Marc のぷーたろー日記 -6ページ目

「ローガン・ラッキー」('17)

 

運もツキもない負け犬たちが一発逆転を狙って大金強奪計画に挑戦するさまを描いた犯罪コメディです。主演はチャニング・テイタム、共演はアダム・ドライヴァー、ライリー・キーオ、ダニエル・クレイグ、ヒラリー・スワンク、セス・マクファーレン他。

 

Wikipedia「ローガン・ラッキー」

 

異常に評価が高いし、キャストも豪華で充実しているので、期待して観たのですが、これが自分でも驚くほど全く合わず…。

 

コメディなのに全く笑えなかったのは「呼吸」や「間」のようなものが自分と合わなかったからなんでしょうが、それ以上に自分に合わなかったのは豪華なキャストたちの相性。

 

キャスト自体は好きな役者ばかりなんですが、その組み合わせがどうしてもしっくり来ない。漫画やアニメで喩えるなら、全ての登場人物のキャラクターデザインがバラバラで、同じ世界の人物に見えないみたいなイメージ。

 

個性の強い役者を揃えたせいなんでしょうが、役者個人で見れば、それぞれの役に合っていただけに残念。

「ゴールド/金塊の行方」('16)

 

1990年代に起きた、鉱山ビジネスを巡る金融詐欺事件の実話をモチーフにしたクライムサスペンスです。主演はマシュー・マコノヒー、共演はエドガー・ラミレス、ブライス・ダラス・ハワード、コリー・ストール、トビー・ケベル、ブルース・グリーンウッド他。

 

Wikipedia「ゴールド/金塊の行方」

 

題材も面白いし、熱演しているマシュー・マコノヒーをはじめ、キャストも充実しているのに、こんなにつまらないなんて…。

 

中途半端にシリアスにしないで、コメディに徹した方が良かったんじゃないかな。

「炎628」('85)

 

第2次世界大戦中、当時ドイツ占領下のベラルーシの村からパルチザン部隊に加わった1人の少年が目にした戦場の地獄を描いたソ連製の戦争映画です。主演はアレクセイ・クラフチェンコ、共演はオリガ・ミローノワ、ウラダス・バグドナス、リュボミラス・ラウツァヴィチュス他。

 

Wikipedia「炎628」

 

中盤までは全く物語に入り込めませんでした…。

 

長回しを多用したロケ撮影で没入感を得られるリアルな撮り方をしていながら、役者の演技やその見せ方が舞台劇調の大仰なものなので、そのギャップにどうしても馴染めず…。

 

しかし観ていくうちに、この現実離れした演技は、目の前で起きている残虐な出来事の「現実とは思えない」おぞましさを表現しているのだと解釈することで納得し、ようやく物語に集中することができました。

 

とにかく、ストーリーに釈然としないところはありましたが、それでも、ただただおぞましい話で胸を抉られました…。

 

ナチスドイツ軍の残虐さを描くとともに、それに対する復讐の残虐さも描き、戦争が生む「狂気」を赤裸々に描いているのは見事。

 

2度、3度と繰り返して観たくなるような映画ではありませんが、1度は観ておくべき映画でしょう。

「愛を耕すひと」('23)

 

18世紀のデンマークで荒野の開拓に挑んだ元軍人の奮闘と苦悩を描いた歴史ドラマ映画です。主演はマッツ・ミケルセン、共演はアマンダ・コリン、シモン・ベンネビヤウ、メリーナ・ハーグベリ、グスタフ・リンド他。

 

映画化する価値のある題材だとは思います。

 

映画としての出来も悪くはありません。

 

が、終始、違和感が拭えませんでした…。

 

悪役の領主を分かりやすくサイコパスとして描くのはいいんですが、ストーリーに合わせて都合よく動かされてるキャラクターにしか見えず…。

 

あれだけ主人公に執着している割に、継続的に妨害するのではなく、ストーリー展開上の都合のいいタイミングでのみ、サイコパスの本領を発揮し、それ以外ではほとんど何もしないという不自然さ。

 

終盤の展開も、後味を良くしたかったからなのでしょうが、かなり作為的ですし。

 

2時間程度の尺に収めるためには仕方ないとは言え、もうちょっと自然な描き方はできなかったのかなぁと、それが残念でなりませんでした。

「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」('24)

 

実話をもとに、第2次世界大戦中のドイツで、自らの生き残りを懸け、隠れて暮らすユダヤ人の同胞たちをゲシュタポに売り渡すスパイとなった女性を描いた歴史ドラマ映画です。主演はパウラ・ベーア、共演はヤニス・ニーヴーナー、カッチャ・リーマン、ルーカス・ミコ、ベキム・ラティフィ他。

 

Wikipedia「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」

 

観る前から分かっていましたが、ただただしんどかった…。

 

主人公のしたことは確かに「許されざる大罪」ではありますが、自分が彼女と同じ立場になった時に、彼女と同じようには絶対にならないと言い切れる人が世の中にどれくらいいるのでしょう…。

 

予想以上に彼女の「その後」に尺を割いており、その救いのなさには言葉を失うしかありませんでした…。

「ボレロ 永遠の旋律」('24)

 

モーリス・ラヴェル作曲の名曲「ボレロ」の誕生の舞台裏を描いた音楽映画です。主演はラファエル・ペルソナ、共演はドリヤ・ティリエ、ジャンヌ・バリバール、ヴァンサン・ペレーズ、エマニュエル・ドゥヴォス他。

 

Wikipedia「ボレロ (ラヴェル)」

 

序盤はイマイチ入り込めなかったのですが、この映画が「ボレロ」誕生の裏話を通じてモーリス・ラヴェル本人の人物像を丁寧に描こうとしている作品だと分かってからは、ぐっと引き込まれました。

 

モーリス・ラヴェルの人生自体は映画にするほどドラマティックなものではないですが、そういった表面的なものを描くのではなく、彼の内面に深く切り込んでいるのです。

 

もちろん、こういった描き方をする場合、映画制作者の思想や願望がどうしても入ってしまうので、もしかすると実像とはほど遠いものになっている可能性もあります。それでも、敢えて内面を描くことにフォーカスしているのは「映画」にする意味や意図が明確でグッド!

 

ただ、結果として、好みの分かれる内容になっていると思いますが、自分にとってはかなり興味深い描き方で説得力を感じました。

 

ところで、役者陣で一番意外だったのは主人公の友人を演じたヴァンサン・ペレーズ。若い頃はワイルドなイケメンイメージだった彼が、「陽気な癒し系の可愛いおじさん」を演じていて、その容姿の激変ぶりに、最初は誰か全く分かりませんでした (^^;;;

「危険なCEO 快楽と秘密のオフィス」('24)

 

スペインの企業を舞台に展開するスタイリッシュなエロティックサスペンスです。主演はガブリエラ・アンドラーダ、共演はマリオ・エルミート、パコ・トウス、ダビド・ソランス、セリア・フライジェイロ他。

 

映像はとにかく美しい。

 

美男美女の美しくセクシーな裸体、目を奪われる美しい景色、ゴージャスな衣装やセット、どれを取っても「目に優しい」。

 

でも、それだけ。

 

もちろん、それだけで充分。

 

それ以外を求めてはダメ。

「ちいさな独裁者」('17)

 

第2次世界大戦時のドイツ軍を舞台に起きた実話をもとに、偶然拾った軍服で大尉に成り済ました脱走兵が、多くの敗残兵を部下に従えて暴君へと変貌していくさまを描いた歴史サスペンス映画です。主演はマックス・フーバッヒャー、共演はミラン・ペシェル、フレデリック・ラウ、ベルント・ヘルシャー、ワルデマー・コブス、アレクサンダー・フェーリング他。

 

Wikipedia「ちいさな独裁者」

 

実話をもとにはしていますが、この話をナチスドイツによる大罪の1つとして「矮小化」すべきではなく、普遍的に人間が持つ愚かさを赤裸々に描いた作品として見るべき。

 

それは頭で分かっていても、あまりの「おぞましさ」にただただ絶望するばかりでした…。

「映画を愛する君へ」('24)

 

アルノー・デプレシャン監督が人生のさまざまな節目で出会った映画の思い出を綴った自伝的ドラマ映画です。出演はマチュー・アマルリック、ルイ・ビルマン、ミロ・マシャド・グラネール、サム・シェムール、サリフ・シセ、フランソワーズ・ルブラン、ケント・ジョーンズ、ショショナ・フェルマン他。

 

Wikipedia「アルノー・デプレシャン」

 

とても「興味深い」映画でした。

 

1960年生まれのアルノー・デプレシャン監督の半自伝的劇映画と、映画史を語るドキュメンタリー映画を融合し、その上でデプレシャン監督の「映画愛」を描く手法は、それ自体はさほど斬新とは思わないものの、確かに「興味深く」観ることができました。

 

ただ、純粋に1本の映画として観ると、大して面白くもなく (^^;;;

 

「いかにもカンヌが好みそうな映画」だとは思います。

「ソニア ナチスの女スパイ」('19)

 

第2次世界大戦中、ナチス占領下のノルウェーでスパイとして諜報活動に従事した、同国の人気女優ソニア・ヴィーゲットの活躍と苦悩を実話に基づいて描いた歴史映画です。主演はイングリッド・ボルゾ・ベルダル、共演はロルフ・ラッスゴード、アレクサンダー・シェーア、ダミアン・シャペル他。

 

あまりに好みの題材だったので期待値を上げ過ぎてしまって大失敗…。

 

戦後もナチスの協力者だったと誤解され続け、死後25年も経ってようやく名誉が回復された彼女の功績を讃える目的は達成していると思いますが、いくらなんでも脚色し過ぎ。ただの陳腐なスパイ映画になっていてシラけちゃいました…。

 

もちろん、彼女の存在すら知らなかった自分にとっては、その存在を知ることができただけでも、観て良かったとは思っています。

 

とにかく、この題材なら、戦後の不遇も、エンディングでさらっと文字で説明するのではなく、しっかり描いた方が良かったように思います。