第3日目
09:00 Fleurieのホテルから車で5分、Romaneche-Thorin村にあるChâteau des Jacquesを訪問しました。Romaneche-Thorin村は丘の上の古い風車(Moulin)に由来するCrus Beaujolais、 Moulin-à-Ventの中心地区です。訪問後小雨の中、16:00 Lyonの町に帰り、レンタカーを返却し、Lyon Part Dieu駅の近くのNovotel Lyon Part Dieuに宿泊。
【Château des Jacques訪問】
昨年7月輸入元である日本リカーが主催した試飲会で会ったことのある同シャトーの責任者Guillaume de Casternau氏にアポイントメントを取っての訪問です。その時の試飲会で、このシャトーのMoulin-à-Ventを飲んで、それまで私が認識していたボージョレのガメイとまったく違って、ピノ・ノワールのようなワインに強く印象づけられていつか訪問したいと思っていたのが実現しました。
同シャトーはBeauneに本社を持つMaison Louis Jadotが1996年に購入し、27haのMoulin-a-Ventの畑と9haのBeaujolais Villages Blancの畑を所有。(最近Morgonに35ha畑のあるChâteau de Bellevueも購入した)
色々な説明を受けました。
1. Moulin-a-Ventの土壌がマンガンを多く含む花崗岩の土壌であり、コシのしっかりした長熟タイプのワインができる。
2. 19世紀のBeaujolaisワインは除梗せず木樽中で3週間のマセラシオンがなされタフで3~4年も熟成が必要であった。第一次世界大戦で男手不足のため、トラクターやアンモニア系肥料の使用、醸造スピードが速くなったりした結果軽いワインが造られてきた。同シャトーでは、一般的な栽培・醸造法でLouis Jadotのノウハウを駆使した改良に加え、自然酵母の使用、補糖なし、すべて樽熟成などを実行。
3. 同シャトーの畑は5つのclos; Rochegres、Thorins、Champ de Cour、Grand Carquelin、La Rocheに別れている。100mしか隔たっていないのに表土の厚さや高度に差があり、出来上がるワインの味わいにも微妙な違いが認められます。
同シャトーのAOC Moulin-a-Ventは、上記5つのそれぞれの単独畑名がついたものと、ブレンドしたChâteau des Jacquesの6種類あります。AOC Moulin-a-Vent ThorinとLa Rocheを試飲させてもらいましたが、やはり私が認識していたガメイというよりピノ・ノワール的でフルーティでfeminineな味わいでした。同時に試飲した同社シャトーのMorgonは対照的にシラーみたいでBoyishでした。どちらもブラインドテイスティングさせられたら、私の能力では当てられないだろうなと思いました。
4. ワイナリーを案内しているCasternau氏の話し方から、彼が如何にぶどうとワインを愛しているかが感じられました。醸造では優しくぶどうを扱い、セラー内では、樽のワインと対話するような感じです。Moulin-a-Ventは女性的でおとなしく熟成するし、Morgonは大変やんちゃな熟成過程をたどる。雪の降る2~3日前にはワインが閉じる。これは蜜蜂の行動と同じで人間が忘れた感覚である。セラーの床はセラー内に悪い気が篭らない様にするためコンクリート張りにしない土間である。セラー内の電磁波をきらうなどなどワインが生き物であるかのような接し方でした。
5. セラー内のあちこちの壁に昔書かれていた言葉を解説してくれました。
(1)一日幸福でいたければよっぱらえ。
(2)2日間幸福でいたければ結婚しろ。
(3)8日間幸福でいたければ貴方の豚を殺せ。
(4)一生幸福でいたければ今から毎日ワインを飲め。
3時間の訪問の後、すぐ隣にあったGeorges Duboefの無料テイスティング会場に入ってMoulin-a-Ventを飲んでみましたが、やはりそれまで認識していたガメイの香りと味でした。この差は何から来るのか、土壌の差もあるにしても、昔の自然を尊重する栽培・醸造のフィロゾフィーなど全体的なものと思いました。