「僕はキャプテン」('23) | Marc のぷーたろー日記

「僕はキャプテン」('23)

 

アフリカのセネガルに暮らす10代の青年2人が、豊かな生活を求めてヨーロッパ目指して旅に出るさまを描いたドラマ映画です。主演はセイドゥ・サール、共演はムスタファ・ファル、イシェーム・ヤクビ他。

 

マッテオ・ガローネ監督の作品だけあって観応えは充分。現実の厳しさを描きつつも、冒険映画的娯楽性もしっかりあり、第80回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞したのも大いに納得。

 

ただ、果たして今の時代に作るべき映画なのだろうかという疑問も。

 

ここで描かれている問題は昔からある話であり、それを世の中に知らしめようという目的なら、10年以上前に作るべきだったと思うのです。

 

そして、不法移民の問題によって大きな分断が生まれている現在の世界情勢の中で「これだけ苦労してやって来たのだから、不法移民でも歓待すべき」と訴えているように見えてしまう映画を作って本当に良かったんでしょうか? あまりに naive だし、分かっていて敢えてやっているのだとしたら、この映画の「その後」までしっかり描かなければ不充分ですし、不誠実でしょう。