「火の鳥2772 愛のコスモゾーン」('80) | Marc のぷーたろー日記

「火の鳥2772 愛のコスモゾーン」('80)

 

手塚治虫さんの代表作の一つ「火の鳥」シリーズの映像化作品の1つで漫画原作のないオリジナルの内容となるSFアニメーション映画です。声の出演は塩沢兼人さん、三輪勝恵さん、熊倉一雄さん、伊武雅之さん、池田秀一さん、藤田淑子さん、大塚周夫さん、森山周一郎さん、竹下景子さん他。

 

Wikipedia「火の鳥2772 愛のコスモゾーン」

 

手塚治虫さん自ら原案・構成・総監督を務め、原画も一部担当しているなど、彼が「火の鳥」の映像化に直接関わった唯一の作品とされる本作。映画公開当時に劇場で観た時も「面白くなくはないけれど、古臭いな…」と感じたのですが、何十年ぶりかで観てみると、そのあまりの「古臭さ」にビックリ (@o@)

 

1980年当時の最新技術も一応は使っているようなのですが、全体としてはセンスも演出も大昔のアメリカのアニメーションそのままで、そのアンバランスさが気になって仕方ないのです。

 

手塚さんはディズニーの「ファンタジア」('40) を「SF+火の鳥」で再現したかったのかもしれませんが、そのセンス自体が既に古臭いのです。

 

また、日本アニメでは珍しいフルアニメーション作品で、優秀なアニメーターを揃えているにもかかわらず、作画レベルがバラバラで、静止している場面でも輪郭などが揺れているなど、アニメーションとしての品質が低すぎ。

 

ストーリーも「火の鳥」シリーズのテーマ(の1つ)をストレートに描いてはいますが、わかりやす過ぎて陳腐だし、どうしてこのレベルで劇場公開できたのか謎。当時既に「大先生」だった手塚さんに対して意見できる人がいなかったということなのでしょうか?

 

「天才・手塚治虫でも失敗作はある」という意味では歴史に残る作品かもしれません。

 

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