Marc のぷーたろー日記 -2ページ目

「カーテンコールの灯」('24)

 

口下手で不器用な父親がアマチュア劇団の芝居の稽古に参加することになったことから、崩壊寸前だった家族の絆が再生していくさまを描いたドラマ映画です。主演はキース・カプフェラー、共演はドリー・デ・レオン、キャサリン・マレン・カプフェラー、タラ・マレン、ハンナ・ドウォーキン他。

 

観る前は、てっきりよくある「中年の危機」を描いた作品かと思っていたら、確かにその要素は多少あるものの、実際にはかなり違うものでした。

 

耐え難い悲劇を経験しながら、それをなかったことのように振る舞うことで現実から目を逸らしていた男が、悲劇を演じることで自らの「悲しむ心」に真正面から向き合い、再生していく姿を描いた物語でした。

 

これは響く…。

 

ただ、演じる悲劇が「ロミオとジュリエット」なのはちょっとストレートすぎて安易だなぁという気も。だからと言って、他に適切で且つ多くの人がよく知っている物語って意外にないなぁと思ったり。

 

とにかく、刺さる人は多い映画だと思います。

 

「13人の命」('22)

 

2018年にタイで起きた実話をもとに、豪雨によって洞窟に閉じ込められたサッカーチームの少年とコーチ計13人の救出活動の様子をロン・ハワード監督が映像化したドラマ映画です。出演はヴィゴ・モーテンセン、コリン・ファレル、ジョエル・エドガートン、トム・ベイトマン、ポール・グリーソン他。

 

Wikipedia「13人の命」

 

予想以上に観応えがありました。

 

2018年の遭難事故については今も鮮明に記憶に残っていて、遭難者たちの生存が確認されてから実際に救助されるまでに随分と時間がかかっていた印象がありました。

 

何か困難な問題があったことは想像に難くなかったのですが、それが具体的にどんな問題だったのかはよく知らなかったので、この映画でその真相を知ることができて大いに納得するとともに、全員の救助に成功したことがもはや奇跡としか言えないものだったこともよく分かりました。

 

そして、この「奇跡」を成しえた理由は、イギリス人のダイバーたちの能力の高さは当然として、遭難者たちが敬虔な仏教徒で、困難な状況でも精神的に非常に安定していたことも大きいと思います。改めて仏教は宗教というよりも哲学に近いものであることを見せつけられた思いがします。

 

とにかく、過剰に扇状的な表現をせずに、比較的落ち着いたトーンで救助活動の様子を描いているのには真摯な姿勢を感じますし、イギリス人のダイバーたちを必要以上に英雄的に描いていないのも品がいいグッド!

 

ハリウッド映画的サスペンスを期待して観ると、物足りなさを感じるかもしれませんが、あくまで実話を冷静な視点で再現して記録に残した映像作品として、その価値は間違いなく大きいものがあります。

 

お勧め (^^)v

「ザ・リチュアル アメリカで最も恐れられた悪魔祓い」('25)

 

カトリック教会のエクソシスム(悪魔払い)を題材とし、実在したテオフィリス・リージンガー神父らの体験を再現したオカルトホラーです。主演はアル・パチーノ、ダン・スティーヴンス、共演はアシュリー・グリーン、アビゲイル・コーウェン他。

 

悪魔顔のダン・スティーヴンスが聖職者を演じる違和感はともかくとして、とにかく最初から最後まで面白いところも褒められるところも何ももない。

 

終始グラグラ揺れているカメラも観づらいだけで無意味。

 

後のオカルト作品に多大な影響を与えた実際の出来事という点以外、何も特筆すべきところのない、ただの凡庸で退屈なオカルトホラー。

 

どうしてアル・パチーノがこの作品に出演することを決めたのか、それが最大のミステリー。

「レベッカ」('40)

 

ダフネ・デュ・モーリアの同名小説を原作とし、大富豪と結婚した女性が事故死した前妻レベッカの見えない影に追い詰められていくさまを描いたサイコスリラーです。主演はジョーン・フォンテイン、共演はローレンス・オリヴィエ、ジュディス・アンダーソン、ジョージ・サンダース他。

 

Wikipedia「レベッカ (1940年の映画)」

 

アルフレッド・ヒッチコックが初めてハリウッドで撮った映画で、彼にとって唯一のアカデミー作品賞受賞作。しかし、ヒッチコック自ら本作を「自分の映画ではなく、プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックの作品」と評するほど、本来のヒッチコック作品とは雰囲気が異なります。

 

でも、僕が最も好きなヒッチコック作品がこれ。

 

キャストもいいし、ゴシックホラー的でありながら、同時に甘美な雰囲気が本当に「大好物」なのです (^^)

 

これまでに何度も観ていますが、何度観ても飽きない。

 

そんなわけで、とっくに感想を書いた気になっていたのですが、確認してみたところ、これまで一度も感想を書いていなかったことが分かったので、今回改めて全編を通しで観て、感想を書くことにしました。

 

良い…。

 

何度観ても、作品世界に酔いしれてしまう…。

 

モノクロの映像が持つ不気味さと美しさを活かし切った映像を含め、とにかく雰囲気作りが完璧。文句のつけようがない。

 

撮影前の段階では二転三転したメイン2人のキャスティングも、この完成度の高さを観てしまえば、もはやジョーン・フォンテインとローレンス・オリヴィエ以外では想像すらできないほど。

 

これからもきっとまた何度も何度も観返すことになるんだろうなとの思いがさらに強まりました (^^)v

「ギャルソン!」('83)

 

パリのレストランで働くベテランのギャルソンが送る日常の生活風景を描いたドラマ映画です。主演はイヴ・モンタン、共演はニコール・ガルシア、ベルナール・フレッソン、マリー・デュボワ、ジャック・ヴィルレ他。

 

Wikipedia「ギャルソン!」

 

有名な作品で、昔から興味はあったものの、なかなか観る機会がなく、今に至ったのですが、ようやく観ることができました。

 

フランス映画らしいフランス映画。

 

フランス映画が大好きな人が好むタイプの映画。

 

軽妙でしゃれたタッチ。

 

「フランス人の恋愛」の典型的イメージそのままの自由な恋模様。

 

イヴ・モンタンの説得力のあるハマりぶり。

 

とにかく、「良さ」はとても分かるし、評価されているのも納得。

 

が、残念ながら自分が大嫌いなフランス映画の典型例。

 

主人公を含めた登場人物全員に対する「微妙な不快感」が最後の最後まで拭えることがありませんでした。

 

最近は、こういう「フランス映画らしいフランス映画」ではなく、好きなタイプのフランス映画が増えているので、ちょっと忘れかけていたのですが、「あぁ、こういうフランス映画が本当に嫌いなんだよな」ということを久しぶりに思い出しました。

「オズの魔法使」('39)

 

ライマン・フランク・ボームの児童小説「オズの魔法使い」を原作としたミュージカルファンタジー映画です。主演はジュディ・ガーランド、共演はフランク・モーガン、レイ・ボルジャー、ジャック・ヘイリー、バート・ラー、ビリー・バーク、マーガレット・ハミルトン他。

 

Wikipedia「オズの魔法使」

 

何十年ぶりかで全編を通しで観てみました。

 

何度観ても、絵本の世界をそのまま映像化したような鮮やかで美しい色彩と、とても1930年代に作られた映画とは思えない高度な特撮技術に感服するばかり。

 

ただ、やはり何度観ても、本来は10歳前後の少女という設定のドロシーを既に16歳を過ぎていたジュディ・ガーランドが演じるのは無理がある (^^;;;

 

それでも、彼女のずば抜けた歌唱力はこの映画の肝であり、今回も当然ながら彼女の歌声に陶然となりました (^^)

 

とにかく、もしまだ未見であれば、一度は観ておくべき映画であることは間違いありません (^^)v

 

関連記事

「BREATHE ブレス」('24)

 

大気中の酸素濃度が低下し、酸素生成装置なしでは生きられなくなった近未来を舞台に、生存を懸けた母娘の戦いを描いたサバイバルSFです。主演はジェニファー・ハドソン、クワヴェンジャネ・ウォレス、共演はミラ・ジョヴォヴィッチ、サム・ワーシントン、コモン他。

 

主役級の俳優が顔を揃えているので、てっきり「大作映画」かと思いきや、実際は題材の割にこじんまりした作品で、大作とはほど遠い。何故この内容で、これだけの俳優を揃えられたのか謎。

 

それはともかく、設定も内容も新鮮味はないし、登場人物たちが、必死なのは分かるものの、魅力的なキャラクターではないし、そもそもアクションも大したことがないので、どこをどう楽しめばいいのか、全く分からない…。

 

ま、褒められるところが全くなかったということで (^^;;;

「エレベーション 絶滅ライン」('24)

 

謎の怪物により人類の95%が死滅した世界で、喘息の幼い息子の薬を手に入れるために病院へ行こうと、危険な旅に出ることにした父親とその友人と研究者の男女3人を描いたSFアクションホラーです。主演はアンソニー・マッキー、共演はモリーナ・バッカリン、マディ・ハッソン、ダニー・ボイド・ジュニア他。

 

既視感ありまくりで新鮮味は皆無だけれど、それさえ割り切って観れば、娯楽映画としては充分な出来。悪くないです。

 

でも、明日にも内容は忘れちゃいそう (^^;;;

「フォーチュンクッキー」('23)

 

米カリフォルニア州フリーモントのフォーチュンクッキー工場で働く、アフガニスタンからの亡命女性が、ある出来事をきっかけに人生の新たな一歩を踏み出す姿をオフビートなタッチで描いたドラマ映画です。主演はアナイタ・ワリ・ザダ、共演はグレッグ・ターキントン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ヒルダ・シュメリング、エディ・タン他。

 

確かにジム・ジャームッシュやアキ・カウリスマキの香り。

 

が、主人公の背景はかなり特殊で、多くのものを想像させます。

 

ストーリーを追う映画ではなく、主人公と時間を共有するような感覚を味わう映画でした。

「スミス都へ行く」('39)

 

急死した上院議員の後任として田舎から担ぎ出された純朴な青年スミスの姿を通じて「アメリカの良心」を描いた、フランク・キャプラ監督による政治ドラマ映画です。主演はジェームズ・スチュワート、共演はジーン・アーサー、クロード・レインズ、エドワード・アーノルド、トーマス・ミッチェル、ハリー・ケリー他。

 

Wikipedia「スミス都へ行く」

 

大昔に1度観て以来、何十年ぶりかで観てみました。

 

間違いなく、フランク・キャプラ監督らしさ全開の「いい映画」。

 

主演のジェームズ・スチュワートがハマり役なのは当然として、ジーン・アーサー、クロード・レインズ、エドワード・アーノルド、トーマス・ミッチェル、ハリー・ケリーといった脇を固める役者陣の充実ぶりも見事。中でもクロード・レインズはめちゃくちゃ儲け役。

 

ただ、現実はこんなにうまくは行かないことを充分に知っている現代人としては虚しさしか残らず、今の時代にフランク・キャプラの作品をどう観るべきなのか分からなくなってしまったのが正直な感想です…。