Marc のぷーたろー日記 -3ページ目

「リトル・シスター 秘密」('25)

 

現代のパリを舞台に、ムスリムでレズビアンである少女ファティマの葛藤と成長を描いた青春映画です。主演はナディア・メリティ、共演はパク・ジミン、アミーナ・ベン・モハメド他。

 

ヨーロッパにおける移民を描いた物語というと、「差別」「貧困」「犯罪」といった負の側面が題材になることが多いイメージがありますが、そういった要素を全て排除し、ヨーロッパ社会に溶け込んでいる「普通のムスリム」を描いているのがグッド!

 

主人公が無宗教ではなく、「敬虔ではあるが世俗的」なムスリムというのもちょっと新鮮。

 

そんな「普通のムスリム」ではあるものの、敬虔であるが故に同性愛者であることに苦悩するのは当然ですが、自分が既に馴染んでいる社会自体は同性愛自体に非常に寛容であり、その点において差別が存在しないというのは現代的。

 

ただし、家族も世俗的とは言え、同性愛に寛容かは分かりませんが、その点はさほど重要視しておらず、あくまで主人公の内面の問題としているのも今風。

 

ストーリーそのものは非常にオーソドックスな青春映画で新鮮味はないですが、主人公の設定の新鮮さだけで充分に「観られる」映画になっていました。

「ユニバーサル・ランゲージ」('24)

 

ペルシャ語とフランス語が公用語となっている架空のカナダを舞台に、人々が織り成すシュールだが温かい騒動を描いたドラマコメディ映画です。出演はロジーナ・エスマエイリ、サバ・ヴェヘディウセフィ、ピローズ・ネマティ、マシュー・ランキン他。

 

ほのぼのした、何となく「いい話」ではあるのだけれど、「物語として面白いか?」と訊かれれば「別に…」としか言いようがない。

 

が、かと言って「退屈でつまらない」わけではなく、突飛で変な世界観や物語の構成、ゆるゆるなユーモア、印象的な映像などのおかげで「何となく」最後まで観ることができてしまう。

 

とにかく「変な映画」。

「グランドツアー」('24)

 

1918年のアジアを舞台に、結婚をためらってアジアの各国を放浪し続けるイギリス人男性を描いた幻想的なドラマ映画です。主演はゴンサロ・ワディントン、共演はクリスティーナ・アルファイアテ、クラウディオ・ダ・シルヴァ、ラン=ケー・トラン他。

 

いかにもカンヌ国際映画祭が好きそうな「変な」映画。

 

1918年が舞台なのに、挟まれるアジア各国の映像は100年後の現代という、時空を超えた不思議な世界観は、意図は理解できるものの、あざとくてダサい。モノクロとカラーの映像の使い分けもシラける。

 

とにかく、どこを取ってもカンヌで賞を獲ることを狙ってるとしか思ない、あざとすぎる演出にドン引きするしかありませんでした。

 

こんな程度の出来でカンヌで監督賞を獲ったのには呆れるしかないですが、監督としては目的が果たせて良かったね(棒)。

 

そして何と言っても最悪なのは後半の主人公であるヒロインのキャラクター。

 

エキセントリックな言動の理由は理解できるものの、ただただ気持ち悪いし、不快。当時の白人ブルジョアの醜さを体現するキャラクターでありながら、それを全く否定的に描いていないことも不快。

 

観たことを後悔するほど不快な映画でした。

 

二度と観ることがないよう、自分へのメモとして、ここに酷評を載せておきます。

「レ・ミゼラブル」('19)

 

ヴィクトル・ユーゴーの名作小説「レ・ミゼラブル」の舞台となった、パリ郊外の現在をリアルに切り取った社会派ドラマ映画です。主演はダミアン・ボナール、共演はアレクシ・マナンティ、ジブリル・ゾンガ、ジャンヌ・バリバール、イッサ・ペリカ他。

 

Wikipedia「レ・ミゼラブル (2019年の映画)」

 

評価の高い作品なので以前から興味があったのですが、ようやく観ることができました。

 

ただ、観る前の予想とはだいぶ違う内容でちょっとビックリ。

 

人種差別、移民差別を題材にした作品だと思っていて、確かにその要素はテーマの1つではあるものの、最終的には「世代間対立」の面が強調される形で結末を迎えたのは意外でしたし、着眼点が興味深いと思いました。

 

しかも、脚本を書いた2人のうちの1人が、主人公の同僚で人種差別的で粗暴な白人警官を演じたアレクシ・マナンティというのも驚き。自ら書いた脚本で、敢えてこの役を演じたところに、彼の強い思い入れを感じたのです。

 

この映画を観て「正義とは?」と語りたくなる人は多いと思うのですが、そこで何を言っても「綺麗事」にしかならないんじゃないかと思いますし、少なくとも自分は「何も言えない」と思ってしまいました。

「パーソナル・ショッパー」('16)

 

多忙なセレブに代わって買い物の代行をする「パーソナル・ショッパー」として働く霊媒師の女性を描いたスリラー映画です。主演はクリステン・スチュワート、共演はラース・アイディンガー、ノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン、シグリッド・ブアジズ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー他。

 

Wikipedia「パーソナル・ショッパー」

 

不思議な映画。

 

オカルトホラーっぽく始まり、次第にサイコスリラーやミステリになって行くものの、最終的にはスリラーやミステリの要素にほとんど意味はなかったかのようにあっさり終了。

 

「何じゃこりゃ?!」となりつつも、その後じわじわと、その「変さ」が何となく面白く感じてくる…。

 

何故、そう感じるのか、どうしても言語化できないのですが、その言語化できないところが「面白い」のかもしれません (^^)

 

でも、積極的に他人に勧めたい映画ではないです (^^;;;

「モディリアーニ!」('24)

 

20世紀前半のパリで貧苦と闘いながら波乱の人生を送った伝説的画家アメデオ・モディリアーニの激動の3日間を、俳優ジョニー・デップが監督業に徹して描いた伝記映画です。主演はリッカルド・スカマルチョ、共演はアントニア・デスプラ、スティーヴン・グレアム、アル・パチーノ、ブリュノ・グエリ、ライアン・マクパーランド他。

 

Wikipedia「アメデオ・モディリアーニ」

 

モディリアーニの作品が好きではなく、彼のことはほとんど全く知らなかったので、彼がどういう人物だったかを知る良い機会にはなりました。

 

この映画で描かれた1916年の3日間から数年後に若くして亡くなったことを考えながら観ると、非常に分かりやすい内容でしたが、純粋に1本の映画として観ると、監督の思い入れの強さばかりが前面に出ていて、ちょっと醒めちゃったのは事実。原作が舞台劇ということもありますが、セリフが多すぎ。

 

ただ、内容はともかく、全編を通して「ジョニー・デップ」を強く感じる映画でした。

 

彼は、もっと若かったら、この主人公を演じたかったんじゃないかなぁと。

 

演じるリッカルド・スカマルチョは、ドス黒い闇を抱えた雰囲気と同時にコミカルさを併せ持っていて、昔からジョニー・デップと似たタイプの役者ではありましたが、今回の演技では一段と「ジョニー・デップならこんな風に演じるんじゃないか」と思わせるものがありました。

 

とりあえず、リッカルド・スカマルチョのファンなら観て損はないと思います (^^)v

「Wild About Harry」('09)

 

実話から着想を得た作品で、1973年の米国の小さな町を舞台に、母を亡くしたばかりの10代の少女が父の秘密を知り、戸惑いながらも成長していくさまを描いたドラマ映画です。主演はダニエル・サヴレ、共演はテイト・ドノヴァン、アダム・パスカル、スカイ・マッコール・バートシアク、ジョシュ・ペック、コリー・セヴィエール、スーザン・アンスパッチ、ジェームズ・シッキング、アン・ラムゼイ、ステイシー・ダッシュ他。

 

Wikipedia「Wild About Harry (2009 film)」

 

当時の米国のさまざまな場所で同じようなことがあったであろうことは想像に難くなく、物語の題材や設定には説得力があります。

 

が、登場人物たちのキャラクター造形があまりにわかりやすく類型的なので、少なくとも2020年代の今となって観ると、深みが全くなく、描き込みが足りないので物足りなさしか残らないのです…。

 

実話から着想を得たのなら、なおのこと、主人公の心の動きをもっと丁寧に描くべきだったと思います。

「ジュリーは沈黙したままで」('24)

 

ある出来事をきっかけに心と口を閉ざすようになった、将来有望な15歳の女子テニス選手の揺れる内面を描いたドラマ映画です。主演はテッサ・ヴァン・デン・ブルック、共演はクレール・ボドソン、ルト・ベククアルト、ローラン・カロン、ピエール・ジェルヴェ他。

 

ダルデンヌ兄弟の映画っぽいなと思って確認したら、ダルデンヌ兄弟がプロデュースしていると知って大いに納得。

 

主人公である少女に密着したドキュメンタリー映像のような生々しさとリアル感。

 

何かを声高に訴えるのではなく、問題の深刻さを観ている側にじんわりと、しかし確実に「感じさせる」見せ方は見事。

 

主演のテッサ・ヴァン・デン・ブルックは元テニス選手だそうで、その体格の良さにしろ、テニスをプレイするシーンにしろ、説得力はありまくり。本作が女優デビュー作だそうですが、彼女からリアルな演技を引き出したレオナルド・ヴァン・デイル監督の演出力が素晴らしい。

 

ちなみにヴァン・デイル監督は1991年生まれで、本作が長編映画デビュー作とのこと。今後の作品が実に楽しみ (^^)

「HERE 時を越えて」('24)

 

リチャード・マグワイアの異色グラフィックノベルを原作とし、紀元前から現代までの壮大な時間の流れを固定カメラで定点観測するというユニークな視点で描いた、ロバート・ゼメキス監督による実験的ドラマ映画です。出演はトム・ハンクス、ロビン・ライト、ポール・ベタニー、ケリー・ライリー、ミシェル・ドッカリー他。

 

Wikipedia「HERE 時を越えて」

 

アイデアや、それを映像で表現する見せ方(演出)は非常に「興味深い(interesting)」。

 

が、それだけ。

 

映画としてはこれっぽっちも面白くない。

 

このネタと見せ方で長編映画にするのは無理がある。話がとっ散らかっていて観づらいのですぐに飽きる。

 

20分程度の短編映画なら、「あぁ、いい映画を観たなぁ」と感動できたと思えるだけに残念。

「シャーロック・ホームズ バスカヴィル家の犬」('39)

 

1939年から1946年まで全14作が作られた、ベイジル・ラスボーン版「シャーロック・ホームズ」シリーズの第1作です。共演はナイジェル・ブルース、リチャード・グリーン、ウェンディ・バリー、ライオネル・アトウィル、ジョン・キャラダイン、バーロウ・ボーランド、ベリル・マーサー、モートン・ロウリー他。

 

公開当時は戦時中だったために日本に輸入されず、長く経ってからようやく衛星放送などを通じて日本でも観られるようになったシリーズ。

 

欧米では長く「シャーロック・ホームズ=ベイジル・ラスボーン」とイメージされるほど人気だったそうで、確かに今観てもホームズにぴったり。

 

ただ、原作では有能に描かれていたワトソンを、ナイジェル・ブルースに演じさせ、ちょっと抜けてるコメディリリーフにした脚色は「う〜む」とはなります。ナイジェル・ブルースのワトソンは、これはこれで愛すべきキャラではあるんですけどね (^^)

 

ストーリー自体は比較的原作通りで、ハリウッド映画らしく分かりやすく簡潔にまとめたという感じ。でも、現代の感覚ではちょっと物足りなさも。

 

「必見!!」と言えるほどの傑作とは思わないですが、映画史に残る人気シリーズとして映画ファンなら1度くらいは観ておいてもいいんじゃないかなと (^^)