【春日部市】銚子口香取神社 | ぼっちあるき

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天満宮から銚子口香取神社に向かっています。

 

 

県道の交差点にブロック塀で囲まれた石碑がありました。野晒しなので風化が激しく分かりにくいのですが、庚申塔のようです。春日部市内には200を超える庚申塔が確認されていますが、こうして風化していくものも多く、現存している庚申塔は少なくなっているかもしれません。

 

現代でも庚申講は残っているんですけどね。ただ、寝ている間に体内に棲む三尸(さんし)が天帝に悪事を告げに行くなんて、「そんなの迷信だ」と一蹴されてしまいそう。その為に夜通し起きているというのも、翌日に有休でも取らなければ出来ないですもんね。

 

 

香取神社の近くにある駐車場の一画に、立派な庚申塔が三基も並んでいます。左端の青面金剛はショケラを握っており、真ん中の三猿は「見ざる」が外向きに彫られています。右端の文字塔には、青面金剛の姿に似た軍荼利明王を表すと思われる種子(しゅじ/梵字)が刻まれています。

 

これはもう、個人的には国宝ものです。あまり劣化していないように見えますけど、真ん中のショケラは欠けてしまったようです。各地にたくさん遺っているし、民間信仰だからあまり重要視されていないのかもしれないけど、このまま朽ちていくのは惜しいなぁ。

 

 

香取神社の本殿裏にある浅間社と三峯社。古墳のようにも見えるし、富士塚のようにも見えます。銚子口香取神社は、明治期に八雲神社と稲荷社と雷電者を合祀しています。また、豊野工業団地の造成時(昭和57年)には水天宮も合祀されています。この地域の総合神社みたいな感じですね。

 

 

手水舎にダウンコートの忘れ物がありますね。先日鶴見(横浜市)のお寺でも婦人用の帽子の忘れ物がありましたが、暖かくなったせいでコートを脱いだこと自体忘れてしまったのかもしれません。

 

正義感の強い人だと、手に取って交番へ届けるんでしょうけど、こういうのって難しいと思うんですよ。というのも、届け出る途中で持ち主と遭遇した場合、置き引き犯と間違われてしまう可能性がある訳です。だから僕はスルーします。「そのうち気付くよね」と呟きながら。

 

 

参道にずらりと並ぶ庚申塔。猿田彦大神と刻まれたものが三基もあります。庚申塔の三猿と猿繋がりで習合しちゃってる感じですね。猿田彦は天孫降臨の際に道案内をしているので、道祖神の役割を果たすこともあります。それも併せて、庚申塔が道標になってるケースも多く見られます。

 

 

例によって社殿裏からのアクセスになったので、最後に鳥居の写真です。なんか殺風景に感じるのは、参道に敷石が無いのと、両サイドに並木が無いせいでしょうね。都市部のように参道がビルに挟まれているよりはマシかもしれません。

 

銚子口香取神社では、毎年1月・7月・10月の3回、獅子舞が奉納されています。元禄十年(1697)に越谷から伝わったもので、日本無双角兵衛獅子と呼ばれています。無双ですからね。他に類を見ないってことで、春日部市の無形民俗文化財に指定されています。

 

獅子舞は悪魔祓いや疫病退散の為に行われますが、こうして何もない日に訪れると、神社が賑わう日があること自体が嬉しく思えます。獅子舞の「中の人」は大変でしょうけど、是非伝統を繋いでいって欲しいですね。

 

次回は、銚子口香取神社の別当だったお寺に立ち寄ります。それではまた!