「アンダーカバー 二つの顔を持つ女」('24)
実話をもとに、1990年代にテロ組織「バスク祖国と自由」に潜入した女性警官の運命を描いたスペインのアクションサスペンスです。主演はカロリーナ・ユステ、共演はルイス・トサル、ビクトル・クラビホ、ナウシカ・ボニン他。
観る前は「実話をもとにしているとは言っても、所詮はB級アクション映画でしょ?」と舐めてかかっていたのですが、驚くほどリアルで説得力のある内容でした。
主人公がこんな危険な任務を積極的に引き受けた背景はよく分からなかったのですが、彼女の内面の揺れ、葛藤もしっかり描かれており、大変観応えのある作品でした。
ただ、ルイス・トサル扮する上司が、主人公に対して父親のような感情を抱いているように見せながら、主人公を「女」として見ているようにも感じられてしまうところが少しあって、そこはちょっと気持ち悪かったな…。そこはもっと「父性愛」に徹した描き方をして欲しかったです。
「TATAMI」('23)
実話をもとに、女子世界柔道選手権に臨んだ優勝候補のイランの代表選手がイラン国家から政治的圧力を受けながらも不屈の闘志で戦い続けるさまを描いた社会派のサスペンスドラマ映画です。主演はアリエンヌ・マンディ、共演はザール・アミール=エブラヒミ、ジェイミー・レイ・ニューマン、ナディーン・マーシャル、アッシュ・ゴルデー他。
観る前からの予想通り、観応えがありました。
2019年に日本武道館で行なわれた世界柔道選手権で、イランの男子柔道選手の身に起きた事件を、女子選手に置き換えて映画化した作品。
イランという国が世界大会に代表選手を出場させるのは、単に国際社会の一員であるフリをしたいためだけで、そこで好成績を上げることなど期待してないことがよく分かります。
これでは優秀な人材ほど国を捨てて亡命するだけ。本当に愚かな国。
「斬る」('62)
柴田錬三郎さんの短編小説を原作とし、数奇な運命に翻弄される美剣士の虚無と孤高の半生を描いた時代劇映画です。主演は市川雷蔵さん、共演は藤村志保さん、天知茂さん、渚まゆみさん、万里昌代さん他。
デジタル修復された映像はとにかく美しく、それだけで充分に観る価値はありました。
が、原作が短編小説だから仕方ないとは分かっていても、ダイジェストを見せられたような気分で、あまりにあっさりしたストーリーには物足りなさしかありませんでした。
と言っても、この題材と設定で描写を増やして尺を増しても、むしろ冗長なだけで満足のいく内容になるとは思えないですけどね (^^;;;
「ファーストキス 1ST KISS」('25)
夫の突然の事故死を回避するために何度も過去にタイムトラベルする妻を描いたラブストーリーです。主演は松たか子さん、共演は松村北斗さん、吉岡里帆さん、森七菜さん、YOUさん、和田雅成さん、リリー・フランキーさん他。
大ヒットしたのは納得。好きな人は多いでしょうし、きっと韓国などでリメイクされるんじゃないかと思います。
が、自分はどうしても入り込めなかった…。
主人公はいいんですけど、夫のキャラクター造形があまりに「物語ありき」に見えてシラケちゃったんですよね…。「ありえない」という意味ではなく、「腑に落ちない」キャラクターで最後までしっくり来なかったのです。
「対外秘」('21)
国会議員選挙に出馬した韓国・釜山の有名政治家が公認を外されたことをきっかけに権力闘争の渦に巻き込まれていくさまを描いた政治サスペンスです。主演はチョ・ジヌンさん、共演はイ・ソンミンさん、キム・ムヨルさん、ウォン・ヒョンジュンさん、パク・セジンさん他。
メイン3人の役者のハマりぶりと説得力は![]()
ストーリーの大まかな流れや結末は好み。
が、メインの3人のキャラクターの詰めの甘さや計画の雑さが、リアルと言えば、リアルなのかも知れませんが、自分にはご都合主義にしか見えなくて![]()
そのせいで本来はドキドキハラハラするシーンも、どこか冷めた気持ちでしか観られませんでした…。
期待が大き過ぎたのかも知れません。
「シングル・イン・ソウル」('23)
ひとりが好きなインフルエンサーとひとりが嫌いで恋愛下手な女性編集長が本の出版を通じて心を通わせるさまを描いたロマンティックコメディです。主演はイ・ドンウクさん、イム・スジョンさん、共演はイ・ソムさん、チャン・ヒョンソンさん、キム・ジヨンさん他。
予想通り、ありがちで陳腐なキャラクター造形と設定にゲンナリ。視聴自体が苦痛でしかなかったけれど、エピローグ的な終盤の展開だけは悪くなかった。
この手の作品にありがちな「でも、やっぱり恋愛して結婚した方がいいよね」という安易なエンディングにしなかったのだけは![]()
かと言ってバッドエンドではなく、むしろ爽やかなハッピーエンドだったのも![]()
後味は良かったです。
でも、二度と観ることはないと思います (^^)
「セプテンバー5」('24)
ミュンヘンオリンピック開催中の1972年9月5日に発生した、パレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手団を襲って人質にした「黒い九月事件」の発⽣から終結までの1日を、事件を生中継することになったテレビクルーの視点から描いた歴史ドラマスリラーです。出演はピーター・サースガード、ジョン・マガロ、ベン・チャップリン、ジム・マッケイ、レオニー・ベネシュ、ジヌディーヌ・スアレム他。
予想以上に観応えがありました。
臨場感と緊迫感が見事。しかも、メディアをただ礼賛するだけでなく、可謬的存在である人間を生々しく描いた「人間ドラマ」としても秀逸。
これは一見の価値ありです。
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