎ、とっくに「時効」になっているという感覚なんでしょうね。

 

また、ビートルズの存在を日本の戦後音楽史の中で捉えるだけでなく、日本の文化や社会に与えた影響にまで言及したり、最近まで公にされていなかった当時の映像を紹介したり、ビートルズに特に思い入れがない僕でも「おおっ!!」と思ってしまうような内容で観応えがありました。

 

少なくともビートルズのファンなら必見ですし、そうでない方も一見の価値はあると思います。

「MEN 同じ顔の男たち」('22)

 

夫の死を目の前で見てしまった心の傷を癒すために地方で独り暮らしを始めた女性が、周囲の男性たちがほぼ同じ顔をしているなど、悪夢のような経験をするさまを描いたサスペンスホラーです。主演はジェシー・バックリー、共演はロリー・キニア、パーパ・エッシードゥ、ゲイル・ランキン他。

 

Wikipedia「MEN 同じ顔の男たち」

 

「面白い」映画でした。

 

主人公が見舞われる奇妙な出来事について何も説明がないので、観る側がそれぞれ自由に解釈すればよいと思うのですが、最後まで観て、僕はこの映画は「コメディ」なんだと思いました。

 

確かにホラーではあるし、主人公が抱えることになったトラウマを考えればシリアスな人間ドラマでもあるのですが、それでも最後に再会した「ある人物」の言葉に対する主人公の呆れたような表情から、この映画は「世の中の男ってどうしてこんなにキモくてゲスな奴ばっかりなの?」「男って本当にバカでクズ!!」という世の女性たちの怒りを込めた嘆きを描いた一種の社会派映画であり、同時にコメディなんだと思えてきたのです。

 

ただ、グロテスクな描写が多いので観る人は相当に選ぶと思います (^^)v

「クリーン ある殺し屋の献身」('21)

 

「クリーン」と呼ばれる元殺し屋の清掃人が、隣人の少女とその祖母を守るためにギャングと戦う姿を描いたハードなアクション映画です。主演はエイドリアン・ブロディ、共演はグレン・フレシュラー、リッチー・メリット、チャンドラー・アリ・デュポン、ミケルティ・ウィリアムソン他。

 

Wikipedia「クリーン ある殺し屋の献身」

 

今となってはB級アクション映画の定番中の定番と言える内容の映画に、お世辞にも強そうに見えない、線の細いイメージのあるオスカー俳優、エイドリアン・ブロディが主演し、しかも製作・脚本・音楽も担当するという意外性に惹かれて観てみました。

 

手垢の付きまくった題材に新しい何かを加えようという意図は確かに感じます。また、エイドリアン・ブロディの個性を活かした繊細さも悪くない。

 

が、

 

これっぽっちも面白くない。

 

とにかく、これに尽きます。

 

作り手の思い入れの強さはわかりますが、いずれも独りよがりの自己満足に過ぎず、終盤になってようやく物語が本格的に動き出す構成の悪さにしろ、アクションの見せ方のセンスの悪さにしろ、観客を完全に無視した作りには呆れるばかりでした。

「バトル・クルーズ」('22)

 

亡父から遺産として豪華なクルーズ船を相続したものの、船内で寝ている間に謎の武装集団に船を占拠されてしまった女性の脱出劇を描いたサスペンスアクションです。主演はルビー・ローズ、共演はフランク・グリロ、パトリック・シュワルツェネッガー、ルイス・ダ・シルバ・ジュニア、メジャー・ドッジ他。

 

この手の映画の主人公は、何か他人とは違った特技や知識を持っていて、それを活かして敵を倒したり、脱出したりするというパターンが一般的。一方、この映画の主人公にはそういったものがほとんどなく、むしろ知性を全く感じさせないキャラクターなので「こんなんで大丈夫?」と思いましたが、そう思わせるのもまた作り手の意図通りなんでしょう。

 

都合の良すぎる点は多々あって、気にならないと言えば嘘になりますが、それも含めて「B級娯楽映画」と割り切って楽しむべき映画でしょう。

 

ただ、フランク・グリロは出番も見せ場も少なくて、ちょっともったいなかったですね (^^)

「ノー・セインツ 報復の果て」('22)

 

犯罪稼業から足を洗うことを心に誓って出所した元殺し屋が否応なく血で血を洗う世界へ引き戻されるはめになるさまを描いたバイオレンスアクションです。主演はホセ・マリア・ヤスピク、共演はシャニン・ソサモン、パス・ベガ、ティム・ロス、ロン・パールマン、ニール・マクドノー他。

 

ポール・シュレイダーが脚本を担当し、2013年に撮影が終わっていたにもかかわらず、長く未完成のままだったとの曰く付きの本作。はっきり言って、そのままお蔵入りにしておけばよかったのにとしか思えず。

 

大まかなストーリーやキャラクター造形、世界観、映像のタッチは悪くないし、ハリウッド映画らしくない結末もいい。

 

また、脇にティム・ロス、ロン・パールマン、ニール・マクドノーを配する贅沢なキャスティングもグッド!

 

が、あまりに

 

特に悪役たちの言動がうかつすぎるし、どこを取っても、ストーリーを展開するためのご都合主義にしか見えないのです。

 

お蔵入りにしておけばよかったのに、何故この出来で公開することができたのか本当に謎。

「エージェント:アンヌ」('23)

 

2008年の米大統領選を背景に、スイスのサンモリッツの山小屋で別人として孤独に暮らしていたロシアの元スパイの女性が巻き込まれた諜報戦を描いたスパイサスペンスです。主演はアーシア・アルジェント、共演はジャンヌ・バリバール、ジョゼフ・レズウィン他。

 

超地味なスパイ映画。

 

確かにスパイの世界をリアルに描こうとしている意図はとてもよくわかるのですが、むしろリアルに描こうとしたために、逆に細かいところでの雑さが気になってしかたありませんでした。それは本当に残念。特に終盤の銃撃戦は中途半端に娯楽性を入れようとして大失敗したという感じ。

 

それでも、回想シーン以外はほとんど主人公の1人芝居で、最後の最後まで他の登場人物が姿を一切表さずに声だけというのは面白い見せ方だし、女スパイ同士のロマンスというのもちょっと新鮮。

 

こういった特筆すべき点もあるだけに、もうちょっと頑張って欲しかったなぁという映画でした。