わかってもらえます?
「私の言いたいことわかってもらえます?」
これを英語でどう言うの?
こういう質問であった。
彼女によると、常に相手につたない英語で四苦八苦して何かを伝えているので、相手が理解したかどうかを確認したいらしい。
それで、通じたかどうかを尋ねるのに、
"Do you understand?" 「わかりますか」
という聞き方ならできるのだが、それだとニュアンス的に、 どうも横柄な気がするというわけである。
確かに、"Do you understand?" 「わかりますか」というのは、親が子供に、先生が生徒に、上司が部下に言いそうではある。
確かに、
"Do you understand?"
「私の言うことはあなたには難しすぎるのか?」
という婉曲な言い方に聞こえなくもない。
彼女は相手が理解できなくとも、責任は聞き手にないというニュアンスを含みたいらしい。
気持ちはわかる。
失礼のないように話したくて、謙虚に「わかっていただけます?」と尋ねたいのに、
"Do you understand?"
「私のレベルについてこれてるかい?」
なんてニュアンスが入るのもいやだ。
ということで、聞き手には責任を押し付けずに、自分が話した内容で伝わったかどうかを確かめるときには、私なら、
"Did I say that right?"
「正しく伝わったかしら?」
と言う。
簡単だし、覚えやすいのではないかと思う。
こんな風に、"Do you understand?"のようなシンプルな英語ほど、実は気をつけて使わないと、相手に失礼に聞こえる可能性を十分に秘めている。
以前の記事で、"I want ○○" という言い方が、「○○を持って来い」というくらい横柄に聞こえると言ったが、実際、日本の子供英会話クラスで勉強するシンプルな英語は、結構こういう横柄用語(?)が多い。
そして、当然こちらでは、そういった横柄用語(?)は、親なり、先生なりがきっちりと訂正している。
"What are you doing?"「何をしているの?」
というくらいのシンプルな文でも、言い方を少し間違えて、例えば"You"を強調して言うと、
「あんたっ、いったい何してんのさっ」
くらい、まるで盗み食いをしているところを、捕まえたような響きになる。
当然向こうの返事は、
「こっちの勝手だろっ」
シンプル英語が誤解を生みやすい例ではある。
たまに外国人で、英語が達者じゃないから、許してもらえる?あるいは大目に見てもらえる?と感じる人も少なくないが、実は外国人だから、余計にきつく聞こえるという効果のほうが高い。
"Who are you?"
"Eat this."
のようなシンプルなものも、ネイティブが使うのと学習者が使うのでは、かなり意味が変わるので、私は、
「お前誰やねんっ」
「これ食べろよ」
と訳すようにしている。
あと、余談だが、これは完全に私の偏見ではあるが、私は、
"Can you ~?" という聞き方が嫌いである。
使わないわけじゃないが、"Can you ~?" という聞き方には、意味合いが二つあって、一つはちょっとしたお願いに使う。
"Can you put the kettle on?
「やかんを火にかけてくれる?」
"Can you turn the light on?"
「電気をつけてくれる?」
こんな風に。
もう一つは、何かをする能力があるかを尋ねるという意味がある。
"Can you speak Russian?"
「ロシア語を話せる?」
"Can you drive a bus?"
「バスの運転はできる?」
こんな風に。
この両方の意味を利用して、屁理屈で返すやつが多いのである。
例えば、ティーンエイジャーあたりに、
”Can you pick up the trush/rubbish?"
「そのゴミを拾ってくれる?」
それをわざと、
「ゴミを拾う能力はあるかどうか」
と変換し、
やつらは、
"Yes I can" 「能力はある」
と即座に答え、そして決してゴミは拾われない。
と、こんな理由から、私は"Can you ~?"が嫌いで使わない。
相手が大人なら丁寧なお願い調で、"Could you ~"で聞き、相手が手ごわい子供なら、丁寧でソフトな命令口調で言うことにしている。
"Pick up the trush/rubbish, would you?"
「そのゴミ拾っておいてね」
だんだん、シンプルな説明のつもりが、複雑になってきたが、要は、
大人にはとにかく丁寧に。
子供にはとにかく、有無を言わせないように丁寧に。
英語の問題じゃなくなってきた・・・・(汗
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雨と海のお話
イギリスは雨が多いのに、傘を差している人が少ない。
少ないというより、何で雨がこんなにざあざあと降っているのに傘を差さないんだ?と不思議に思うほど、雨に無頓着である。
車で移動する人が多いということや、雨の空気中の密度が低いというのもどこかで聞いたことがあるが、しかし、しっかり降って、ずぶぬれになるような日でも、みんなフードのついた服を着て、フードを頭にかぶせて、傘なしでやり過ごす人のほうが圧倒的である。
もちろん服は濡れる。
日本人は濡れるのが大嫌いなので、日本では雨の日に傘を持たずに歩いている人のほうが珍しい。
イギリス人は濡れるのがいやじゃないのかと思ってしまうのだが、実はもう私もイギリスでは傘を持ち歩いてはいない。
少々の雨なら濡れていく。
そして激しい雨でも結構濡れている。
8月に野外コンサートに行ったのだが、開幕までずいぶん時間があるというのに、雨がざあざあと降っていた。
いすの上のくぼみには水溜りができるほどだ。
私と友人はフードをつけて、座って待つ。
ものの10分も経ったころにはもうずぶぬれである。
友人のコートも、私のコートからも、しずくがぽたぽたと落ち始めるほどに。
ちなみに、ずぶぬれ状態の濡れ方を"soaking wet"(ソウキングウェット)と言う。
"We're soaking wet" 「ずぶぬれだ」
こんな風に使う。
とにかくそんなに濡れると決して気持ちがいいものではない。
周りにいる人も、みんな悲壮な顔してコンサート前にしずくが滴っている状態だ。
そして30分も経った頃、ようやく雨がやんだ。
ところがここからが日本とちがう。
何がちがうかというと、乾くスピードが速いのである。
あんなにずぶぬれだったコートもコンサートが始まる頃には、すっかり乾いてさわやかな状態だ。
だから、多分この乾くスピードの違いが、傘を使わなくてもいい違いなのだと私は思う。
ということで、こんな雨の多いイギリスに海外旅行するのに、「傘」は必要がない。
傘の代わりにフードのついたジャケット1枚あれば、やり過ごせる。
国が違えば、必要なものがまったく違ういい例である。
ほかに天候や災害など、自然の特徴を知っておいても、損はないと思う。
日本には美しい4つの季節とともに、地震あり、台風あり、噴火あり、津波ありと、災害は盛りだくさん。
だから、よその土地の天候には割りと適応力があるように思うが、日本にないイギリスの特徴をひとつ。
日本もイギリスも海に囲まれた島国であることは同じだが、海の様子がかなりちがう。
ビーチへ行くのに日本じゃ、台風が来ているか、季節がいいかさえ考えればよいが、イギリスの場合、時刻表を見てから行かなければいけない。
何の時刻表かいうと、"Tide table"(タイド・テーブル)と言って、"high tide"「満潮」と"low tide"「干潮」の時刻が記されているものなのである。
海の近くに住んでいる人はみんな持っている。
イギリスの満潮と干潮の差は非常に大きく、時間を考えずに行くと、簡単に砂浜が消えていたりする。
砂浜に行ったはいいが、水没していて、「浜がない!」
あるいは、「水がない!」なんて両極端なこともある。
いや、本当に水がないわけじゃないが、例えばうちの近所の砂浜、干潮時には、沖に向かって、500mくらい歩いても、海水にたどりつけないほど、砂のグランドと化す。
さて、日本とはどれくらい違うか。
満潮のときの平均から、干潮のときの平均を引いたものを潮差というが、日本はだいたいそれが、1,5m~2mくらい。一番差のある有明海で、5mと言われている。
これが、イギリスになると、平均9mくらいあり、特に差の大きいところでは、12m以上にもなる。
ちなみに世界で一番差の大きいところはカナダのアメリカとの国境近くにある、"Fundy Bay"「ファンディ湾」で、だいたい13mくらいあるらしい。
イギリスは世界トップクラスなのである。
潮が引いていくときと、満ちていくときの様子は、なかなかすさまじいものがあり、川の逆流などもこういうときに起こる。
イギリスは寒いのでビーチなんて行くこともないのだが、機会があったら見るとおもしろいかも。
干潮時に、満ちたときの水がどこまで来ていたかというのは、浜の側面を見ると、コケなどで色がかわっていてよくわかる。
ちなみに、潮差の大きな場所に行くことがあれば、潮が満ちてくると水がいっぱいになるので、危険を感じる人も多いが、本当に危険なのは、潮が引いていくときである。
潮が沖へ引っ張る力というのは大変なもので、これに巻き込まれると本当に帰って来れない。
だから潮が引いていくときに、海に近づく人はこちらではいない。
ちなみにアメリカは南部のほうでは比較的、この潮差がなく、フロリダのキーウェストあたりになると、たった、30センチだとか、50センチの差なのである。
いわゆるいつも海が穏やか。
だからアメリカ人はイギリスでは、船を出せない。
潮の計算ができないと、帰って来れない、港を出られないなんてことになる。
船に乗ろうと誘われたら、カナヅチの私はやっぱり、イギリス人の船員が欲しい。
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リズム感
別にこれは私が個人的に感じることなので、調査したわけでもなんでもないが、全体に平均して英語圏の人のほうがリズム感があると感じる。
やはり音の抑揚のあまりない日本語は、すべての音が一定の長さという特徴を持つことから、長音や短音がいろいろ混じる英語に比べて、リズムの捉え方がちがう。
もちろん全体にややという程度なので、欧米人にもリズム感の無いどんくさい人や、日本人にも音感やリズム感がすばらしいという人はたくさんいる。
サッカーでもバレーボールでも、全日本クラスになると、観客一斉に掛け声や応援をする。
まぁ、士気を高めるために、一致団結して掛け声をあげるんだが、日本では、
「ニッポン!チャ・チャ・チャ(あるいは手拍子でタン・タン・タン)」
このリズムである。
なんとまた簡単なリズムなのであろうか。
応援へ行って、これができない人はほぼいないと思われる。
まさにリズム感がなくとも、全員ができるように考えられた応援なのだと思う。
さて、イギリスではサッカーが大人気で、もちろん同じように士気を高めるために、観客一斉の応援がある。
イギリスのナショナルチームの応援はこうだ。
「タン・タン・タタ・タン・タタ・タタ・(半拍休符)・England!」
どう考えてもこちらのほうが高度だ。
偏見かもしれないが、こんなの日本でやれなんて言うと、絶対にそろわない気がする。
日本は教育上、足並みをそろえるのが非常にうまく、みんなで何かをやるというときには、かなりの力を発揮する。
ところがリズムの足並みとなると、かなり下手な国民だと思う。
とにかくそこらじゅうで、
「せーのっ」だの、
「いち、にぃ、さんっ」
だのやっているが、必ず足を引っ張る人がいるような気がする。
リズム感は悪くとも、英語は勉強できるので、必ずしもリズム感がなくちゃだめというわけではないのだが、リズム感があると言語の特徴がかなりつかみやすい。
英語でも新聞や本を読んでいるだけでは、リズムはわかりにくいのだが、歌や詩になると、かなり音を意識して作られていることがわかる。
日本では子供に詩の朗読をさせる親というのはなかなかいない。
ところが英語圏では、結構いる。
それも毎日読ませるという親が結構いる。
これは詩というのを、言葉の意味だけでなく、音の語呂や韻を踏ませて作られていることから、言語のリズムもつかませる効用がある。
日本の詩や歌詞は、非常に意味が深く、すばらしいものも多いが、音に力を入れた作り方をしなくともよい場合が多い。
英語圏の歌詞はたとえば、内容が希薄でも、少なくとも音的には韻を踏ませているというように、意識するところが違う。
言葉遊びなども、そういう特徴をもって作られるので、韻を踏ませて言葉遊びをすることは、大人になってもやっている。
日本でも近い言葉遊びが、「ダジャレ」なのだが、
「アイム・ソーリー・ひげ・そうりー」
「変なシャレ、いいなシャレ」
「結構毛だらけ、猫灰だらけ」
などのように韻を踏ませているというよりは同音異義語を使っているという感じだ。
その点英語の韻は似た発音を集めるという作業になっている。
小さな子供たちが、「ばいばい、またね」というのを、
"See you later alligator, in a while crocodile."
(シーユーレイターアリゲイター・インナワイルクロコダイル)
とこんな感じに遊んで言うのだ。
そう言えば、日本で似たのもあったなぁ。
「さよなら三角、またきて四角、ごきげん五角でまたあした」
でもやっぱり韻は踏んでない。
"Easy-Peasy Lemon-Squeezy"
(イージー・ピージー・レモン・スクイージー)
なんてのもある。
日本人は意味を知りたい国民なので、「意味は?」とよく聞かれるのだが、こういうのは意味を考えてはいけない。
音を楽しむのである。
ようするに、「カンタンでお茶の子さいさい」という意味なのだが、翻訳するときには、日本語で韻を踏ませる必要はない。
しかし、たまに考えてしまう。
訳すときに、この音のおもしろさを伝えられないかなぁと。
「カンタン」と言う語と、韻を踏ませる語は、うーん、うーん、
「カンタン・・ワンタン・・・・・満タン・・・・・」
よしっ、ひらめいた。
「カンタン・満タン・お茶のこ、きのこ」
こんな翻訳、誰も理解してくれないだろうな。。。(汗
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ジェスチャーいろいろ
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愛車はポンコツ
「なんて車が豪勢なんだ!」
とにかく欧米で生活していると、日本に帰るとどの車も新車でぴかぴかに見える。
何しろ家もそうだが、車を買い換えるサイクルが早い。
車検にお金がかかるからだとか、新車が比較的値段が安いからだとか、理由はいろいろあるが、とにかくぴっかぴか。
そしてみんな大事に乗っている。
それに比べると、海外へ出たことある人は知っていると思うが、それはそれは強烈なポンコツ車が走っている。
イギリスは昨今、バブルも手伝ってか、かなり車の質はあがってきたと思う。
それでも、これまだ走るの?というような車は普通に走っている。
アメリカでもそうだ。
さて、何を隠そう、私の車も立派なポンコツ車である。
ポンコツの定義は知らないが、10年以上の年季の入った車ではあるし、何しろ走行距離が現在267000kmというすばらしい活躍ぶりである。
そして極め付けが、高速を走っていると、必ずボンネットが開く。
日本の友人にはそんな車、ルパン三世でしか見たことがないと言われた。
まさにポンコツの中のポンコツだ。
そんな「ポンコツ車」のことを言い表す英語表現が結構ある。
土地柄によってもいろんなスラングがあるので、ここに記すのはほんの一例ではある。
アメリカでは"a wreck" だとか"a heap"(ア ヒープ)とか言い、
"What sort of car do you drive?" 「どんな車に乗ってるんだい?」
"Mine's a wreck" 「ポンコツよ」
"I'll give you a ride" 「僕が送っていくよ」
"That's a heap!" 「ポンコツじゃん!」
なんていう使い方をする。
アメリカではレンタカーで古い車もあり、
"rent-a-car" 「レンタカー」ならず、
"rent-a-wreck"(レンタレック) だとか、"rent-a-heap"(レンタヒープ)と言って、堂々とポンコツ車のレンタルがなされている。
イギリスでも"a heap"で、十分通じるが、そのほかに、"a banger"だとか、"a shed"と言う。
"I'll give you a lift"「私が送っていくわ」
"What a shed!"「何てポンコツなんだ!」
いやみや皮肉たっぷりのイギリスでは、よくお金持ちの上流階級が、まさにロールスロイスで、出かけようというときに、
"Let's take the banger"「ポンコツで出かけよう」
なんておしゃれな言い方をする。
私が言うときと意味がちがう。
そんなポンコツ車も私には、履きなれた靴同様、それはなかなか乗り心地は悪くないのである。
しかし、今日の日記を見たら、私の日本の友人たちは、きっと私に迎えに来てほしくないだろうなぁ。(汗
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「コツ」を英語でなんていうか
この知人はヨガを習っているそうで、先生が難しい技をこうして、ああしてという風に説明するらしい。
しかし、人間見るだけでできればそう苦労はしない。
簡単に真似しろと言われても、なかなかできない。
そこで、彼女は
「コツを教えてほしい」
と思ったそうだ。
さて、この「コツ」であるが、私なら、"a knack"という言葉を使う。
物事をうまく行うちょっとしたテクニックという意味があり、教えるのが難しいというものでもある。
その「コツ」をよく心得ている場合、
"I've got the knack of driving a car"
「車を運転するコツを心得ている。」
"He's got the knack of getting girls to love him."
「彼はモテるコツを心得ている」
こんな風になる。
その「コツ」をよく心得ていない場合、
"I haven't got the knack of picking winning lottery numbers."
「宝くじで当たり番号を選ぶコツがわからない。」
本当にそれは「コツ」なのか? という気がしないでもないが、とにかく知ってると便利なテクニックではある。
ただ、"knack"「コツ」というものが、短時間のうちに、それほど努力しなくても使える秘密の技というようなイメージも否めないので、ヨガのような練習に、
"Is there a knack to it?"
「コツはありますか」
なんて聞くと、若干ニュアンスとして、
「手っ取り早い方法はないんかい」
とも聞こえ、先生から、
「練習に練習を重ねてください」
と言われそうな気もする。
同じように、そういえば英語でも、よく聞かれる質問ではある。
「英語がしゃべれるようになるコツは?」
1000本ノックにコツはない。
ところで、まったく関係はないが、「コツ」というと、日本語でよく使う擬声語として、ハイヒールが「コツコツ」となんていう表現があるが、これは英語でもある。
"click, click, click, click, click, click"
"clunk, clunk, clunk, clunk, clunk"
"click, click, click, click, click, click"
"clunk, clunk, clunk, clunk, clunk"
意味もないし、オチもない・・・・(汗
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「おちんちん」を英語で何ていうか
タイトルを見て、アダルト?と思ったかもだが、実はそうではない。
海外で小さな男の子を持つお母さんから、結構よく聞かれる質問なのである。
小学校の先生や、子供相手にしているとどうしても必要になる。
子供がいると、生活の中で1度や2度は使う場面があり、知らないとそれはそれで困るのである。
ただし、モノがモノだけに、そしてついてる場所が場所だけに、下手に辞書で調べて、そのまま使うと、むやみに堅い医学用語になってしまうか、最悪は、ポルノ用語になってしまう。
息子に向かって、
「おちんちんが痛いの?」と聞きたいつもりが、
「男根が痛いの?」なんて、そんな響きはぜひ避けたい。
結構笑えないのである。
ということで、「おちんちん」を英語で何ていうか。
もちろん、5歳未満くらいの小さな子供に対して使うような言葉である。
とにかく一番よく聞く一般的な口語が、
"Willy"(ウィリー)
である。
これだと間違いなく、イギリスでもアメリカでもついでにカナダやオーストラリアでも通じる。
ただし、やはり日本語は「おちんちん」なので、そんな大きな声で言うことでもない。
アメリカでは、"Winky"(ウィンキー)という言い方も聞く。
しかし、イギリスではほぼ誰も使わないので、いい歳をした男性が使うと、子供にいたずらでもするのかと思われるような、そんなイメージではある。
私の知り合いのおばあさんは、孫に対して使っていた言い方が、
"a little man" であった。
雰囲気としては「ちっちゃなムスコ」と言った感じであろうか。
これも遠まわしでなかなかいいと思われる。
たまに小さい子供が母親に、
"Keep your willy in your trousers"
「おちんちんはズボンの中にしまっておきなさい」
と言われている光景を見て、噴き出しそうになる。
小さいうちから言われるせりふなのね。
ちなみに男女兼用で使われる便利な言い方もあって、
"the private parts" とか "the privates" とか言う。
そのまま「秘密の部分」という感じなので、ダイレクトさは抜けて、通じやすい言い方でもあると思う。
これは子供以外の年齢層も使える便利な言い回しではある。
"You should not touch your private parts"
「ダイジなところをさわっちゃダメよ」
なんて風に使う。
子供向けに使うのを中心に並べたので、大人向けに使いたい人は、別のサイトで探していただきたい。
ここは18禁ならず、上限が5歳の、5禁(?)用語ということで・・・・。
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ところ変われば、名前変わる
海外への航空券を予約するときには、パスポートに記載の氏名をお客様に尋ねる。
空港でパスポートと名前を照合するからである。
ある日本人のお母様が息子のアメリカ行きの航空券を取るのに、電話をしてきた。
私は事務的に予約を進める。
私 「では出発される方のお名前をください。」
客 「○○ しんいちです。」
私 「○○ しんいち様ですね。パスポートに記載どおりですね。」
客 「あの、『しんいち』の『しん』と『いち』の間に、横ぼうのハイフンを入れてください。」
私 「は? ハイフンですか? あの、パスポートにそのように記載されてますでしょうか?」
客 「いえ、記載されてませんが、必ずハイフンを入れてください。」
私 「パスポートどおりのお名前をそのまま伺うことになっておりますので、ハイフンは入れかねるのですが・・・」
ところがこのお母様、ハイフンを入れろと言って聞かない。
そんな客は今までいなかったため、とても不思議で、事情を聞いてみた。
何度かすでに海外には渡航しているようだったのだが、問題は彼の名前で、「しんいち」という名前をローマ字で書くと、
"Shinichi"となる。
これをアメリカ人が発音すると、"n"と"i"を一緒に発音してしまうため、 「シニチ」という発音になってしまう。
そこで、このお母様、勝手に「シニチ」を「死に地」と頭の中で漢字にして、不吉だと言って聞かないのである。
気持ちは確かにわかる。
名前というのはもともと海外のことまで考えて名づけていないものがほとんどなので、音や意味が外国へいくとがらっと変わるものも多い。
だからうまく呼んでもらえないものなのよね。
「しんいち」だけでなく、ちゃんと発音してもらえないほうが大半ではある。
「ちなつ」"Chinatsu"さんは「チャイナツ」
「ゆき」"Yuki"さんは「ヤッキー」
「ゆみ」"Yumi"さんは「ヤミー」
日本人だって欧米の名前をきちんと発音できていない場合も多いので、その辺はお互い様ということで、許してあげてほしい。
あと偶然に発音が、ある言葉の発音と同じになってしまって、きっとおもしろい名前だなぁと思われているようなのもたくさんある。
たいちゃん→(Tie)ネクタイちゃん、縛りちゃん
しゅうちゃん→(Shoe)靴ちゃん
だいちゃん→(Die)死ねちゃん
ななちゃん→(Nana)ばあちゃん
ゆきちゃん→(Yuk)汚ちゃん
まみちゃん→(Mummy)ミイラちゃん
さいこちゃん→(Psyco)キチガイちゃん
ゆみちゃん→(Yummy)おいしいちゃん
たくちゃん→(Tack)画びょうちゃん
ゆうちゃん→(You)あなたちゃん
あいちゃん→(I)私ちゃん
しんちゃん→(Shin)むこうずねちゃん
しんちゃん→(大半の日本人はSinと発音する)罪ちゃん
こうちゃん→(KO)ケイオーと読むので、ノックアウトちゃん
みゆちゃん→(Mew)にゃんちゃん
まぁ、こんな風に並べるときりはないのだが、海外に行くことなんて想定して名前をつけてはいないことがうかがわれる。
気になる人は、9月19日付の日記
に書いたように、ニックネームを作ってそれをそれを使うというのも手ではある。
あと苗字で「下」がついている人は、どうしても"Shita"(クソ)が入ってしまうので、ちょっと英語圏では、なかなかつらいものがあると思われる。
そういう意味では竹下首相も"Takeshita"が区切るところによっては、「クソクラエ」と読めて、かなり覚えてもらいやすい名前ではあった。
テニスの選手の伊達公子さんも初期の頃は「だて」"date"を、「デート」と呼ばれるたびに、「ダテ」と訂正していたらしい。
たかが名前、されど名前、なかなか英語まで考えて命名するのは大変ではある。
ちなみに先ほどの「しんいち」さんのお母様であるが、
「かしこまりました。ハイフンが入れられるか交渉してみます」
そんなの入れられるわけはないんだが、とりあえずは頑固なお母様との電話を切った。
そして予約するときに、
「○○ S」 という風に、イニシャルだけ入れておいた。
だけど、苗字の最後が、"Ka"で終わっていたので、「シニチ」が免れた代わりに、
「○カス」にはなってしまった。(汗
お客様サービスとインド人
ご迷惑をおかけいたしました。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
さて、ことの始まりは木曜日、朝いつものようにPCの電源を入れて、つなごうとすると、PC上のモデムのシグナルが、普段は
赤→黄色→緑 と変わるはずが、
赤→黄色→赤→黄色 と繰り返し、緑のゴーサインに行かない。
当然接続もできない。
PCやモデムに問題はなさそうなので、しかたなくプロバイダーに電話をすることにする。
ところが最近のイギリスは、どこの会社も人件費削減のためか、必ず最初に電話に出るのは、機械である。
そういう英語はわかりやすい美しい発音の声も多い。
"Welcome to ○○○ Broadband"
「○○○ブロードバンドへのお電話ありがとうございます。」
"Please listen carefully to insure you choose your option correctly"
「注意深くお聞きになって、正しい番号をお選びください」
"If you're △△△, please press one"
「△△△のお客様は、1番を押してください」
"If you're XXXX, please press two"
「XXXXのお客様は、2番を押してください」
"If you're □□□, please press three"
「□□□のお客様は、3番を押してください」
(延々と続く・・・)
私はこの手の機械との会話(?)が嫌いである。
聞きそびれたとしても、繰り返してくれず、またいちから聞きなおしなんてよくあることだ。
私のトラブルも切羽詰っていたので、「生きた人間」につながるまでとりあえず粘る。
そうすると「生きた人間」に回してはくれるのだが、最近のカスタマーサポートは、これも人件費削減のためか、必ずインドに転送される。
当然受け答えするのは、インド人なのである。
インドのインド人とイギリスにいる私がイギリスで接続できない回線の話をして、解決するのだろうかと、気が遠くなりそうになる。
そして彼らはクレーム処理に慣れているのか、まず疑ってかかるのはお客様の不備である。
"Is your modem cable connected?"
「モデムケーブルはつながってますか」
いらいら、いらいら。
つながってるってば。
そうかといえば、急に難しい専門用語っぽいことを聞いてくる。
"I'd like you to change to 'BULK' from 'ISO' in XXXXXX"
「XXXXXで、『ISO』から『BULK』に変更してください」
何言っているかさっぱりだわ。
君の英語の発音が悪いに決まっている、と、自分が知らない言葉であることは、棚に上げてしまう。
そんなこんなで40分ほど格闘したあげく、相手は
"There's no signal going through to your house."
「シグナルがそちらに流れていないようですね。」
と言った。
最初からそれを調べてくれれば早いのに。
そして彼は、BT(イギリスのNTTにあたる)のエンジニアに調査させ、48時間以内に連絡すると言った。
48時間! 丸二日!
ちなみにイギリスで、丸二日と言われたら、丸二週間のことであると言ってもいい。
もう今や、インターネットと言えば、ライフラインと言ってもいいくらいだ。
ライフラインを断たれた私は、すっかりしょんぼりしてしまい、ほぼあきらめていたのだが、不思議なことにちょうど丸二日で、
"BT have fixed a fault on your line."
「BTは回線の修復をいたしました」
こんなメールが携帯に届きました。
おおっ、珍しく時間通りに直っている!
そんなこんなで、思ったより早く回復できたのである。
ちょっと見直したぞ、インド人。
ちなみに丸2日で修復されたのに、私が接続するのに3日かかった理由は、雷をともなう大雨のために、家が停電していたからである。
その間、BTから、
"Please retest your line"
「回線接続の確認を行ってください」
と、言ってくるのだが、したくてもできないんだってば。
あちら立てればこちら立たない国ではある。(汗
愛じゃないラブ
日本にいたときにカナダ人の知人がイギリスへ旅行へした。
彼は帰ってきて嬉しそうに、私にこう言った。
"Do you know how they say 'thank you' in England?"
「イギリスじゃぁ、ありがとうをなんて言うか知っているか?」
"No idea, Is there any other way?"
「さぁ? ほかに言い方あったっけ?」
"They say 'TA' for 'Thank you"
「『タァ』って言うんだよ」
"I've never heard of it"
「聞いたことがないわ」
そしてしばらくうちの会社では、
"Ta!"(タァ)を"thank you" 代わりに使っていた。
"thank you" から程遠い気がしたが、やけに省略されていて、おもしろかったのである。
そのときはイギリスに住んでいなかったので、いまいちぴんと来なかったが、そこから数年後、イギリスに渡る。
すると田舎で、どこの店で買い物をしても、おばちゃんもおじちゃんも、確かに言っている。
語尾に"Love"という言葉をつけて、
"Ta love"(タァ ラブ)
と言っている。"Thank you"「ありがとう」よりはかなり軽い感じのありがとうである。
店で買い物客に言ったりするところは、たぶんに
「毎度~」だとか、「おおきにどうも~」程度の響きなのではないかと思う。
"Ta"(タァ)がその程度というのは短いのでわかりやすいとして、イギリスでは、
"Love"という言葉を大変よく使う。
「愛」という意味以外で、気軽に使う場合が多い。
アメリカや日本で"My love"(マイラブ)なんていうと、もう愛あるイメージ。
ハートマークでも飛んでいるイメージだが、イギリスでは、
愛がなくとも、軽い意味合いで使う。
隣に住んでいたおばあさんが私に使っていたくらいだ。
"Could you give me a hand please, my love"
「ちょっと手伝ってくれるかね。あんた」
こんなあいさつ程度の軽い「愛」(?)ではある。
日本から赴任してきた知人のSさんは、渡英当時、彼に向かって、"My love"と言われるたびに、
「俺はおまえのラブじゃない!」と思ったそうだ。
そのほかにアメリカではあまり聞かないが、イギリスでは、「愛らしい」とか「かわいい」とかのほかに、「良い」というのを
"lovely"(ラブリー)
と表現する。
"It's a lovely house."「いいおうちだね」だとか、
"It's a lovely car."「いい車だぜ」
なんていう風に。
同じくSさんは"lovely"(ラブリー)についても、過剰反応を起こし、大の男が「ラブリー」というたびに、
「お前が『ラブリー』という顔かいっ」
と思っていたらしい。(汗)
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家の回線がつながらなくなってしまい、電話回線の修理に数日かかるそうで、友人宅から、更新しています。(Kさんありがとう)
なんせ、修理の遅いイギリスですので、」もしかしたら、数日更新が不可能になるかもしれません。 あしからず。