ゴルフ直線打法 -5ページ目

楽天スキンズマッチ観戦記

偶然アニカ・ソレンスタム、ポーラ・クリーマー、宮里藍、上田桃子の各選手が登場する、楽天スキンズマッチの録画をテレビで見ました(08-12-28)。

ごく短い時間しか見られませんでしたが、ソレンスタム、宮里、上田の各選手のスイングの特徴は良く見えました。残念ながらクリーマーのスイングの特徴は確認できませんでしたが、上田が腰の回転で打っているのはよく見えました。宮里は以前のダウンに入ると同時に右踵が上がるスイングがすっかり改善され、かなり長く右脚の踏ん張りが見られました。

これに対してソレンスタムのスイングは、両足が完全に地面を押しつける形で実行されます。当然方向性が良く、パットでも不要な回転のないボールが真っ直ぐホールに向かって突き進みます。

これらの動きを見ていると、「回転イメージの行き着くところ」(08-12-29)の内容がそのまま具体化されているのを見るような感じでした。

回転イメージの行き着くところ

「回転イメージか直線イメージか」(08-12-28)では、スイングを作る時のイメージが「回転」を中心に置くか「直線」を中心とするかの二通りになることを見ました。

「回転イメージ」によってどのような動きに導かれるかを考えてみると、腰の回転の動きで腕を振るという考えに導かれます。この動きを試してみて下さい。何となく一定の腕の振りが実現します。その結果これを利用してクラブを振るという考えに導かれます。

この形のスイングには決定的な欠点があります。それは体の動きが地球に強く結びつけられないということです。これでは強力なスイングの動きの実現が難しくなります。極めて優れた体力の持ち主にしか実用にならないスイングになるわけです。

これに対して「直線イメージ」では、始めから脚腰背骨回りの大きな筋群の働きで地球に働き掛け、その反作用を利用してクラブを振ります。

どちらが有利であるかは明らかです。体力や体重に恵まれないゴルファーには、絶対に「直線イメージ」がお勧めです。

回転イメージか直線イメージか

スイングの実行には、常にこれを支える基本的な動きのイメージがあります。ここには一点(頭)を中心とする「回転」のイメージと腕の直線的な動きを支える「直線」イメージとがあります。

これら以外のイメージは複雑過ぎて実際の動きを作るには適さないでしょう。

「回転イメージ」は頭を中心にして体を回転させることでスイングの腕の動きを作り出し、「直線イメージ」ではとにかく直線的なインパクトの腕の動きを作り出そうとします。

頭を中心とする回転的な体の動きを主体としてボールを目的方向に打つ腕の動きを作り出す方法はいろいろ考えられます。何れの場合も複雑な動きの選択と制御が必要になります。

これに対して「直線イメージ」では、まず目標方向に向けて振りやすい腕の動きを考え、これを支えるように体の動きを作る、という操作を繰り返す中に、目標に適した体の動きが決まります。あれこれ迷う危険がありません。

このように考えると、「回転イメージ」を中心としたスイング作りの話には注意が肝要、という結論に到達しますが如何でしょう。

欠礼のご挨拶

体調の不良に堪えながら、「核心打法」の特徴的な体の動きの構造を分かりやすく捉え直すことを目的として最近のブログを書き進めて来ました。しかし体は未だに医師の支配下にあり、体調もなかなか好転しません。

世間は既に新年を迎える支度に入っていますが、自分自身はブログの短い文章を書くのが精一杯で、例年のように数多くの年賀状を発送する気力も体力もありません。結局今年は欠礼ということに致しました。

このような状態でもなおブログを書き続ける理由は何でしょうか。実は、体という複雑なものに目的に適した動きをさせる仕組みを捉えるには特殊な考え方が必要なのです。普通の場合には科学的な考え方は基礎的な概念の組み合わせで実現します。

ところが、体の動きの場合には、この基礎的な概念を自分で固めなくてはならないのです。体の動きの仕組みを詳しく分解し、その組み合わせで目的とする動きを作ろうとしても、詳しく分解する仕事には切りがなくて役に立たないのです。結局丁度良い程度の仕組みを基礎として捉え、その組み合わせを利用するしかありません。いわゆる統計的思考法の適用です。

結局、ブログは私の本職の仕事の具体化の話なのです。よれよれの体でブログを書き続けることをお許し下さい。「雀百まで踊り忘れず」というわけなのです。

基本に返る

家の近くの大きな書店に行ってみたところ、無数とも言えるように多くのゴルフの本が売られていました。真面目に本でも読もうかと考えるゴルファーは、これでは「情報公害」の影響を逃れることはできません。

ここで一番効き目の良い解毒剤は「基本に返る」ことです。

そこでクラブを一本握り、目の前にある机の脚にフェースを当てて力の限り左に押すことを試みます。これでフェースのソール前端が真っ直ぐ机の脚を押すように腕や体の体勢を作ります。

この極限動作では、無駄な動きは一切排除され、スクエアなインパクトの実現に必要な体の体勢とこれを支える動きが体感的に把握できます。グリップのあり方までがこれで決まります。「マジック・グリップ」型の必然性が確認できます。

これまでの一つ一つの動きの話の内容が、ここで実用的な形に集約されるわけです。

簡単なことですから是非試してみて下さい。

目は人を騙す(だます)

ゴルフの動きを教える立場の人も、必ずしも複雑な人間の体の動きの仕組みに精通しているわけではありません。この場合、スイングの動きを目で見て、経験に基づいてその善し悪しを判断しているのです。

ところが、判断をする人の目は、物事の真実よりはその人の思い込みに左右される所が大きいのです。ここで「目は人を騙す」という危険な現象が現れるのです。

スイングを教える人は如何にも自分は客観的な立場から見ているような説明をしますが、多くは彼の経験に基づく思い込みに依存しているのです。結局その言葉は「目は人を騙す」という危険から逃れることはできません。

目が人を騙す危険を自覚する人は、自分の判断の根拠を可能な限り客観的な事実に求める努力をする必要があります。

世間に横溢する、思い込みに基づく教祖的な話には警戒が必要です。

環境としての地球の役割を体感する

「経験者が語る体の動きの理解の必要性」(08-12-23)では、マイク小西氏の理論が「人体構造学と力学」に基礎を置きながら体の動きと地球の動きの間の相互作用が明確に示されていないことが難点であるとし、人体が置かれた「環境」を明確に意識することの必要性を指摘しました。

しかし、環境としての地球を考慮すると言っても、これがとういうことかは明確ではありません。そこで今回はこれを体感的に理解することをこ試みます。

まず立ち上がって体が地球に固定される感覚を捉えます。これは体重が地球を押し、その反作用で体が押し上げられてバランスし、固定されているわけです。

ここから、体を安定に保ったまま、地球(地面)を左に押す動きを作ってみます。

この動作で体が地球を押すと、その反作用として地球が体を右に押し返します。

この反作用が脚腰の筋群の働きを通じて体の重心を安定に保ちながら右方向に押します。脚腰は地球を左に押し地球が脚腰の動きを通じて体を右に押し返す、という形になることがこれで体感できます。

単純に体をくるりと右に回すことで腕が右に振られるのではないのです。面倒な話ですが、この辺りの理解がないと思うように腕を振ることができず、あてどもなくあれこれの動きを試み続けるという、暗闇の中をさまようような思いを経験することになります。

経験者が語る体の動きの理解の必要性

手許に、マイク小西著「日本のプロでは直せない」(日本文華社1990年)、「続日本のプロでは直せない」(同1991年)があります。現在アメリカ在住の小西氏は、二十代に外資系商社マンとして世界中を飛び回りながらゴルフに熱中しハンディキャップ1にまで到達したとのことです。

その間にゴルフの理論を求めて苦闘し本を読み進める中に、結局人体構造学と力学の必要性に着目してその成果を纏めたのがこれらの著書であるとのことです。確かにこれらの本の説明は動きの形とその作り方を詳しくしめしています。この点は従来の経験だけに頼る理論家の説明よりも遙かに優れています。

しかしその動きを写真で見ると、どこか腑に落ちないところがあります。それは「続日本のプロでは直せない」の表紙を飾る小西氏の姿にも見られる、ドライバーでのインパクトの動きで右膝が引き込まれて右踵が浮き上がる動きです。

これを見ると、小西氏の理論が「人体構造学と力学」に基礎を置きながら一つ大きな問題点を含んでいるように思われます。それは、体の動きと地球の動きの間の相互作用が明確に示されていないということです。これを考慮すれば、右脚ももっとしっかり地球を押す体勢に入る筈です。

普通のゴルファーである私が、ハンディキャップ1の達人の理論に異議を唱えるのは不遜の限りですが、世界で戦って来た青木功プロも、インパクトで右踵を上げずに両足で対地を踏みしめる「ベタ足」の重要性を指摘しています(「賢者のゴルフ」カッパブックス)。

このブログでの議論は、脚腰背骨の働きで地球に食いつく動きを最重要なものとして展開されて来ています。人体が置かれた「環境」を考慮に入れることが、スイングの理論には必須と見るのです。

背骨の回転の動きには二通りある:続

背骨の回転の動きに二通りあると言う話(08-12-21)では、背骨が首を含めて一本の棒のように回る場合と、腰椎、脊椎、頸椎がそれぞれ回転の動きをしながら顔は正面向きに保たれる場合との二つの動きがあることを確認しました。

この後者の動きで、クラブを振る動作に関係する大事な体の動きが生まれます。

顔を正面に向けたまま体の左側を右に押す動きをすると、体の右側がこれを助けるように右に引き、体の右側を左に押す動きをすると、左側がこれを助けるように左に引くのです。

立った状態でこのような動きをすると、これに伴って両脚の動きが現れ、それぞれの動きの限界で下腿の動きが現れます。ここでは下腿の動きは体の回転の動きを生みます。これで実際のスイングの動きが生まれることになります。

以上が「核心打法」を支える脚腰の動きの構造です。

今回の話は新しい動きの作り方の話ではありませんが、「核心打法」の動きが合理的な体の動きの仕組みで支えられていることが明らかになり、「核心打法」の動きに疑問が生まれた時に自分で解決するための手がかりが得られる筈です。

背骨の回転の動きには二通りある

背骨の回転の動きには一体回転か部分回転の繋がりかという二通りの動きがあるのです。これを確認するには、ベッドの上に天井向きに横たわり体を伸ばします。ここから腰を左方向に回してみます。

この時、背骨を軸に体を左方向に回転すれば確かに腰が左に回ります。しかしこの動きでは頭も左に回転してしまいます。「腰を左に回す」と顔も左に回ります。この場合は、背骨は「一体回転」で左に回転しているわけです。この「背骨を軸とする体の回転」のイメージでクラブを振ると、問題になった「体重移動とスイング面の組み合わせ」が生み出されます。

次に体を上向きに保ったまま腰を左に引いてみます。この動きの場合は、顔は天井向きに保たれたままになります。更に注意して見ると、腰を左に引く動きで胸が右に引かれ、さらに首が左に引かれながら顔は天井向きに保たれることが分かります。この動きの場合は、腰椎が左に回り、脊椎が右に回り、頸椎が左に回っているのです。これで頭は正面向きに保たれるのです。

この「部分回転の繋がり」で生まれる背骨の動きが「核心打法」の背骨の動きで、これに繋がる足腰の動きは体を地球に固定するように動きます。これに対して「背骨を軸とする体の回転」のイメージでは足腰はただ体を回転させるように動きます。この動きでクラブを振ると、いわゆる「回転打法」が生まれるわけです。

背骨は単純な棒状の軸ではないのです。軸回りの回転という「回転打法」のイメージは十分警戒する必要があります。それでも慣れればボールは打てるわけですが、難しい球筋のショットが出るでしょう。マジック・グリップで実現する「核心打法」のスイングは、これに比べれば遙かに安定なショットを実現する筈です。