「DEATH & DETAIL 事実は語る」('24)
富豪を乗せた豪華客船を舞台に、船上で起きた密室殺人事件の容疑者となった若い女性が過去に因縁のある名探偵ルーファスとともに犯人捜しに挑む姿を描いたミステリーシリーズ全10話です。主演はヴァイオレット・ビーン、マンディ・パティンキン、共演はローレン・パトン、ラフル・コーリ、アンジェラ・チョウ、ヒューゴ・ディエゴ・ガルシア、パルディス・サレミ、リンダ・エモンド他。
二転三転するストーリーで最後までそれなりに楽しめるのですが、観終わった後に素直に「面白かったぁ!!」とは言えない物足りなさが。
記憶を辿るシーンの描き方は独特で興味深く観ることができたのですが、全体としては、とにかく「軽い」のです。
残酷な殺人事件を軽妙なタッチで描くのは珍しくないですが、過去のそういった作品の「軽妙さ」とは異なり、ただ「軽い」のです。
徐々に明らかになる真相からすると、本来はもっと重厚な人間ドラマとなるはずなのに、あまりの「軽さ」で深刻さが全く伝わって来ない…。
おそらく作り手としては、この「軽さ」は意図的なんでしょうけど、成功しているとはお世辞にも言えず。
明らかにシリーズ化を想定した内容でしたが、結局、この1作で打ち切りとなったのは当然でしょう。アイデア自体は悪くなかっただけに残念。
「28年後...」('25)
人間を凶暴化させるウイルスの蔓延で壊滅状態になったロンドンを舞台に、生き残った人々のサバイバルを描いた「28日後...」('02)、「28週後...」('07) から続くゾンビアクションホラーシリーズの第3作で三部作の第1弾です。主演はアルフィー・ウィリアムズ、共演はジョディ・カマー、アーロン・テイラー=ジョンソン、レイフ・ファインズ、ジャック・オコンネル他。
三部作の第1弾というよりは「長尺すぎる序章」という感じ。
面白くなくはないけれど、物語が始まってすらいないので、1本の映画として観ると物足りなさでいっぱい。
続編となる第2弾でようやく物語が始まるようですが、そこまで引きつけるほどの吸引力は感じられませんでした。
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「OTHER アザー 顔のない監視者」('25)
母親の死後、幼少期を過ごした家に帰った女性が次々と不気味な現象に遭遇するさまを描いたスリラーです。主演はオルガ・キュリレンコ、共演はローラ・ボナヴェンチャー、フィリップ・シュラー他。
アイデアは悪くないと思う。
主人公以外の登場人物の顔を敢えてはっきりと映さないようにする見せ方も意図は分かります。
でも、それだけ。
「レッド・サン」('71)
三船敏郎×アラン・ドロン×チャールズ・ブロンソンという日仏米の3大スター共演の西部劇映画です。共演はウルスラ・アンドレス、キャプシーヌ他。
ストーリーはどうしようもなく古臭い陳腐な西部劇ですが、豪華キャストのおかげで何とか「観られる」出来に。
キャストそれぞれの個性と魅力は充分に活かされているので「お祭り映画」と割り切って観れば悪くない。
また、元々日本側からの企画だったこともあり、当時の外国映画としては日本の描き方がかなり「まとも」なのも![]()
「気まぐれ天使」('47)
ロバート・ネイサンの1928年の小説「The Bishop's Wife」を原作とし、教会堂建設の資金集めに苦労している司教の神への祈りに応えて現れた「天使」を名乗る男が起こす奇蹟を描いたファンタジーコメディです。主演はケイリー・グラント、ロレッタ・ヤング、共演はデヴィッド・ニーヴン、モンティ・ウーリー、グラディス・クーパー、エルザ・ランチェスター他。
気楽に観られるコメディですが、軽すぎて明日にも内容を忘れちゃいそうなほど中身が薄い (^^;;;
そもそもケイリー・グラントは天使というより悪魔に近い(小悪魔?)イメージだし、見せる「奇蹟」が都合の良い便利な「魔法」でしかないなど、ツッコミどころは満載ですが、それは作り手の狙い通りでしょうし、そういった軽薄さも含めて本当に「気楽に観られる」コメディでした。
「オペラハット」('36)
莫大な遺産を相続してニューヨークにやって来た田舎育ちの純朴な青年を描いた、フランク・キャプラ監督による人情喜劇です。主演はゲーリー・クーパー、共演はジーン・アーサー、ジョージ・バンクロフト、ライオネル・スタンダー他。
大昔に1度観た記憶はあるのですが、「シンデレラ・マン」以外、全く覚えていなかったので再見。
いかにもフランク・キャプラらしい楽天的コメディ。
主人公とヒロインの関係は後のラブコメの王道ですが、最終的にはその恋愛要素よりも、世界恐慌後の米国の社会情勢を背景とした格差や貧困問題の方に(綺麗事すぎる部分はあるものの)目が向くようにまとめられているのは![]()
ただ、主人公のキャラクター造形とゲイリー・クーパーが微妙に合っておらず、この役は後のキャプラ作品の常連となるジェームズ・ステュアートの方が合ってるよなぁと思いながら観ていました。
「フレンチ・イグジット 〜さよならは言わずに〜」('20)
12年前に亡くなった夫の遺産を使い果たし、パリのアパートで残りの人生を過ごすことにした60歳のセレブ女性と、彼女の供をする1人息子、そして亡き夫の魂が宿っているらしい黒猫を描いたシニカルなコメディです。主演はミシェル・ファイファー、共演はルーカス・ヘッジズ、トレイシー・レッツ、ヴァレリー・マハフェイ、イモージェン・プーツ、ダニエル・マクドナルド他。
→ Wikipedia「フレンチ・イグジット 〜さよならは言わずに〜」
いわゆる「終活」をテーマにした作品で描きたいことはよく分かるのです。
が、笑いのセンスに全く付いていけず…。
ミシェル・ファイファーでなければ成立しない話だし、彼女が本作の演技でゴールデングローブ賞の主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされたのも理解はできるんですけどね…。
登場人物たちが揃いも揃って「ちょっとおかしい」キャラクターなのはともかく、主人公がクソ女の毒親でしかないのに、何となく肯定的に描かれているのも不快極まりないし、とにかく最初から最後まで全てが「not for me」な映画でした。
「ホワイトバード はじまりのワンダー」('23)
「ワンダー 君は太陽」('17) に登場したいじめっ子のジュリアンに焦点を当て、彼の祖母が少女時代に経験したホロコーストの悲劇を描いたたスピンオフ作品です。主演はヘレン・ミレン、アリエラ・グレイザー、共演はオーランド・シュワート、ブライス・ガイザー、ジリアン・アンダーソン他。
ホロコーストが題材になっているとは全く予想していなかったので驚きましたが、真摯に作られた良作。胸の痛む悲劇ではありますが、人間の醜さと共に素晴らしさも描いていて![]()
ただ、あまりに分かりやすい勧善懲悪である上に、道徳の授業の教材にも使えるような「お行儀の良い」作りなので、そこに物足りなさや「綺麗事」感を抱く人もいるかもしれません。
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「ゴールデン・ボーイ」('39)
父の労苦に報いるためにバイオリニストになる夢を捨ててボクサーになった青年を描いたスポーツドラマ映画です。主演はウィリアム・ホールデン、共演はバーバラ・スタンウィック、アドルフ・マンジュー、リー・J・コッブ、ジョセフ・カレイア、サム・レヴェン、エドワード・S・ブロフィ他。
ウィリアム・ホールデンは好きで昔から多くの作品を観ていますが、そのほとんどは30代以降、彼が大人の演技派俳優と見なされるようになった後の作品。
彼のデビュー作である本作は、存在はもちろん知っていましたが、これまで機会がなくて観たことがなかったのです。
今回初めて観て、彼が本作の成功をきっかけにアイドルスターになったというのは大いに納得。
彼の親しみやすい「隣のちょっとカッコいいお兄ちゃん」イメージを活かし切った役柄ですし、とにかく彼を魅力的に見せる「アイドル映画」としては充分な出来。
相手役に当時の大スターであるバーバラ・スタンウィックを起用し、脇を名優アドルフ・マンジューに固めさせるなど、映画会社がウィリアム・ホールデンに対して相当に期待をしていたことがよく分かりますし、その目論見は間違いなく成功しています。
ウィリアム・ホールデンのファンならば必見でしょう。
ところで、主人公の父親役をリー・J・コッブが演じているのですが、ウィリアム・ホールデンと7歳しか違わず、当時まだ20代だった彼が、初老の役を全く違和感なく演じていてビックリ (@o@)
後のコワモテのおじさんイメージとはかけ離れた役柄なのにも驚きました。こちらも注目すべきポイントです (^^)v
「君が眠るまえに」('91)
エイズ問題を通して2組の母と息子の関係を描いたテレビ映画です。主演はジュリー・アンドリュース、アン=マーグレット、共演はヒュー・グラント、ゼルイコ・イワネク、トニー・ロバーツ他。
これだけの充実したキャストを揃え、エイズ禍真っ只中の1991年に、この題材でテレビ映画が作られていたことには驚きます。
が、残念ながら、それ以上の意味は全くないです。
着眼点はいいのですが、物語としては陳腐な母子モノでしかなく、観終わった後のガッカリ感はとてもとても大きいです。








