神は銃弾
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実話から着想を得たボストン・テランによる1999年の同名ベストセラー小説を原作とし、悪魔崇拝のカルト集団の仕業で元妻を惨殺され、娘を拉致された刑事を描いたサスペンス映画です。主演はニコライ・コスター=ワルドー、マイカ・モンロー、共演はジェイミー・フォックス、カール・グルスマン、ジャニュアリー・ジョーンズ他。
実話から着想を得たそうなので、もうちょっとメッセージ性のある内容だと思っていたのですが、ただのバイオレンスアクション映画でした。
もちろん、子供の誘拐が珍しくない米国の現実や信仰を題材にしているので、米国人ならもうちょっと違った捉え方をするのかもしれませんが、少なくとも自分には深みを感じることはできませんでした。
ただ、最初から単なる娯楽映画と割り切って観れば、そんなに悪くはない。後味もいいし。
この映画の最大の失敗は、大して中身がないのに、中途半端にアーティスティックな作品にしようとしたのか、2時間半を超える長尺にしてしまったこと。これが90分程度の尺なら、だいぶマシになってたんじゃないかと思います。
フランスの村で起きた殺人事件の真相を複数の男女の視点から多角的に描いた群像サスペンスです。出演はドゥニ・メノーシェ、ロール・カラミー、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ダミアン・ボナール、ナディア・テレスキウィッツ他。
なかなかに評価が高いので期待して観てみました。
確かに構成は見事。個々の登場人物の視点で描かれる身近な物語を積み上げていく中で、徐々に事件の全体像が見えてくる展開は群像モノ好きとしてはゾクゾクしました (^^)v
が、それだけ…。
群像劇だから仕方のないところもあるのですが、登場人物たちの個々の心理描写がちょっと足りない。一応、登場人物たちの言動の理由が分かる程度には表現されていますが、物足りなさは否めず。もちろん、これ以上に丁寧に描いたら、数時間にも及ぶ「大長編」になっちゃっていたでしょうけど。
とにかく、構成の面白さで最後まで惹きつけられますし、話の根幹である殺人事件自体のつまらなさやくだらなさは意図的なのも分かるのですが、もうちょっと踏み込んで描いて欲しかったなというのが正直な感想。ちょっとあっさりし過ぎていたように感じました。いずれにせよ、期待値が高過ぎたのでしょう。それが僕の最大の失敗。
SF映画の名作「猿の惑星」のエピソード・ゼロとなる猿による支配の始まりを描いたSF映画「猿の惑星:創世記 (ジェネシス)」('11) から始まり、第3弾「猿の惑星:聖戦記 (グレート・ウォー)」('17) で完結したシリーズの約300年後を描いた新シリーズ第1弾です。主演はオーウェン・ティーグ、共演はフレイヤ・アーラン、ケヴィン・デュランド、ピーター・メイコン、トラヴィス・ジェフリー、ウィリアム・H・メイシー他。
新シリーズとしてどういう話になるのかと思っていたのですが、予想の範囲内で驚きはないものの、悪くはない。本来の「風刺」もしっかりあるし。
物語として完結はしていますが、まだまだ「序章」といった印象で物足りなさはあるので、続編に期待したいです。
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浅倉秋成さんの同名小説を原作とし、ある人気企業の新卒採用試験で最終選考に残った6人の大学生たちが謎の告発文によって窮地に立たされるさまを描いたミステリ映画です。出演は浜辺美波さん、赤楚衛二さん、佐野勇斗さん、山下美月さん、倉悠貴さん、西垣匠さん他。
よくできている話。
ミステリとしては悪くない。
娯楽映画としては面白かった。
が、あまりに「綺麗にまとまっている」せいで現実味がない。
「物語のための物語」
「物語のための登場人物たち」
という印象。
それが「悪い」とか「ダメ」というわけではないけれど。
とにかく、この「現実味のなさ」は映画ではなく、舞台劇なら違和感はもっと少なかったかなと思う。
芦沢央さんの小説「夜の道標」を原作とし、1996年に起きた殺人事件を担当する刑事が、2年間にわたって逃亡を続ける容疑者の足取りと殺人の動機を追いながら、事件に潜む真実に迫っていくさまを描いた社会派ミステリードラマシリーズ全5話です。主演は吉岡秀隆さん、共演は野田洋次郎さん、瀧内公美さん、高杉真宙さん、和田正人さん、キムラ緑子さん他。
胸の痛む話であるとともに、こんな酷い人権侵害が1990年代半ばまで法的に許されていたということを思い出させられる話でした。
還暦近い自分にとっては、1990年代はまだ「ついこの間」のような感覚があるのですが、改めて30年という月日の長さを見せつけられた気分です。
1990年代の米国を舞台に、旧知の同僚と再会したために危険な運命を辿ることになったセールスマンを描いたクライムサスペンスです。主演はスクート・マクネイリー、共演はキット・ハリントン、ジョシュ・ルーカス、イーサン・サプリー、ノラ・ゼヘットナー他。
キャストは悪くなかったんだけど、全編通して緊張感が全くないし、主人公に都合が良すぎる不自然な展開に![]()
残念。
1980年代にカナダに実在した連続強盗犯「空飛ぶ盗賊」ことロバート・ホワイトマンの実話を再現した、オフビートタッチの犯罪コメディです。主演はジョシュ・デュアメル、共演はメル・ギブソン、エリシャ・カスバート、オリヴィア・ダボ、ネスター・カーボネル他。
ジョシュ・デュアメルが主演なので、もっと軽妙なコメディを期待していたのですが、ほとんど全く笑えないし、主人公の手口が巧妙なわけではなく、単に銀行と警察が無能だっただけなので痛快さもないし。
この題材なら、オフビートじゃなく、ストレートに笑えるコメディにした方が良かったんじゃないかなぁとしか思えませんでした。
映画全体としては「面白くなくはなかった」んですけどね。
メル・ギブソン扮する「ボス」が、悪党だが極悪非道ではないキャラクターとして描かれていたのも良かったですし。
戊辰戦争のさなか、無罪放免を条件に、ある砦を守る戦いに挑むことになった11人の凶悪犯たちを描いた集団抗争時代劇です。主演は山田孝之さん、仲野太賀さん、共演は尾上右近さん、鞘師里保さん、佐久本宝さん、千原せいじさん、岡山天音さん、松浦祐也さん、一ノ瀬颯さん、小柳亮太さん、本山力さん、玉木宏さん、阿部サダヲさん他。
1964年に執筆されたものの、そのままお蔵入りとなって破棄された脚本のプロットのみを原案として製作された本作。いわゆる「集団抗争時代劇」を令和の時代に復活させた作品として本当に良くできてる。さすが白石和彌監督。
ただ、期待が大き過ぎたのか、微妙に自分のツボを外していてハマり切れなかったのは残念。結末を含め、全体としてはとても好みの仕上がりだったのですが、登場人物のキャラクター造形など細かいところに作為性を感じてちょっとシラケちゃったんですよね…。
それでも、主演の2人をはじめ、好きな役者が数多く出演していたので、それだけでも充分に観た甲斐はありました (^^)v
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中年の危機に直面した夫婦が、トゥルークライム(実録犯罪)系ポッドキャストで大金を稼ごうと悪戦苦闘するさまを描いたブラックユーモアコメディシリーズの第2シーズン全8話です。主演はケイリー・クオコ、クリス・メッシーナ、共演はトム・べイトマン、リアナ・リベラト他。
強いて比較すると第1シーズンの方が面白かったですが、今回も充分楽しめました (^^)v
シリアルキラーが主人公夫婦の夫の方と親しくなり、彼を言葉巧みに翻弄するさまは恐ろしいと同時に可笑しく、2人の体格差や年齢差もあって独特の「ブロマンス」感を生んでいるのが![]()
まだまだ続きそうなので次のシーズンも楽しみにしていたのですが、第2シーズンでの打ち切りが決まったそうで本当に残念😢
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風水師や葬儀師ら4人が、ある墓の謎に迫るさまを描いたスリラー映画です。主演はチェ・ミンシクさん、共演はキム・ゴウンさん、ユ・ヘジンさん、イ・ドヒョンさん他。
面白かった (^O^)
世間の評価は高いものの、題材自体にさほど新鮮味を感じなかったので、あまり期待していなったのですが、世の評価に違わぬ面白さ (^^)v
東洋、というよりも韓国と日本に共通した「東アジア」の文化を全面に出し、西洋のキリスト教文化圏によるオカルトホラーとは一線を画す世界観をうまく表現していて![]()
ただ、決着のつけ方が期待していたよりはあっさりめだったのはちょっと残念。
とにかく、メインの4人のキャラクター造形がしっかりしているので、このままシリーズ化してくれることを大いに期待しています (^^)v