第5日目
CollioureからBanyulsへ日帰り:
09:59 Collioure駅を各停列車で出発
10:08 Banyuls sur Mer駅到着(2つ目の駅)
La Cave de l’Abbé Rous訪問
15:53 Banyuls sur Mer駅出発
16:03 Collioure駅到着
Hotel Mediteranee泊

【La Cave de l’Abbé Rous訪問】
今回の旅行の第一目的であるVDN AOC Banyulsバニュルスのワイナリー訪問です。訪問先はwebsiteで調べてBanyulsで一番大きそうなAbbé Rous社 http://www.abberous.com/abbe_rous/ を選んで訪問申し込みました。Banyulsの駅に技術取締役のMr. Laurent DAL'ZOVOが出迎えてくれて、畑とワイナリーを案内し試飲をさせてくれました。

[1] グルナッシュの畑
とても植物が栽培できないような不毛の感じのするシスト(片岩)の畑でグルナッシュ・ノワールの樹の根が深く入り込んでいる様子を、写真のように畑の端が切り立った場所で初めに見せてもらいました。とても機械が入り込めないような丘の急斜面一帯にぶどうが栽培されていました。畑の手入れや手摘み収獲作業が大変だなと思いました。丘の上からは、海が眼下に、反対側にピレネー山脈が間近に見えました。この片岩土壌と暑く乾燥した気候(年日照300日)に加えTramontaneトラモンターヌと呼ばれるこの地方の強い北風によって、病害が起きない状態でぶどうが完熟するのだそうです。上記websiteに畑の写真が数枚出ています。

[2] AOC BanyulsとBanyuls Grands Crus:勿論VDN(Vins Doux Naturels天然甘味ワイン)で、それぞれ1936年と1962年にAOCに認定されています。ピレネー山脈と海の間のCollioureコリウール、Port-Vendresポール・ヴァンドル、Banyulsバニュルス、Cerbèreセルベールの港を持つ4つのコミューンに限定された1,800ヘクタールの産地です。海岸(海抜0m)から山手(400m)に畑が広がっています。

AOC Banyuls:
主要品種:グルナッシュ・ノワール(最低50%)、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ブラン、マカブー、マルヴォワジイー、ミュスカ
補助品種:カリニャン、サンソー、シラー
収獲量:30ヘクトリットル/ヘクタール以下
Mutageミュタージュ:添加グレープ・アルコールは全量の10%以下。
熟成:最低10ヶ月

AOC Banyuls Grand Cru:
主要品種:グルナッシュ・ノワール(最低75%)以外は、AOC Banyulsと同じ。
補助品種、収獲量、Mutageアルコール量:AOC Banyulsと同じ
熟成:最低30ヶ月
(続く)



先日、ワイン関西2006のブースでアムレンシス品種のワインを見つけ興味を持ちました。

世界のワイン原料ぶどうの殆どが欧・中東品種であるVitis viniferaヴィティス・ヴィニフェラであることはワインを勉強された方には周知のことですね。呼称資格試験にも問題として出たことがありますが、アジア品種として、Vitis amurensisヴィティス・アムレンシスというのがあります。ロシアと中国の国境を流れるアムールAmur川(黒竜江4,350km)地域に発する野生ぶどうの品種です。ソムリエ協会教本2006年度版99頁に、「世界主要ぶどう原品種」の一覧表の中にあります。

このワインは、北海道の池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(オフィシャルサイト http://www.tokachi-wine.com/ )が造る十勝ワインの一つです。ブースにいらっしゃった池田町東京事務所副所長の村井利津夫氏にいろいろ説明してもらいました。

池田町は冬に気温がマイナス25度にもなるうえ、雪が少なくまともに寒気を受けるため欧州から輸入した一般のぶどう樹は育たないそうです。そこで、十勝地方で生息していた山ぶどうVitis amurensisを収獲して「アムレンシス」が、寒さに強いSeibelセイベルからの突然変異を選抜育成した品種、清見から「清見」が造られてきました。

更に、池田町では、長年の研究の末、清見(♀)とアムレンシス(♂)とを交配して清舞と山幸という交配品種を独自開発し、それぞれの品種名ワインを造っています。「清舞」は、母方の清見種ゆずりの薄めな色合いと強い酸味、「山幸」は父方アムレンシスの性格を受け継ぎ色が濃く渋み・味わいに深みがある、という説明を受けましたが、私には良くはわかりませんでした。
アムレンシス及びアムレンシスがかかっている清舞と山幸は野趣を感じる香りと味が、清見はもう少し酸味に力を感じました。いずれも軽快な飲みやすい味わいの辛口赤ワインで軽い味付けの肉料理に特に合いそうです。

後日、村井氏から送っていただいた「十勝ワインすとーりー」や日本ワインに関する本を読むと、十勝町が1960年代からワイン造りに成功するまでの大変な苦労が偲ばれます。ワインの種類の数も多く、スパークリングワイン、ブランデー、リキュールなども揃えています。遠い所からですが応援したいワイナリーです。

最近日本ワインに興味を持って知識向上に努めていますが、日本ワイン製造家がいろいろ努力を続けて品質が向上をしているのを感じます。



毎日文化センターでのワイン入門講座が明後日11月9日に始まります。まだ受付ておりますのでご興味のある方は毎日文化センターの方に直接申し込んで下さい。教材を完成させて表紙を作りました。なんだかボージョレ・ヌーボ調の絵になってしまいましたが、赤ワイン・白ワインで目が回っているかんじでもあります。ワイン受験塾の方の基礎講座は10月24日から開講していますが、いずれも1月からの受験講座の理解をより容易にする基礎的な講義にもなります。


殆ど毎日のようにワインを身体の中に注ぎ込んでいる生活で、たまにはワインを忘れてアルコール抜きの日を過ごそうと昨日(日曜日)、大阪市とラジオ大阪主催の「大阪歴史ウオーク2006」に妻と参加してきました。

9時から10時までに四天王寺 中門広場に集合(なんと2,000人が参加しました)。10時に出発、―上町台地東麓の史跡を訪ねて―と副題があるとおり、大阪城天守閣広場まで、ところどころでボランティアの人達から史跡の説明を聞いて、道を戻ったり横へ曲がったりして15ヶ所の史跡を巡りながら約10kmの道のりを歩きました。快適な秋晴れのもと先頭グループに入って2時間40分で歩き通しました。

特に計時して時間を争うのではないので、のんびりしたものでしたが、ゴール締切の午後3時近くになっても何処で時間をかけていたのでしょうか大勢到着してきました。ウオークを終えて、天守閣広場で軽食、ライブを聞きながら、午後3時に始まる参加者対象のお楽しみ抽選会まで時間をつぶしたのに、抽選は二人とも全部外れ。それでもウオークを達成した爽快な気分で、わずかな筋肉痛を感じながら帰宅しました。

帰宅途中に刺身盛り合わせを買って、米飯で健康的な夕食にする積りでしたが、結局いつもの通り、刺身にオリーブオイルとバルサミコをかけてカルパッチョ風にして、バタールを切り、白ワインを開けてしまいました。どうしても一日とてワインと縁を切れないどうしようもない性を再確認しました。



一つの雑記に写真一枚しか載せられませんので、しつこくCollioureの続きを書きます。昨日の雑記で、「昼食をしながら左手に見える景色が、その時飲んだワインのラベルの絵と同じだったので、まさに地元で飲んでいる気分でした」と書きましたが、そのラベルをご覧に入れます。昨日の写真と見比べて下さい。
このワインの品種を調べました。
グルナッシュ・ブラン65%、グルナッシュ・グリ25%、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴェルマンティーノ10%。


Collioureの海岸端で食べた生のムール貝の写真をお見せしたくて、続きを書きました。写真の上でクリックすると写真が拡大されます。写真で見ると一寸グロテスクですね。でも、これが美味しいんです。

【個人旅行のヒント】
ついでに、今回の旅行の出発前に準備したことを列挙します。個人旅行される方の参考になれば幸いです。

1. ワイナリー訪問アポイントメント:本文中に記載。

2. ホテル:ミシェランブックを参照にしながらホテルのwebsiteをみて直接予約。ホテルからはすべて丁寧な確認が届きました。幾つかのレストランも同様予約。

3. フランス国内電車時刻表:http://www.voyages-sncf.com/ で詳細調査。出発駅、到着駅、利用予定日時を入力すると該当する列車の時刻が表示されます。

4. 電車の切符:日本で旅行社にフランス・レイル・パス購入と3日目までの座席予約を依頼 (4日目以降の座席はパリ到着日にリオン駅で予約。この方が座席予約料金が安い)

5. レンタカー:AVIS日本代理店で予約。電話とファックスで簡単に予約でき、現地にしっかり連絡が届いていました。中型車以下は殆どオートマティックは無くてマニュアルです。

6. レンタカーでの行き先ルート:ミシェラン道路地図http://www.ViaMichelin.fr で事前に詳細調査。出発点と到着点を入力すると、地図と一緒に高速入口・出口、交差点などの要所の案内、所要時間が表示され、地図も拡大できるし大変便利なsiteです。地図だけでは、順調なドライヴはできなかったと思います。

7. フランス国内使用の携帯電話:日本でレンタルして持参。日本の出発空港で借り出し、到着空港で返却できます。自動車事故などに備えて持参したものですが、幸い使用の機会がありませんでした。東京とロンドンの家族などに3回ほどかけただけでした。



第4日目 LyonからCollioureへ電車で移動するだけで訪問は無し。
07:05 Lyon Part Dieu駅TGVにて出発
10:01 Narbonne駅到着
11:20 Narbonne駅各停普通列車にて出発
12:29 Collioure駅到着
Hotel Mediterraneeに宿泊(2泊)

【車窓より】
Lyonを出てからNimes、Montpelliers、Beziersと停まってNarbonneへ。Lyonで乗車した時はまだ暗かった景色が8時すぎて明るくなってきました。
08:30 Nimesに着くころは出発の時小雨混じりの雲行きも青空が出てきて、地中海性気候になった感じ。古代ローマ時代の町Nimesは思っていたよりも大都会の感じでした(後で調べたら人口15万人でした)。Nimesを過ぎると車窓の両側にぶどう畑が一面と続く景色に変わってきました。ゴブレ仕立てです。
09:00 Montpelliers着。それまで同じ車両に乗っていたビジネスマン達が全員降りてしまって車両には私と妻の2人だけになりました。SèteあたりからNarbonneまで列車はひたすら海岸端を走ります。海のそばで低い広い平地にぶどう畑が広がっています。ところどころに畑をやめてしまったような空き地があって、このあたりではあまり上質なぶどうはできそうもない感じです。かなり遠くに山並みが見えましたが、上質ぶどうはその斜面で作られているのでしょう。
Narbonneで1時間20分の乗り換え時間。駅前には何も見るべきものはありません。
NarbonneからCollioureまで、右側にFitouの大きな看板が立った斜面のぶどう畑、2つ目の停車駅がRivesaltes、3つ目の駅はPerpignanと、ワインの教本に出てくる地名が続いて楽しくなりました。
Collioureに近くなると、右側に大きな山脈が見えてきました。ピレネー山脈です。なんとなく興奮しました。近くの両側にはぶどう畑が続いています。

【Collioureコリウールの町、人口3,000人弱】
(町の観光局のオフィシャル・サイト http://www.collioure.com/gb/index-gb.htm 英文ですが、写真が参考になります。)
駅から歩いて100mの所のホテルにチェックインし、部屋で少し休んで地中海に面した海岸の方へ歩いて下って約200mで中心街に出ました。地理的にも、歴史的にもスペインに近いので、人間も、町並みの感じもカタルーニャの雰囲気が混ざっていました。海岸端のレストランが店の前の海側にテーブルを並べ、昼食の時間でした。入り江の静かな海岸で、フェニキア、ギリシャ、古代ローマ時代からの歴史を持ち、色々な支配者が変わる戦略的な場所だったらしく要塞が目に付きますが、今は格好の避暑地の感じです。
9月末までは観光客で賑わったに違いありません。土産物屋、ワイン屋、画廊などが軒を連ねています。この町は、ピカソ、アンドレ・ドランなどが好んで訪れて絵を描いた所で、野獣派誕生のきっかけになった町といわれています。現在も画家の町といわれているそうです。画材になりそうな景色、風物が豊富でした。帰国後、兵庫県立美術館の「エコール・ド・パリ展」に行って、ドランの絵などを鑑賞してきましたが、CollioureやBanyulsの町の題材は残念ながらありませんでした。
その日10月4日は観光客も減って落ち着いた町になっていましたが、まだ数人が海で泳いでいました。海岸端の屋外のテーブルで海を眺めながら昼食。海辺なので当然Fruits de Merを注文。カキ、ムール貝、海老、二枚貝、巻貝など。特にムール貝の生は初めて食しました。茹でたムール貝の身は小さいが、生だと貝からあふれるくらい大きくとろりとした赤い身で磯の香りがしました。
ワインも当然地元のAOC Collioureの白(Abbe Rous Cuvée des Peintres 2005)。一寸薄い感じの酸のやわらかなワインでしたが、アルコールが13.5%もあって驚きました。ラベルに描かれている絵が、座ったテーブルから左手に見える景色と同じだった(右上の写真)ので、まさに地元で飲んでいる気分でした。気温27度くらいで暖かい太陽のふりそそぐ、風のない海岸端でのんびりと大変楽しい昼食でした。スペイン国境まで約20km。はるばる来たぜコリュールへ~♪、という感じでした。

町の中を見物してホテルで一休み。夕食は、ホテルの推薦する海岸近くのレストランに行きました。この町はanchoisアンチョビーの生産地で有名なので、前菜に酸味のソースをかけた大きな新鮮な生のいわしが沢山出てきました。メインに鱈を注文。
ワインはAOC Collioureのロゼ(昼食の白ワインと同じシリーズ)を注文。結構濃い色合いで渋みが程よくあり弱い赤ワインの感じでした。周りの地元の人らしい客たちが飲んでいるワインは、料理が魚でもカラフェの赤ワインでした。

≪ワインの勉強で、Roussillon地区のAOCの中に、スティルワインはAOC Collioure(白、赤、ロゼ)、同じ地域のVDNはAOC Banyulsがあると習ったのを覚えていらっしゃいますね。≫



第3日目
09:00 Fleurieのホテルから車で5分、Romaneche-Thorin村にあるChâteau des Jacquesを訪問しました。Romaneche-Thorin村は丘の上の古い風車(Moulin)に由来するCrus Beaujolais、 Moulin-à-Ventの中心地区です。訪問後小雨の中、16:00 Lyonの町に帰り、レンタカーを返却し、Lyon Part Dieu駅の近くのNovotel Lyon Part Dieuに宿泊。

【Château des Jacques訪問】
昨年7月輸入元である日本リカーが主催した試飲会で会ったことのある同シャトーの責任者Guillaume de Casternau氏にアポイントメントを取っての訪問です。その時の試飲会で、このシャトーのMoulin-à-Ventを飲んで、それまで私が認識していたボージョレのガメイとまったく違って、ピノ・ノワールのようなワインに強く印象づけられていつか訪問したいと思っていたのが実現しました。

同シャトーはBeauneに本社を持つMaison Louis Jadotが1996年に購入し、27haのMoulin-a-Ventの畑と9haのBeaujolais Villages Blancの畑を所有。(最近Morgonに35ha畑のあるChâteau de Bellevueも購入した)

色々な説明を受けました。
1. Moulin-a-Ventの土壌がマンガンを多く含む花崗岩の土壌であり、コシのしっかりした長熟タイプのワインができる。

2. 19世紀のBeaujolaisワインは除梗せず木樽中で3週間のマセラシオンがなされタフで3~4年も熟成が必要であった。第一次世界大戦で男手不足のため、トラクターやアンモニア系肥料の使用、醸造スピードが速くなったりした結果軽いワインが造られてきた。同シャトーでは、一般的な栽培・醸造法でLouis Jadotのノウハウを駆使した改良に加え、自然酵母の使用、補糖なし、すべて樽熟成などを実行。

3. 同シャトーの畑は5つのclos; Rochegres、Thorins、Champ de Cour、Grand Carquelin、La Rocheに別れている。100mしか隔たっていないのに表土の厚さや高度に差があり、出来上がるワインの味わいにも微妙な違いが認められます。

同シャトーのAOC Moulin-a-Ventは、上記5つのそれぞれの単独畑名がついたものと、ブレンドしたChâteau des Jacquesの6種類あります。AOC Moulin-a-Vent ThorinとLa Rocheを試飲させてもらいましたが、やはり私が認識していたガメイというよりピノ・ノワール的でフルーティでfeminineな味わいでした。同時に試飲した同社シャトーのMorgonは対照的にシラーみたいでBoyishでした。どちらもブラインドテイスティングさせられたら、私の能力では当てられないだろうなと思いました。

4. ワイナリーを案内しているCasternau氏の話し方から、彼が如何にぶどうとワインを愛しているかが感じられました。醸造では優しくぶどうを扱い、セラー内では、樽のワインと対話するような感じです。Moulin-a-Ventは女性的でおとなしく熟成するし、Morgonは大変やんちゃな熟成過程をたどる。雪の降る2~3日前にはワインが閉じる。これは蜜蜂の行動と同じで人間が忘れた感覚である。セラーの床はセラー内に悪い気が篭らない様にするためコンクリート張りにしない土間である。セラー内の電磁波をきらうなどなどワインが生き物であるかのような接し方でした。

5. セラー内のあちこちの壁に昔書かれていた言葉を解説してくれました。
  (1)一日幸福でいたければよっぱらえ。
  (2)2日間幸福でいたければ結婚しろ。
  (3)8日間幸福でいたければ貴方の豚を殺せ。
  (4)一生幸福でいたければ今から毎日ワインを飲め。

3時間の訪問の後、すぐ隣にあったGeorges Duboefの無料テイスティング会場に入ってMoulin-a-Ventを飲んでみましたが、やはりそれまで認識していたガメイの香りと味でした。この差は何から来るのか、土壌の差もあるにしても、昔の自然を尊重する栽培・醸造のフィロゾフィーなど全体的なものと思いました。

フランス食品振興会SOPEXA主催の「南フランスのワインのセミナー、試飲会」に出席しました。セミナーでは、ラングドックワイン委員会CIVL (Conseil Interprofessionnel des Vins du Languedoc)のマーケティング・広報部長Mr. Thierry MELLENOTTEとヴァン・ド・ペイ・ドック委員会Inter Oc (Syndicat des Producteurs de Vin de Pays d'Oc)の広報・プロモーション責任者Ms. Anne-Laure GUIGNARDの2人によるLanguedocのAOC、Vin de Pays d'Ocの解説と8種類のワインの試飲で大変勉強になりました。

特に、今までVin de Paysを真面目に試飲していなかったので、品質が向上しているワインが多いという新発見がありました。ラベルもデザイナーを起用した斬新で若者受けするものも増えていて、コストパーフォーマンスからもVin de Pays d'Ocの今後の更なる躍進が期待できそうです。

10月第3木曜日解禁になったVin de Pays Primeurs でシラーのRoséは、まさにプリムールにふさわしい溌剌とした味わいで楽しいワインでした。

2007年ヴィンテージからAppellations RégionalesとしてAOC Languedocが導入され、従来のAOCの格上げが実現するとの新情報に興味を持ちました。今後のニューズに注目です。

日ごろ疑問に思っていた2点を質問しました。
(1) Languedocのワイン地方というと、Gard、Hérault、Aude、Pyrénées Orientalesの4県と受験では習いますね。セミナーでもそのような説明がありました。しかし、ある本によると、Vin de Pays d'OcはLozère県も入れて5県と解説しているものもあります。AOCの4県は理解できるが、Vin de PaysにおけるLozère県の立場について聞いてみました。答えは、Lozèreは県としてではなく、県内の5つの自治体が入っているとのことでした。それで、4県とか5県とかの混乱した解説になるのでしょうね。これからは、私としては、Vin de Pays d’Ocに関しては4県プラスLozèreの5自治体と覚えます。

(2) Vin de Pays d'Ocではカベルネ・ソーヴィニヨンが大変多く使われているのに、AOCになるとCabardesとLimouxくらいしか使われていないのは何故か、気候、土壌は同じなのに何か歴史的な事情でもあるのか質問しました。カベルネ・ソーヴィニヨンにたいするヘクタールあたりの規制収穫量がAOCの方がVin de Paysより少ない、CabardesとLimouxの気候・土壌がカベルネ・ソーヴィニヨンに合っているとかの説明がありましたが、あまり納得できるものではありませんでした。さらに調べてみたいと思います。


カリフォルニアワイン・インスティテュート主催のパソ・ロブレス(英語ではロブルスと発音)AVAのグランド・テイスティング・セミナーに出席しました。カリフォルニアというと、直ぐにナパとかソノマの話が出てきますが、最近パソ・ロブルスの発展は注目に値します。

Paso Robles AVA (カリフォルニア、サウス・セントラル・コースト地区のサン・ルイ・オビスポ郡)が大変詳しく紹介されている日本語のwebsiteを見つけました。
http://mimidesign.tripod.com/cawine/pr.html
また、英語ではPaso Robles Wine Country Allianceのwebsite www.pasowine.com が情報を網羅していますが、上記セミナーで特に興味を持ったものを書いてみます。
地図は、http://www.pasowine.com/pasorobles/avamap.php を参照(サンフランシスコとロサンジェルスの中間です)。

1. Paso Roblesの名前の由来は、スペインの探検家によってEl Paso de Robles(オーク木の並木道)と名づけられたもの。現在でも畑でオークの木を切ることは法律で禁じられている。

2. 1797年に初めてスペイン伝道師によってSan Miguel(現在はPaso Robles地区に含まれる)にぶどうが植えられたが、品種はmissionミション種だった。

3. 1882年に既に商業用のワイン造りは行われていたが、Paso Roblesが知られるようになったのは、ポーランドの政治家でありコンサート・ピアニストであったIgnace Paderewskiがピアノの弾きすぎで関節炎に罹りPasoの温泉に来て快治し、土地に愛着を持ってそのまま居ついて2000エーカーの土地を買い、1920年初期にPetite Sirahプティット・シラーとZinfandelジンファンデルを植えたことによる。(Petite Sirahの綴りがSyrahでない、即ちSyrahとはまったく関係ない品種)

4. 1940年代は15のワイナリーであったが、現在は170以上になっている。

5. Paso Roblesで植えられているぶどう品種は60近くあるが、その内の88%が下記の7種類になる。
Cabernet Sauvignon 31%、Merlot 19%、Syrah 10%、Chardonnay 10%、Zinfandel 10%、Petite Sirah 4%、Sauvignon Blanc 4%

6. 昼夜の温度差が大きい(夏で40~10℃)、生育期間の天候が常に安定していて、生育期間がながい。
西側は、東側より涼しいので、Petite SirahよりはPinot Noirに適している。

[EOS Estate Winery、Paso Robles]
ラベルに女神のような絵が描かれているワインがいつも気になっていました。セミナーでパートナー兼社長のMr. Kerry H.Vixと子息の販売担当重役Mr. Christopher Vixに聞いてみました。

輸入元の山信商事のパンフレットにも説明されていますが、ギリシャ神話の夜明けの女神EOSに由来している。すべての収獲が夜明け前後に行われることから命名された。Vix社長によれば、Exceptionally Oenological Series(特別に醸造するシリーズ)という語句にも引っ掛けているとのことでした。

ギリシャ神話のEOS(イオス、エオス)は、太陽の神Heliosと月の神Seleneの妹で4人の風の神の母。毎朝太陽の馬車に天の扉を開けるといわれている。愛人の一人がOrionであることから、同社のラベルにはオリオン座の星座も描かれている。

確かキャノンのカメラにもEOSというのがあるし、このようにギリシャ神話に入っていくと、ワインに染まりこむのと同じように底なし沼に落ち込んだ気持ちですが、快適な気分になります。

同社はEOSシリーズで、Petite Sirah、Petite Sirah Reserve、Cabernet Sauvignon、Zinfandel、Chardonnayなどの品種名ワインとボルドー・タイプのFrench Connection、Late Harvest Moscatoなどを出していますが、フラッグシップ・ワインはPetite Sirah Reserve(Petite Sirah100%)といわれていて、果実味豊かな凝縮感がある上にバランスよくエレガントでした。