Marc のぷーたろー日記 -4ページ目

「LOVE」('24)

 

ノルウェーの才人ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督による3部作の第2作で、同じ病院に勤める女性医師と男性看護師、それぞれの恋愛を描いた大人の恋愛譚です。主演はアンドレア・ブライン・ホヴィグ、タヨ・チッタデッラ・ヤコブセン、共演はマルテ・エンゲブリクセン、トーマス・グレスタッド、ラース・ヤコブ・ホルム他。

 

女性医師のラブストーリーは、悪くはないけれど話としては比較的平凡で分かりやすいので、共感は得られやすいかも。

 

一方、男性看護師の方は、単なるラブストーリーではないけれど、心に沁みるものがあります。

 

どちらも「ロマンティック」さを意図的に排除し、「現実」の厳しさを冷静に描いていて、まさに「大人のラブストーリー」でした。

 

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「S○X」('24)

 

ノルウェーの才人ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督による3部作の第1作で、妻子持ちの中年男性が男性との一夜限りの性体験について同僚や妻に悪びれずに告白したことから起きる騒動を描いた異色の恋愛譚です。主演はトルビョルン・ハール、ヤン・グンナル・ロイゼ、共演はシリ・フォルバーグ、ビルギッテ・ラーセン他。

 

スウェーデンと並んで、性に関して寛容でおおらかなイメージのあるノルウェー。

 

物語はそのイメージ通りの話のように始まりますが、すぐに「そんなことはない」話に。

 

主人公の妻も基本的には性の自由を認めつつも、それが自分の夫のこととなれば、当然ながら話は別。

 

そもそも「浮気」とはどこから?

 

愛と性行為は別物?

 

という昔から創作物の題材として扱われているテーマをストレートに扱っていて、観る者に「あなたはどう思う?」と問いかけているような話。

 

基本的には淡々とした会話劇なので退屈しそうな感じもするのですが、意外に最後まで全く飽きることなく観ることができました (^^)v

「夏の終わりに願うこと」('23)

 

病気療養中の父親と久々に会えることになった7歳の少女の、ある夏の1日を描いたドラマ映画です。主演はナイマ・センティエス、共演はモントセラート・マラニョン、マリソル・ガセ、テレシタ・サンチェス、マテオ・ガルシア他。

 

台本を元に役者が演じているとはとても思えず、ドキュメンタリー作品のよう。

 

特に、子役の演技が自然すぎて、どうやって演技をつけたのか本当に不思議。

 

ところが、最後の最後、主人公である少女が願いをかけるシーンだけ、映画的な「演出」が明確に入っているのがインパクト大。ちょっとあざといけれど効果的。

 

ストーリーそのものよりも、そういった「見せ方」が強く印象に残る映画でした。

「デビルズ・バス」('24)

 

実在の裁判記録をもとに、18世紀半ばの恐るべき因習が伝わる村に嫁いだ女性がそこで体験する悪夢の数々を描いたホラー映画です。主演はアーニャ・プラシュク、共演はダーヴィド・シャイト、マリア・ホーフスタッター他。

 

観る前は、いわゆる「因習村」を題材にしたホラーかと思っていたのですが、全然違いました。

 

描かれる「恐るべき因習」は、確かに21世紀の現代の感覚では「恐るべき」ですが、19世紀くらいまではヨーロッパの、特に田舎では普通にあったと思えるものばかり。そのため、何か特別な話ではなく、主人公が嫁ぎ先の文化の違いによって精神を病んでいくという現代でも通じる「普通の話」にしか見えないのです。おそらく、それは意図的なもので、この「普通の話」の帰結となる悲劇が、キリスト教の教えに起因するものであること、つまり「キリスト教の罪」を分かりやすく赤裸々に描いた作品だったわけです。

 

キリスト教をはじめとするアブラハムの宗教を心から憎んでいる自分としては、この映画を通じて1人でも多くの人にキリスト教がただの邪教でしかないことに気付いてもらいたいです。

「ストレンジ・ダーリン」('23)

 

逃げる女性と彼女を追う男の予想できない運命を全6章で時間軸と異なる順番で描いたサスペンス映画です。主演はウィラ・フィッツジェラルド、カイル・ガルナー、共演はマディセン・ベイティ、スティーヴン・マイケル・ケサダ、エド・ベグリー・ジュニア、バーバラ・ハーシー他。

 

アイデアの勝利。

 

主人公2人以外の登場人物も、そしてこの映画を観ている我々も、そのほとんどが「この状況ならこういうこと」という先入観や思い込みを持つことを前提に、それを逆手に取るアイデアは非常に面白い。

 

しかも、物語を時系列とは異なる順番で描くことで、映画を観ている側に、その先入観や思い込みを一層強めるように見せておきながら、中盤でひっくり返して驚かせるのもグッド!

 

ストーリー自体は単純でも、ちょっとした工夫で、これだけ新鮮で面白い映画を作れるとは、まさにアイデアの勝利。でも、同じアイデアはもう使えないですけどね (^^)

「EXPO3−爆発物処理班−」('25)

 

連続爆弾テロ事件に挑むロンドン警視庁・爆発物処理班の女性を描いたサスペンスドラマシリーズの第3シーズン全6話です。主演はヴィッキー・マクルア、共演はナビル・エルーアハビ、ケリー・ゴッドリマン、エリック・シャンゴ、ナタリー・シンプソン、マーヌフ・ティアラ、マーク・ロウリー、ジェイソン・フレミング他。

 

う〜む…。

 

このシリーズは、真犯人の動機と犯行手段の実現可能性のバランスがおかしくて、そもそも現実味はないのだけれど、それでも爆弾処理という仕事の心身ともに過酷な面だけはリアルに丁寧に描写しているのがよくて、これまで観てきたのですが、この第3シーズンはいくらなんでも無理がある…。

 

主人公を活躍させるための強引な脚本に合わせて動かされているだけの登場人物たち…。

 

ネタ切れってことかな…。

 

残念。

 

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「プチ・ニコラ パリがくれた幸せ」('22)

 

児童書「プチ・ニコラ」シリーズの誕生秘話を描いたアニメーション映画です。声の出演はアラン・シャバ、ロラン・ラフィット、シモン・ファリュ、デルフィーヌ・バリル、セルジュ・ファリュ他。

 

Wikipedia「プチ・ニコラ」

 

「プチ・ニコラ」の誕生秘話というよりは「プチ・ニコラ」をそのままの絵でアニメ化するとともに、原作者であるルネ・ゴシニとジャン=ジャック・サンペの半生を紹介する伝記映画のような印象。

 

とにかく、おしゃれで可愛いイラストがそのままアニメーションとして動く、それだけでも充分に楽しめる映画でした (^^)v

 

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「太陽と桃の歌」('22)

 

スペインのカタルーニャ地方で桃農園を営む大家族が直面する危機を描いたドラマ映画です。出演はジュゼップ・アバッド、ジョルディ・プジョル・ドルセ、アンナ・オティン、アルベルト・ボスク、シェニア・ロゼット他。

 

台本があり、役者が演じているとは到底思えず、本当に桃農園を営んでいる大家族に密着して撮影した映像を編集したドキュメンタリー映画としか思えませんでした。

 

それくらいリアル。

 

結末には本当に切なく悲しい気持ちにさせられました。

 

こういったことは日本を含め、世界中で起きているんでしょうね…。

「満ち足りた家族」('23)

 

オランダの作家ヘルマン・コッホの2009年の小説「冷たい晩餐」を原作とし、家族の絆を揺るがす事件に相対することになった対照的な兄弟を描いたドラマミステリー映画です。主演はソル・ギョングさん、チャン・ドンゴンさん、共演はキム・ヒエさん、クローディア・キムさん、ホン・イェジさん、キム・ジョンチョルさん他。

 

輝国山人の韓国映画「満ち足りた家族」

 

序盤の「兄夫婦=金の亡者(≒悪)」、「弟夫婦=清貧(≒善)」のイメージが物語が進むにつれて、そんな単純なものではないことが徐々に明らかになって行く展開は見事。

 

原作は未読ですが、オランダの小説が完璧に「韓国社会を描いた物語」になっているのもグッド!

 

ソル・ギョングさんとチャン・ドンゴンさんという2大スターの個性と魅力を存分に活かしており、実に観応えがありました。

「コット、はじまりの夏」('22)

 

子だくさんの貧困家庭で生まれ育った孤独な少女が、親戚夫婦の家に預けられてひと夏を過ごす中で成長していくさまを描いたドラマ映画です。主演はキャサリン・クリンチ、共演はキャリー・クロウリー、アンドリュー・ベネット、マイケル・パトリック他。

 

話自体はシンプルだし、取り立てて新鮮味はないものの、とても丁寧な作りで、分かっていても、ラストシーンには泣いてしまいました (ToT)

 

いい映画でした。