京都 智積院さまの朝の勤行へ
参座させていただきました時のことを




後からお越しになられた
お二方の僧侶の方が
着座されても
定刻がまだなのでしょう


しばし
鳥の鳴く声に
包まれているうちに
肩の力がいつのまにか抜けておりました



やがて
左側の席の
一番私どもに近い座に座られた
黒衣の僧侶の方が
経机の横に置かれた打具を打ちながら
お経を唱え始めました

それに合わせて
居合わせた僧が
声を揃え読経されます


まるで
読経の声が
天から降ってくるような
そして
前から押し寄せてくるような
凄い迫力に圧倒されます


登高座に御導師さまが
着座されました


長い長いお経です


しかしながら
どの僧侶の方も
経本を手にしてはおられるものの
それに頼るのではなく
覚えているお経を
眼で追っているだけです



長いお経が終わったのちも
リードする僧侶の方は
替わりません


新たなお経
多くの御真言を
同じ方がリードし
それに従うかたちで
勤行は進められました


一瞬も気を抜けない
重要なお役目です

一度もつまずいたりすることなく
その大役を終えられました

凛とした横顔
張りのあるよく通るお声

御仏の教えを
人に伝え
後世に残す

そんな強い信念を感じさせる
素晴らしい読経でありました




金堂でのおつとめのあとは
右隣にございます
明王殿へとご案内いただき
お護摩供養へ参座させていただきました








不動明王さまを中心に
寄り添うように童子さまがおられ
さらに
四明王さまがその脇におられる
大きな大きな 須弥壇です


私どもの座す位置からは
それなりに距離があるため
尊像はみな黒く見えますが
長年のお護摩で
黒い色を呈しておられるので
ありましょう


こちらのお不動さまは
智積院が
かつて
紀州根来寺の塔頭であったころからの
お不動さまと伝わるといいます


根来の農民の麦つきを
代わってしてくださったという
伝説により『麦つき不動』とも
呼ばれるといいます




お護摩供養が終わり
ご案内くださる僧侶の方が
庭園のご案内へ誘う声が
聞こえます

これもまた
各々の希望で自由参加です


この明王殿にいられるのであれば
ずっとここに居たかった 私
でございました



…これって
〟ですよね
煩悩〟ですよね

五大明王さまも
手を焼くほど
筋金入りの煩悩
ということなのでありましょうか



抑え難い気持ちを抑え
ご案内くださる僧侶の方の列の
一番あとに連なりました














続きます