太っ腹な授業
十何年も前の話だが、アメリカの北東部の小学校を訪ねる機会があった。
もう何の科目だったか忘れたが、ニュース番組を作るという授業をしていた。
小学校5、6年生くらいの子供たちで、ニュースにする記事、ニュースを読み上げるニュースキャスター、ニュースの録画、インタビューなど、すべて子供たちでしないといけなかった。
私はそのニュースではインタビューをされる役だったのだが、まるで大人のような口調で、
"This is ○△□news. Today, we~"
「○△□ニュースです。 本日~」
なんて、ニュースをカメラに向かって読み上げる様は、大人顔負けで、声と顔が幼いことをのぞけば、十分にニュースとして通じるような口ぶりであった。
私はテレビに出た経験はないが、インタビューをされながらカメラを向けられると、まるで本当のテレビ収録のように思えた。
現在の日本でニュース番組を作るなんて奇抜な授業を小学校でするかどうかは知らないが、明らかに私の小学生時代にはなかった。
そんな授業があったとすれば、それはそれで日本の子供たちもきっとうまく作るのではないかと思う。
ただし、ひとつだけこれは絶対に日本では無理だろうなぁと思ったのは、テレビカメラの扱いである。
その授業で何が一番驚いたかというと、本物のテレビ局が使っているような大きなテレビカメラを、小学生がまわしていたことである。
まずそんな機材があるということに驚き、それを子供が扱っている、すなわち子供に扱わせている事実にかなり衝撃を受けた。
そのときは日本的感覚たっぷりに、子供が使って壊したらどうするんだろうと思ったが、大人用の機械を子供に使用させるアメリカの太っ腹に感動はした。
担任の先生はカメラをまわす子供に、
"Adjust focus."
「ピントを調整しろ」
"Close up zoom."
「ズームを絞れ」
などのように大人顔負けの要求を出していた。
カメラ係の子供は、レンズ越しに一生懸命収録している。
そしてつい昨日、イギリスの小学校の小学校4年生5年生の読み書きの時間に立ち会っていた。
授業の内容は
"myth"「神話」
についてで、
"Make your own story."
「自分のお話を作ろう」
というのがテーマであった。
ちょっと前から取り掛かっている学習なので、お話ができているらしく、ワードに打ち込んで脚本にしましょうと先生が言った。
ワードってPCにあるオフィスに入っているソフトであるがPCに打ち込むって、別部屋でも行くのかなぁと思っていると、なんと人数分だけ、ノートパソコンが出てきた。
少なくとも私のよりは最新で、もちろん各自に与えられる。電源は教室の壁のコンセントからそれぞれつなげられ、教室のカーペットの上はコードだらけではあった。
授業中は立って歩く子なんていないので、コードがそこらじゅうに這っていても、なんら問題もない。
ここでも驚くのだが、もちろん今の日本も小学校ではPCがおいてあると思うのだが、こんな風に寛大にノートパソコンを授業に使うのに、さっと人数分出てくるのは、太っ腹だと感心した。
しかも、小学4年、5年でだ。
そんな高価なものを子供に扱わせるのに、先生の説明がまたこれ短い。
もしこれが日本なら、
「みなさん、ふたをあけてください」
「電源を入れましょう」
「ワードを開きましょう」
「タイトルを打ちましょう」
こんな風に足並みを揃えさせる気がする。
イギリスの先生が言ったのは、
"If you have any problem, raise your hand."
「問題があったら手をあげなさい」
"If you finish, don't forget to save it."
「終わったら、保存するのを忘れないように」
これだけである。
小学生であれ、こういう自主性を養うような指導のしかたにはいつ見ても感心はする。
日本はとてもハイテクな国ではあるが、そしてそのノートパソコンは日本のメーカーだったくらいだが、肝心の日本ではこういうところは遅れている。
学校に揃えられないというよりは、子供に使わせるという太っ腹さが欧米に比べて小さいのだと思う。
そんな日本も給食は欧米に比べて非常に豪華。
はてさて、栄養を取るべきか、設備をとるべきか、究極の選択である。
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ありがとうございます。
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もう何の科目だったか忘れたが、ニュース番組を作るという授業をしていた。
小学校5、6年生くらいの子供たちで、ニュースにする記事、ニュースを読み上げるニュースキャスター、ニュースの録画、インタビューなど、すべて子供たちでしないといけなかった。
私はそのニュースではインタビューをされる役だったのだが、まるで大人のような口調で、
"This is ○△□news. Today, we~"
「○△□ニュースです。 本日~」
なんて、ニュースをカメラに向かって読み上げる様は、大人顔負けで、声と顔が幼いことをのぞけば、十分にニュースとして通じるような口ぶりであった。
私はテレビに出た経験はないが、インタビューをされながらカメラを向けられると、まるで本当のテレビ収録のように思えた。
現在の日本でニュース番組を作るなんて奇抜な授業を小学校でするかどうかは知らないが、明らかに私の小学生時代にはなかった。
そんな授業があったとすれば、それはそれで日本の子供たちもきっとうまく作るのではないかと思う。
ただし、ひとつだけこれは絶対に日本では無理だろうなぁと思ったのは、テレビカメラの扱いである。
その授業で何が一番驚いたかというと、本物のテレビ局が使っているような大きなテレビカメラを、小学生がまわしていたことである。
まずそんな機材があるということに驚き、それを子供が扱っている、すなわち子供に扱わせている事実にかなり衝撃を受けた。
そのときは日本的感覚たっぷりに、子供が使って壊したらどうするんだろうと思ったが、大人用の機械を子供に使用させるアメリカの太っ腹に感動はした。
担任の先生はカメラをまわす子供に、
"Adjust focus."
「ピントを調整しろ」
"Close up zoom."
「ズームを絞れ」
などのように大人顔負けの要求を出していた。
カメラ係の子供は、レンズ越しに一生懸命収録している。
そしてつい昨日、イギリスの小学校の小学校4年生5年生の読み書きの時間に立ち会っていた。
授業の内容は
"myth"「神話」
についてで、
"Make your own story."
「自分のお話を作ろう」
というのがテーマであった。
ちょっと前から取り掛かっている学習なので、お話ができているらしく、ワードに打ち込んで脚本にしましょうと先生が言った。
ワードってPCにあるオフィスに入っているソフトであるがPCに打ち込むって、別部屋でも行くのかなぁと思っていると、なんと人数分だけ、ノートパソコンが出てきた。
少なくとも私のよりは最新で、もちろん各自に与えられる。電源は教室の壁のコンセントからそれぞれつなげられ、教室のカーペットの上はコードだらけではあった。
授業中は立って歩く子なんていないので、コードがそこらじゅうに這っていても、なんら問題もない。
ここでも驚くのだが、もちろん今の日本も小学校ではPCがおいてあると思うのだが、こんな風に寛大にノートパソコンを授業に使うのに、さっと人数分出てくるのは、太っ腹だと感心した。
しかも、小学4年、5年でだ。
そんな高価なものを子供に扱わせるのに、先生の説明がまたこれ短い。
もしこれが日本なら、
「みなさん、ふたをあけてください」
「電源を入れましょう」
「ワードを開きましょう」
「タイトルを打ちましょう」
こんな風に足並みを揃えさせる気がする。
イギリスの先生が言ったのは、
"If you have any problem, raise your hand."
「問題があったら手をあげなさい」
"If you finish, don't forget to save it."
「終わったら、保存するのを忘れないように」
これだけである。
小学生であれ、こういう自主性を養うような指導のしかたにはいつ見ても感心はする。
日本はとてもハイテクな国ではあるが、そしてそのノートパソコンは日本のメーカーだったくらいだが、肝心の日本ではこういうところは遅れている。
学校に揃えられないというよりは、子供に使わせるという太っ腹さが欧米に比べて小さいのだと思う。
そんな日本も給食は欧米に比べて非常に豪華。
はてさて、栄養を取るべきか、設備をとるべきか、究極の選択である。
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