【これからの未来に必要な教育とは?】
教育の世界で仕事をはじめて、四捨五入すればもう20年。
これまで度々友人や知人の子どもやその知り合いの子どもの学習についての相談を受けてきました。
大学院で「国語教育」を専攻したこともあり、作文・小論文などは力を入れて指導しているものでもあるので、「作文をちょっと見てほしい」というような具体的な話も多いですが、進学などの話題の場合ももちろんあります。日々教室で出会う生徒・保護者の方とも交流してきました。
先日も知人から相談され具体的な教科の学習の話にはじまり進路についての話など小一時間していました。
会話の端々でその方の根本的な教育観というか学習観にとても違和感を感じる瞬間がありました。
以前から感じていたことではありますが、多くの小中高生の保護者の方にも共通するある考えがあるように思います。
ある意味で当然といえば当然の考えなのですが、そろそろ考えをもっと柔軟に、あるいは、広い視点を持ったものにしておかないと、けっこうヤバイんじゃないかって思うのです。
これまで僕自身はずっとその危機感のもと、教育という世界に身を置いてきたつもりです。
直接会話ができる人はもちろん、ネット上のメディアでも、はたまた大学院での研究においても、一貫してこの危機感をベースとした言動をくり返してきたつもりです。
でも、あまり伝わっていないような気もしています。
きっと僕の伝え方がいけないのでしょうが、それでも、もう四の五の言っていられない状況だと思うのでも、もっともっと直接的に伝えないといけないという気がしてきました。
最近特にそう強く感じることが多くあって、「あれ?みんな大丈夫かな!?」「ちゃんと準備しているのかな!?」と思うので、こんな発信をしてみました。
大きなお世話だと思う人もいるでしょうが、そういう仕事なので、職業病とでも思って笑い飛ばしてくれればいいです。
以下、心ある人はお読み頂ければ幸いです。

多くの人は「勉強」というものを、きっとこう考えていると思います。
「勉強=学校の勉強=入試で合格するための勉強=テストのための勉強」
はっきりとそうは考えていなくても、多くの人の実際の行動は「テストのための勉強」となっています。
別にそれが悪いというわけではありません。
何ならテストほど自分の能力を引き上げてくれるツールはないとさえ思っています。
でも、極論すると多くの人は「テストのため『だけ』の勉強」をしています。
テストのスコアや入試の合格がゴールになる勉強です。
どうでしょう?
あなたは、あなたのお子様はそんな勉強をしていませんか?
こういう考えで勉強に臨んでいては、子どもの将来を考えたときに必ずしもプラスにならないのではないか、と以前はその程度に思っていました。
が、最近の傾向をみると、そういった考えを持たれているからこそ、目先の利益であるテストの点数や成績、入試の合格という結果さえも手にできないのではないか、とすら思うようになりました。
仮にそうした勉強で、テストの点や入試の合格は手に入れられたとします。
それはそれで一つの目的とはなりますが、そういう思考では、テストが終われば勉強は終わり、入試が終われば勉強は終わり、という行動を取ることになりがちです。
多くの大学生がろくに勉強しないという現象は、こうしたマインドを持った人が多いという証拠でしょう。
はたして勉強の目的が、終着点がそんなもので良いのでしょうか。
そんなもののために子どもたちは日々嫌々勉強しなければいけないのでしょうか。
いや、そんなものだからこそ子どもたちはどんどん「学び」から遠ざかっているのではないでしょうか。
かつてはそれで良かったかもしれない。
「テストのためだけの勉強」をして良い学校に入れば、良い大学に入れる。
良い大学に入れれば、良い会社に就職ができる。
大学を卒業して良い会社に就職すれば、それで人生安泰という世の中が確かにありましたから。
ただ、残念ながら、もうそんな時代は終わりました。
いやいや、まだまだ学歴は重要だという人もいるでしょう。
確かに就職の段階ではまだまだ学歴が採用の基準になるところもたくさんあるでしょう。
しかし、入ったあとは?
入社後すぐに、もう全く違う指標で評価されます。
「高学歴だけどツカエナイ」人っていっぱいいますよね。
テストのスコアを取るため『だけ』に勉強をしてきた人が、それ以外に自分自身を磨くことをしていなければ、ある意味で当然の結果ともいえます。
近い将来、日本の学校の学歴は何の意味もなさない日がやって来るかもしれません。
日本が今置かれている状況をみれば容易に想像できます。
終身雇用・年功序列の崩壊。
大手企業による副業解禁。
少子高齢化・人口減少。
人工知能による仕事の消失。
・
・
・
外国では日本はすでに「沈みゆく国」とさえ言われているようです。
シンガポール建国の父、リー・クアンユー氏も著書の中で日本の未来についてこう語っています。
「もし私が若い日本人で、英語が話せたら、私は日本を出ていくだろう」
これらの現実を前に、これまで通りの「テストのための勉強」「テストのため『だけ』の勉強」を子どもたちにさせることにいったいどれだけの価値があるのでしょうか。
僕は不安でたまらない。
これらの現実に、いずれ子どもたちを直面させなければいけないのに、単にテストで答えが出せる程度の力しか授けられないのか。
先日、結果が公表されたOECD-PISAでもやはり日本の子どもたちは諸外国に比べて「学力」はそこそこあるが、「学習意欲」が低い傾向であることが示されていました。
そりゃそうですよ。
テストで点を取り、成績を取り、良い学校に入るための入試を突破するためだけに、何の意味があるかよく分からない勉強を延々とさせられて、挙句の果ては、そうまでして大学に入っても、「だから何?」という時代になってしまっているのです。
本当に「これって何の意味があるの?」って思うでしょ!?
それならスマホでゲームやってた方がいいやってなるでしょ!?
オトナはそろそろ本腰いれて、考えなければいけない。
もちろん、国とか都道府県で、ある程度一律な教育がしかれているから、「そうはいっても入試があるし、テストがあるし・・・」って思ってしまう人がほとんどです。
でも、その気になればそれぞれの個人が自分たちの考え、価値観に基づいて行動を選択できるはずです。
何となく学校に合わせて、テストや入試に合わせて、「みんなやってるし」「そういうものでしょ」とこれまで通りの勉強だけやっていても、社会に出て「ツカエル」人材にはなっていないなんてことにもなりかねません。
「だから、言ったでしょ!?」
「だから、あのときあれだけ言ったじゃん!?」
と、将来、僕自身がそう言いたくないので、直接的な言葉でも届けることにします。
多くの人に共感を得られなくても、届く人にだけ届けば良いとさえ思っています。
そういう方を全力で応援するのが僕の仕事だからです。
僕は決して聖人君子ではないので、価値観を共有できない人まで応援できるほど器が大きいわけではありません。
でも、もし日本が「沈みゆく国」だとして、そんな未来に目の前にいる子どもたちを今のまま放り出すなんてこと、とてもじゃないけど僕にはできない。
僕自身、この国に生まれ育ち、国を想う気持ちだってあります。
かつてのような経済大国であることは難しくても、日本が世界に誇れる国であり続けてほしいと願う者の1人です。
未来の日本を創造できる人財を育てたい
その一端が担えるなら・・・
という思いでこれまでやってきたつもりです。
それが20年近く僕が講師を続けてきた理由でもあり、未来への希望があり続ける限り教育の分野で活動していく動機でもあります。
それがなくなったら、未来への希望が描けなくなったら、僕は教育の世界から去ろうと思っています。
僕がそこにいる意味ないですからね。
自分の好きなことをやりますよ。
なんならリーさんの言うように海外移住ですかね。
でも、まだもう少し闘ってみようと思うわけです。
だから、僕と同じように今の教育、学校の勉強について疑問や不安をお持ちの方、我が子の近い将来を不安に思われている方は、ぜひ具体的な行動をとっていただきたい。
今やっている勉強がどれほどのものか、単にテストの点数が上がった・下がったことに一喜一憂する『だけ』の勉強で終わっていないか・・・
その行動こそが大きな変化のための最初の、小さいかもしれないけど、でも確実な一歩です。
そんな行動の先にこそ明るい未来は描けるはずです。
「何を言っているのか分からない」「そんなわけない」と思った方、ぜひご連絡ください。
あなたの教育観(学習観)がどういったものなのか、これから先の未来を、特に子どもたちの未来をどう考えているのか、ぜひお聞かせください。
僕は預言者でも何でもありません。
ただ、現実を直視しているだけです。
その現実認識が甘いのであれば、ぜひ勉強させてください。
多く人は、きっと「学校」とか「入試」というもので、世界がはっきりと見えなくなってしまっているのだろうと僕は思っています。
そうだとすれば、少なくとも僕はその呪縛がどんなカラクリかをお伝えすることはできます。
だからこそ、これまで通りの学習スタイルはもう古いモデルだよってことを伝えたいだけです。
きちんと考えを持って現状認識されている方は、教育という分野に身を置いていなくても、そのことをよく分かっています。
むしろ教育界の人ほど、そうしたことにvividに反応していません。特に、塾や家庭教師、学校の先生など「教科学習」に従事している人ほど、現実と学習内容の隔たりが大きいように感じます。
教育の場ではないところで、こうした話を見聞きしている人はきっと多いはずです。
「少子高齢化」「人口減少」「社会人基礎力」「大卒新入社員の離職率」などなど。
こうしたことは教育と密接に関係することです。
ですが、多くの人が学校で、教室で、実際に目の前に提示された学習課題を応えることで精一杯になっています。
それが意味のあるものならまだしも、以前ほどの価値はなくなってきているとしたらどうでしょうか。苦しんで、耐え忍んで取り組んだその結果、たいして意味がないものを持つことになるだけだとしたら・・・。
ぜひ一度じっくり考えてみてください。
お子様の学習が今のままで良いのか。彼、彼女の将来の幸せを創るには何を、どうしてあげれば良いのか。
答えはそれぞれだと思います。
が、少なくとも、多くの人は現状のままではいられないはずです。
参考になる動画のリンクを貼っておきます。
ぜひご覧ください。
『未来をつくるのは子どもたちの想像力と創造力』
https://www.youtube.com/watch?v=tk8XJ-j4L_M
『これからの未来に必要な教育とは?』
https://www.youtube.com/watch?v=htycKsJg3KE
【以前書いたブログ記事】
http://ameblo.jp/learning-labo/theme-10090149561.html
